AgeFit研究会

The Consortium for AgeFitting: CoAFit

フォーカス

高齢者人口の増大による様々な問題を解決する為には従来の様な疾病対策だけでは不十分で、高齢者が可能な限り介護などを必要とせず自立して生活できる能力(生活機能)を高められるような支援が必要となっています。高齢者の生活機能を低下させる大きな原因が認知症ですが、身体活動の低下と認知機能の間には密接な関係があります。

認知処理の最終結果の多くは運動出力となりますので、合目的な運動を行う制御機能までが認知機能に含まれます。生活機能の視点から考えると、記憶や見当識だけでなく、其の様な運動制御機能の評価も重要です。非侵襲的な脳機能解析法である磁気共鳴機能画像法(fMRI)を使って脳活動に関する多くの知見が明らかにされて来ましたが、高齢者の運動制御機能の評価にも応用出来ます。しかし、MRI装置の中での大きな動作解析は、空間的な制限や頭部動揺による脳機能画像の質低下などの理由により困難です。

従って、フィールドでの体力測定と非侵襲的な脳機能計測のそれぞれが得意とする情報の関係を明らかにし、生活機能を維持する手法の社会実装を行うためのフレームワークを形成する研究が重要になります。

運動画像計測とは

医学の進歩により、さまざまな疾患の治療法が確立された反面、この数十年の社会生活の変化や高齢化に伴なって、健康増進のための体力作りを意識的に行わなければならない状況が生まれてきました。しかし、ひとりひとりの運動の質を客観的に評価する科学的な方法は、まだ十分に発展しているとは言えません。

競技としてのスポーツでは得点という形で成績を出します。また、作業としての運動の内容を定量的に記述することができます(今日は何キロ走った、など)。いずれも、分かりやすい指標で、目標設定としての意義が大きいことは確かですが、高得点であることが必ずしも健康増進に不可欠ではありませんし、健康状態が直接分かるわけでもありません。

本研究会では、画像を使った運動の解析を健康増進に役立てるための生体計測技術のフレームワーク作りを目指しています。モーションキャプチャによる運動解析、神経心理的な認知計測、脳機能計測が主な測定方法です。

研究会沿革 本研究会は令和3年1月には一般社団法人神経情報画像研究所主宰の研究会として再発足致しました。