2025年10月19日(日)に第6回 研究会を開催する予定です
第6回研究会は、2025年10月19日を予定しております。
参加申し込み: 以下の応募フォームより【10月17日(金)】までにお申し込みください。ZoomのURLをお送りいたします。
https://forms.gle/Mp5mk6HQaUSjXH8M8
※URLの送付は研究会開催前日の日中に行う予定です。状況によっては夕方ごろになる可能性がございます。 夜20時になっても届かない場合は何らかのトラブルが発生している可能性がありますので、デジタルコミュニケーション研究会(cmmnctn.dgtl@gmail.com)までご一報ください。
研究会趣旨:
SNSやメッセージアプリ、マイクロブログといったデジタルメディアの普及に伴い、私たちの言語使用は大きく変容しつつある。デジタルコミュニケーション研究会では、こうした変化を理論的・実証的に捉え、現代的な言語実践を明らかにすることを目的とする。
第6回研究会は「デジタルコミュニケーションにおけるバーチャルな言葉やバーチャルな存在はどう分析すればよいか」をテーマとし、「VTuber」を対象とした哲学書を上梓している山野弘樹先生と「キャラ論」「キャラ助詞」の研究でも知られる定延利之先生にご登壇いただく。
発表①:山野 弘樹先生
VTuberを「観る」とはいかなることか?——「二次元文化」と「アバター文化」の観点から
【要旨】
現在、YouTube や Twitch 等の配信プラットフォームで活躍する「VTuber」と呼ばれる存在者たちが急速に社会的知名度を獲得しつつある。とりわけ、2020 年から日本国内で始まった「コロナ禍・巣ごもり需要期」を経て、VTuber」は「バーチャルな姿を用いてインターネット上で活動する在り方」を示す一つのスタイルとして確立するに至った。ただし、VTuber によるコンテンツ(「ゲーム実況」や「雑談」、「歌枠」等)を視聴するときには、独特な問題が生じる。まず、彼ら/彼女らは(典型的には)「中の人」の姿を画面上で提示することはない(即座に付け加えねばならないが、逆に「VTuber なのに生身を見せる」というギャップ自体も今日コンテンツとして盛んに活用されている)。だが、同時に、彼ら/彼女らは(いわゆるアニメやビデオゲーム作品に登場するような)フィクショナルキャラクターでもない。こうした意味で、VTuber を「観る」という経験は、実在のストリーマーを「観る」経験とも、アニメのようなフィクショナルキャラクターを「観る」経験とも異なるものであるだろう。それでは、私たちは VTuber を「観る」とき、どのような仕方で想像力を働かせているのだろうか? こうした点について、本発表においては、美学者の松本大輝が提唱する「フィクショナルキャラクター説」を援用しつつ、 「VTuber を観る」という経験が「アニメを観る」という経験とどのように異なるのかを明らかにすることを試みる。
発表②:定延 利之先生
デジタルコミュニケーション研究とキャラ
【要旨】
この発表では、デジタルコミュニケーションの研究において「キャラ」という概念発想がどのような効果を持ち、またどのような限界を持つのかを論じる。発表の前半では前提として、用語「キャラ」を計3種(①いわゆる登場人物、②マンガの登場人物の基本的な描画パターン、③状況によって変わる人物タイプ)に大別した上で、そのうちの1種(③、これは20世紀末に当時の若者たちが作り出した和製英語で、その後定着)を発表者がコミュニケーション分析に持ち込んだ趣旨(言語研究に蔓延する過剰な機能主義・スタイル万能主義への批判的検討)を紹介する。後半では、デジタルコミュニケーションの特徴を挙げ(発信者の素性・身体と言語の分離しやすさ)、「キャラ」という概念発想が「状況次第で自分が変わってしまう」という人々の悩みに寄り添う上では効果を発揮するが、特に遊びの文脈での言語分析では「スタイル」と重なり、効果を発揮しにくい場合が少なくないことを論じる。
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日時: 2025年10月19日(日)13時〜
会場: オンライン(Zoom)
参加費用: 無料
タイムテーブル(予定):
13:00〜 開会・趣旨説明・発表者の紹介
13:10〜 ご発表①(山野先生):発表(60分)
14:10〜 質疑応答(15分)
14:25-14:40 休憩(15分)
14:40〜 ご発表②(定延先生):発表(60分)
15:40〜 質疑応答(15分)
15:55〜 全体質疑・意見交換(30分, 最大45分)
※質問が多数寄せられた場合、最大で〜16:30まで延長する可能性があります。