「悟堂の足跡」全文公開 にあたり
「悟堂の足跡」全文公開 にあたり
千葉県野鳥の会 会長 富谷健三 2026年1月
千葉県野鳥の会 会長 富谷健三 2026年1月
皆さんは中西悟堂という人をご存じでしょうか。
現在は、私たちのように多くの人が野鳥観察を楽しみ、みだりに野鳥を捕獲できないように法律も制定されています。しかし、少し前までは、日本中で普通に野鳥を捕まえて食べていました。「愛鳥家」とは、野鳥を捕獲して籠に入れて飼育する人のことでした。そんな時代に「野の鳥は野に」と主張し、今では当たり前に使われている「野鳥」という言葉を作り、そして野鳥観察の文化として「探鳥」という言葉を作り、野鳥保護、自然保護を訴えたのです。「日本野鳥の会」の創設者であり、「千葉県野鳥の会」も中西悟堂の活動に触発されて生まれたものです。
そんな中西悟堂の存在が次第に忘れ去られつつあるのはとても残念なことです。弊会では、会報「房総の鳥」に波乱万丈な悟堂の歩みを連載し、2020年にそれをまとめて刊行いたしました。決して十分なものではありませんが、悟堂について、一人でも多くの方に知っていただきたくHPに掲載することにいたしました。この冊子の作成及びHPへの掲載にあたっては、中西悟堂ご長女の小谷ハルノ様より肖像権などのお許しをいただいた上、資料のご提供などさまざまなご助力をいただきました。心より感謝いたします。
日本では、悟堂により野鳥観察という文化が定着し、無分別な野鳥の乱獲は見られなくなっているものの、社会は経済活動を優先して動き、地球温暖化や生物多様性の喪失などが確実に進んでいます。今一度、中西悟堂の声に誰もが耳を傾ける必要があると思います。
(歴史上の人物ですので敬称は略させていただきました)