日本小脳学会


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日本小脳学会 第12回学術集会・総会のご案内

第12回の日本小脳学会の大会を主催する新潟大学脳研究所の小野寺です。

コロナ禍で迎えた2022年はGordon Holmes博士がヒトの小脳症状を Croonian Lectures to the Royal College of Physiciansにて報告してから100年めにあたります(https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0140673600948591)。この100年で、我々は、小脳について、多くの事を学んできました。その中で日本は、基礎、臨床ともに、大きな貢献をしてきました。約半世紀前に、伊藤正男先生らによって、小脳の基本的な回路構造に基づいた機能モデルが示され、矢倉らにより、脊髄小脳失調症I型がHLAに連鎖する事が報告されました。これらの先駆的な研究は、本邦が、小脳研究の世界を牽引してきたことを示しています。脊髄小脳失調症I型の遺伝子が 1994 年に単離されたことを皮切りに、1996年、本邦からSCA3とDRPLAの遺伝子の単離が報告されるに至りました。これから、1/4世紀が経過し、ようやく、これらの疾患に対する様々な治療研究が進められる時代となっています。また最新の小脳生理学から、小脳症候学の革新を目指した、融合的な症状の評価研究や、ヒトの小脳機能の理解を深める研究も進められています。

日本小脳学会は、まだ、若い学会ですが、小脳に関する、基礎から臨床までの研究者が介する唯一の学会です。国際的に観ても、小脳の生理学から臨床まで一望する学会はありません。その意味では、大変貴重な学会です。コロナ禍で、学会のあり方自体が大きく変貌する中、本学会も完全Webで行ないます。しかし、Webでの学会は、多忙な毎日の中で、参加の敷居を低くしています。今回も参加は無料です。外来や、会議の合間に、覗いてみることも可能です。小脳の、基礎と臨床研究の最先端を覗き、その融合から、新しい、研究が展開される一助となる場となることを願っています。

2022年1月吉日

日本小脳学会 第12回学術集会・総会 大会長

新潟大学脳研究所長

新潟大学医歯学総合病院 副病院長

脳神経内科教授


小野寺 理