2011年1月にスタートした小脳研究会の学術集会・総会は、毎年厚生労働省の運動失調症の研究班会議と一緒に開催され、2020年2月15日に第10回の記念すべき開催となりました。この時、初めて研究班会議とは別になり、かつ小脳システム研究会と合同で開催されました。お陰様で、患者会である全国SCD・MSA友の会の皆様にもご出席いただき盛会の内に終えることができました。
小脳研究会は、「小脳ならびに小脳障害の分子メカニズムと病態生理を解明し、小脳障害の真に有効な治療法を開発するには、臨床医や基礎研究者を中心とし、産業界や行政をも含めて緊密に交流し、連携を進める」ために、「広く小脳と小脳障害に関心を持つ基礎研究者、臨床医、ならびに関係各位」に呼びかけて始まりました。
また、小脳システム研究会は、「実験研究と理論研究に臨床研究を加え、小脳を含む脳システムの働きを解明する」ことを目的に、「既存のプロジェクトに縛られない、各自の興味や経験に基づき、自由に議論する」場を求める声によって始まりました。
2月の小脳研究会の世話人会議では、目的を共有する小脳システム研究会と統合し、日本小脳学会として活動するのが良いということになりました。臨床系には日本パーキンソン病・運動障害疾患学会があり、運動失調症も含まれますが、小脳は認知機能にも関係しており小脳とその疾患・障害を対象とする学会があることは、小脳疾患に苦しむ患者さんにとっても大変有益なことと思われます。
今回、小脳学会としては初めて、小脳研究会からは通算で第11回目の学術集会を開催いたしますので、小脳とその疾患・障害に関心のある基礎・臨床研究者、臨床医、患者・介護者、産業界、行政など全ての関係者の皆様には奮ってご参集下さい。
2020年12月吉日
日本小脳学会 代表
国立精神・神経医療研究センター 理事長
水澤英洋