2011年7月3日から10日まで北海道の厚岸町において、CECAMプロジェクトのフィリピン側・日本側の主要メンバーが一堂に集い、主に以下の4項目について活発な議論を行いました。(1)次回の合同調査の詳細について、(2)調査項目間の連携の向上について、(3)プロジェクト計画の運用再考について、(4)第一回CECAMワークショップで決定した主要案の実行について。なお、本会合のホストは北海道大学北方生物圏フィールド科学センター厚岸臨海実験所所属の仲岡雅裕教授であり、参加したメンバーは以下の通りです(敬称略)。灘岡和夫、宮島利宏、梅澤 有、中村洋平、田中義幸、練 春蘭、本多健太郎、塚本栄子、Miguel Fortes、Ma. Lourdes San Diego-McGlone、Cesar Villanoy、Wilfredo Campos、Wilfredo Uy、Ariel Blanco、Eugene Herrera。
厚岸滞在中は、実験所内で行われたミーティングだけでなく、同実験所周辺を視察したり、厚岸近郊のフィールド探索にも出かけました(別寒辺牛川でのカヌーイング、海草藻場観察、森林保護区でのオリエンテーション、環境省事務所訪問などなど)。これにより、参加メンバーは、海草藻場や潮間帯に代表される沿岸域の生態系モニタリング手法やそれに用いる機材についての理解を深めることができ、同時に生態系保全の促進につながる知見を得ることができました。室内ミーティングでは、プロジェクト目標達成のための統合的アプローチの導入についてや翌9月の合同調査の計画の詳細について、また、IDSSやCCMSの導入・設立方法について議論しました。さらに、メンバーそれぞれの研究項目に特化した課題や研究項目間の連携方法についても話し合いました。
なお、フィリピン側のメンバーは、厚岸の他にも東京大学大気海洋研究所および東京工業大学の灘岡研究室を訪問・視察しました。
今回の厚岸会合はこれまでにないリラックスした雰囲気の中で行われたこともあり、参加メンバーの間には単なるプロフェッショナルな関係を超えた信頼関係が生まれたことでしょう。厚岸会合の様子はデータベース内の「CECAM Project Meeting in Akkeshi, Japan Pictures July 2011」をご覧下さい。