流鏑馬(やぶさめ)は、疾走する馬上から鏑矢(かぶらや)を射る、弓術と馬術が融合した武道的・神事的な儀礼です。穀物豊穣・万民息災・病気平癒・天下泰平などを祈念して行われるもので、古代から「武と神とを繋ぐ技」として伝えられてきました。
馬に乗りながら急ぎ走り、的を射る「人馬一体」の迫力ある動きは、見る者に強い印象を与え、今なお各地で奉納や観覧行事として継承されています。
この行事が東京・多摩地域の中核をなす都市、八王子市で行われていることには、地理的・歴史的な意味があります。
八王子には、今から千年ほど昔、「馬を飼育・放牧・備える」文化があった地域として、弐分方町一帯に朝廷直轄の牧場「由比の牧(ゆいのまき)」という、馬の放牧地であったという記録があります。歴史の息吹を感じられるこの街で、躍動溢れる勇姿を披露し、それを拝見することは、とても深い意味があると言えます。
本行事「八王子流鏑馬」は、2015年(平成27年)に地域文化振興および地域の誇りの拡大を目的にスタートしたものです。
会場には、馬が走るための広い芝生やゆったりとした景観がある場所が選ばれており、観覧者にも地域の自然や風景を感じていただけるよう工夫されています。2025年第8回開催まで例年9〜10月に開催されてきましたが、2026年第9回から5月の開催となりました。
馬上から疾走して矢を射る、迫力ある騎射の瞬間。馬と射手が一体となって駆け抜ける馬場では、一矢一矢に込められた「静」と「動」の緊張感を肌で感じることができます。予選・本戦の勝ち上がり式を採用しており、本戦まで勝ち進んだ騎手が射抜いた的は、縁起物である「あたり的」として、本祭にて運営資金のために販売いたします。
また、武者姿の射手(狩装束・古武道装束)が登場し、歴史を想起させるビジュアル。居合・抜刀術、和太鼓、新舞踊など、武術や郷土芸能と結びついた多彩な演舞が会場を盛り上げます。
キッチンカーや飲食・物販ブースなどの出店もあり、「味覚」「休憩」「交流」の場が整えられています。芝生の広場で食を楽しみながら文化に触れることができるほか、観覧・見学・体験も可能な環境です。ポニーのふれあいコーナーなど、子どもやご家族連れにも配慮された企画もあり、どなたでも伝統文化を身近に感じていただけます。
出店をご希望の企業・団体・商店の方は、お問い合わせページからお申し込みください。出店内容(飲食販売・物販・体験型ブース等)や設営位置、および設営時間・ブース料・電源使用などの条件については、ご応募いただいた後に詳細をご案内いたします。
会場は 片倉つどいの森公園(東京都八王子市)を主なロケーションとし、開放感ある芝生の広場で開催されます。なお、会場内は駐車場の利用ができませんので、公共交通機関または自転車・徒歩での来場を推奨しています。