スワンたちとばったり出会ってから、2週間ほど。あの後特に戦闘などはなく、無事に道中を進むことができた。そして・・・・
クラン「あの河を超えれば明だ」
フェア「やっとー?はぁ、もう疲れたー!」
フレイン「情けないわね、これぐらいで」
フロウ「そうですよ!ちゃんとたまにはベッドで休めてたのに!」
フェア「たまに、でしょー!?毎日ベッドで寝たーい!」
ルー「(´・ω・)」
クラン「無理」
フェア「だよねー・・・・・はぁ、旅するってこんなに疲れるものなんだ・・・正直舐めてたわー」
蝶よ花よと育てられてきたフェアにとって、こうやって長距離を旅するというのはかなりつらいものだろう。俺は小さい頃から自分で狩りをしたりしてたし、フレインはそもそも野生児だ。ルーも狩猟民族で、フロウもあの環境を独りで生きぬいてきた猛者だ。
クラン「それじゃあ、さっさと向こう岸にわたって、街を探そう。そろそろ消耗品の補充もしたいし」
フロウ「魔法で物を作るにも限度がありますもんねー」
フェア「周りに人がいないこと確認してから、人化の魔法解くから、確認を・・・・・」
「そうはいかないな!」
突如、大きな黒い影が地面を移動する。
クラン「この声は・・・・・」
いつものあいつらがお出ましか。
フレア「燃える炎のフェニックス、フレア!」
カレア「白く輝くカラドリウス、カレア」
いや、毎回言われなくても知ってるって。・・・・そういえば、フェアはこの二人に合うのははじめてだったか。一応紹介を
「緑に轟くサンダーバード」
え?
ルルト「ルルト!」
「不死鳥旅団、参上!!!」
フレイン「は?」
ルー「(*‘∀‘)」
フロウ「わ!」
フェア「?」
クラン「・・・・・・ルルト?」
いったいなにがあったんだ。
フェア「えーと、クラン?あれはいったいなに?」
クラン「えっと、あれは確かもともと旅するお笑いコンビだったんだけど」
フレア「誰がお笑いコンビだ!」
カレア「そうですよ!笑われてたのはフレアちゃんだけです!」
フレア「カレア!?」
フェア「ああ、なるほど。ああいう」
フレイン「・・・・・ルルトが加わってお笑いトリオに?」
ルルト「お笑いじゃないよ!まったく、失礼しちゃうな」
フロウ「ルルトお姉ちゃん、お久しぶりですー!」
ルー「(*'ω'*)」
ルルト「ひさしぶり、フロウ、ルー。元気にしてた?」
フロウ「はい!」
ルー「(>_<)」
ルルト「うん、大丈夫そうだね」
クラン「さて、それじゃあ俺たちは先を急ぐから」
フレイン「またね」
フレア「じゃあなー!」
ルルト「って待ってよ!フレア、なんで送り出すんだよ!」
フレア「・・・・・しまった!そうだった!」
カレア「フレアちゃんは相変わらずだね」
クラン「ああ、見ていて安心するな」
フレイン「いつまでもそのままのあなたでいてね」
フレア「そ、そうか?そう言われると悪い気もしないな」
フェア「いやいやいや、あなた馬鹿にされてるのよ」
フレア「えっ!?」
カレア「違います!バカにしてるんじゃなくて元々バカなんです!」
フレア「カレア!?」
フェア「酷い言い草ね!?」
ルルト「あー、これもいつも通りなんだ。君が知らないだけでね!」
ルルト「君だけが!知らない!だけでね!」
フェア「・・・・・・クランー、あいつ殴っていいー?」
クラン「返り討ちにされるからやめなさい」
話を聞くと、ルルトはあの後行く当てもなくさまよっていたところをこの二人に発見され、もともと勧誘を受けていたということもあって不死鳥旅団(笑)に入団したそうだ。
カレア「電撃浴びせて飛び出してきた矢先、戻るに戻れないしで途方に暮れてたんですよ」
ルルト「カレア!?それは秘密だって言ったよね!?」
カレア「ファイスさんの勧誘に失敗して意気消沈していたフレアちゃんもこの申し出に大喜びで三日三晩翼が燃えてて寝不足になるぐらいでした」
フレア「それは言わなきゃいけないことか!?」
フェア「あー、うん。なんとなくこの子のことがわかったわ」
ルルト「あー、こほんこほん。そろそろ本題に入っていいかな?」
フロウ「ルルトお姉ちゃん、風邪なんですか?あんまり無理しない方が・・・・」
ルルト「純粋な目線が痛いけどそういうことじゃないんだよねー」
フレア「えっ!?風邪なのか!?」
ルルト「もう!話が進まないじゃん!」
カレア「クランさんをかけて決闘しにきたそうです」
クラン「は?」
ルルト「何で言っちゃうの!?」
カレア「話を進めたかったんじゃないですか?」
ルルト「それは、そう、だけど・・・・」
ルルトがたじたじしている。やはりあの中ではカレアが一番侮れないな。
フェア「決闘って、いったい誰と?」
ルルト「しらばっくれるんじゃないよ。君だ!」
フェア「・・・・・・私?」
ルルト「そうだ!僕と同じく、クランと契約した君!名前は?」
フェア「フェアよ」
ルルト「よし、フェア!君に決闘を申し込む!」
フェア「お断りよ」
ルルト「勝った方がクランを・・・・え?」
フェア「私にそれを受けるメリットがないじゃない」
ルルト「あー、えー、うー・・・・」
フェア「そもそも一方的に人をかけて決闘するとか本人の了承も得てないのに無茶苦茶だと思わないの?それでよくもまあ私が受けると思ったわね」
ルルト「・・・・クランー!何とか言ってよー!」
クラン「ルルト、決闘の前に一つ聞きたいことがある」
ルルト「え、なに?」
フェア「ちょっと!なんで乗り気なのよ!」
クラン「俺は不死鳥じゃないんだが、大丈夫か?」
フレア「ああ!クランっていうのは鶴のことだろ?だからクランは実質鳥だ!」
カレア「ごめんなさい、これがフレアちゃんなりに一生懸命考えた理由なんです」
フレイン「不死要素はどこに?」
ルルト「・・・・・・・・と、とにかく!構えろ!」
フェア「嫌よ」
ルルト「なんでー!?」
フェア「あなたが私と同じ立場ならこの決闘を受けるの?」
ルルト「当然!挑まれたのに答えないなんて失礼だ!」
クラン「あ、フェア。こいつ大概脳筋だから問答は無駄だよ」
フェア「ええ、そうみたいね」
ルルト「クランまで僕の扱いひどくない!?」
フレイン「いえ、いつもどおりだけど」
フロウ「前からこんな感じでしたよね」
ルルト「うーーー!」
クラン「さて、いきなりこちらは準備も何もしていない状態で決闘と言われても俺たちは非常に不利だ。そう思わないか?フレア」
フレア「確かにそうだな。こっちは決闘する気満々だったから昨日からタップリ準備してきたし」
カレア(また乗せられてる・・・・)
クラン「だから、決闘をする人員はこちらで決めさせてもらっていいか?」
カレア「私は戦えないのでダメですー」
クラン「その点は大丈夫だ。そっちは要望通りルルトが」
ルルト「そりゃそうだよ!」
クラン「で、こっちはフェアの代わりを立てる。フェアも直接の戦闘は苦手だしな。これに関して異論は?」
ルルト「へ?もしかして、クランが僕と?言っとくけど、手加減はしないよ?」
クラン「手加減はいらないさ。異論はない、ってことでいいか?」
ルルト「うん、いいよ。僕も一方的に弱い相手をいたぶる趣味はないし」
フェア「なんかとんとん拍子に話が進んでいくんだけど」
フレイン「あの子、単純なのよ。鳥だから」
ルルト「フレイン、聞こえてるよ」
フレイン「反応せざるを得ないのよ。鳥だから」
ルルト「鳥で悪いか!」
フロウ(やっぱりフレインお姉ちゃんとルルトお姉ちゃんは仲いいですね。やりとりが熟年のそれです)
クラン「よし、じゃあ決闘を始めよう」
ルルト「へへっ、クランとやるのはいつぶりかな。負けないよ!」
フレア「ルルトー!やるからには負けんなよー!」
カレア「ちょっと待って、別にクランさんは自分がやるって言ってないよ」
ルルト「・・・・・・・・ん?」
クラン「うん、俺は別にルルトと戦う気はない」
ルルト「へっ?じゃあ誰が?フレイン?」
フレイン「何で私なのよ」
クラン「じゃ、ルー。がんばっておいで」
ルー「(>_<)」
ルルト「・・・・・・・・へ?」
ルルト「いやいやいやいやいや!待ってよ!ルーちゃんが相手!?無理無理無理無理!」
クラン「さあ、手加減は無用だ!ルー、好きなだけボコれ!」
ルー「( ・ω・)/」
ルルト「ルーちゃんを殴ったり蹴ったりなんてできるわけないだろ!?」
クラン「代わりを立てることに異論はないんだろ?」
ルルト「だって相手がルーちゃんになるなんて思わないじゃんかぁ!」
フレア「いやでも、ルールには則ってるし・・・・」
カレア「勝手な思い込みをしてたのルルトさんですもんね」
ルルト「そうだけどぉ!」
ルー「(*^▽^*)」
フロウ「いけー!ルーちゃん、がんばれー!」
フレイン「ぼっこぼこのめっためたにしてやりなさい!」
ルー「<`ヘ´>」
ルルト「いやいやいや!なんでそんな僕へのヘイト高いのさ!」
クラン「さあ、ルー。遠慮はいらないよ。ルルトは君を受け止めてくれるさ」
ルー「( ・ω・)」
ルルト「くっ、や、やってやる・・・・相手がルーちゃんでも、関係ない!」
ルー「(/・ω・)/」
ルルト「・・・・・・・・」
ルルト「ごめん、無理。参りました。ルーちゃんと戦いなんてできない。許して」
クラン「さて、いつも通り決闘に勝ったからにはなんでも一つ言うことを聞いてもらうはずだったが」
フェア「なにそれ、私聞いてないんだけど」
ルルト「や、優しくね?あんま無茶言わないでね?」
クラン「手伝って欲しいことがある」
フレア「ん?なんだ?」
クラン「ルーの声を治す医者を探しているんだ。なにか情報があれば教えて欲しい」
翼を持ち、どこへでも飛んで行ける彼女らなら何か知っているかもしれない。そんな淡い期待を抱いて聞いたみたのだが。
フレア「そんなのいたら、あたしらが教えて欲しいよ」
フレイン「え、どういうこと?」
ルルト「あー、えっと、僕ら、というよりフレアとカレアが旅をしてる理由なんだけどさ」
カレア「私の眼を治せるお医者さんを探してくれてるんですよ、フレアちゃん」
フェア「眼、ってなにかあったの?」
フレア「カレアは生まれつき目が見えないんだ。不死鳥っていっても再生能力が高いだけで生まれつきの病気とかはどうしようもない」
ただの友達集団かと思っていたが、そうでもなかったんだな。思っていたよりちゃんとした理由だった。誰かのために旅をするというのは、ルルトにもあっているのだろう。彼女ももともと俺のために付いてきてくれていたんだ。だからこそルルトはあの二人を手伝うことにした。行き場がなかったと言うのもあるだろうが。
ルルト「だから、それを治せるような凄腕の医者を探してるんだ。・・・・でも、ルーちゃんもそうだったね」
ルー「・・・・・・・・」
フロウ「やっぱり、ルーちゃんとお話するのは難しいんでしょうか・・・・。私、ルーちゃんとも沢山おしゃべりしたいです」
ルルト「ま、こっちも乗り掛かった舟だ。カレアの件もあるし、探せる範囲で探しておくよ」
クラン「ああ、凄く助かるよ。俺たちの方でも聞いて回ってみる」
人手が増える、というのは単純にすごく助かる話だ。それが世界中を飛び回る彼女らというのなら、もはや百人力だ。
ルルト「それじゃあ、しばらくはクランのことはあずけるから!だけど、僕は諦めたわけじゃないからな!」
クラン「あずけるって・・・・」
フェア「ええ、わかったわ。また会いましょう、ルルト」
フレイン「元気でね」
フロウ「ばいばーい!」
ルー「(´・ω・)ノシ」
クラン「それじゃあルルト。よろしくね」
ルルト「そっちこそね」
フレア「なんか情報掴んだらすぐ知らせにくるからな!」
カレア「探すの私なんだけど・・・・・そういうことですから、クランさん。よろしくおねがいします」
クラン「ああ、任せてくれ」
なんにせよ、ルルトが元気そうでよかった。いつかは彼女に対して何かしらの言葉を伝える必要があるのだろうが、しばらくはこのままがいい。俺だって、よくわかっていないのだから。