妖精の森を旅立ち、1週間ほど。俺たちの目の前現れたのは
ワグラエル「やっほ~、みんなのアイドルワグラエルちゃんですよ~」
フロウ「あ、いつかのお姉さん」
またお前か。
クラン「そろそろ着け狙うの止めないか?こっちも面倒なんだが」
ワグラエル「そうは言われても、私は私のお仕事があるしね~」
向こうがこっちに接触を図ってくるということに何かしらの意図があるということは理解している。理解しているのだが。
フェア「・・・・・誰?」
フレイン「ストーカーよ」
ワグラエル「ヒドイ言われようだな~。じゃあ改めまして、あたしは熾天使ワグラエル。君たちを浄化しにきたものだよ~」
フロウ「浄化って?」
ワグラエル「魔に染まった魂の解放のことだよ~」
クラン「簡単に言えば殺しに来たってことだ」
フロウ「ええ!?」
実際にこいつに殺されたことは一度もないんだが、結局なにがしたいのかよくわからない。表情も変わらないし、考えが全く読めないんだよな。
ワグラエル「あれ?そういえばサンダーバードのあの子は~?」
クラン「あー、いろいろあって、離脱中」
ワグラエル「なるほど、痴情のもつれか~」
フレイン「あんた知ってるでしょ」
ワグラエル「いえいえ~、あんな好き好きオーラ全開な娘が離脱するなんてそれくらいしか思いつかないからね~」
フレイン「・・・・まあ、わかりやすかったといえばわかりやすかったけど」
ルー「(*゚▽゚)*。_。)*゚▽゚)*。_。)」
フロウ「ぶっちゃけ気付いてなかったのおにいちゃんぐらいでしたよね」
クラン「・・・・・マジか」
この鈍感なところは直していかないといけないところだ。しかし、どうやって矯正すればいいのかはわからないが。
ワグラエル「んじゃ、いつもどーり記念に一発撃たせてあげるよ~」
相変わらずの余裕、だがあれはそれ相応の実力を持っているから。だから必ず、ヤツにダメージを負わせる一発をぶつけなければならない。
クラン「しかし、バッファーはかき消されるし半端な魔法は効かないし、実際問題有効打が未だに思いつかないのも事実だ」
そのために武器を用意したのだが、こうも身構えられている状態ではすべて叩き落されそうだ。使うべきは今ではない。
フレイン「一発で仕留められるような魔法があればいいんだけど・・・・」
フロウ「ありますよ?」
クラン「え?」
ワグラエル「へぇ」
フロウ「これ、手加減できないし前までは自分もダメージ喰らってたから使ってなかったんですけど、今なら大丈夫です」
ワグラエル「それじゃ、撃ってみな~」
フロウ「はい!全力でいきます!」
フロウの力が強大なことは知っているが、どれほどの威力なのか。ワグラエルなら死にはしないだろうし、今の内に確認はしておきたい。
フロウ「右手で『ジャックプロミネンス』を」
フロウ「左手で『アブソリュート・フリーズ』を」
フロウ「両方を、撃ちこむっ!!!」
ワグラエル「!」
フロウ「必殺!『アンノウンフレア』!!!」
熱と冷気の光線が同時に相手にあたる。相手の身体の内側で激しい温度差が発生し、それにより体組織を崩壊させる魔法のようだ。
ワグラエル「ん~、確かにこれは喰らったら結構まずいね~。ほら、翼がキンキンに冷えてるし、翼が熱々だし」
フロウ「・・・・・あれ?」
ただ、ワグラエルは魔法耐性が高い上に6枚もある翼の左右1枚づつで受けたので思ったようにはダメージが通らなかったようだ。
フェア「幻惑の粉!」
ワグラエル「ウィンドミル~」
フェアは多種多様な鱗粉を羽から出すことができるが、風の聖法ですべて吹き飛ばされてしまう。
ワグラエル「さてさて。もう終わりかな~?」
クラン「参ったな。相変わらず勝ち筋が見えない」
フレイン「こちらの攻撃に対して全て打ち消すようにしてくるしね。向こうが受けきれないほどの攻撃ができれば別なんだけど」
聖力によるバリアや、向こうの攻撃を打ち消したうえでさらにダメージを与える、そんな魔法なんて・・・・
ルー「( >_<)」
ズドン
ワグラエル「あぐっ!?!?!?!?!?」
一瞬の内にワグラエルの右肩、そして二枚の翼に大きな穴が開いていた。全く見えなかったとか、そんなものじゃない。あのワグラエルが対応する暇さえ与えられずに傷を負ったのだ。そして、それは
ルー「( >_<)」
言葉を発さない、小さな少女によって行われた。
ワグラエル「い、今のは・・・・き、君は、いったい・・・・・」
ルー「(´・ω・)」
クラン「ルー、一体なにをやったんだ?」
ルー「(*'▽')」
そう聞くと、ルーは両手の内側に水を作り始めた。そしてそれを、手の内側に留めている。
ワグラエル「な、なる、ほど・・・・水を高圧で撃ちだしたわけか・・・・しかも、念のためかけてた結界を貫通して・・・・」
しかし、それでもわからないことがある。先ほどの攻撃は、軌跡が一切見えなかった。ただ超スピードで飛ばしただけではないように思える。
ワグラエル「こ、これはちょっと分が悪い、かな~。死にたくないし、退散退散~」
そういうと、ワグラエルはどこかへと転移してしまった。初めてワグラエルを追い払うことができた、のだが・・・・・
フレイン「すごいじゃない、ルー!あんたの大勝利よ!」
ルー「(*'ω'*)」
フロウ「可愛い顔してやりますね!」
フェア「結構侮れないのね」
いや、今は勝利を喜んでおくか。
クラン「流石はルーだね」
ルー「(*'▽')」
クラン「よし、じゃあ今日はちょっと豪勢な飯にするか!」
フェア「あっ、手伝わせて!ていうか料理教えて!」
フレイン「!?」
フロウ「ルルトお姉ちゃんとかフレインお姉ちゃんがいまいち攻め切れないとこってこういうとこだと思います」
フレイン「だ、だって、火とか怖いし・・・・」
ルーはどういう力を持っているのか。そういうのは向こうが分析してくれるだろう。俺にできることは、彼女が笑顔でいられるよう守ることだけだ。
クラン「うーん、ルーは力の制御とかって習った?」
ルー「(・ω・ )≡( ・ω・)」
クラン「だよなぁ、そんな年じゃないもんなぁ」
フロウ「いやいやいや、ルーちゃんこう見えて12歳、私より年上」
フレイン「12だったらそれなりの訓練とか受けてていいものだと思うけど・・・・」
ルー「( ;ω;)」
フェア「わわっ、どうしたの!?」
クラン「いや、泣かせるつもりはなかったんだ。ごめんね、ルー」
ルー「( ;ω;)」
ルーがどうして泣いているのかはわからないが、なにか思うことがあったのだろう。
クラン「・・・・・そういえば、ルーの声の件に関しては何も考えてなかった」
フレイン「そういえばそうね。かわいいし意思疎通はできるしこのままでいいかなって正直思ってたけど」
ルー「(; ・`д・´)」
フェア「ちょっとちょっと、2人ともー?」
クラン「まあ、ルーのこれを治せるような医者を探すこともしないといけないわけだ」
フロウ「それって、すっごく果てしない話ですよね。雪山で落としたガラス片を見つけるみたいな」
フェア「喩えが独特ね・・・・・こほん、そういうことなら情報収集よ!」
クラン「そうだな。つまり、人が多く集まる場所に行かないと」
フレイン「つまり?」
クラン「人が多く集まる、シルクロードの出発点。支那だ」
今現在、あそこは明という国だったはず。ジパングへ向かうにしても通った方が行きやすいはずだ。
クラン「ここからそう遠くないはずだし、1ヶ月ぐらいで着くと思う。途中の街でも情報を集めながら進もう」
フロウ「ルーちゃんとお話いっぱいしたいです!」
ルー「(`・ω・´)」
フェア「明か~、どんな国なんだろ?東から来た妖精って見たことないしなぁ」
フレイン「私は自分の住処の森から出たのすらはじめてよ。おかげで何度も死にかけたわ」
クラン「お前は自分で着いてきたんだろ」
フレイン「そうね。ルルトがいない今なら存分にアタックできるわ。ね、クラン。今夜あたりにでも・・・・」
フェア「はーいストップー。子どもたちも見てるんだからそういう話はしない」
フレイン「ちっ、こっちがいたか・・・・」
フロウ「なんの話だろうね?」
ルー「( ・ω・)?」
クラン「さあ、行こう!目指すは明の港だ!そこが一番人が多く交流する場所だ!」