ルルト「ここが妖精の森かぁ」
聖人スワンとの戦いから2週間ほど、俺たちは目的地である妖精の森に到着していた。
ルー「(*‘∀‘)」
フレイン「なんでしょう、どこか心地いい空気・・・・」
フロウ「ワクワクするっ!」
クラン「・・・・・妖精はどこにいるんだ?」
フレイン「隠れているんじゃないかしら。妖精ってけっこう警戒心の強い種族だし」
クラン「なるほどね、じゃあ・・・・魔力探知!」
魔力の波を周囲に放ち、その消え方で魔物を探知する魔法。なのだが。
クラン「・・・・あれ?おかしいな、反応が一切ない」
魔物である以上、魔力を吸収してしまうのだからこの探知から逃れる方法なんて―
クラン「いや、あるにはあるか」
魔力の波に合わせて魔力の波を返す。そうすれば探知を逃れられるってサーナさんが言っていたはずだ。
ルルト「よっし!ここはボクが!」
フレイン「この自然だらけのところでどうやって探すのよ」
ルルト「うぐっ」
フレイン「自然だらけ、なら私の独壇場だわ。さあ、木よ草よ、妖精たちはどこにいったのかしら?」
そうして、フレインは目を閉じて
フレイン「そこね」
「わぎゃっ!?」
ツルを伸ばして、妖精の一人を捕まえた。
フレイン「いきなりごめんなさいね。隠れてる理由を聞きたくて」
「くっそ、はなせ!ぶっとばすぞ!」
クラン「・・・・この子、シルフか?いや、女型だからシルフィードか」
エア「おっ、よく知ってるな!あたしはシルフィードのエア!さっさと放せ!」
風の精霊、シルフ。四大元素の1つを司る精霊で、妖精の近縁種だったはずだ。悪戯好きではあるが、比較的大人しい性格だとは聞いてるが・・・
エア「さっさと放さないと大嵐を呼ぶぞ!さあ、放せ!」
何事にも例外というものはあるようだ。あまり暴れられても困るので、フレインに開放するように促す。
クラン「えっと、エアちゃんだったか。いきなりごめんね」
エア「おお!ちゃんと謝るやつはきらいじゃない!ちょっとびっくりしただけだから大丈夫だ!」
結構寛大な性格なのか?口調とは違って心根はやさしいのかもしれない。なら、質問ぐらいも許してくれるのではないだろうか。
クラン「それで、会っていきなりでなんだけども、この妖精の森の中で立場が上の方の人と知り合いだったりしないかな?」
フロウのことをなんとかするためとはいえ、偉い人の許可をとってからことを行わないと後でどうなるかわからない。やはり予め話は通しておかないといけないだろう。彼女にコネがあるといいんだが・・・
エア「うん?じゃあフェア様だな!妖精の女王、ティターニア!・・・・の、娘!要はこの森の姫だ!」
いきなりものすごく飛んだ気がする。もっとこう、領主的な人とかそういうのを期待してたんだけど。とはいえ、渡りに船だ。是非ともおねがいしようじゃないか。
クラン「それじゃあ、案内してもらってもいいかな?」
エア「いいぜ!感謝しな!」
ルルト「なんかうまくいったみたいだね」
フレイン「とんとん拍子に話が進んでいくわね」
フロウ「もうすぐ私、魔法を打ち放題になるんだね!」
ルー「(*‘∀‘)」
・・・・なんだか、すごく勘違いされてる気がする。仮にこの森の土地を貸してもらえたとしても、まだ必要なものはそろってないんだよな。
クラン「で、どうしよう。もうひとつの道具についてはどこにあるのか一切わかってないんだけど」
ルルト「あの期待に満ちた顔は裏切れないよねー。・・・・よし、決めた!」
クラン「え、何を?」
ルルト「僕、一度サーナさんのところに行ってみる。もしかしたら、何か知ってるかもしれない。それか、それに関する文献とかあるかも」
確かに、サーナさんならそのあたりのことを知っているだろう。なら、ルルトに任せてみるのもいいかもしれない。
クラン「それじゃあ、任せてもいいかな」
ルルト「もちろん!空を飛べばどこにでも行けるし、すぐに戻ってこれるしね!クランとは契約もしてるから、この場所を見失うことはないよ」
クラン「これ、そんな効果があるんだ」
ルルト「なんとなく、魔力を感じるだけだけどね。でも、方向ぐらいならわかるから」
改めて、契約をしておいてよかったと思う。ルルトはサンダーバード、飛行速度ならばおそらくどんな種族にも負けないだろう。
ルルト「それじゃあ、早速行って来る!そっちも頼んだよ!」
クラン「ああ、待ってるぜ!」
クラン「ってことでルルトは一時離脱したから。戻って来るのを待とう」
フロウ「ルルトお姉ちゃん、大丈夫かな。ちょっと心配。抜けてるところあるし」
たしかにルルトは考えるよりも先に行動をするところがある。とはいえ、これまで一緒に育ってきた俺だからこそわかることがある。
クラン「ルルトは確かに多少は抜けてるけど、やると決めたことはやり通してきたんだ。だから大丈夫だ」
フロウ「お兄ちゃん・・・・・・うん!」
フレイン「なるほど・・・・・つまりルルトがいない今ならやりたいほうだいね」
ルー「(*‘∀‘)」
フロウ「でもルルトお姉ちゃんがいてもいなくてもなにか止められたことってあったっけ?」
ルー「(-_- )≡( -_-)」フルフル
フレイン「そうなのよねぇ。ルルトがいなくてもクランに結局止められるのよねぇ」
エア「おまえらが何を言ってるのかはわからないが、そろそろ着くぞ!」
さて、妖精の御姫様とのご対面だ。俺の持てるマナーを全て使ってでも許可を勝ち取らなければ。
エア「フェア様ー!お客さん連れて来たよー!」
薄いベージュでウェーブがかかった髪、蝶のような大きく美しい羽。これが、ティターニアか。木漏れ日をバックにしたその姿はそれだけで高貴さを感じさせられる。
フェア「エア?お客さんっていったいどういう・・・・?」
クラン「突然のご訪問、失礼いたします。私はクラン=ソフライムと申す者です」
フレイン「フレイン・アルラーネです」
フロウ「ふ、フロウラルフロスト・フレイアムフロウです」
ルー「(o*。_。)o」ペコッ
フェア「!!!!!!」
ん?何か様子がおかしいぞ?あの顔は驚いているというか、何かいいものを発見したというか
フェア「一目ぼれです!結婚してください!」
クラン「え?」
フレイン「は?」
エア「ん?」
フロウ「ふにゃっ!?」
求婚された。
え、なんで今求婚されたんだ?え、どういうことだ?全くわけが分からない。
フェア「・・・・っと、挨拶が遅れたわね。私の名はフェア=タイタニア。この妖精の森を収めるティターニア一族の娘よ」
フェア「それじゃ、結婚しましょ」
クラン「いやいやいや、そうはならないだろ。なんでだよ」
フレイン「そうよ!そうやすやすとクランと結婚できると思わないで!私だってまだなにもしてないのに!」
フェア「じゃあ婚姻!婚姻でいいから!」
クラン「えぇ・・・・・・」
なんなんだ、この妙に婚期に焦ってるアラサー女子のような感じは。・・・・婚期に焦ってるアラサー女子ってなんだ。
「あ、いたいた。探したよ、フェア」
フェア「げっ」
また見知らぬ妖精が現れた。妖精の森だから当然と言えば当然か。
エア「オーブ様!」
オーブ「やあ、エア。元気そうでなによりだ。・・・・そっちの人は?」
クラン「あ、ええっと」
フェア「私の婚約者!」
クラン「えっ」
オーブ「なっ!?」
なんか本当に面倒なことに巻き込まれそうな予感がする。
オーブ「婚約者だと!?僕というものがありながら、何を言っているんだ!」
フレイン「あら、浮気はだめよ。だからさっさと諦めなさい」
んん?この妖精が婚約者?フェアの?この小さい少年が?
フェア「だーかーら!いっつも言ってるけど私はあんたみたいなちんまいのは趣味じゃないんだっての!見てよこの高身長高魔力イケメンを!」
フレイン「確かにクランは顔は整ってるし魔力も多いしそこは同意するわ。でもあなたにはそっちの子がお似合いよ」
フェア「うるさい!あんたは黙ってろ!」
クラン「いや、あの・・・・・」
面倒なことに巻き込まれたようだ。これはあまりにも予想外な展開で話についていけないな・・・・・・。
オーブ「やれやれ、またいつものわがままか。ま、君が何と言おうと結果は変わらないさ」
フェア「私はそもそも納得してないんだっての!もう、パパもママも勝手に決めてくれちゃって・・・・・」
あー、なんだか話が見えてきた。つまり親に決められた許嫁がいるが、それが気に入らない。だから俺をだしにしてとりあえず断ろうって寸法か。なるほど。
フレイン「・・・・・め、妾なら許してもいいわよ」
お前も何を言ってるんだ。
フロウ「んーっと、よくわかんないんだけど・・・・あいつをぶっとばせばいいってこと?」
ルー「(*'▽')」
クラン「いやいやいや、事を荒立てるのはよくない。ここは穏便にだな」
フェア「クラン、パパとママのとこに行くわよ!あんなチビナルシストとは婚約解消してやるんだから!」
オーブ「なっ!誰がチビナルシストだ!」
フレイン「あんたのことでしょ」
フロウ「やーいやーい!チビナルシストー!」
ルー「(*‘∀‘)b」
エア「おお?チビー!ナルシストー!」
クラン「煽りに加わるな!今回の目的わかってるのかよ!」
フェア「ん?何か頼みがあるなら聞いてあげるわよ?」
・・・・それって、つまり。
フェア「た・だ・し、私のおねがいを先に聞いてくれたら・・・・・だけどね」
そういうことだよな!くそっ、そういうことなら乗らざるを得ないじゃないか!ああ、やってやるさ!フロウのためだ!