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- 最新情報 -
2025/05/25 夢ナビ講義に講義ビデオが公開されました。https://yumenavi.info/portal.aspx?CLGAKOCD=034720&p=s034720107
2024/04/21 2025年のTara-JAMBIOブルーカーボンプロジェクトが始まりました。https://jp.fondationtaraocean.org/news-expedition/2503_tarajambiobluecarbon/
2024/08/10 HPをリニューアルしました
2024/07/01 Instagramを始めました
生物海洋学とは
海の仕組みを知る「海洋学」の中でも、生物の介在するプロセスを中心に解明していくのが生物海洋学です。生物は周囲の環境と相互に作用しながら、 物質循環やエネルギー流を駆動し生態系の仕組みを作り上げています。
また、海洋環境の変化が著しく進行する中、その将来予測にも貢献することのできる分野です。
研究室について
当研究室では、フィールドワークとラボワークを合わせて研究を行っています。フィールドワークでは、調査船などを利用した乗船調査と、スキューバダイビングで行う潜水調査を行っています。野外で採取したサンプル(海水や生物試料など)は、化学分析を行って環境条件や有機物の動態を明らかにします。
keywords: ブルーカーボン 藻場 炭素隔離
海藻や海草の藻場生態系は、地球上で最大級の生産力を持つ生物群落です。 近年、海洋生物によって隔離される炭素(ブルーカーボン)における藻場の重要性が注目されており、 ブルーカーボンの評価をするために必要な炭素循環の解析が求められています。 我々は、光合成・脱離・溶存態有機物の放出・分解などの過程の解析に取り組んでおり、気候変動の将来予測や海洋生態系の適応策などに貢献します。
海藻にタグをつけて観察し、海底から抜け落ちる量を調べている様子です 。
近年、沿岸の藻場面積は年々減少しており、それによる生態系への影響評価も急務となっています。
三次元励起蛍光スペクトル(3D-EEM: Three dimensional Excitation Emission Matrix:Wada et al. 2013より):海藻の3D-EEMスペクトルには複数の特徴的なピークが現れます。
keywords: CO2シープ 生態系応答
人類の放出する二酸化炭素の約1/3は、海が吸収してきました。これは地球温暖化の緩和に寄与する一方で、海水の炭酸系化学に変化をもたらし、結果的に生物や生態系の劇的な変化が生じるとされています。 特に我々は、海底から二酸化炭素が噴き出すCO2シープを近年、伊豆諸島式根島で発見しました。
CO2シープの周辺は二酸化炭素濃度が高く、仮想的な未来の生態系が広がります。この研究サイトを利用し、生態系や物質循環に対する海洋酸性化の影響の解析を行っています。
さらに2021年4月から、自然の海洋酸性化生態系をつなぐ国際共同研究拠点( ICONA : International CO2 & Natural Analogues Network )が、下田臨海実験センターを拠点機関として始まりました。 同様に高CO2海域を使って研究しているイタリア・フランスのチームと連携し、世界の海洋酸性化サイトで活発な研究交流を行っていきます。
式根島の二酸化炭素の噴出している海域です。高濃度の二酸化炭素ガスが噴き出しています。将来予想される二酸化炭素濃度よりもさらに高いレベルの濃度が観察されています。この場所から離れるにつれて、二酸化炭素濃度が下がっていきます。
噴出する場所から少し離れた海域で、今世紀末ごろに予想される二酸化炭素濃度のレベルが観察される海域です。サンゴや大型の海藻が少なくなり、岩肌を小型の藻類が覆います。
噴出する二酸化炭素の影響がほとんどない、通常の式根島の海中の写真です。温帯域の中でも南方に位置する式根島は、サンゴと海藻の混成群落が広がります。
CO2シープでの調査の一つです。海底をチャンバーで覆い、光合成の測定をしています。
keywords: 生物ポンプ マリンスノー
マリンスノーという言葉は、20世紀半ばに日本研究者らによって命名され、その後世界中で用いられるようになりました。 海洋表層から深層へ沈降するマリンスノーは、生物由来の炭素を深海に輸送する担体として機能し、大気中の二酸化炭素をコントロールしていることが知られています。 このプロセスは生物ポンプと呼ばれており、仮に生物ポンプが止まると大気の二酸化炭素が3倍に増加すると見積もられるほど、重要なプロセスです。
しかしその一方で、マリンスノーには未解明な点が多いのも事実です。特に我々は、有機物が集まって大型化した凝集体の動態に着目しています。その生成や行方を解析し、海洋の炭素循環の解明に取り組んでいます。
海の表面では、強風の後などに泡が発生します。泡の周りには有機物が集まる性質があり、凝集体が発生します。
クエットチャンバー:凝集体は、海中の流れの中で接着して大型化したり、逆に壊されて小型化します。この装置を用いることで、安定した流れ場(せん断層流流れ)を作り出します。
染色したマリンスノー:セジメントトラップで採集したマリンスノーが、アルシアンブルー(酸性多糖の染色液)で染色されたところです。
大型セジメントトラップ:短期間の係留で多量のセジメントトラップを採集するために作成しました。何度か失敗しており、写真は3号機です。
調査・観測
船舶からの採水・センサーによる成分解析
藻場やCO2シープにおける潜水調査
分析
各種クロマトグラフィー
比色・蛍光分析による有機元素および化合物レベルでの解析
同位体トレーサーを用いた有機物フローの解析
和田研では随時、メンバーを募集中です。
海に興味がある方、一緒に研究しませんか?
渡邉雅太郎 Joshua Heitzman(ポスドク研究員)
伊藤 武留 Takeru Ito(D2)
服部 純大 Atsuhiro Hattori(M2)
高柳 茜 Akane Takayanagi(M2)
山田 栄輝 Eiki Yamada (B4)
〒739-8528 広島県東広島市鏡山一丁目4番4号
居室:生物生産学部C310、実験室:C307
Tel:082-424-6821
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