ドイツパン
ドイツの主食となる食事パンについて、私が体験した中からご紹介させていただきます。
「ドイツ」というと「ジャガイモが主食」と思っている方が多いのではないでしょうか。私も「ドイツパン」という存在を知る前はそうでした。
確かにドイツではジャガイモは良く食べられていますが、主食ではありません。ドイツの主食は「パン」です。では、ドイツパンとは一体どんなものなのか。ここでは、主食となるドイツパンについて掻い摘んでご説明をさせていただきます。
ドイツパンはヨーロッパで大きな特徴を持っているパンの1つで、ドイツ語圏のドイツ、オーストリア、スイスで作られ食べられています。いわゆる「黒パン(ライ麦パン)」しか無いと思っていらっしゃる方が多いと思いますが、小麦を使用したあっさりとした味の白いパンも多く存在し、人々に愛され消費されています。
ドイツパンは大きく分けて、「ブロート」と「ブレットゥヒェン」の2種類があります。ブロートは大きく焼いてスライスして食べるパンで、ライ麦や小麦の配合により様々なものが作られます。ブレットゥヒェンは「小さいブロート」という意味で、小ぶりに焼いたパンのことです。
小麦を主体にして焼くあっさりした味のブレットゥヒェンは朝食には欠かせません。食べ方は、ナイフで水平にカットしてバターをぬり、好みでハムやチーズのスライスをのせます。これをオープンサンド状態でパクッとかぶりつきます。ブレットゥヒェンをちぎって食べることはありません。
ブロートはライ麦100%の黒パンから白パンに至るまで、数え切れないほどの種類があります。ブロートに欠かせないライ麦はとても優れた栄養価を持ち、それを使って焼いたライ麦パンは噛み応えがあり、噛むうちに旨味が出てきます。
ブロートはドイツでは夕食にはもちろん、間食、お弁当でも食べられます。食べ方は、まず薄くスライスし、必ずバターをぬり、その上にトッピングをのせます。バター、トッピング、パン・・・この3種類がそろって初めてブロートの美味しさが100%引き出されます。
夕食ではブロートは主役です。ドイツでは、カルテスエッセン(=冷たい食事)を頂きます。テーブルの中央にブロートのスライス数種類を盛ったカゴとバターを入れられたバターケースが置かれ、トッピングを載せたお皿も置かれます。各個人にもお皿が用意され、そこに好きなブロートを1枚取り、バターをぬり、好みのトッピングをのせたら、ナイフとフォークで一口ずつ切りながら食べます。
ドイツの食生活にパンは欠かせない存在です。もちろんフランスパンやイタリアパンも素敵な存在ですが、日本人にとってはまだまだ馴染みの薄いドイツパンをあえてご紹介します。ドイツパンの奥深い味わいを1人でも多くの方にお伝えしていきたいと思います。
発酵菓子
ケーキと同じようにパンも甘い物がお好きな方も多いのではないでしょうか。
「本物の味を日本で再現できるパン作り」を心がけている当教室では、
そのコンセプトに基づき、ドイツ菓子・ウィーン菓子の中の「発酵菓子」をご紹介します。
「発酵菓子」とは一体何でしょう。「発酵菓子」とは、酵母で生地を膨らませて作るお菓子、ひと言で分かりやすく言えば「菓子パン」ということになります。
ドイツ菓子やウィーン菓子の中でも発酵菓子は大きな存在で、菓子屋でもパン屋でも見かけます。ただし、菓子屋ではより菓子に近いもの、パン屋ではよりパンに近いものが作られています。
いわゆる「ケーキ」とはまた違った魅力のある「発酵菓子」…皆さまがよくご存知のシュトレンも含め、ドイツ・オーストリアのいろいろな発酵菓子をご紹介し、皆さまに親しみを感じていただければ幸いです。