project22

生体信号を利用した身体拡張インタフェース

~ASHURA~

担当教員櫻沢 繁、木 清二、辻 義人

目次

プロジェクトについて

概要

私たち人間の動作には、もともと備わっている器官の構造や機能に依存する限界がある。例えば、ものを持ち運ぶとき、持てるものの重さは筋力に依存している。この時パワーアシストスーツを装着することで、デバイスが身体の動きと連動し、普段では持てない重い荷物を持ちあげるといった身体能力や作業能力を高めることができる。このように外部のデバイスを自身の身体として扱うことができれば、従来とは異なる身体の構造や能力を手に入れることができる。それに伴い、動作の変容を促すことが可能となる。私たちはプロジェクトを進めていく中で、身体についてそれは自身の身体の一部であると認知していることが重要であると思い、身体を身体所有感と運動主体感を満たすものと定義した。

図1.本プロジェクトにおける身体拡張の概要図

そこで、私たちのプロジェクトでは、身体と外部デバイスを連動させるために生体信号の一つである筋電位に着目した。筋電位とは、筋が収縮するときに生じる細胞内外の電位差のことである。身体を動かすとき、その部位の動きに伴った筋電位をリアルタイムに計測することができる。私たちは、この筋電位を用いてデバイスを制御することで、よりデバイスを自分の身体のように扱うことができると考え、筋電位測定を利用したインタフェースを製作し身体拡張を目指した。今年度は、視力にズーム機能を持たせるグループ、触覚フィードバックと魚のつかみやすさに特化した義手のグループ、表情表出のあり方を拡張させたグループに分かれ活動を行った。


2.グループ共通の制御プロセス

表面筋電位の計測について

 筋電位の計測は、侵襲的な方法と非侵襲的な方法の2種類がある。 侵襲的な方法では、針電極を体内に刺入して計測し、非侵襲的な方法では、皮膚表面に電極を貼り、身体を傷つけない状態で計測する。今回は、計測による痛みを伴わない非侵襲性の表面筋電位計測を採用した。 計測電極を皮膚に貼付し、経皮的に筋電位を計測する場合、信号は極めて微弱になる。この問題を解決するためには、増幅器によって筋電位を増幅する必要がある。そこで、下の図3のような、筋電位計測用の増幅回路を構成したまず、同相ノイズの除去を行うため、差動増幅回路で2つの入力信号の差をとり、筋電位のみを増幅させて出力する。次に、四次ハイパスフィルターで、モーションアーチファクトの除去を行う。そして、半波整流回路で負の信号を除去、積分回路で筋電位の情報を包絡線に変換する。最後に、非反転増幅回路でマイコンで取り扱うことが可能な大きさまで筋電位を増幅させる。

図3.筋電位計測回路と各部の機能

メンバー

写真1

伊勢 隆之介

鎌田 航誠

齋藤 唯翔

写真2

佐藤 日向子

木下 由紀乃

平岡 聡佑

佐々木 晃大

写真3

工藤 健斗

安部 佑星

白土 千夏

宮尻 琴実

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 図1、図2:宮尻琴実

 図3:木下由紀乃、工藤健斗

 写真1:齋藤唯翔

 写真2:木下由紀乃

 写真3:工藤健斗

GroupA

 図1、図6:齋藤唯翔

 図2、図3、図4:鎌田航誠

 図5:伊勢隆之介、齋藤唯翔

 動画1:伊勢隆之介

GroupB

図1、図3、図4-1、図4-2、図5、図7、図8、図9、図10、動画5:佐藤日向子

 図2:木下由紀乃

 図6、図7:平岡聡佑

 動画1、動画2、動画3、動画4佐々木晃大

GroupC

 写真1、図3、図4、動画1:工藤健斗

 図1、図2、図6、図7:宮尻琴実

 図5:Frame illust様 https://frame-illust.com/