初めまして。古川こと葉と申します。先日大阪府の高校を卒業し、今秋からアメリカの Mount Holyoke College に進学します。
高校時代はアストロバイオロジーを追求できる大学を探し続け、たくさん足掻いてきました。 なぜアメリカなのか。なぜ総合大学ではなく、リベラルアーツ大学なのか。 自分なりの答えに辿り着いたので、覗いていってもらえると嬉しいです!
きっかけ
高1の春、1冊の本をきっかけにアストロバイオロジーを知り、感銘を受けました。さらに多くの文献に触れるうちに、完全に虜になりました。興味の幅も次第に広がり、アストロバイオロジーの中で飛び抜けて好きな分野、いわゆる専門分野を絞れなくなりました。生物、物理、地学、化学、天文学、惑星科学――全部やってみたい。そんなわけで、国内大学を目指していた当時は、学科をなかなか決められず焦りを感じていました。
先生方・先輩方には「どの分野からでもアストロバイオロジーに関われるよ」と言っていただいたのですが、「やっぱりぜんぶやってみたい!」というのが正直な気持ちでした。
「今、無理に絞らなくてもいいのでは?」「学部のうちは、やりたいことをわがままに挑戦してみてもいいのでは?」「それができるのって、アメリカの大学なのでは!」と思うようになったのは、高校3年生のときでした。
アメリカへ行こう!
実は高校1年の頃、アストロバイオロジーの研究者の方に「本気でやりたいなら、アメリカだ」と言われたことがありました。それ以来、アメリカはずっと心のどこかにありました。
NASAに近く、やりたい研究に手が届きやすい環境。面白そうなインターンの機会も多く転がっている。そんなアメリカの大学に、私が惹かれていくのは自然な流れだったのかもしれません。
リベラルアーツ大学?!
やはり最初は名のあるエリート総合大学に憧れていました。対してリベラルアーツ大学は文系中心で、理系向けの大学ではないと思い込んでいました。けれども調べていくうちに、リベラルアーツ大学にしかない良さをたくさん見つけました。
リベラルアーツ大学は以下のような環境が揃っている大学が多いのです!
- 幅広く柔軟に学べる
- 研究の機会が多い+やりたい研究をしやすい
- 教授との距離が近い
- 学生一人ひとりを大切にしてくれる
- 留学生でも大学から奨学金を得やすい
とはいえ小規模なリベラルアーツ大学。設備やカリキュラムなど、リソース不足への不安は拭えませんでした。だから私は他大学と提携がある大学を探しました。
加えて、どこまで専門的なことを学べるのかも不安でした。よってアストロバイオロジーを専門とする先生はどれくらいいるか、関連する授業をどれくらい取れるかも調べました。
進学先であるMount Holyoke Collegeは下記の点で、まさに理想の大学でした。私は理系ですが、個人的に学部での学びは総合大学より充実していると思っています。
- 理系に強く、研究の機会が多い
- 周辺の総合大学を含む5つの大学で提携を結んでおり、どこでも授業・研究に参加できる
- 分野融合型の研究を支援するプログラムがある
- 女子大で、女性研究者の育成に力を入れている
- 大学院進学率が非常に高く(総合大学、サポートも手厚い)
- インターンの奨学金制度がある
- 1年生からガチ研究している先輩、教授と一緒に論文を出している先輩、NASAにインターンへ行っている先輩がいる
- 生徒数は1学年 500名ほどしかおらず、学生教員比は9: 1 で授業も常に小規模
- 多様性を重視する校風で留学生へのサポートが手厚い
受験
受験は準備開始までが遅かったこともあり、英語力・エッセイ・出願書類、全てギリギリでした。中でも時間がかかったのは、英語のスコアアップでした。実は私の英語力は、進学予定の大学の合格者平均を下回っているのですが、面接とエッセイでなんとか許してもらいました(泣)。大学で授業に食らいついて行けるよう、今は英語を必死に勉強しています。
受験に必要な受賞歴や課外活動は幸運にも、高1の頃から興味本位で取り組んでいたものを使うことができました(KARURA Project、きみっしょん、もし天、天文学会ジュニアセッションなど)。Mount Holyoke Collegeは私立大学なこともあり学費も高額ですが、大学と日本政府からいただいた給付型奨学金で進学できることになりました。
大学での学び
大学ではBiochemistry、Microbiology、Biology、Geology、Geosciences、Physics (Astronomy) のいずれかからダブルメジャーをしようと考えています。専攻の決定は2年生の終わりまで猶予があるので、たくさん寄り道しながら悩もうと思っています。また、専攻以外の授業も積極的に履修したいと考えています。提携校であるUniversity of Massachusetts Amherstでは、惑星科学の授業を履修予定です。
アストロバイオロジーには多様なアプローチがあり、言い換えればどの分野の勉強でも活かせると思います。大学ではいろんな分野を貪欲に学んで基礎力をつけ、大学院で専門分野に出会えたらいいなと思います。大学でアストロバイオロジーを通して、幅広い学びに出会えるのが楽しみです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!