本サイトは、九州大学大学院芸術工学研究院 中村美亜研究室、ラボラトリオ株式会社、NPO法人ドネルモが協働で実施している研究プロジェクトについてまとめています。
認知症ケアの場で、さまざまな芸術活動が行われるようになっています。これまでの研究から、即興的で共創的な芸術活動は、認知症の人本人だけでなく、認知症の人と介護者の関係性にも良い影響を与えることがわかっています。
しかし、実際にどのような活動を実施すればよい効果が得られるか、それらをどう評価すればよいのか、より根本的には、どのようなメカニズムで効果が得られるのか、既存のセラピーや介護で期待される効果との違いは何か、という点がまだ十分明らかになっていません。
そこで、医療、福祉、地域活動の専門家と一緒に、芸術活動が変化を生み出す仕組みや効果的な活動のデザインについて実践と理論の両面から研究を行っています。
本研究では、2020〜2023年に、福岡市内の3箇所の認知症ケアの場で「共に創るアートワークショップ」を実施しました。
「共に創るアートワークショップ」は、アーティスト、認知症の方、介護者(介護スタッフおよびご家族)が一緒にその場で創るアートワークショップです。体を動かしたり、ちょっと「演じて」みたり…即興的なアートを楽しむなかでは、いきいきとその人らしさが解放され、普段は見えづらい一面が見えてくることも。
アートを通じた「この人ってこんな人だったんだ!」「こんな関わり方もアリなのかも」といった発見が、ケアする(介護者)―される(認知症の方)という関係性をこえ、今よりもっと心が通じ合うケアにつながります。
2024年度は、アーティストの方向けの支援プログラムを実施しました。
2023年2月19日に福岡市科学館で開催された、未来研究室 第3回セミナー「認知症ケアへの創造的アプローチ」にて、本研究に携わる中村 美亜先生(九州大学大学院芸術工学研究院・准教授)、勢島 奏子先生(精神科医師・たろうクリニック重度認知症デイケア担当医)によるレクチャーと対談が行われました。
動画では、重度認知症デイケアうみがめで実施されている集団精神療法の取組や、うみがめでの共創的アートワークショップに関する紹介、対談の様子をまとめています。
・レクチャー1:勢島奏子「重度認知症デイケアと集団精神療法」
・レクチャー2:中村美亜「うみがめでの共創的ワークショップ」
・対談:集団精神療法と共創的ワークショップの違い、ワークショップ動画の解説、介護者へのアンケート、質疑
▼参考リンク
2020~22年に実施した「認知症の人と共に創るアートワークショップ」のケースをもとに、認知症ケアの現場とアートの橋渡しをするマネジメント方法について紹介しています。
福祉とアートの橋渡しをしている・関心があるコーディネーターの方、文化団体や文化芸術振興財団等、アートに関わるマネージャーの方、介護系の業界団体、介護施設のネットワークの方などにご高覧いただければ幸いです。
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発行日:2023年3月
企画編集・発行:ラボラトリオ株式会社、NPO法人ドネルモ
監修:中村美亜
デザイン:河村美季
(RISTEX、JPMJRX20A1の支援による)
研究協力
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本研究は次の助成事業による成果を基にしています。
JST(科学技術振興機構)「SOLVE for SDGs – シナリオ創出フェーズ」「認知症包摂型社会モデルに基づく多様な主体による共創のシナリオ策定」(JST、RISTEX、JPMJRX20I5)
https://www.jst.go.jp/ristex/solve/project/scenario/scenario20_uchidapj.html
科研費(基盤B)「認知症ケアの場における芸術活動の多元的評価フレームワークの開発」
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-22H00627/
科研費(萌芽)「芸術活動をめぐる文化と福祉の間の障壁」
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-22K18456/