絵本「おばあさんロボット」を作っている。
大谷美緒
絵本「おばあさんロボット」の文は大谷隆が書きました。書いたあと絵をつけて欲しいと言ってくれました。
私は絵を描こうとしています。展示では、絵本を作る中で描いたラフやメモに残した文章、大谷隆からのコメントなど制作の過程でできたもの、そしてその時点で出来ている原稿を展示予定です。
ごく最近まで絵をつけて下さいといわれると文に1人で絵をつけて完成させて返すというイメージでした。ところがどうやら絵本をつくるというのは普通そういうものではないらしいということがわかってきました。
ラフを書いて誰かに(作家であれば編集者に)見せて意見をもらったり、絵を進めることにより文が変ったり、行きつ戻りつするものらしい。ただ絵を完成させるのではなく、絵本を完成させていくことなのだとわかりました。
これは思ったよりオープンなプロセスだと思いました。少し前までは制作というと自分の考えてることは大事に大事に隠して、触られると変形してダメになってしまいそうな気がして、やっていることを人に言うこともためらわれる気分があったけど、このやり方を知った時には、変化や意見にもまれながらやってみようと思ってました。
「絵本を作りたい人へ」という本を読んだり、「はみだす。とびこえる。絵本編集者筒井大介の仕事展(dddギャラリー)」という展示を見たり、絵本作りのプロセスに感銘したので今回自分の絵本作りのプロセスも展示することにしました。
芸術祭がはじまって間もない頃のミーティングでどうやったら人が見たいと思う絵が描けるのか、というようなことを考えていると言いました、2023年末の頃の回答は「描いている自分が面白がっているかどうか」です。そこがまずスタートライン。プロセスを展示する中で、面白がっている私は出現するのか。多少不安でドキドキします。描くのは好きだと言いつつ楽しみ方がわかってなかった・・・というところがあり、ドキドキします。また最近では、なにをどうやったらいいのかわからない気分の中で苦心していることも多いです。わかりやすい楽しさだけではないけどこれも面白い。ここしばらくは描くことの正念場だという気分があるので頑張りたいと思います。