今井 雅子
Masako imai
今井 雅子
Masako imai
普段、自分が美術館などの展覧会に出かけたとき、作品を直に触ってみたい!と思うことがあるので、今回は来場者の方に触って楽しんでもらえるような作品を制作してみようと思いました。「触ってもらうことで動いて、且つ壊れないようなものとは」と考えていく中で、起き上がりこぼしが思い浮かびました。
学生時代はいわゆる理系科目が苦手だったのですが、だからこそ理解できたら面白い科目なんだろうなと憧れていました。
5年前からまるネコ堂芸術祭に参加するようになり、モビールのような形態の作品を制作するようになり、自分の思い通りの位置に設置できないのは、重力が一因だと知りました。普段の生活では気にも留めない「重力」が私の身近に存在することを感じた体験でした。その時は「やっかいな存在だなぁ。」と感じるだけで済ませていました。でも、作品のテーマに「シダ」「ぶどうの木」「海」といった自然がからんでいることもあり、今まで自然現象について「気持ちいい風が吹いてるなぁ」「海のあの波きれいやなぁ」と感じることだけで満足していたけれど、「感じる」以外の角度からもわかりたいと思い、物理に関する入門書(中高生向きのもの)を読むようになりました。試験で良い得点を取るための詰め込み型の学習とは違い、自分の経験と言葉で説明できるようになることが目標です。
私の場合は、制作を進める上で必要な事象(例えば「重力」「円周率」「ものが動くってどういうこと?」「海流と波の違い」など)を扱ったり、疑問にぶつかったときが学びの始まりになっています。私のような理科系科目が苦手な人向けにわかりやすく書かれた本がたくさん出版されていることも初めて知りました。児童向けの本も読みやすくて頼りになっています。このように制作を通してなら、点と点を繋ぐように身の丈に合わせて理系科目を取り入れられている感覚を味わえています。
今回の芸術祭開催中は、ギャラリーツアー時などに私なりの起き上がりこぼしの制作工程をお話したり、実際に作品に触れて動かしてみて楽しんでもらえる時間も設ける予定です。ご来場お待ちしています。
別館1階 和室
起き上がりこぼし
保坂直紀 海まるごと大研究1「海は動く」ってどういうこと? 講談社
「起き上がりこぼし」に触って見てみてTime
日時 4月26日(土)ラジオ公開収録ツアー後/27日(日)29日(火・祝)ギャラリーツアー後
作品に直接触って楽しんでいただいたり、自分なりの制作過程でのちょっとした発見についてお話できたらと思い、企画しました。
1978年生まれ。Eテレの番組に好きなものが多く、特に「0655」「ピタゴラスイッチ」がお気に入り。ギャラリーや美術館、博物館へ見に行くことが好き。ずっと見る側でしたが、自分でも作品を制作し始めて5年目。
instagram masako.art.marunekodo3