おしゃべりするために訪ねたり、イベントなどでまるネコ堂で過ごすうちに、ぶどうの木がまるネコ堂で過ごす自分自身と重なって見えるようになってきました。きっかけは、まるネコ堂のお二人から、ぶどうの木の手入れについて果実がなるように冬場に枝を剪定するくらいで、特別なことはしないけれど「虫がぶどうのツルを伝ってベランダから部屋に侵入するのは困るから、そこまで伸びた分は切る」という話を聞いたことでした。自分がまるネコ堂で居心地よく過ごせている理由となんとなく重なるように感じたからです。
まるネコ堂には、お庭に面した南向きの大きな掃き出し窓があり、ここからひとが出入りできます。風や日差しがたっぷり入ってきます。季節に合わせて過ごす場所も移動し、窓辺で食べたり、別の部屋に移って食べたりする。その軽やかさがいいなと思っています。家具などがほとんど置かれてなくてスッキリしているから、ひとが集まったときでも広々と感じられる。自分の家ではないのだけど、自分で好きに選べることが多い(例えば荷物を置く場所とか)空間で過ごせているように思います。「ご自由にどうぞ。楽しみ方は自分次第。」のスペースがたっぷりあるから、日ごろ縮こまってる手も伸ばしたくなる。初めてのことでもやっちゃえる感じなのです。
作品のタイトルは最初「まるネコ堂のぶどうの木」にしていたのですが、お世話するされるの関係ではなくもっと対等な関係であることを表現したくて「まるネコ堂とぶどうの木」にしました。独立した作品を別々に展示するのではなく、ぶどうの木を題材にしたものを会場内に展示することで、ぶとうの木とまるネコ堂とが一体化した作品にしたいと思っています。立体作品にすることで、ぶどうの木の枝やツルが持つ生命力やたくましさ、人と人が一つの場や空間で交流し影響しあいながら、思うところへ進んでいく様を表現したいと思っています。
障子紙 アクリル絵の具 木の棒 ワイヤー 糸
1978年京都府生まれ。ギャラリーや美術館、博物館へ見に行くことが好き。
ずっと見る側でしたが、自分でも作品を制作し始めて3年目。
作品制作の日々を記録中 インスタグラム masako.art.marunekodo3