このホームページは、福井大学生物化学研究室 人工細胞グループの紹介ページです。生物化学研究室全体の最新の情報は、生物化学研究室(沖研)のホームページを見てください。
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人工細胞グループは、脂質二重膜小胞(リポソーム)内に様々な細胞機能を搭載し、人工的な細胞を創り出すことを目指して研究を進めています。生細胞はリン脂質の膜で包まれた区画内で遺伝子を情報とし、様々な機能を発現しています。そのような細胞機能の中でも我々は特に、膜で区切られた空間内で植え継ぐことに挑戦しています。リン脂質膜は内部の分子を漏らさない代わりに、外部からの分子供給もできない閉じられた空間です。そのような膜区画で再構成された細胞機能は、内部の基質分子(反応に必要な分子)の枯渇により、一過性で止まってしまいます。それを回避するために、我々は凍結融解という物理刺激によって人工細胞同士を融合し、内液の交換によって基質を供給し、自己複製する遺伝子の膜区画間の拡散と基質の獲得を繰り返すことで、人工細胞を植え継ぐことを目指しています。
また、このような人工細胞を用いて、進化する人工細胞の開発、テラヘルツ波の照射、in vitro 核モデルの開発、タンパク質の進化工学など様々な分野への発展も目指して研究を進めています。詳しくはこちら。
2025.7 人工細胞にテラヘルツ波を照射する研究について、月刊「細胞」8月号で紹介しました。
https://www.fujisan.co.jp/product/982/b/2654843/
2025.5 人工細胞を凍結融解によって融合し植え継ぐ研究について、月刊「細胞」6月号で紹介しました。
細胞のように脂質の二重膜、疎水基と親水基を両方持つ脂質分子が膜を形成し、親水基が内液と外液の両方に向いている状態、が一枚のGiant Unilamellar Vesicle (GUV) 用いて、その中で生物のような生化学反応を駆動させています。
右図は、赤い蛍光脂質で光らせたGUV の蛍光顕微鏡写真(特殊な条件で作ったので通常の実験で見る状態よりも膜同士がよくくっついています)。