現在の耐震基準は一度の大地震のみを想定してます。大規模な余震や前震、複数の巨大地震の経験した場合の建築物の耐震性はどうなのでしょうか?本プロジェクトでは、鉄筋コンクリート部材の構造実験や数値シミュレーションにより、巨大地震が来る前に建物の継続使用可否を推定しうる耐震性能評価手法を開発しています。
超高層ビルの大敵・長周期地震動対する室内安全性確保を目指した制振システムを開発しています。通常は建物の各階に水平に設置される制振ダンパーを、鉛直方向に設置して建物の全体曲げ変形に効かせることが特徴です。振動台実験や動的載荷によるオンライン地震応答実験,数値シミュレーションにより提案システムの有効性を検証しています。
秋田県内には数多くの文化財建築物があり、木造、組積造、コンクリート造と構造形式もさまざまです。これらの歴史的建造物を将来に残していくには、構造性能を正しくモニタリングして維持管理する必要があります。本プロジェクトでは、常時微動実測と振動解析による既存建築物の構造特性評価方法と伝統建築物にふさわしい補強工法を研究しています。
東北地方太平洋沖地震では、津波により多くの建築構造物が被災しました。津波によって建物にはどのような力が作用するのか?建物の形状や配置状況が津波荷重に及ぼす影響はどのようなものなのか?本プロジェクトでは水理実験や数値流体解析により津波荷重の評価方法、耐津波設計について研究しています。
鉄筋コンクリート造建物が建てられるようになって120年あまりが経ちますが、その力学的挙動には十分に解明されていない点が多くあります。ポストピーク(最大強度に到達した後の)挙動もその一つです。本プロジェクトでは鉄筋コンクリート壁部材の構造実験や有限要素法(FEM)解析により、そのメカニズムを解明します。