トルコのファントム撃墜される

(ロシアトデイの記事です)

何 のためにシリアの対空防衛能力を試すのか 25.06.2012, 14:41


Photo: EPA

シリア対空防衛軍がトルコの偵察機RF-4Eファントムを撃墜したことを様々な角度から検討してみると、実際に諜報的な任務を負っていたことが指摘されて いる。

政治学者のスタニスラフ・タラソフ氏は次のように述べている。

-トルコのアフメト・ダウトオール外相は、航空機が偵察機であったことを認めました。目的はトルコのレーダーシステムのチェックでした。外相も言っている ように、

「撃墜の15分前に航空機は短い時間シリアの領空を侵犯」していたのです。専門家なら分かりますが、そのような時間はシリアの対空防衛システムを 写真に収めるのに十分な時間です。何のためにシリアの対空防衛システムを調べることが必要だったのでしょうか。また誰にとって必要だったのでしょ うか。


国際世論のなかでは、欧米諸国がシリアにおいてリビア的シナリオを繰り返そうとしているのではないかという見方が強まっている。つまり、国連安全保障理事 会決議を待たずして、またロシアが提案しているシリアに関する国際会議を無視して、武力介入するということだ。

そのような武力介入となれば、トルコが大きな役割を果たすことになる。

最近米国の新聞「ニューヨークタイムズ」は、米国の指揮の下、トルコ領内からシリア反対派勢力に対する武器供給が行われていることを報じた。

シリア国境地帯にはいわいる「自由シリア軍」が集結しており、シリア領内への攻撃を行っている。


しかしシリア政府の力は、敵が予想していたよりも強いものだった。

例えばハマでは、「シリア版ベンガジ」を作ることが出来なかった。それゆえに、欧米諸国は戦略を変え、トルコの偵察機を使って、シリアの対空防衛 システムを試す挙動に出た。

その結果はすでに明らかになっているが、武力介入を支持する勢力にとっての1つの判断材料となるだろう。

リビアのように、シリア上空に飛行禁止空域を作ることは簡単ではないし、ロシアはシリアの対空防衛システムに技術的な支援を与えている。

これより先に結ばれた合意に従って、シリアはロシアから36基の「パンツィリS1」を購入している。これは20キロの範囲で、高度15キロまでの 標的を攻撃することができる。

またこれより先、ロシアはシリアに対して沿岸警備用「バスチオン」や対空ミサイル「ストレレツ」などを提供している。

ラヴロフ外相も述べている通り、これは国際法を遵守した形で行われたものだ。


シリア情勢の先行きは不安定だが、確かなことは、欧米諸国が支援しているシリア反対派勢力は何も、シリア国民全体の利益を代表しているわけではないという ことだ。

もしシリアで政権交代が行われるとすれば、それは合憲的なやり方で行われなくてはならない。

それが欧米諸国で認識されればされるほど、中東諸国および欧米諸国自身にとってもよいこととなるだろう。