2011年3月11日に生じた大地震と、それに伴う巨大な津波による被災から、漁場の復興等に貢献することを目的に、文部科学省によって、「東北マリンサイエンス拠点形成事業(海洋生態系の調査研究)」が2012年1月より開始されました。
本事業では、東日本大震災が沿岸海洋生態系に及ぼした影響を把握し、その変動機構を解明するとともに、科学的なデータに基づいて漁業復興を支援していこうというものです。東北大学(代表機関)、東京大学大気海洋研究所(副代表機関)、海洋研究開発機構(副代表機構)の3機関が中心となり、今後10年にわたって緊密な連携のもとに調査・研究活動を実施していきます。
海洋研究開発機構では、先端的な観測・解析技術を用いた調査研究により、海洋生態系変動メカニズムを解明するため、機構内に「東日本海洋生態系変動解析プロジェクトチーム」を設置し、取り組んでいます。
「プロジェグランメーユ」とはプロジェクトの東大グループ愛称です。「グランメーユ」とはフランス語で「大きな木槌」。
東京大学大気海洋研究所の研究拠点である岩手県大槌町にちなんでいます。
東京大学大気海洋研究所は、東北大学、海洋研究開発機構とともに「東北マリンサイエンス拠点形成事業(海洋生態系の調査研究)」の一員として、東北地方太平洋沖地震とそれにともなう津波で被害を受けた東北の海で調査研究を行っています。
大気海洋研究所グループには、研究所の教員、特任研究員、大学院生のみならず、全国20以上の研究拠点から200名を超える研究者・学生らが集まり、大槌町の国際沿岸海洋研究センターを拠点にしつつ、大槌湾から三陸沿岸域、さらに沖合にて、多角的・総合的な研究を進めています。
私たちの研究成果を通じて漁業等の復興に貢献すること、研究拠点である大槌町を、地域、さらには世界に開かれた海洋研究の場とすることをめざしています。