研究とは,問題提起から始まり,調査,提案,実践,考察を経て,新たな問題を提起しつつ理解を深めていく,論理的な考えに基づく探求・問題解決のためのプロセスです.
研究室での活動を通じて,この研究の基礎(読む・書く・話す・手を動かす)を身に着けてもらうことを優先課題として,指導していきます.また,ロボティクス・メカトロニクス分野の専門知識に加え,エンジニアとして必要とされる発表・説明能力,タスク管理能力についても,日々の研究会やディスカッションを通じて指導していきます.
これらの能力を身に着け,自分の武器として実践・活用できるようになるためには,1年という期間では短いため,大学院への進学を推奨しています.
3年後期から配属された後は,次年度4月からの円滑な卒研の開始に向けての下準備期間として,基本的な組み込み制御,プログラミング,メカトロシステムの扱い方,資料の作成方法について学習してもらいます.卒研着手が確定的になってきた頃にはテーマを決め,上回生からノウハウを引き継いでいくことになります.
4年次では年度の冒頭に,研究目的から実施タスクへと細分化し,それに基づく研究スケジュールを立て,日々の研究に取り組んでもらいます.主体的な研究遂行能力の基礎を身に着けるためには,3年生までの座学・講義と異なり,自分自身の意思で進めていく必要があり,ある程度の時間をかける必要があります.そのため,平日の午前中~夕方までは研究室で研究活動に従事するというスタイルになります.
週1回の研究会において研究報告資料作成の上,進捗を報告してもらいます.研究会では教員とのディスカッションによるフィードバックを得られるだけでなく,他のメンバーが行っているアプローチを知る良い機会にもなりますので,発表の場としてだけでなく,情報収集の場としても活用してください.
研究会で使用する資料は,卒業論文や学会発表のための投稿論文の執筆時にも使用する「tex(テフ)」というソフトウェアで作成してもらいます.この日々の報告書の積み重ねが,卒業論文の原稿執筆時にも活かされることになります.
研究会以外のタイミングであっても研究に関する個別相談は随時実施可能です.多忙なタイミングでなければアポイントなしで対応していますので,遠慮なく相談に来てください.
研究テーマによっては企業や他大学と共同で進めているものもあります.それらのテーマに携わる場合,企業との会議や,他大学の研究チームとの合同研究会において発表する機会もあります.また,良好な研究成果が得られた場合には,学年や開催地の国内外を問わず,学術会議において成果を発表してもらいます.
外部の方からの質疑応答やコメントは,普段とは異なる視点からのものも多く,新たな発見につながることも多いでしょう.また,他大学の研究者や学生の発表を聴講することは,とても刺激になり,研究へのモチベーションが上がるものと思います.
研究室での活動は研究のみにとどまらず,大学院進学や就職活動の相談,研究外の活動の実施に関する相談などを気軽にしてもらって差し支えありません.これまでには学生からの希望により,全日本学生室内飛行ロボットコンテストという自作ドローンの大会に研究室チームとして出場したりもしていました.今後も希望者が集まれば是非とも挑戦したいと考えています.
ロボット工学科の研究室で活動するという機会を活かして,充実した研究室生活を送りましょう.