※こちらは、動画「解説②昭島市の方針」の内容を書き起こしたものです。
いま、日本全国の地域で、子どもたちの活動の場を守るために、学校の先生だけでなく、地域の人たちの力を借りて支えていこう、という新しい動きが始まっています。
この背景には、学校の先生の働き方を見直す動きがあること、そして、子どもたちが安心して活動を続けられる環境を整えたいという思いがあります。
昭島市でも昨年から、「これからの部活動のあり方」について、市と地域の人たちと一緒に、話し合いを始めました。
国は、令和13年度までに、少なくとも休日の部活動は、地域クラブ活動で展開することを示しています。
昭島市では、学校部活動が今後、いつ、どのような形になっていることが、皆さんにとってもっとも良いか、を探るためにも、少なくとも「子どもたちの活動の場を減らさないように、新しい選択肢を増やす」ことを目指しています。
その一つの方法として、学校の外でも活動できる「地域クラブ」という仕組みを、市と地域の人たちで考え始めています。
今年はまず、その新しい取り組みが実現可能かどうかを、モデル実証という形で試してみる予定です。
この動画では、昭島市がどんな考えでこの地域クラブを検討しているのか、保護者の皆さんにわかりやすくお伝えしていきます。
子どもたちがこれからも、好きな活動を無理なく続けられるように、私たち行政と地域、そして保護者の皆さんと一緒に、未来につながる新しい形をつくっていけたらと考えています。
では、なぜ未来につながる新しい取り組みが、必要なのでしょうか?
その一番の背景には、少子化や社会の変化があります。
子どもの数が減ってきたことで、どの学校にもすべての部活動がそろっているとは限らなくなり、仲間が集まらず、やりたい活動ができないという声も聞かれるようになりました。
また、子どもたちの興味や生活のスタイルも、昔と比べて多様になっています。
「もっといろいろなことに挑戦してみたい」
「週末は家族と過ごしたいから、毎週ではなく時々活動したい」
「部活動ではやっていないことを学びたい」
そんな子どもたちの声に応えていくためには、学校だけでなく、地域にも活動の場があることが大切です。
一方で、学校の先生たちの働き方を見直す必要もあります。
文部科学省は、休日の部活動を将来的に地域に移していくという方針を示しています。
先生の負担を減らし、教育の質も保つためには、地域と学校がいっしょに子どもたちを支えていく体制が求められているのです。
こうした背景から、昭島市では、子どもたちが自分に合った活動を続けられるよう、「地域クラブ」という新しい選択肢を試していくことにしました。
「地域クラブ」と聞いて、みなさんはどんなイメージを持ちますか?
たとえば、学校の先生は、「放課後の部活動に代わる場所」というふうに考えているかもしれません。
保護者のみなさんは、「習い事のような活動?」と感じる方もいるかもしれません。
教育委員会や運営団体の中でも、「地域で子どもたちが活動できる場」といっても、まだイメージはさまざまです。
でも、今の時点ではそれで大丈夫です。
地域クラブには、まだ正解の形があるわけではありません。
私たちは、これから少しずつ、地域のみなさんと一緒に、子どもたちにとってどんな形がいいのかを探っていきたいと思っています。
たとえば──
放課後に、学校の体育館で、部活動と同じ種目を、顧問の先生ではなく、地域の指導者に教えてもらっている場所かもしれません。
あるいは、休日に、他の中学校の生徒や小学生、高校生と一緒に、地域の体育館で新しいことにチャレンジできる場所かもしれません。
自分の学校にはない活動を、別の学校の音楽室で、週末にプロの講師から教わる時間かもしれません。
これから始まるモデル実証では、こうしたさまざまな形を試しながら、子どもたちにとって「楽しい」「やってみたい」と思える地域クラブのかたちを見つけていきます。
ここまでの説明で、「地域クラブって、なんとなくイメージできたかも」と感じていただけたでしょうか?
最後に、部活動と地域クラブの違いを、いくつかのポイントで整理してみます。
たとえば──
・活動の場は、学校だけでなく、公民館や体育館など、地域のいろいろな場所になります。
・指導する人は、先生ではなく、地域のコーチや専門の講師になります。
・一緒に活動する仲間は、同じ学校の生徒だけではなく、他の学校の子や、年齢の違う子も含まれることがあります。
・活動の内容も、いままでの部活動と同じ種目に加えて、新しいことにチャレンジできる可能性があります。
こうした違いがあるからこそ、地域クラブには、新しい出会いや学びの場が生まれます。
それが、地域全体で子どもたちの育ちを支えていく、ということにつながっていきます。
「地域クラブって、うちの子にとって本当にいいのかな…?」と不安に思う方もいるかもしれません。
たとえば、新しい種目に挑戦できる、他校の友達と知り合える、専門の先生に教わる機会がある、といったメリットが、あります。
一方で、活動場所が学校以外になることや、移動の負担、費用の心配など、気になる点もあるでしょう。
昭島市には6つの中学校があります。
地域クラブでは、これらの学校施設に加えて、体育館や公民館、場合によっては民間の施設なども活用していきます。
移動手段や安全面にも配慮しながら、無理のない範囲で活動を組み立てていく予定です。
そのための実験と検証の場として、今年度のモデル実証を行っていきたいと考えています。
保護者の皆さんと一緒に、これからの活動の形を考えていきたいと思っています。
今年度、昭島市では、これから地域クラブという新しい仕組みを作っていくために、「昭島モデル」としてどのような形がよいかを探る実験=モデル実証を行います。
モデル実証とは、実際にいくつかの種目で地域クラブの活動を試してみて、どんな課題があるのか、何がうまくいくのかを検証する取組みです。
今年度、令和7年の10月ごろから、複数の種目でこのモデル実証をスタートさせる予定です。
保護者や生徒のみなさんの意見、指導者の体制、会場の確保など、さまざまな条件を踏まえながら、来年度以降に本格的に導入できるかどうかを見極めていく大事な段階です。
皆さんのご理解とご協力が大きな力になります。
ここまでご説明してきたように、昭島市では、今年度のモデル実証で、どのような形で地域クラブを導入していけるか、みなさんと考えていきます。
国の方針もふまえて、これまでは学校が担ってきた部活動について、まずは、土日の部活動を地域クラブとして展開していけるか、という観点で、今年度のモデル実証を行います。
地域クラブ活動は、昭島市が一方的につくる制度ではなく、地域や保護者の皆さんと一緒につくっていくものです。
皆さんの経験や意見が、子どもたちの活動の充実につながっていきます。
今後の説明会やアンケート、話し合いの機会などを通じて、ぜひご意見をお寄せください。
今後も、保護者向けの説明会やWebサイトによる情報発信、アンケートなどによる意見の収集を実施していきます。
皆さまのご意見をしっかりと伺いながら、子どもたちにとって最適な活動の場を、一緒に作っていきたいと考えています。
ご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。