※こちらは、動画「解説① 国の方針」の内容を書き起こしたものです。
こんにちは。
今日は、“部活動の地域移行”、最近では“地域展開”と呼ばれる取り組みについて、国の考え方をもとに、やさしく解説していきます。
この地域展開という言葉には、ある強い願いが込められています。
それは、子どもたちの活動の場を、なくさないこと。減らさないこと。
少子化が進み、学校の部活動が成り立ちにくくなる中でも、子どもたちがスポーツや文化活動を、安心して続けられるように——。
そのために、地域全体で支えていこうというのが、この改革の目的です。
まず、この改革が始まった背景には、2つの大きな課題があります。
ひとつは、急速に進む少子化です。
生徒の数が減ると、これまでのように学校ごとに部活動を運営するのが難しくなってきます。
もうひとつは、先生たちの働き方改革。
授業だけでなく、放課後や休日にも部活動の指導を担うことは、先生たちの大きな負担になっていたんです。
でも、こうした状況だからといって、子どもたちの活動の場を減らしてしまっては、本末転倒です。
そこで、学校だけでなく、地域の大人たちも一緒に支えることで、活動の場を確保しようという考えが生まれました。
つまり、地域展開の一番の目的は、子どもたちが、好きなことや得意なことに安心して打ち込める場所を、ちゃんと守っていくことなんです。
これまで、部活動は学校ごとに運営されてきましたが、少子化で生徒が減る一方、学校の先生の負担も大きくなる中で、これまでの形をそのまま続けていくのは難しくなってきました。
でも、子どもたちがスポーツや文化活動を続けられる環境は、これからも必要です。
そこで、部活動のよさを地域に広げていく「地域展開」という考え方が生まれました。
“地域移行”という言い方ではなく、“地域展開”という表現が使われているのは、ただ学校から切り離すのではなく、地域と一緒に育てていこうという前向きな姿勢を表すためです。
この新しいかたちの活動が、今「地域クラブ活動」と呼ばれています。
地域クラブ活動では、学校の部活動と同じような活動もあれば、もっと自由で新しい活動もあります。
たとえば、学校の枠をこえて、他の学校の生徒や地域の大人といっしょに活動する場がつくられたり、年齢に関係なく、同じクラブで長く続けられたりします。
また、一つの種目だけでなく、いろんなスポーツや文化活動を体験できる「マルチスポーツ」や「複合型文化クラブ」のようなスタイルも考えられています。
大事なのは、子どもたちが「自分のやりたいことを、自分らしい形で続けていける」ようにすること。
そんな新しい居場所を、地域の力で作っていくのが「地域クラブ活動」です。
国の方針では、2028年度、つまり令和10年度末までに、原則すべての学校で、休日の部活動を地域で行う「地域展開」に移していくことを目指しています。
これは、子どもたちが活動を続けられる場を守ると同時に、教員の働き方を見直すための大きな流れです。
ただし、これはあくまで国全体の目標であって、すべての学校が一斉に部活動をやめる、というわけではありません。
昭島市でも、国の方針をふまえながら、地域でできる活動の形を少しずつ試していこうとしているところです。
国は、地域クラブ活動の担い手として、地域のスポーツ団体や文化団体、自治体、学校、そして民間の団体など、さまざまな関係者が協力していくことを想定しています。
たとえば、地域の体育館や文化施設を活用して、地域の指導者や団体が子どもたちの活動を支えていく、という形です。
昭島市でも、こうした国の方針をふまえながら、どのような形が地域に合っているかを模索しているところです。
すでに地域で活動している団体や指導者の力を借りながら、地域クラブのあり方を少しずつ試していく予定です。
ここまで見てきたように、部活動の地域展開は、子どもたちが自分らしく、のびのびと成長していけるようにするための改革です。
大切なのは、“学校だけでなく、地域みんなで支える”という考え方です。
この仕組みがうまく回れば、先生たちの働き方も改善され、保護者や地域の人も子どもたちの育ちに関わることができます。
ただし、うまく進めるには、それぞれの地域の事情に合ったやり方を見つける必要があります。
そして、そのためには私たち一人ひとりの理解と協力が、とても大切です。