赤沼の獅子舞は平成2年指定春日部市無形民俗文化財です。
赤沼の獅子舞は埼玉県春日部市豊野地区南端の赤沼に伝えられている獅子舞です。
赤沼は江戸期から明治22年まで、葛飾郡松伏領に属する一つの村でしたが
同年銚子口村・藤塚村と合併して豊野村になりました。
地名の由来は薬師如来に供える「閼伽(あか)」(梵語で仏に供える香水の意味)の沼、
すなわち「閼伽沼」が転化したとされています。
この獅子舞は、享保3年(1718)に現在の越谷市下間久里から伝えられました。
赤沼の平七郎あてに獅子舞を伝授する内容が書かれた文書が今でも残っています。
現在獅子舞は7月15日と10月19日に一番近い日曜日に、
赤沼神社の境内で行われています。
太夫獅子・中獅子・牝獅子の3匹の獅子が天狗を先頭に笛や箱獅子と共に舞庭に入り舞が始まります。
3匹の獅子たちは順番にお囃子の音に合わせて舞います。
途中「稲荷の舞」が演じられ、
夏は豊作祈願の「弓くぐり」を舞い、
秋は豊作祝いの面神楽が舞われます。
昭和36年ごろいったん途絶えながらも、
地元の人々の努力で平成元年に保存会を結成して舞を再開。
平成4年には全曲を復活させるまでになり、
平成28年には途絶えていた神楽「鬼退治」
平成29年には神楽「種蒔き」を創作復活させました。
平成29年伝承300年祭が盛大に行われ、
欠損していた神楽も舞われ本当の意味での復活となりました。