雷牙矢 愛都

表向きは陽気で可愛いキャラだが、実際は腹黒く、使えるものは利用する性悪男。

過激なファンサービスだと言葉を濁しているが、言ってしまうとただ体の関係を強要しているだけ。

顔面の差別も激しく、正真正銘のクズ男。

  外から見れば普通の一般家庭。当時の愛都も、自分の家族は特に異常はなく、学校のみんなもこのような家庭なのだと信じて疑わなかった。

  しかし、本当の本当に一般的な家庭で育っている人が愛都の家庭環境を見たら、愛都のことを心配してしまうだろう。そんな家庭環境だ。

  具体的には、家族みんなで団欒する時間がなかった。ご飯は無言でテーブルに置かれていて、自分で気づいたら食べる。もちろん、気付くのが遅れたのなら、冷たいご飯を食べることになる。残しても怒られはしないものの、母親の機嫌はあからさまに悪くなり、その場にいることが何よりも苦痛となる。

  ＿＿＿愛都は、それが普通なんだと、当時は思っていた。

  もう1つ、異常なことがあった。それは、父親が家に顔を出すことが異様に少ないと言うこと。愛都は、父の顔をパッと思い出すことが出来ないほどだ。………仕事で忙しいのだろう、それで済ましていた。なんせ、物心ついた頃からこの家庭環境なのだから、他を知らないのだから、仕方のないことだった。

  友達の家にも、行ったことがない。どことなく、母に話しかけるのも気が向かなかったため、誘われても行かないことがほとんどだった。無言でどこかに行くのも、母に”くだらない”報告、質問をすることも躊躇してしまっていた。

  ………みんな、すごいなぁ。幼い愛都はそう思い、自分は弱いのだと、無意識のうちに決めつけ、独り閉じこもる日々を送り続けた。

  特に家族に不満を抱かず、しかし人生の価値も見出せずいた愛都に、さらなる追い打ちが加わる。

  ＿＿＿両親が、殺害された。

  あまりにも突然だ。突然すぎて、頭に入らない。前兆も何もなかったのだから。

  朝目が覚めて、冷えたご飯を食べるはずだったのに、急にそんな事実を叩きつけられて、意味がわからなかった。

  何故死んだ？  誰に殺された？  死因は？

  幼い愛都は、残酷な夢の世界にいる感覚になっていた。あまりにも現実離れしていて、受け入れるにはまだ幼くて。

  意味がわからない……しかし、確かに傷は深いところまできている。そう簡単に癒えない、とても深いところまで。

  愛都は、周りの人に手助けをされつつ、孤児院に預けられた。

  そこでしばらく過ごすことになる。

  ＿＿＿闇を取っ払った。その方法を知ってしまったから。早く、早く温もりが欲しくて。

「人生ってほんとつまらねーよな。だり〜！！ でも三大欲求だっけ？ あれは分かる。特に性欲わかりみ深すぎる。今日も完璧な顔面でかわい子ちゃん堕としまくるぜぇ〜！ はははっ！！」