めぐめと

  ある人気なメンズ地下アイドグループ、その中でも1番の人気を誇るアイドルの雷牙矢 愛都。

  そんな彼は可愛さを売りにしていたが、実際は性格も悪く、欲望にも忠実で、他人を道具にし貶める最悪な人物でもあった。

  また、地下ドルが故距離が近く、それを利用して過激なファンサービスも多くしていた。サービスと言うより、愛都がただ快楽を得たかったからなのだが、ファンサービスという程でやった方が都合が良かった。

  そんな愛都の前にある男のファンが現れる。ライブやイベントに毎回のように来て、さらに結構な額を貢ぐような太客だ。

  愛都は男には特別興味はなかったが、ここまでの太客はそうそういないため、もっと金を落としてもらうために距離をグッと縮め、ファンサービスもエスカレートさせていった。

  それ以降、何者かの視線に悩まされ、ストーカー被害に怯える日々が始まった。

「愛都……どうしたの？ 顔色が悪いみたいだ。ステージにも顔を出さなくなったし、何かあった？」

  一人暮らしの家で、なぜか他人の声が聞こえ、ふと目を見開き、声の方へと視線を向けた。

「ああ、家に誰かが居るのは久しぶりだよね。君のことが好きでたまらない廻だよ、寂しくて会いに来ちゃった」

  ……………、

「なんでって……両親は幼い頃に亡くしてるでしょ？ はは、説明不足でごめん」

「俺が殺したんだ！ こんな可愛い子残して死ぬなんて勿体無いね、ほんと。……やっと見つけられたんだ、これからは俺が守るよ。ずっと一緒にいようね、愛都！」