市民の代表として託された各議員のみなさんが、議会の場でどれだけ働いているのか、さまざまな視点からチェックする「議員の通信簿」 。みなさんが選んだ議員はいかがですか? (敬称略)
<目 次>
2019年6月~2021年6月の議員の質問回数を、議員別と会派別の表にしました。 一般質問は、議員が年4回の定例議会で、市の施策の状況や方針などについて、 報告・説明を求めたり提案意見を述べたりすることで、 議員の重要な仕事です。
注1)議長は在任中は質問をしたとみなします。
注2)古川ひさお議員は病欠のため1回休み。
注3)大川博議員は現在は新政クラブへ異動。
2019年6月~2021年9月まで10回分の「一般質問」について、各議員の平均質問時間(分)をまとめました。議員20名の平均値は、27.5分でした。
◎市議会ホームページの本会議録画より、全議員20名の質問時間を集計し、各議員が質問にどれだけ時間をかけてきたのかを調査分析したもの。
<図2>は、横軸に「一般質問の回数」、縦軸に「一般質問の平均質問時間」を取り、各議員をプロットしたものです。保守系会派の議員は、大橋、渡邊、大川の3議員を除き「質問回数」が少なく、かつ「質問時間」も短いことがひと目でわかります。 これに対し、上位グループ10名は、ほぼ毎回質問し、その時間も30~45分と長い議員が多くなっています。
2020年6月議会から、コロナの状況を理由に、質問タイムが20分から10分に短くされましたが、その変更前後で「一般質問」時間の変化の様子を調べたところ、上位グループと下位グループとで大きな差が見られました。上位グループでは、前半4回(質問制限時間20分)の平均質問時間が、46.5分だったのが、後半6回(質問制限時間10分)では、28.1分と18分以上も大きく減少したのに対し、下位グループでは21.3分から18.3分へと、ほとんど変わっていません。
さらに個別議員で見ると、上位グループの中には20分以上もの大幅減少を強いられた議員が5名もいます。一方下位グループでは、10分に短縮されても、それ以前と変わりません。つまり元々短い時間で済んでいたので、別に長くなくてもいい、10分で十分!ということを意味します。下位グループの大半を占める保守系会派の議員が、20分に戻さなくてもよいとしている理由のひとつなのではないでしょうか。
ワクチン接種、殺菌消毒などコロナ対策も進んでいるのに、質問制限時間を10分にまで減らしている地方議会は、日進市くらいしかありません。近隣市町の名古屋市、長久手市、みよし市、東郷町、豊明市は、短縮せず何の支障もなく続けているのです。市側に「一般質問」できる機会は、年4回しかないのに、1回10分しか質問できないのは、ほぼ発言を封じられていると言っても過言ではないでしょう。市民がもっと声を上げる必要があります。
コロナ禍による10万円支給など、市職員の過重な業務負担による市議会への影響も薄れ、議場における感染対策も徹底されている現在においてもなお、数の力で「質問時間は10分のままでよい」とし、開催中の12月議会は「15分」にしたとはいえ、まだ削減したままなのは問題です。市議会が行政の動きをチェックするためには、質問時間の制限を20分に戻すことは、どうしても必要なことです!まちづくりアクションはこれまで以上に、質問時間を通常に戻すよう、要請していきます。
日進市の市政全般の方針や報告に対して尋ねる「一般質問」に対して、市が議会に提出する予算案・決算案や条例案に対して問いただすのが「議案質疑」。 これって何より重要な議員の仕事なのです。まずは本会議場で 各議員が問うのが「本会議質疑」。ひとつの議案、一項目に対 して2回までしか聞けませんが、委員会で深く審査する前段階として「議員の腕の見せどころ」です。 この3年間の各議員の「本会議質疑」状況をまとめてみまし た。残念ながら、半数の議員はこの3年間1度も本会議質疑をしていません。どの議員もそれぞれ独自の視点から、議案に対してしっかり質疑をすることは当然であり、議会の活性化につながるのではないでしょうか。今後も注目をしていきます。
2019年の選挙期間に全世帯に配布された「選挙公報」 に各議員が掲げた「公約」について、この3年間どう取り組まれているかについて検証してみました。 すべての項目を取り上げるのは難しいので、多くの議員の公報に掲載の あった「くるりんばすの改善」に焦点をあて、比較検証したのがこのグラフ です。あわせて3年間に本会議で質問した回数も数値化しました。
わかりやすい例として、「くるりんばす」を取り上げましたが、各議員が重要視する政策の優先度は異なっており、この結果が各議員の取り組み姿勢すべてをあらわしているわけではありません。 しかし各議員が選挙時に掲げた政策実現にちゃんと取り組んでいるのか、 有権者としてしっかり注目したいですね!
また市議会では自民保守系議員の賛成多数により、ちょうど2年前から各議員の質問時間を10分に半減していること、この3年間の議会の質問回数の半分を休んでいる議員が2名もいることも大きな問題。残りあと1年の任期 中、各議員の議会における仕事ぶりを、「まちづくりアクション@日進」は 常に見ていきます。
※会派内の議員間でテーマを分担調整している場合もあります。
※道家、武田、萩野の3氏は議長職のため他議員より4回少ない。
※古川氏は病欠により1回少ない。
前回の選挙(2019年)から3年半、市民の代表である市議会議員の働きぶりをまとめてみました。
令和2年(2020年)6月議会から4年(2022年)12月議会までの15回分、一般質問の質問時間総計と質問回数です。
一般質問は、年4回の定例議会で、市の施策の状況や方針などについて、報告・説明を求めたり、提案意見を述べたりする、議員の重要な仕事です。
質問時間総計では、議長職による空白時間を考慮しても、質問時間が多い議員と少ない議員では7時間以上の差があります。
質問の平均時間と回数のグラフでも、質問回数が多い議員は1回あたりの質問時間が最長で45分に達するのに対し、質問回数が少ない議員は時間も20分以下と短く、両者の差がはっきりと出ています。
皆さんが投票した議員はどうでしたか?(グラフ中敬称略)
3月議会では多くの議案が審議されましたが、なかでも、令和5年度1年間の日進市の収入・支出枠を決める「当初予算案」は最も重要な議案です。委員会で予算の内容を確認して疑問を正すなど必要な指摘をすることは、市民の代表である議員の使命だと言えるでしょう。
そこで今回、まちづくりアクションでは各委員会(=予算委員会分科会)所属議員(委員長を除く)の当初予算案に対する質疑回数を数えてみました。
委員会で分担する事項が違うので一律の比較はできませんが、グラフに示した通り、質疑回数の多い議員と少ない議員との差は極めて大きく、中には質疑を全くしなかった議員も散見されます。質疑回数だけでなくその中身が大事であることは当然ですが、質疑しない議員は議員の職責を果たしているのでしょうか?
議員が市民のために力を発揮する場のひとつとして年4回の定例会での「一般質問」があります。市政全般についての現状や見通し、地域の住民の生活に関わる課題等、その内容は多岐に及びます。たくさんのテーマを取り上げ、深堀りするほど、質問応答時間は長くなります。
下の【グラフ1】は、各議員の過去4年間の質問時間の長さ(分)を総合計したものです。4年間を累積すると、議員間でかなりの格差が生じます。質問時間にこれだけの差が生ずるのは、年4回しかない機会を活かさず、質問回数の少ない議員がいることも大きな要因のひとつです。日頃から住民の声を集め、行政の最新の動きを探り、調査し裏付けを取るなど丁寧な作業を続けていれば、一般質問の準備は自ずと出来るはずです。
【グラフ2】は、各議員の1回当りの質問時間と4年間の質問回数をプロットしたものです。16回すべてに質問した議員は7名で、14回以上でやっと12名となり半数を超えます。5回~12回の下位グループ7名の平均質問時間は、10~20分に過ぎません。上位グループでは通常30分以上で、中には50分に迫るほどの議員もいます。議員の活動は市民からは見えづらい部分がありますが、このグラフのように視覚化することも可能です。
「公約」は「公衆に対して約束すること」と辞書にあります。選挙で公約を掲げて当選した議員がその後議会でどう取り組んだのか、市長と議員の半数以上が公約として掲げ、市民の関心も高い「くるりんばす」について調査しました。また、令和4年12月議会で「くるりんばす予算増・バス台数と路線増、高齢者無料」を求める請願書(署名数7750筆)が提出されたので、その時の賛否も合わせてグラフにしてみました。
請願に賛成した議員は全員議会で質問をしており、7名中6名が公約にも掲げています。一方、公約に掲げているが議会での質問はなく、請願にも反対した議員もいます。
各議員が重要視する政策の優先度は異なりますが、選挙で「約束」した政策についてどう取り組んだのかは、その議員の働きぶりや姿勢を表します。選挙の公約だけではなく、その答え合わせにも注目していきたいですね。
4月の市議会議員選挙で議員の顔ぶれが一新され、若返りと女性議員増が達成されました。6月議会では、初めて当選した議員8名(自民党5名、市民派2名、公明党1名)について注目しました。
『一般質問』の所要時間をグラフで比較すると、まず市民派のゆきむら議員と田中議員が、全議員の平均値37.8分を大きく上回る結果を出していて目を引きます。残りの新人6名は平均時間よりも短くなっています。
『一般質問』の所要時間は、各議員の質問上限タイム20分に行政側の答弁時間X分を加えたものです。限られた時間内で、市の実施している広範囲の業務の中から、あるテーマにつき質問を繰り返すことで、そのテーマが抱えている問題の解決を図るべく、行政側の真意を引き出し、解決に向け動くように働きかけることが大事なポイントになります。
そのために、議員は事前準備が必要で、行政職員に対するヒアリングと意見交換をしておくことが必須になってきます。これが不十分な場合には、所要時間は大幅に短くなります。逆に準備が十分できていれば、行政側から効果的な答弁を引き出すことができ、問題解決につながります。
したがって、一般質問の所要時間の長さは、その中身に比例していると言っても過言ではありません。よくあるケースは、例えば『DX について』、『第6次総合計画について』等と大きなテーマを持ち出し、大雑把に市の方針と実施済のこと、今後の予定について質問するものの、それより先の議論に繋がらず、5分程度の短い時間で終了する場合も見受けられます。
『一般質問』を充実させるには、日頃から広い方面での現場の情報を集めたり、近隣市町の議員と情報交換したり、様々な分野での知識を深めるべく各種行政委員会や審議会を傍聴するなど研鑽を積んでおくことが求められます。議員の仕事は夏祭りや盆踊りで挨拶したり、ボランティア活動するだけでは務まらないのです。
グラフの中で議員名㈹と表記されている議員は、議会に6つある会派の各々の代表議員であり、質問上限タイムは25分で、他の議員より5分長くなっているので、所要時間が代表以外の議員より長くなる傾向が示されています。それでも1番目と6番目の間に2倍近い差があり、内容もそれにほぼ比例しています。
▶グラフ内の(自民系)は新政ひまわり・新政クラブの所属議員、(市民派)は政策研究グループ「未来ネット」・政策研究会「あした」の所属議員を指します。
▶質問タイムの上限は20分です。
▶「議員名(代)」は、その議員の所属する会派代表者を示し、質問タイムの持ち時間が5分増え25分となります。
▶代表質問後に「関連質問」した議員は、その時間(5~10分)も加算しました。
さて、新人議員8名で注目すべきは、その質問内容で、これまでの保守系議員のそれと比べると、意欲的かつ異なる内容になっていて、今後の市議会での動きに変化が生ずる前触れのようなものを感じさせます。
▶自民党の吉野議員はパートナーシップ制度、エンディングノート、インクルーシブ公園、空き家問題など福祉関係のニッチな問題を積極的に取り上げました。
▶同じく自民党の大屋議員は、市の農業政策について、かなり詳しく問い正しています。農業についての市の無策ぶりが改めて浮き彫りにされました。
▶さらに自民党の加納議員は、高齢者のボランティア人材活用の積極策、介護関係の人材不足解消に向けての取り組みを問い質しています。
▶同じく自民党岩渕議員は小中学校における金融教育の必要性について訴えました。このテーマの取り上げは、過去前例がないように思われます。
▶自民党小出議員は、ひとり親家庭への公的支援について説明を求めていました。
▶公明党の中島議員は、地域の人々の支え合いの状況について説明を求めています。
保守系の新人議員の今回の質問内容は、福祉関係の行政について説明を求めるものが多く、これまでの土木建設中心になりがちな自民党議員には無い傾向でした。今後の動きに注目したいと思っています。
▶一方で市民派のゆきむら議員は、『地域助け合い会議』について市の3地域に設置する計画なのに、1つもできていない理由はなぜかと粘り強く追及しています。「しあわせまちづくりプラン」にて決められたことが及び腰になっていて進展していない実態が明らかになりました。
▶市民派の田中議員は、公共施設での wi-fi 環境、見守りキーホルダー、異なる文化圏の方々との共存、各地域での移動支援の問題など多岐にわたり問題を提起し解決を求めていました。
以上のように、新人議員の『一般質問』への取り組みは期待以上のものがありました。新人議員の新鮮な目が行政の抱える様々な問題を掘り起こし、それを行政側が順次解決していくことで、日進市がより良い街になるという希望が見えて来たようです。