「リカバリー」の「一九八七年版への序文」(全6ページ)に全てが詰まっており、一部を紹介します。H・L・グラヴィッツ、J・D・ボーデン 著 大越 崇 訳
以下引用 (強調、中略はTANIによる)
『リカバリー』の初版から二年半経過した。その時以来たくさんのことが起こった。アメリカの多くの家庭が回復への道を見つけ、健康になろうとするエネルギーと精神力にあふれている。その中に私たちもいることがよく分かった。すべての年齢の、幾千万ものアルコール依存症の親を持つ子供たちは、意義深い社会運動のその真ん中にいる。
(中略)
アルコール依存症の親を持つ子供たちの回復過程についての講義や講演で旅行をすると、私たちはある率直で力強い言葉を聞いた。人々は「あなたの本を読んだよ。とても助けになった。でも、私はアルコール依存症者の子供ではないよ」といたるところで私たちに言ってくるのである。非常に多くの人々が、「核心の問題点」(5章)を読むまでは、自分の体験にぴったり当てはまらないと言っていたのに、あの章を読んだ後では、「あなたは私の目をさましたくれた」と言うのだった。
研究を続けるなかで、多くの同僚も私たちと同じことを発見しているのが分かってきた。すなわち、アルコール依存症の親を持つ子供たちは、社会的に見て、大きな氷山のわずかに見えるほんの一部に過ぎない。その水面下に隠れた大きな部分がこの国の人口の九六%を越える人々に見えざる影を投げかけている。これがもう一方の「傷を受けた子供たち」の存在である。少年期を体験するというよりようやく生き延びてきたこれら「傷を受けた子供たち」もまた、子供の時期に、自分の一部分を犠牲にせざるをえなかった人々である。大人になって、何が彼らを打ちのめすのかを知らないままに、原因の分からない痛みにさいなまれ、現実を正しく認めることができなくなり(否認)、自分を過小評価する(矮小化)傾向をずっと身につけてきた。その結果、彼らは機能不全の役割、規則、行動にはまり込むことになる。
これが「傷を受けた子供たち」という氷山の隠れた部分である。私たちのうちの2億人以上が過去を否認し、現実を水中に沈めている。私たちの子供時代の、心の小さな自分と、大人としての自分をはき違える。これはまさに親から受け継いだ遺産で、今度は自分たちがそれを子供に回そうとしていると言える。
以下、解説 R3.9.26更新 by TANI
当時のアメリカの人口は約2億3千万人。今は、3億人を超えていますが、当時の2億人以上が「傷を受けた子供たち」であると言ってます。これは驚きです。このことから自分は一人じゃないと勇気づけられます。
この文章の中で、まさに自分のことを説明していると思われる箇所は、以下の部分です。
これがもう一方の「傷を受けた子供たち」の存在である。少年期を体験するというよりようやく生き延びてきたこれら「傷を受けた子供たち」もまた、子供の時期に、自分の一部分を犠牲にせざるをえなかった人々である。大人になって、何が彼らを打ちのめすのかを知らないままに、原因の分からない痛みにさいなまれ、現実を正しく認めることができなくなり(否認)、自分を過小評価する(矮小化)傾向をずっと身につけてきた。その結果、彼らは機能不全の役割、規則、行動にはまり込むことになる。