「九州教育オーディオロジー研究協議会」設立趣意書
「九州教育オーディオロジー研究協議会」設立趣意書
聴覚障害教育において、聴覚の活用はその基礎となる重要な専門性の一つであると同時に、大きな役割を担ってきました。
このような中で、聴覚活用に対する価値観や教育方法へのニーズの多様化により、聴覚に障害のある子どもたちを取り巻く環境は、急速に変わろうとしております。
オーディオロジーに関する分野としては、補聴器のデジタル化をはじめ、検査機器、補聴援助システムの著しい進歩や人工内耳装用児の増加、新生児聴覚スクリーニングに伴う乳児期からの最早期教育(療育)の開始等があげられます。
このような状況の中で、聾学校における聴能担当者は、聴覚管理や補聴器のフィッティングを行っていく上で、最新の補聴器や各種機器への対応が必至となっております。
また、乳児をも含めたきこえの評価、保護者への支援、聴覚学習や言語指導のスキル、障害認識も含めた個別の指導計画の作成等、きこえないこと、きこえにくいことからくる様々な障害に対応できるようにしていくことが求められています。
さらに在籍児に対する援助のみならず、各校で行われている補聴相談、教育相談といった聴覚障害教育センターとしての役割から、医療、福祉、教育機関との連携も今後一層求められていく部分だといえます。
これらの現状を踏まえ、ここに聾学校、難聴学級、通級指導教室等の校種を越えたネットワークを確立し、相互に知識・技能を高めていく場を目指して「九州教育オーディオロジー研究協議会」を設立することとなりました。
聴覚障害教育における教育オーディオロジー分野の一層の発展を願い、本教育に関わる教員の理解と協力のもとに、聴能に関わる教員一人一人が資質を高め、聴覚に障害のある子どもたち、両親や家族の方への適切な援助を行える体制を整えていきたいと考えております。
本会の活動は、九州地区聾学校長会ならびに、九州地区聴覚障害教育研究会、九州地区難聴・言語障害教育研究協議会等との連携のもとに進めていく所存です。
平成16年8月10日
九州教育オーディオロジー研究協議会