ポスターへのコメント
1001
Keisei :中等教育学校への情報(通信)技術の導入と情報教育環境の構築
生徒が主体となって既存の端末を有効に活用するためにサイトやツールを開発し、コストを抑えながらサービスを提供していることが印象的です。またアンケート分析やアクセス数の解析を行って有効性を検証している点が素晴らしいです。
目の前の課題に着目してこれを解決しようとする提案であり、システムを構築にとどまらず、イベントによる広報・アンケートまで行ったのは評価できます。学校と問題意識を共有し、実際に学校で運用することを目指してください。
自らのニーズに応えるサービスを創造する姿勢は素晴らしいです。このプロジェクトで展開されているアイデアやソリューションは、ユーザーの視点を深く理解していることが伝わります。ポスターには多くの情報が含まれており、その熱意が伝わります。ただ、もしより多くの人にメッセージを伝えたい場合は、要点を簡潔にまとめると更に効果的かもしれません。
日常的に端末やクラウドサービスを利用しているユーザ目線で必要だと考えられる様々な改善をおこなわれたことがわかりました.この取り組みは,隣の学校や隣の自治体など,他の学校で1人1台端末を使いやすくするためのヒントとして有効だとも思います.そう考えたとき,実装したサービスの一覧 (学習補助ツールだけでも25種類!!) や,サービス別のアンケート結果などがあると説得力が増すと思いました.今後もぜひ継続して,ご自分達の学習環境をより良くしていただくことを楽しみにしています.
1002
TAKAHASHI :秋田高校の凍結した坂道での交通整理シミュレーション
冬期の通学路の安全な歩行という、自分たちの学校の身近な題材に対して問題設定とシミュレーションを行い、現地調査と照らし合わせて検証しているところは素晴らしいです。結果のズレに対する考察も行えているので、それをもとにさらに進展することを期待しています。
このプロジェクトは、シミュレーションと実際の調査を組み合わせることで、横断歩道の設置場所を決定する上での新しい視点を提供しています。このような実践的な研究は、市民の安全と都市計画に直接的な貢献をする可能性を持っています。なお、第6段落が2つあるようです。文章の最終チェックを行うことで、さらに説得力を増すことが期待されます。今後、この研究がどのように実際の交通安全対策に応用されるか、その進展を見守るのが楽しみです。
モデルを作ってシミュレーションによって何らかの特性を発見しよう,という方針はしっかりできています。現実の測定によってそのモデルの妥当性を確認できるところまで作業を進めてみることをお勧めします。
身近な実際の問題をとりあげてモデル化し、それに関するシミュレーションにより解析して解決の一助としようという方向はたいへんよいと思います。しかし、モデルはそれが現実を適切に反映したものになっているかの検証が必要ですが、この研究では、1カ所での自動車・自転車・歩行者の数の計測だけで、実際には車がどういう状況で何回減速しているか、などの実地調査はまだのようですので、今後はそれも行なってモデルと対比しその妥当性を検証することを期待します。また、自分たちの身近な問題解決から出発するのは良いのですが、それだけだと1事例(貴高校の坂道)だけの解決にとどまってしまいますので、研究として行なうなら、例えば多くの凍結傾斜路のケースに適用できるよう発展させることが望まれます。
1003
鳥海塾地域情報発信班1 :利用者への考慮と有用性の高さを意識したWebVRの構築
所属する学校や近所の商店街の情報発信のためにWebVRを用いるという意欲的な提案で、システム構築に多くの手間がかかるところを着実に進めている様子が感じられます。標題の「利用者への考慮」「有用性の高さ」が何を意図し、どう評価しようとしているのかについてもう少し説明するとよりよい発表になると思います。
商店街の知名度向上を目指すこのプロジェクトは、具体的かつ実践的な目的を持っています。他の既存サービスとは異なる独自の機能や利点を明確にすることで、プロジェクトのユニークさをより際立たせることができるでしょう。写真を通じて地域の魅力を伝え、新しい訪問者を引き寄せるこのプロジェクトの今後の発展が非常に楽しみです。
VRをWebブラウザ上で使える形で地域の情報発信を展開し始めた試みを高く評価します。その活動を継続し,参画してくれる周りの生徒・地域の人たちの輪を広げていくことを期待しています。
1004
鳥海塾XR班:キャラクターの動作と見る人に与える印象における関連の考察
キャラクターにどんな動きをさせると印象がよくなるのかを3Dモデルを使って検証しようという着眼点はおもしろいと思います。可動部や可動範囲が異なるキャラクターからどのような一般化した知見が得られるのか、作品の完成とアンケート結果が楽しみです。
キャラクターが持つ要素や動きが与える印象の一般化というのは大きなテーマです。
ぜひ仮説・検証・考察という一連の流れを実施してください。キャラクターの動きがどのように人々の印象に影響を与えるかを探るこの研究は、様々な場面おいて重要なインサイトを提供します。特に、「かわいい」や「かっこいい」といった感情を定量化しようとする試みは、主観的な感情を客観的なデータに変換するという点で、非常に革新的です。今後、どのような新しい知見が生まれるのか、その進展を見守るのが楽しみです。
1005
鳥海塾地域情報発信班2:GPSゲームによる商店街の情報発信システムの提案
地元の商店街の情報発信のためにGPSゲームを活用するというのは、実際に足を運ぶことになるので魅力的な提案ですね。ミニゲームやuMapも含めた盛り沢山な提案ですが、どれも完成に要する作業量が多いと思うのでどこかにポイントを絞って仕上げ、発表資料をまとめるとより魅力的な作品にしあがると思います。
商店街の活性化を目指すこのゲームは、社会貢献の面でも素晴らしいですね。このゲームが、地域コミュニティの絆を強化し、新しい来訪者を惹きつける可能性を秘めていることは、大変興味深いです。既存の人気アプリケーションとの比較を通じて、独自の特色を強調することが、さらなる成功への鍵になるかもしれません。
さらにさまざまなGPSゲームを用意して地域の活性化を下支えしてください。
1006
鳥海塾プログラミング班:ReDosに負けない正規表現づくり
正規表現の書き方によって実行速度がどのように変わるかを詳細に調べており、ポスターも見やすく仕上がっています。まとめに記載された「O(n) (1<n<2) となった」の部分がよくわからなかったので、この説明を再検討するともっとよくなると思います。
正規表現を活用したシステムの高速化を目指すこの研究は、計算効率の向上という点で大きな意義を持っています。計算機実験による検証も行われており、その結果は今後の研究に重要な基盤を提供します。ただし、「だめな書き方」の計算時間がO(n)であるという点には疑問が残ります。これをさらに詳しく検証し、その結果を明確にすることで、研究の信頼性と実用性が高まるでしょう。今後、この研究がどのように進展し、実際のアプリケーションにどのように応用されるか、その発展を期待しています。
もう一歩、勉強を深めることを期待します。「高速」「低速」の度合いを示す O(f(n) ) 記法の意味合いも確認しておきましょう。
正規表現のバックトラックに注目して、計算量を見積もるために実験的に計測した点など、創意工夫はすばらしいです。ただ、実験的に推測した後、なぜ、そのオーダーになるのかを差分方程式などを利用して評価することも必要だと思います。さらに、ランダムな文字列などを利用して正規表現に合うか合わないかの実験をしてみるといいと思います。
1007
公益大鳥海塾 WebXR班:遠隔でも感情を表現できるアバターの作成
遠隔型分身ロボットをweb上のアバターとして実現するという試みで、表情をアニメーションで変化させることで感情を表現するという着眼点はよいと思います。3Dのプログラムは作業量も多いし、また伝えるべき感情をどのように入力させるのかなど考察すべきところが色々ありそうですが、できあがって動く姿を見るのが楽しみです。
アバターの表情が仮想環境内での感情表現にどれほど影響を与えるかを探るこの研究は、現代のデジタルコミュニケーションの分野で非常に重要な意味を持ちます。表情を持つアバターの作成は、より人間らしい対話を可能にするかもしれません。進行中のプロジェクトですが、感情表現の微細なニュアンスがどのように伝わるのか大変興味があります。
出発点として試作品はできました。ここからが勝負です。一層の勉強と努力を重ねてください。
1008
県立福島高校SS部ゲームAIの班:不完全情報性を克服する麻雀AIモデルの開発
不確定不完全情報ゲームの麻雀に焦点をあてて、AIを作る際に人間の上手いプレイヤーの模倣ではなく、最善の打牌を目指すという調整は大変興味深いです。現状では深層学習が期待通りに行われていないように見えるのが残念ですが、問題を簡略化するなどしてどこまではうまくいっているのかをよく観察しながら開発を進めるとよいと思います。完成に期待しています。
従来のアプローチとは異なる方法で麻雀AIの強化を目指すこの研究は、大きな可能性を秘めています。実験方法や結果の提示にさらなる注意を払うことで、プロジェクトの信頼性が高まります。例えば,本文中で参照している表6がどこにもありません。
不確定不完全情報ゲームの麻雀に意欲的にとり組んでいますが、奥が深い課題だけに相応の結果が出るまでの道のりは長いと覚悟を決めて研究を進めていってください。
1009
図書館班:図書推薦システムの開発
自然言語処理技術を身近な問題に応用し、ユーザが漠然とした好みを入力するだけで適した図書を見つけて推薦しようとする課題設定は面白いと思います。今のところ期待に反する結果も出ているようですが、考察に記述した内容を検討しながら研究を進めることでさらに進展することを期待しています。
単語入力が文章入力より高精度なのは、人間が入力する単語自体がすでに重要語になっているからであると考えられます。完全一致を目指すと検出率が下がり、類義語まで含めると検出率は上がるがノイズが増えるというのは認識系の宿命です。推薦文にハッシュタグがあればそれを併用するのも一案でしょう。
個々の読者の好みに合わせた本を推薦するシステムの開発がどのようにしてユーザーの興味や好みを捉え、それに応じた推薦を行うのか、そのメカニズムは非常に興味深いです。現段階ではいくつかのケースに対する精度の検証が進行中であり、このプロセスを通じて、推薦アルゴリズムがさらに洗練されることが期待されます。このシステムがどのように進化し、読書の世界にどのような新しい風を吹き込むのか、その展開を見守るのが待ち遠しいです。
自然言語処理技術等を用いた既存システムを図書の推薦に用いてみるとどうなるか、という実験は面白いと思います。今回は既存のシステムの構成技術には立ち入らずにそれらを用いてみた結果の報告だと理解しましたが、今後はさらに各システムのもとになっている技術も学び、それを踏まえての有効な活用法をさらに探ることを期待します。
2001
たけぞのリュック部:映像からリュックサックの負荷を評価する方法の検討
一人一台タブレット端末が支給されたことで、リュックの負荷が増加していると仮定、それを定量化して評価する試みは面白いと思いました。被験者や試行回数を増やすと、評価にも妥当性が出るかと思います。なお、長い目で見れば、デジタル教科書の普及により、リュックの負荷は軽減されていくのかもしれません。今後の発展を期待しています。
記述内容について、もう少し丁寧に説明しないと書かれている内容が理解できません。
リュックの重さを測るだけに比べて、この方法は何が優れているのでしょうか?荷物の重さという身近な問題に着目し、負荷の度合いを数値として示すことと試みていることは評価できます。MediaPipeの説明と共に、屈曲伸展角度についてどの関節がどの程度だと負荷が少ないといえるのか、などを説明されるとわかりやすくなると思いました。
2002
沼木碧泉:Databaseを用いた生徒会選挙システム
投票の制限がAzure ADを使用し、学校内のメールアドレスのみに限定しているというとこで、学校の強みを上手く活かせていると思います。認証の具体的な説明があるとわかりやすいと思いました。
システム構築に使用した技術やツールについて、単にその名前を挙げるだけではなく、「なぜそれを使うのか」「それによって何を実現する(できた)のか」を議論することで、研究発表としての価値が出てきます。ところでアクセス集中によるタイムアウトとは、実際どれくらいのアクセスが来たのでしょうか。
生徒会選挙の投票をオンラインで行いデータベースに収めて集計するシステムを作って使ってみたことを評価します。より磨きをかけてブラッシュアップすることを進めてください。
校内で解決したい課題を見つけて,実際にシステムを構築して,その課題を解決できそうなことを示していただいたことで,説得的だと感じました.アクセス集中でのタイムアウトが起こってしまったということですが,瞬間的なアクセス過多に対応するコストは大きいので,投票可能日時がクラス等の集団別に異なるよう設定する,などの工夫も有効そうです.
2003
Maybe good team:ChatGPTと「しりとり」を長く続けられる可能性はあるのか
複数の条件を比較したところがよかったです。平均だけでなく、散らばりの幅も調べれば(あるいは箱ひげ図などを描けば)もっとよかったと思います。
「ChatGPTとしりとり」というのはユニークな試みですね。漢字を入力するとうまくできないというのは一つの発見ではないかと思います。このようなことを通じて、AIの苦手なことについて探索していくとAIの得意なこと、苦手なことがわかってくると思います。
ChatGPTに与える「しりとりのルール」によって出力結果が変わることを検証していることは評価できます。今回の結果からChatGPTを活用する際にどのような入力を行うと意図した結果を得られるのかを一般化できるとよいと思いました。
2004
esperanza:情報Iの大学入学共通テストに向けた演習問題を作成ー教科書の分析をもとにー
問題を作成する際にどのような工夫をしたのかとか、どうすれば、たくさんの問題を作ることができるかなど、なんらかの工夫が欲しいですね。
問題②の(ウ) も有名なキャラクタを真似て描くと著作権違反になりますね。複数の教科書で頻出する語句は共通テストで使われることが多いと予想されますが、単なる語句の暗記だけではなく練習問題を通してその意味も理解することが大事ですね。現在は人手による作問のようですが、その省力化を考える必要があると思います。なお、教科書用語に関しては電気通信大学の赤澤先生の研究が参考になります。
教科書3冊を用いた分析結果(図4)が練習問題作りにどう関係するかがわかりませんでした。今後問題集などで参照できる問題が増えてきたら、重要キーワードとそれに関係する問題のリンクとしてまとめても良いと思います。
2005
JR成田線愛用者:月曜日に人は怠けるのか?
銚子〜香取の9駅について何週かにわたって遅延を調べられたのですね。データが独立でない(銚子で遅れれば松岸でも遅れることが多い…)ので統計的な解析が難しそうですが、確かに曜日や天気によって違いがありそうですね。せっかく秒まで調べられたのですから、遅延かどうかの2値化をしないで遅延秒数の分布を見るほうが情報量が多いかもしれません。参考URLのmiltはmlitですね。
発想が面白く興味を持ったが、電車遅延と天気という一面でしかみてなくて残念。人の動きは、月初と月末、月ごとでも異なるので、もっと要素を増やして調査することを期待したい。
明確な結論は得られませんでしたが、身近な疑問を解決するために地道な努力をされたと思います。残念ながら、表1の元データが読めれば分かるのかもしれませんが、「平均よりも早いか遅いか」が何を意味しているのか不明です。また、考察での乗車客数との関係の理由付けがいささか弱いと思いました。
2007
AIラブユー:13点以下は取らせなAI
高校での学習に直結した(切実な)問題を情報技術で解決するための興味深い取り組みだと思いました。先生がどんな単語をテストに出しそうかを予測するうえでは、前に出た単語かそうでないかはあまり重要でないということは、これまでに学習した単語から類推できそうかとか、単語の英字和が多いとかの要因も聞いているのかもしれないとと思いました。学習1と2で「予測Yes」の単語数を上位から15個に絞った場合でも予測精度に変化はないのかどうかに興味を持ちました。
出題単語を予測することは成績は上がることにつながるのでしょうか? 宝くじの次の数値を当てるよりは意味ある推測が出来る可能性はありそうですが、あらかじめ45語から15語ということは、その時出題されない残り30語も理解必須な重要語句と考えられるので、一時的に1回のテストだけ乗り切るのではなく、それ以外のメリットをどう見出すか、かと思います。
CNNなどのアルゴリズムを用いてよく分析されていると思いました。モデルによって予測の精度が出ないことも含めて本研究を通してよい学びになっていると思います。
2008
uk100電情:保健室からのSOS!!~熱中症から生徒を守れ!!~
色々なデータを分析して傾向を掴んで行ったのは良いと思います。ヒートアラートシステムを構築したとあるが、どのようなものかがポスターからはよくわからないのでシステムについての記述がもう少し欲しかったです。
実際に学校や生徒に役立ちそうな検討をしているところがよいと思います。グラフでは、目的からしてまずは気温と保健室利用者の関係を可視化すべきではないでしょうか。
得られたデータをもとに、学校内での学習環境が改善されることを願っています。気象庁発表のデータと学校内の気象環境は。相関があるものの必ずしも同じではありません。熱中症が発生している場所で観測して、気象庁データと比較することが重要だと思います。
2009
AI対話プロジェクト :心を持ったAIと会話することで人が得られるもの
AIの長所として、気軽、自由な外見、品質保証、大量処理といった点が見つかったというのは興味深い考察です。処理能力については、実験により回答作成時間の差が示されていますが、人間の回答について、慣れた方なのかどうか、基本的な回答のフォーマットが用意されていたかどうか、悩みの内容などで時間は変わりそうです。また、気軽、自由な外見、品質保証についても、定量的な評価ができれば面白いと思います。心を持ったAIを作成するというのは、多くの研究が行われている分野です。先行研究も調べて、AIの得意とする点などがより明確になると、面白い成果につながると思います。
とてもよくまとまっていて説得力があります。TTSによる返答はどうしても遅延が目立つので、LINEのような遅延が当然なインターフェースも含めて、満足度を比較してもいいかもしれません。あとはGPT-3.5とGPT-4を比べたり、プロンプトでキャラ付けをいろいろ変えて比べたりしてもいいですね。今後のご研究が楽しみです。
悩み相談を間接的に人間とAIとに振り分けて実験を行った結果が面白い。さらに、音声に対応するシステムの構築をしたというところも素晴らしい。動画が面白いっ。何より、学習させた出力音声を使っているところが素晴らしいです。今後の発展を期待しています。
AIを利用したカウンセリングのアイディアは、大変興味深いものです。ところで、カウンセリンを受ける人にとって、相手が人間なのか、相手が人間でないシステムなのかは、受ける人にとっても影響があるように考えますが、今回の発表には、その点の議論は薄いようなので、ぜひ、そこも考えてみてください。意外かもしれないですが、相手が人間でないほうが安心して話せる、という人もいます。あと、「心をもったAI」という発表題名ですが、このAIが「心を持った」としていいのかどうかも含めて、題名を工夫するといいと思いました。
2010
高高Alea:サイコロの出目予測
さいころの目を予測するという着眼点はとても面白いと思いました。なお、コインは落下させる前の上側が出やすいという研究結果が出ています。もしかしたら、さいころも落下前の上の面が結果に影響するのかもしれません。さいころや地面の材質、気温、落下の高さなど、多角的な視点から更に研究を続けてほしいと思います。
研究の背景からして、サイコロから手を離す瞬間までのデータだけで機械学習できないでしょうか。それと本実験のような自由度を減らすやり方で正解率がどうなるか試してみてほしいです。
サイコロの目を予測する手法を様々に工夫して検証しており、面白い視点だと思います。現時点ではまだ十分な精度を得られていないということですし、人間の指を使うなどどうしても恣意的な要素が入りやすいあたりは改善の余地がありそうですが、今後の発展に期待できる内容だと思いました。
2011
招き猫:見当識に基づいてRaspberry Piを使用し作成した日常的な認知症確認・予防システム
今の社会問題に向き合ってシステムを構築していること、素晴らしいと思います。精度がもっと高くなると良いですね。引き続き開発頑張ってください。
いろいろな既成部品を組合せ作り上げるだけでも大変だったと思いますが、このシステムを高齢者が毎日自然と使うようになる仕掛けまで考えてあればさらによくなると思いました。
未婚高齢者だけでなく死別などで一人暮らしになる高齢者もターゲットとして想定できます。認知症検査用の製品というよりは、一人暮らしの高齢者とのコミュニケーションの一部としてこの機能を位置づける方がより有効だと思いました。
有用な器具の提案と思いました。概要の直下の文字はかなり小さくて、読みにくかったです。「見当識」という言葉は、一般的には知られてないので、言葉の定義は上の方にわかりやすく明示するといいと思います。その点では、研究はよくても、ポスター表現に改善の余地はあります。RasberryPIで音声認識は、計算能力的に不足があるようにも思えるのですが、これは製品の性能向上で解決できるかもしれませんね。
2012
高崎高校玉入れ班:玉入れの最適な動きとは〜物理エンジンと機械学習による分析〜
1.5~2.0mあたりから投げるのが最も安定して多くの玉が入るという結果について、なるほど確かにそうだなと関心しました。今後は一人ではなく、複数人でのシミュレーションができると、実際の場面により近づくと思います(ボールどうしが当たって入る/入らないという現象も起きると思います)。AIの生成が上手くできなかったということですが、今後の発展に期待します。
玉入れの戦略をシミュレーションで決めるというのは面白い研究と思います。今後の展望で触れられている実測による裏付けもとても大切で、実測との比較から、現行のシミュレーションでは考えられていない空気抵抗、仮定となっている初速度とその揺らぎ等に現実的な値が入ることで、より現実的なモデルになるように思います。機械学習の方はうまく行っていませんが、パラメーターの変更だけでなく、モデルの再検討、他のアルゴリズムなども試してみると良いかと思います。
実験1の初速度はどんな値を基準に誤差をつけたのでしょうか。読み取れませんでした。ここが生徒が実際に投げる平均になっているのか、もしくはUnityで設定した値を生徒が模倣しやすくする方法まで考えてあればとてもよいと思います。
2013
エレウィルコンパニオン:車椅子安全装置(リアルタイムバックウオッチャー) ~AI搭載車椅子による身体障がい者外出支援~
車椅子による事故の減少につながる大変有意義な研究だと思いました。物体が近づくと信頼性が上がるということに基づき,閾値を0.75としているところに興味が湧きました。この閾値は、どのようにして決定されたのでしょうか? 対象物や時間(明るさ)、天候などによって動的に変化してもよいかと感じました。
AIが搭載された車いすはとても高価で一般の人が買えない中でこの装置ができるととても良いと思います。改良なので差分だけが説明されているのだと思いますが、システム全体の説明も簡単でよいのであるとわかりやすいと思いました。たとえばバッテリーの持続時間やインターネットとの通信方法の情報は今回のシステムでも重要です。
今の社会問題に向き合ってシステムを構築していること、素晴らしいと思います。支援を要請することのできる通知アプリはとても良いですね。今後の開発に期待しています。
YOLOv8 を利用して、簡単に検知するというアイディアは、実装を楽にするという点では、よいと思います。追加として危険な位置のデータを登録させているようですが、位置情報として認識させるだけでなく、画像も撮ってYOROv8のカスタムデータとしてさせると言いように思います。
2014
Team_KOBAKIYO:物体検出と文章生成AIを用いたレシピ提案ツール
食品ロス削減という環境に配慮した良い作品だと思います。実際には冷蔵庫で出し入れする食材の認識率は高くないはずです。そのあたりの実験データを示すとよいと思いました。
AIを活用した物体検出による冷蔵庫の中身の自動登録やレシピの提案は、実用的で良い取り組みであると感じました。ポスターではピーマンを検出していましたが、どの程度の食材に対応しているのかが気になりましたので、対応食材の一覧が記載されているとより良いポスターになると思います。また、実用面では、どうしても誤登録が発生すると思いますので、手動で修正できるインタフェースも必要ではないかと思います。今後も改良を行い、より実用的なツールを開発されることを期待しています。
有用性のあるおもしろい取り組みと思います。「中に何が入ったか認識する方法」の箇所がこの発表の肝心な部分と思いますが、食品を出す判定がいったん手だけが映りそのあと食品が映るという方式で検出していると思われるので、「食品の出し入れの認識方法」などのタイトルにして、「出す」「入れる」について箇条書きなどの記載にしたほうがわかりやすいかと思います。
冷蔵庫の中になにがあるのかを自動的に判断するという、実際に役立つものの実現を目指した研究で興味深いです。例えば、牛肉と豚肉の区別などは難しいと思われます。どの程度まで正確に認識できたのかを示して欲しかったです。
2015
高高物理部2年:English Lens~撮った写真を英語にする魔法のアプリ~
まだ新しい技術であるBLIP2を活用して画像のラベルを生成しそれを英語学習に活かすアイディアが素晴らしいと思いました。また、小学生を対象に実証されたこともすばらしいと思います。BLIP2は私も使っていますが、画像のノイズ(周囲の映り込み)によって出力が左右される場合も多く、またラベルがうまく生成できない画像もあるという認識ですが、このあたりをクリアするのにどのようなことをなさったか興味があります。
小学生という具体的なユーザー層を設定して開発・評価を行っており、フレンド機能など親しみをもたせる工夫をしていることは評価できます。仮説である英語嫌いの原因を解決できているかについては引き続きの検討に期待します。
自分が知りたいものを撮影して、英単語を調べるというのは有用性がありますし、英語を身近に感じられてよいと思いました。この取り組みの肝である「アプリの概要」のところの丸1から丸6までの付番が、位置的にバラバラでちょっとどう見ればよいのか戸惑いましたので、そこをわかりやすくすると良いと思いました。実践結果の1時間で150単語というのが、15人でユニークな単語を150個集めたということなのか、それともかぶった単語もあるのか、1人10個くらい集めたということなのかがよくわからなかったので、そこが明らかになると良いと思います。
スマホで写真を撮るだけで英語タイトルが付けられ、仲間と交流できるという枠組が素晴らしいです。実際に小学生に試してもらった結果が有るのも素晴らしい。被験者のより細かいデータやフィードバックも有ったらなお良かったですね。
2016
トマールくん×マモールくん:スマート自転車「トマールくん」と交通事故防止アプリ「マモールくん」の連携プロジェクト
画像認識により車などの物体を判定して警告するようなシステムはよくある話ですが、そのデータを基にして自動でブレーキをかけるという点において本研究が素晴らしいと思いました。人間の重さや天候(路面の状況)によってブレーキの重さを変動できるようにすると更に実用性が高まると感じました。今後の発展と実用化を期待しています。
検証を行い制動条件を達成することで有用性が示されており素晴らしい研究だと思います。今後は、展望に書かれた改善とともに、自転車のブレーキによる転倒の可能性についても検討と評価を行ってください。
ポータブルな仕組みの中で上手な問題解決の提案をしています。実験の結果も興味深いと思いました。停車した自動車を検知する現在の仕様に加えて、動いて横から来る自動車を検知できるようになるとさらに良いでしょう。
身近な問題から,対応できそうな部分を取り出して解決策の有効性を検証している一連の活動が大変素晴らしいと思いました.また,高価なデバイスを使用していない点でも実現可能性が高いと感じました.これはとても欲張りなコメントですが,「出会い頭」にもいろいろあって,交差点に建物があるとき,車と自転車が直交する場合に,車と自転車で互いに発見が遅れてぶつかってしまうことも少なくありません.このような「出会い頭」を検知対象に含めようとすると難しいところもあることは重々承知ですが,今後マモールくんとの連携を通じて,実現していただけるととても嬉しいです.
2017
From.MAEATAKA:空気を読むAI「KI」表情や雰囲気を認識し、AIから話しかけて最適な音楽を再生するプロダクトの制作
deepfaceで感情判定し、それがneutralならGPT-4Vを使って判定し、その結果に応じて音楽を選ぶという仕組み、とてもおもしろいと思いました。場面ごとの音楽は人間が設定しているのですね。趣旨とは違うかもしれませんが、GPT-4Vで雰囲気をテキスト化して、text-to-musicで音楽を生成するという流れもありそうですね。いろいろな発展が考えられて楽しみな研究です。
AIによる表情認識と音楽を結びつけた点は大変興味深い取り組みです。音楽リストがどのように構成されているか、個人の嗜好が反映されるとより有用なシステムになると期待します。
表情判定、音楽判定だけでなく会話判定の工程を入れることでより目的である人に働きかけることを試みており、システムの検証まで行えている点が評価できます。感情レベルに応じてあらかじめユーザーが音楽を登録できると、さらに寄り添うことができるのではないかと思いました。
AIを利用して表情分析を行い、それを元にして曲を提案するというアイディアは、うまく使えるならおもしろいと思います。ですが、実際につかってみたら、利用者はどのように感じたのかなどの調査もしてあると、より実用性が高いシステムになったとおもいます。また、本システムは DeepFace を使っていますが、その特徴(癖)の影響も考慮してみるといいように思いました。
2018
群馬県立太田女子高等学校理科研究部情報班統計チーム:pythonを用いたe-Statのデータとの相関係数を求めるプログラムの作成
e-Stat上のデータを利用した統計処理を、プログラムを少し修正するだけで簡便に行えることは、便利であると感じました。これからも開発を進めて、様々なプログラムを公開してください。
学習教材として参考にするために公開した点を評価します。データ解析の事例として説明機能があればさらに良いと思います。
プログラム作成の動機は良いものだと思います。ただ、提出されたポスターを読んだだけでは、その中の何があなたがたが作った部分で、何が既存のライブラリなどを利用した部分なのかがよくわかりませんでした。さらに読んで、e-Stat自体はもちろん国が提供しているものであり、また相関係数の計算そのものも既存のライブラリを使用しているらしいと理解しました。e-StatのAPIを勉強し、その呼び出し方・結果の利用を工夫したことは評価します。今後は、実用的な様々なことにより汎用的に使いやすいものにする研究を続けると、よりよいと思います。
2019
ビットメイカーズ:教室を快適にしよう!
コロナだけでなくインフルエンザへの対応にも有効だと思います。ただ、体感温度は人により異なるので、部屋の形状とエアコンの位置の仮定は不要ではないでしょうか。あと、「換気」が「喚起」と誤っていることが気になりました。なお、本研究での目標達成に、クリッカーと呼ばれる市販の装置が参考になると思います。
生徒が気温やにおいについてリアルタイムに自分の意見を出せるのは面白いです。においの閾値を6と定めた根拠があれば記載したほうがいいです。実際には6以上になった場合も先生に知らせるべきでしょう。ちなみに、「匂い」は良いにおいであり、悪いにおいは「臭い」と書きます。
システム作製の動機が「エアコンの適切な調節」と「窓の適切な開閉」だということはわかりますが、システムそのものはそれに特化したものではなく、「+1と-1を集計し合計値により異なる表示をする」「+1を集計し一定値を超えたら音を鳴らす」という、かなり普遍的なものだと読み取れました。まだ6個で試験的に動かしてみただけということですので、「アンケートを実施すべきだった」とも書いてありますし、実機を実際に運用してみてその利用者(生徒や先生)からの評価を得て、開発段階では気づかなかった欠点について改良する、などの今後の研究を期待します。
2020
浦和一女SSH 望月光希:Python3による英語多読本推薦システムの開発
学校の図書館に収蔵されている本でリコメンデーションエンジンを動かそうという試み、とてもよいと思いました。シリーズ本が多く推薦されてしまう問題は、著者や出版社、出版年代といったパラメタが同一になる、あるいは類似しないように調整するとうまくいくかもしれないな、と思いました。また、類似度を計算するためのパラメタとして何を使用されたのかがわかりかねたのですが、文字数とか挿絵の数とかも類似度に寄与するかもしれません。
運用による評価を行っている点がよい。学校や利用者による偏りや信頼性をどのように評価するか検討してもらいたい。
指定(入力)された本に対する「Jaccard係数が高い本」を推薦するシステムということですが、何についてのJaccard係数なのか分かりませんでした。本のタイトルに出現する単語2種類の間についてのJaccard係数かなと思いましたが、だとしても、タイトルには複数の単語が含まれるので、そこに含まれる複数の単語間それぞれのJaccard係数をもとにどうやって推薦する本を決めるのかがわかりませんでした。また、「同一単語間のJaccard係数」を(無理やり)計算すればn(A∩A)/n(A∪A)=n(A)/n(A)=1 となるので、実際は共通に含まれている単語が多い本を計算しているのではないのかという疑問も生じました。またそれとは別に、シリーズ本についてのことも含め、関係が高ければ高いほど推薦するのに適した本なのか、きわめて類似した本よりもある程度は違いがある本を推薦するのがよい場合もあるのではないか、というのも疑問に思いました。
2021
濱田尊琉:スマート農業支援システム
前回の発表を基に、より実用的なシステムに改良されている点は評価できます。また、普段はカメラで植物の監視をし、人感センサーで回転させて侵入者警告にも利用する工夫は良いと思いました。
可動式カメラが侵入者を検知するなど実用的なシステムとして完成度が高い。市場ニーズなどを調査して機能を精査してもらいたい。
農業の情報化をしようとする意欲的で工夫が各所にある実用性の高い研究でした。現在は自動水やり装置と侵入者警告装置の個別の機能が提供されているように見える点が残念です。この2つの装置を関係づけるような課題を設定するか、つなぐような機能を用意することで研究としての一体感が出ると思います。
まず,昨年度から研究を継続し,発展させている点がすばらしいです.使用されているデバイスも身近で,万が一水濡れ等で故障しても代わりが入手しやすいのも良いと思いました.侵入者の検出は,顔認証のための入力が安定しない点で難しいことが推測されます.もしかしたら普段農場に出入りしている関係者の人は,顔よりも識別が容易なもの,例えば大きく印刷された文字列をかざす,などの措置をしてもらっても良いのかもしれません.
2022
UECナビゲーションラボ:micro:bitで道案内 ~人を選ばない便利な道具~
micro:bitを用いた道案内を、複数の子機を配置して行うということに面白さを感じた。広範囲の道案内には難しいかもしれないが、学校やショッピングモールなどの限定的な範囲であると実装可能だと思います。現状では無線の受信範囲に課題があるようなので、是非これを解決できるように発展されることを期待しています。
シンプルなIOTデバイスを用いた点がとても面白い。ビーコンの教材としても展開できそうです。
micro:bitの機能のみで道案内をする方法を提案しておりシンプルな機能だけで実現可能なことを示す面白い研究でした。ポスターとして残念なことは、どのような機能を組み合わせて道案内を実現したのかがmicro:bitの機能を知らない人には伝わりにくいことでした。
2024
明るい未来へゴー:人工知能を利用した車両犯罪通知システムの検討
システムの作成と実験・実証がきちんと行われており、非常に期待できる。今後、より実践的に行うならば、メールを送信するインフラが問題となるが、IoT用回線など、既存ソリューションを使用するか、あるいは何か他の連絡手段を考えるか、実現可能な方面でさらに考えて欲しい。
犯罪を防ぐという意味では、正常振動を異常と判定するのは許容できますが、異常振動を正常と判定することは、盗まれてしまいますので絶対に防がなければなりません。その意味では、正解率の改善も重要ですが、適合率の改善に着目した方が、より良い評価になると感じました。
異常検知の方式について比較を行なっている点が素晴らしいです。研究を継続し最終的な方式の提案を期待します。
2025
チーム藤野:顔認証の研究と実験
興味深い実験ですが、実験結果から何がわかったのかを読み取ることができません。閾値を変更したら完璧に区別できたと書かれていますが、それは、閾値を連続的に変更してみて、識別できる点が存在した...ということではないでしょうか? もしそうだとしたら、この実験だけで有用性を主張することは難しいのではないでしょうか。
まさに一卵性双生児のお二人ならではの研究であり、顔認証実験の結果を興味深く拝見しました。認証精度の高さは社会的コストとのトレードオフで決定する必要があります。絶対に誤ってはいけない場合はコストをかけてでもきっちり認証する必要があり、その場合は、考察に記されているように一つの方式では限界があり、複数の認証システムの組み合わせが有効です。
大変興味深いテーマです。実験の方法やデータを示していただくとより良かったです。
2026
大枝亜美:はじめの一歩のお手伝い
何かに取りかかるための最初めの一歩を踏み出すことが大変なのは日々実感しているので、このシステムは私もぜひ使ってみたいです。私にあった難易度の問題を選ぶためには、私のことをある程度知っていてくれなければならないと思うのですが、そのデータはどのように集めるのでしょうか? AIドリルのような問題データベースで、公開されているものがあればそれを使うとシステムを実現しやすくなりそうにも思いました(でも日本語ではないかも…)。
世の中に公開されてからまだ一年ほどの ChatGPT を利用して、解答判定およびアドバイス提示の行なえる英語学習支援システムを構築したスピード感がよい。しかし「最適な問題」とあるものの、なぜ最適と言えるのかがわかりませんでした。また、「蓄積・可視化」の部分も学習支援には重要なので具体的に示してもらいたかった。
ChatGPTを添削のエンジンとして使い、通知や出題に独自の工夫をした、よいシステムだと思います。実際に他の人に使ってもらってどうだったか、が記されていませんが、それはこれからなのでしょうか? 今後、それを行なって有用性をデータで示すこと、うまくいかない点があればそれを改良してよりよいものにすることが期待されます。
「通知を利用して、学習を始めるきっかけをつくる」というアイディアはおもしろいですが、実際に、高校生(や、中学生、大学生)に試用してみて、どのような効果が得られたのかについての実証もすると、このやりかたの有効性・実用性が説得力ありで説明できると思いました。
2027
木更津パソコン部:機械学習による気象予測の実現に向けて
たいへんしっかり活動されているようです。ウェザーステーションは過去1日分のデータで次の時刻の予測をするというような問題設定ならやりやすいと思いますが、いずれにしてももっとデータが欲しいところですね。ラズパイのデータや衛星ひまわりのデータを取り入れた今後のご研究に期待します。
研究の方向と意欲はよいですが、まだ天気のデータの自動収集にとどまっている段階ですね。3 機械学習による解析は、文中にも一部書いてありますが、実際には雨が降っている場合だけとりあげてみると、206件中2/3は誤認識されているので、まだうまくいっていないですね。このように既存の学問を学んで少しでも自分たちでやってみようという方向性はよいので、今後に期待します。
短期間で気象観測の判断をするのは難しいと思いますが、積み重ねていくと何か得られると思います
2028
味玉ラーメン・硬め・濃いめ・多め:SOLID原則に基づいた回転寿司システムの再設計
回転寿司における寿司の獲得という着眼点はとても面白いと感じました。また、席の配置を歯車型に変更すると評価が上がるという点も面白いです。ただ、ポスターからは実際の寿司の流れがよく分らなかったため、シミュレーションの動画があると理解しやすいと思います。今後は、破棄時間による価格変動という点からも研究を続けられることを期待しています。
検証を行い制動条件を達成することで有用性が示されており素晴らしい研究だと思いました。ところで、SOLID原則の上流と下流はクラスのようなモジュールの抽象度のことなので、今回とは意味が違うのではないでしょうか。また、SOLID原則のDは、下流から上流への依存ではなく、上流が下流に依存してはならない意味だと思います。
面白いシミュレーションです。歯車型がコスト・構造的に見合うか興味を持ちました。
新しい回転寿司のレイアウトを決めるというテーマはおもしろいです。提案レイアウトはもっといろいろ用意してもよかったのでは? 本当にシミュレーションの通りに売れるのかの検証は? あと、回転寿司の配列がSOLID原則に従わなくてはならない理由がよく分かりませんでした。
2029
thrive:効果的な会議進行のためのアシスタントbotの開発
話し合い場面で全員がアイディアを出す側にまわることができる工夫としてbotを導入する考えは有望だと思います。技術的にも様々なものに挑戦されている点が評価で来ます。これまでにも様々な研究が行われてきていますので、新規性が明らかになると尚良いと思います。また、話し合いといっても様々な種類の話し合いがありますので、どんな目的でどんな進行が想定される話し合いを対象にしているのか定義すると、システムの開発もはかどりそうです。
『ディスカッションのまとめ役は議論に参加できない』という問題点をコンピュータにその役割を担わせることで解決するというアプローチは、有用性が期待できます。ちなみに今回はアシスタントbotを設計した?動くものを開発した?実際の実験による評価はこれからかと思いますが、まずは設計の妥当性の評価が欲しいところ。
オンラインチャットでのグループディスカッションを促し評価するシステムをLLMを用いて実現しようとする昨今の技術を積極的に取り入れた研究でした。掲載されたファシリテーションの例から、状況に応じた指示を行うとさらに良いと感じました。また、せっかく作ったシステムを実際に利用して評価していないところが残念です。
2030
F8ハンカクkatakaner:ビジュアルプログラミング言語の視覚化技術を応用した、日本での英文法学習支援ツールの開発と評価
有用性もありそうで、非常に面白い研究だと思います。類似の研究がないのかを調査して、あれば違いを明確化するとさらに良い研究になると思います。FESTATでの発表との違いも明記して欲しいです。
VPL的思想で、文の構造を視覚化するという試みは面白いと思いました。複文や重文など構造が複雑になったときに、深い部分を切り出して表記するなど、見やすく表示する工夫があると良いと思います。また、英語以外の言語での効果についても検証すると面白いでしょう。
ブロックで英語学習をしようという視点はとても斬新です。簡単な英文であれば、学習者が楽しく取り組めると期待します。
外国語(英語)習得とヴィジュアル(ブロック)プログラミングを結びつけていることは新鮮に思います。プログラミングなら言語自体を設計できるのに対し自然言語の場合は修得する言語そのものは決まっている、などの適用困難な点は予想されますが、おもしろい着眼点だと思います。なお、3.において、名詞の接続箇所は台形なのに例では名詞であるsystemは四角になっていることと、各品詞に下から結合できる品詞の種類が明示されておらず何でも結合できるように見える、の2点が気になりました。
2031
芝浦卓球部:次に来る日本人卓球選手はだれなのか〜情報分析を用いて統計学的に分析する〜
いろいろな変数が勝率に影響しそうですが、データも限られるので、使っておられるような単回帰か、それとも重回帰分析にするくらいが限度なのかと想像しました。それでも、現在の勝率は予測できても将来伸びるかどうかはまた別なので、難しいところですね。イロ・レーティングを出してその変化で将来性を予測するといったアイデアもあるかもしれません。
トップ選手についての分析ではあるものの、自分の学校の卓球部の生徒にも話してあげたい結果であろうと思われます。逆に、身近な卓球選手がこの分析を見てどう感じたかということにも触れられるとさらに面白い考察ができそうだと思われます。また、相関のあるものに絞ったのは紙面の都合かとは思いますが、相関の認められない要素もあったと思います。それはそれで興味をひく結果になるのではないでしょうか。
仮説検証がなされた良い研究です。得られた結論は「すでに来ている」でなく「次に来る」になっているかが知りたいです。
2032
AKind:修学旅行の自由行動でより多くの観光地を巡るための研究
アプリは役に立つし使いやすそうです。ただ、6箇所程度だと総当たりでも解が求まるのではないでしょうか。また、GAによる解法を知らない人に分かるように説明されるとよかったかも。あと、アプリでは2点間のコストはどう定めているのですか。
既存の手法を身近な問題に適用した好例だと思います。巡回経路にストーリを持たせた提案などへの応用も期待されます。
観光地における順路の最適化をTSPの観点からGAを用いて実現しようとするもので実用性の高い研究でした。GoogleマップのAPIを利用して地点間の所要時間を求めるアイディアも興味深いと思いました。少し前なら大学院生が取り組むようなテーマだったため完成度の高さとともに驚かされました。今後の方向性のひとつとして、単に地点間を移動するだけでなく観光らしい行動である移動を楽しめる移動経路を得る方法なども検討すると良いでしょう。
2033
糖質33.3%カット:科学×農業〜機械学習を利用した農業支援ツールの開発〜
少子高齢化で農家が少なくなっているなかで、科学の力で解決する案は素晴らしいと感じました。実際には天候の光により影や明るさなどの条件が変化しますので、今後の改良や実験に期待したいと思います。
機械学習によって農業を支援する試みは、重要であると感じました。ポスターには、正解率等が記載されていませんが、どの程度の精度があるのでしょうか。開発したAIの評価が記載されていると、より良い発表になると思います。
葉の異常を自動判断するシステムである点は有用です。人と比べて高い検知機能が実現できると素晴らしいですね。
2034
齋藤智郎:広尾学園学園祭おける決済サービス「HirooPay」の開発について
学園祭に用いたことで、このシステムが後輩に引き継いでいける「文化」になる可能性を持っています(引き継ぐのは大変ではありますが)。学校規模についての言及があると、要旨や考察での利用された件数に対するイメージが明確になると思います。ただ、決済サービスでレスポンスの速さを求めたということが述べられていますが、これは他の問題が解決しているから(安全な方向に倒すことは十分できている)ということなのかな、ということは気になりました。
学園祭内で決済サービスを実装したことは素晴らしいチャレンジです。対攻撃性などの課題について検証するとより理解が深まると思います。
素晴らしいシステムができましたね。さらに工夫を重ねて後輩に引き継いで言ってください。
学園祭の決済サービスを作られたというのは大変素晴らしいですね。決済サービスというと安全性が気になりますがその辺りの言及が欲しいところです。
2035
堀:ペントミノを組み合わせた5×5の数独を自動生成
5×5の数独をペントミノを使用して自動作成、またヒントも自動で生成できることに驚きました。今回は出力されたパズルを紙に書き出したということですが、実際のこの数独をアプリ化したりするところまで続けて欲しいと思いました。また、WebでのTAKAMINO Solverも操作してみましたが、解答までの過程が可視化されていて大変面白かったです。
ペントミノを組み合わせた数独を自動生成するというのは面白い研究テーマと思います。ただ、研究の目的、あるいは明らかにしたい問いが明確ではありません。どうして数独を自動生成したいと思ったのか、自動生成できることで何が分かるのかといったことが、明確になると、今後、研究をどのように発展させていくと面白いかが検討できるようになると思います。
新しい数独パズルを提案したことが興味深いです。ぜひ実用化してください。
ペントミノ数独のアイデアはとても面白いです。ヒントも自動で出るというのもいいですね。他の数独アプリなどにはない点を強調してアプリ化できるといいですね。
2036
小谷理人:データ・アクイジジョンによる AI のバイアス解決
すばらしい高度なご研究で、驚きました。Mechanical Turkで具体的にどのような設問を聞かれたのか(ビデオではトランプとバイデンの例が挙げられていましたが)、クラウドソースがバイアス測定に適切なのか、詳しいご発表が待たれます。BardはWeb searchできるのでrelevanceは高くなるが他の面ではあまり賢くないとか、OpenAIのモデルはRLHFにより強く調教されているとかの要素が考えられそうです。
SSHでの大学との共同研究を通して、大規模なデータモデルを使用して分析を行う貴重な学びを行えていると思います。考察以降に書かれているように、自身での研究考察が重要になります。ぜひ研究を進めてください。
生成AIのバイアスについて、量的に評価するとても興味深い発表でした。当然、回答者のPromptにより出力に大きな影響があることが予想されますが、より大規模なデータを収集することにより客観性が増すことが考えられるので、引き続き取り組んでいただきたいと感じました。また、限られた紙面での発表でしたので、実際の結果についての詳細を知りたいと思います。ぜひ、論文としての体裁で発表していただきたいです。
大学との共同研究で、高度な研究を行われていることと思います。Mechanical Turkで具体的にどんな質問をされたのか知りたいです。続けての研究を期待しています。
2037
あせん鰤:ソート処理時間から考察する計算量再評価
O記法の意味について考えたというのは面白かったです。バイトコードの逆アセンブルをやったのも面白いです。O(n^2)とO(n log n)の違いについては簡単にでもいいので言及が欲しかったです。定数倍の誤差はよく分かるのですが、傾きの差異はもうすこし探求できたらもっと良かったですね。
どこか誤読しているのかもしれませんが、そもそもO記法による計算量の評価は「定数倍の誤差を排することで、純粋にアルゴリズムの性能の評価を行う」ことに利点があるので、実際の計算時間を計測してO記法と乖離があるというのは、ある意味当たり前の結果ではないかと思います。
オーダー記法について問題意識を持ち、計算量について丁寧に取り組まれている印象を受けました。PythonとCでの検証結果で有意な結果が出てないことや、傾きの差異についても含めて、引き続き考察を行っていただきたいと思いました。
2038
infini:仮想寺小屋
アンケートを行ってデータで裏付けを行ったことがとてもよいと思います。日本の教育に対する「不満」にはいろいろな要素が含まれていそうですが、VRを活用することへの期待度とあわせたアンケートということを鑑みると、情報機器の活用が限られている点に対する不満なのかなと思います。日本の教育予算増大のためにも、ぜひみなさんから、VRがあるとどのようにして理解が深まるかと考えられるかを発信していただきたいと思います。
きっかけとして、「高校生にもIoTを通した学びが求められていると肌で感じた」とありますが、ポスターからはIoTとVRの関係性が見えませんでした。また、「VR教育」という言葉を使用していますが、この言葉の定義もよくわかりません。ポスターという限られた紙面ではありますが、もう少し丁寧な説明があるといいですね。
VRやARを教育に用いることは、様々な研究者などがとりくんでいます。また、現在は一つ一つ研究開発されているため、VRやARと呼ばれているものにも様々なものがあります。それらの現状を学び、具体的な種類ごとに細かな調査をするともっとよい研究になるでしょう。またもう一つの軸の「日本の教育への不満」も、教育の何に関してどのように不満なのか、様々なことがあり得ます。これらに関し、まずどんなものがある/ありうるかを学んで、より広い調査を行ない、具体的な教育の現状への提案につなげていくのがよいと思います。
2039
鉄道の遅延を研究する会:電車の遅延データを収集、Excelでデータベース化し分析する
このデータ項目だと、1つのテーブルでデータ管理するのは、データ蓄積期間が長い環境ではちょっと厳しいかなと思います。『年月コード』と『年月』が並列に並んでいる点など冗長なところも多く、リレーショナルデータベースでの設計を本格的に検討すべきなように思います。
やりたかったこと(やりたいこと)の準備はできました。この先,具体的に解析を進め考察が展開していくことを期待します。
身近な情報から問題意識を持ち,非定型のデータ収集での問題点など様々な気づきが得られたと思います。引き続き、様々なデータの関連から考察を深めていただければと思います。
2040
π&cone:KeycloakとFreeIPAを用いたユーザ情報の認証・認可の一元管理
ユーザー認証と認可の一元化によってユーザ管理の負担が軽減される良い提案だと思います。「SSOによる複数VMの一元的なユーザ管理の有用性」は理解できますが、「1台の物理サーバに複数のVM」である前提が理解できませんでした。そのあたりの説明があるとよかったと思います。
とても実用的であり,SSOを実現したい人が参考にできる提案だと感じました。フローの図がわかりやすいです。管理者の操作に着目した点は現実の問題への対応としてよく考えられています。実際の操作がどのくらい違うのかという点が見えるとさらにわかりやすいと思われます。
複数のサーバのユーザ管理・シングルサインオン環境を実現するということで、とても有用なシステムを自作されたと思います。評価のため、5倍の手作業での新規ユーザ作成と本システムでの作業を比較されていますが、当然、作業回数が少なくなるためミスを行う回数が下がることになるかなと思います。他の手法で実現されているユーザ管理等との比較を行うことも有用かなと感じました。
システムとしては完成度が非常に高いと思います。ですが、この内容の場合、新規性が気になります。企業等では、こういうことについて対応されているのかいないのかについて、調査されていたら、それを入れてほしかったです。
2041
越部樹:数学の知識を活用してオブジェクトの動きを制御する
ゲームのボールの動きに興味を持ち、仮説を立てて実際にプログラムで実験していることは評価できます。プログラムを作ってみて、自然な動きにするなど具体的な課題が見えてきたと思いますので、今後の改良に期待します。
角度を使わない、つまり三角関数を使わないアプローチでボールの射出方向を変えてみるというのが内容の主眼ですね。「結果」に述べられているスピードの違いは体感できて不自然に感じるものなのかが気になりました(作者は慣れてしまって気づきにくいですが)。速度をあえて揃えるならベクトルの大きさから考えることになるかと思います。
研究は「個人が知らないことを明らかにすること」ではなく「まだ世の中の誰もわかってないことを明らかにする」活動なので、今回のテーマであれば、たとえば既存の「オブジェクトの動く角度の演算手法」を確認した上で、それより計算負荷が軽く、かつ同等の動きを実現できる手法を提案する、というものであれば、研究としての意味が出てくるかと思います。
2042
山田彬子:英語発表活動準備を効率化する自動システムの開発~GoogleAppsScriptを用いて~
ポスターを拝見して、日本人にとって、英語原稿の作成やプレゼンにかかる手間のかなりの部分がシステムで効率化できるなと改めて思いました。また、システムを作ることで我々が英作文やプレゼンにどのような認知的負荷を感じているのかがわかったことも興味深いと思いました。提案していただいたシステムは授業と連動する形で構築されていると思いますが、既存のシステムをマッシュアップするのでは到達するのが難しい、このシステム独自の特長が明らかになると尚良いと思います。
背景となる問題を明確に定めて、それを「自動化」と「効率化」の面でコンピュータを使った解決法を設計し、実際に評価を行うということで、研究のステップを丁寧に踏んでおり、内容も期待が持てるものになっています。小さな文字を詰め込みすぎてポスターとして情報が読み取りにくいので、2m離れたところからある程度理解出来る程度に、文字の大きさや情報量の取捨選択を検討したほうが良いかなと思いました。
特段に独創的ではなくても、実際の学校生活に則してほんとうに必要な機能を用意した、実用的な観点から高い完成度であるという印象を受けました。利用者からのアンケートもきちんととって報告に含めていることもたいへんよいです。
実用的なシステムを目指している点、実際に使ってもらい評価している点はとてもよいです。作り始める前にも何が必要か調査したら良かったかも。評価と考察/結論は分けた方がよいかも。
2043
競プロer:オセロの解析アルゴリズムを考える
オセロの解法について、知られていることを追試してみた内容だと理解しました。プログラムも分かりやすく工夫されているようです。ただ、計算できた場合の「HかWが2なら先手、それ以外なら後手必勝」は検索してみた結果と違っているようですが。オセロそのままだと多くの探求がやり尽くされているので、ルールを変えたりしたりしてはどうでしょう。
オセロのアルゴリズムに着目して、実際にベクトルやキュー(スタック?)を使いながら実装したことは評価できます。また、すべての場合を試すと組合せが爆発的に増大することも体験できたと思います。アイデアも出ているようですので、今後の改良に期待したいと思います。
つい先日8×8のオセロの弱解決が得られたということでタイムリーな話題ですね。それまでに得られていた6×6…よりも小さい5×5でさえ,単純な全探索では難しいということを実感できたということがよく伝わってきます。コードからも非常に書き慣れていることがわかります。どのような方法が計算量減らしに有効であるかの探求に期待します。
2044
テニス:テニスの勝敗に重要な要素とは?
テニスの勝敗に重要な要素をデータから導き出すという点が役に立ちそうです。結果もうなずけるものです。サービス以外の興味深い結果は出なかったのでしょうか。また、ATPだけでなく、もっと自分達に近いレベルのゲームデータでもできるといいですね。
先入観だけでなく実際のデータを分析することで問題を解決する、よい研究と思いました。AIに学習させてAIコーチの開発なども考えられます。分析はまだ途上と思いますので、引き続きの研究に期待したいと思います。
9万件超えの試合のデータを取り扱っているのはすごいですね。研究1の結果は一例だけでなく、色々な結果を載せてほしかったです。考察はその結果を見ながら確認したいと思います。
2045
小森陽向:超解像を用いた画像生成の高速化
DCGANにMNISTを学習させる際にピクセル数を減らして後でSwinIRで高解像度にするという方法で全体を高速化できることを示したご研究ですね。高度な内容に取り組んでおられてすばらしいと思います。ぜひdiffusionモデルなどにも取り組んでください。
低画質で学習、生成し高画質化するという方法が面白いと思いました。実験の種類や結果のデータを増やすとより説得力のある研究になると思います。結果の図は「8」などの同じ数字を入れておくと比較しやすいと思いました。また、GAN説明は偽物の生成だけでなく、本物との敵対性の説明があるとわかりやすいと思いました。
MNISTの解像度を落とした画像でも、精度の高い画像が生成できたということで、展望でも述べられている通り、カラー画像データ等でも同様に取り組んでいただきたいと思います。
2046
千葉産のイマムラ:ディープラーニングを用いた大人と子供の手書き文字の識別
大人と子どもを手書き文字によって判定しようという試みは、非常に独創的で面白いと思いました。また、データセットも適切に用意し、ResNetによって学習させたという点において、しっかりと実験が行われており期待できます。ただし、私がこの発表を読み、最初に書いたように「非常に独創的で面白い」とは思ったのですが、ネット上で手書き文字をどれくらい見かけるか、という点が疑問が残ります。(私の読み違いでしたら申し訳ありません)この研究手法を利用して、さらなるアプローチが欲しいと思いました。
Neural Network ConsoleでResNet-18を作り、200×200の画像で文字の識別をされたのですね。バリデーションエラーが減らないのでいろいろ工夫されたようですが、1文字単位の識別なら、もっと画素数を減らすほうがいいのではないかと思いました(MNISTは28×28)。いずれにしても高度な内容に取り組まれてすばらしいと思いました。
子供が犯罪に巻き込まれないようにという重要な問題意識に根差した研究であることはとても良いと思います。ただ、SNSの利用時にこの手書き文字の識別をどのように使うのかがはっきりしないのは残念。表の数値はその意味を明記する、説明で引用する図番号は正確に、に気を付けるともっとわかりやすいポスターになります。
2047
お好み焼こ:3D校内マップの作成
まだ制作途中のようですが、とても丁寧に再現されているように感じました。完成した作品がホームページ等で公開されることを楽しみにしています。
同様の事例は学校はもちろん、テーマパークやショッピングモールなどでもあると思うので、ぜひ先行事例の調査もしていただきたかったです。ポスターは大変見やすく作られていて、色使いや写真の見せ方も適切です。ぜひ最後まで完成させてください。
仮想映像作品としては意義があり、そのための膨大な作製作業をしたのだろうと思います。ただ、同様に映像や仮想現実で施設などを紹介するシステムは世の中にすでにかなりあるので、それを調査しそれを踏まえて、それらにはない特徴を持たせるようにしたら、作品としての側面だけでなく研究としての側面も評価できるようになると思います。そうでなくあくまで一作品として制作するなら、情報デザインコンペ系の催しに出品するほうがよいかと思います。なお、図3の写真と図4都ではかなり印象が異なるのも気になりました。
2048
文京学院大学女子高等学校理数キャリア:手書き文字を用いた認識ツール
着眼点がよく、研究としての方法がわかりやすくよいです。さらなる精度を高めることに期待したいです。
地味に役に立つツールだと思いました。またディープラーニングの活用、データ数による精度の変化の調査も評価できます。ただ、今回は基礎調査なのでよいのですが、提出物に必ず「Birthday」が書かれるわけではないので、実用性を高める工夫が必要でしょう。あと、「参照」には PC 内のファイル名は書きません。
筆跡から誰が書いたものかを判定することにおいて機械学習を用いることは、オーソドックスな適用例です。データサンプル量を増やすことによる識別率を確認するなど、確かめていく手順もきちんとしています。一方でポスターの中にいくつか誤植(書き間違い)や参考文献のURLが間違っているところがあります。最終的な確認や自分でアクセスして確認してみる、という手順を踏んでいくと良いでしょう。
2050
昆布:web漢字学習サービスの開発
同じ問題が繰り返し表示されないような工夫など、実用を意識してよく考えていると思います。使ってみたくなりました。教育漢字については習う学年の情報を持たせることで、小学生用の学習ドリル的な使い方も期待できます。手書き入力を使用した採点のアイデアも面白いですが、その場合は正しく漢字が書けたかどうかの判定を厳しくする必要があるでしょう。
画面例やシステム構成図はこの発表では肝になる要素だと思うので、もう少し大きく、またきれいに並べて見やすくアピールしたほうが良いと思います。問題点として挙げられているものも、具体例と合わせて見せるとよりわかりやすくなるかと思います。実現しようとしているシステムは面白いので、ぜひ更に発展させていってください。
研究の目的、方法、結果、考察という一連の流れが1枚のポスターにしっかりとまとめられていて、大変見やすく好感を持ちました。自分が必要としているアプリを探したと言う事でしたが、現存のアプリができること、できないことを明記して、ご自身の研究の独自性/新規性をアプールできるとさらによいですね。
自分が好きな文書で漢字の勉強ができるシステムという切り口が面白いと思いました。ユーザの作業量を少なくできる工夫をすると良いかと思います。
2051
髙橋彰仁:大規模言語モデルを用いたクイズ生成アルゴリズムの作成
Google Colabでのコードもあわせて拝見しました。11月7日に改訂された新しいOpenAIのAPIをちゃんと使われていて、さすがだと思いました。評価の円グラフに凡例がないので読み方がわからないのですが、「精度」の出し方にもう一工夫あればよかったと思いました。
過去に入力された頻度によって使うアルゴリズムを分けているところに工夫があると思います。システムの動きがわかるような説明があるともっとよかった。
短期と長期の違いでどのように出力に違いがあるのか例があると良いと思いました。また精度を見ているグラフでは色分けがどういう意味を持つのかがわからないので、判断のしようがありませんでした。
「クイズ特化したAI」ということですが、この分析過程そのものが、クイズとは何かを考える機会になったと思いました。最後に「時間がかかりすぎる」と述べていますが、ここは、新しい仕組みが次々に開発されてくると思うので、それに柔軟に適応していけばいいでしょう。ところで、ここでいう「クイズ」は、知識問題のようなものが多いように感じました。思考力を問うクイズは作れませんか?
2052
奇妙なジャガイモ:ユーザーエクスペリエンスの最適化を目指して
この研究は、VR,AR,MRの可能性についてまとめたということになるでしょうか。自分たちのオリジナリティがどこにあるのかがわかるとよかったと思います。
具体的になにかをおこなったというわけではなく、事例などを調べたということでしょうか。考察のところには具体的なことを明らかにするようなことが書かれているのですが、内容がそうはなっていないので、内容に合ったことが書かれているとよいと思いました。
ストーリーは書けました。あとは、それを実行に移して結果を生み出してみてください。
2053
多摩科技01:台風の螺旋解析プログラム
台風の雲の形状を螺旋方程式でモデル化する試みは、情報技術の有用な活用として評価できます。現在は開発と数枚での評価を行った段階と思います。今後は、複数枚の画像や、雲の切れ目が不鮮明な画像で評価するとともに、研究の目的である螺旋方程式と台風の強さの関係についても研究を深めて行ってください。
有用性もあり,よく考えられた素晴らしい取り組みと思います.実際の台風の強度と本級の結果を比較するなどするとよりよいと思います.1つだけ惜しいのは,枠線が太すぎることです.カテゴリのタイトルが枠線とかぶってしまってますでもっと細い線でもよいです.また考察と課題のところは空白が多いですので,考察をもうすこし書くのと,他の箇所にその分説明を追加するなどしたらよいでしょう.
台風の雲から台風の螺旋の方程式を作成するということで,面白い取り組みだと思いました。雲模様が明確でないところ,台風の中央に近い所の解析方法を検討することも重要だと思いますが,難しいかもしれませんし,そもそも必要ないのかもしれません。実測の観測データと比較する中で理解できることもあると思いますので,その検討をぜひ進めていただきたいと思います。
スーパーコンピュータもある中で,現状なぜ未だ主観に頼る方式なのか?(参考文献は2005年なので,現在はもっと別のアプローチが取られている可能性は?)を探っていくと,この研究による分析手法の持つ独自性がより明確になるのではないかと思います.なお,ポスターのレイアウトは少し改善したいところです(枠線が太すぎて文字が被ってしまっているのと,考察以降に無駄な余白が多い)
2054
多摩科技02:心拍数から最適なBPMを割り出すソフトウェア
心拍数からBPMの最適な曲を選択するという発想がとても面白いと思いました。ポスターでは「ある程度しっかりと動くようになった」ということですが,実際に動作している動画があればよかったかなと思います。今後は事前登録した曲ではなく,Web APIでおすすめの曲から最適な曲を引っ張ってくるなど,よりユーザの視点で利便性を高めてもらいたいと思いました。
試作段階ではあるものの、生体データに着目し、心拍数に応じた音楽を再生するソフトウェアを実現できていることは大変おもしろいと思いました。開発したソフトウェアをどのようにユーザが使うのかが説明されていると良いと思いました。
ランニング時の生体情報からその時々に適した音楽を聴けるようにしようとする意欲を感じました。まだ実装中とのことですが、心拍数から算出され「最適なBPM」とはどのようなものかを深く考えると研究として面白くなると思います。心拍とBPMをただ合わせるだけなのか、ランニングの開始直後と終了間近とで同じ扱いをして良いのかなど様々な視点があるはずです。
2055
多摩科技03:自然演繹をフローチャートで再現できるアプリケーション
自然演繹をフローチャートで表現することで、自己学習での理解を促進させるという発想は興味深く、アプリケーションの開発と評価実験ができれば面白い成果につながると期待します。アプリケーションの開発を待つのではなく、これと並行して、フローチャートによる自然演繹の表現が、どの様な形で理解の促進につながるかアンケート調査等を行うことで、研究を推進できるのではないかと思います。
自然演繹についての学習のしやすさを向上させたいという思い,すばらしいと思いました.ここではフローチャートを用いて表現方法を改善するアプローチが取られていますが,上から順に手続きの流れを示しているフローチャートと,今回のように定義を宣言するタイプのものとの相性は良さそうかどうかが気になりました.フローチャートの形に落とし込むのではなく,命題を図として表現することを支援した,ということであれば納得です(命題を図式化することの支援については先行研究もあります).
ややこしい証明図がフローチャートで読みやすくなる例が示されると,研究のゴールとするところが明確に見えるように思われました。うまくいけばこれが新しい「証明図」のフォーマットになるのかもしれません。もちろんすべての証明図がフローチャートで記述できるかはわかりませんが,読むことに困難を感じる人にとってのハシゴになると考えます(いまどきのプログラミングではフローチャートは書かないけど,初学者に流れを理解させる手助けにはなるのと同じように)。湯本先生の論文の目指すところもそうだったのだろうと考えています。
2057
多摩科技05:センサー補助を用いた立体の位置情報取得
GPSが入らない場所での位置情報の補完になる取り組みであることから,さまざまな場所で有用性が高い研究だと思いました。ポスターには「制度が十分に高いかどうかは微妙である」とありますので,これから研究を重ねてより精度が高く実用が可能な状態に発展していってもらいたいと思います。
身近なセンサーデバイスであるスマートフォンを用いて問題解決を行うことは有用と思います。室内での位置推定や精度の向上は研究が行われていますので、ぜひ調べてみてください。
研究方針の見出しに使われている「平面移動」と「水平移動」は横方向の動きのことなのでほぼ同じ意味です。上下移動は「水平移動」ではなく,「垂直移動」ですね。身近なスマホを使って研究しようとしたこと,参考文献を明示している点はとても良いと思います。
2058
多摩科技06:球状歯車の自動制御
解決すべき課題を設定して、球状歯車を用いた問題解決を行っていることは評価できます。まだ設計試作段階と思いますので、ぜひ開発を進め、耐久性などを含めた確認を行ってください。
3Dプリンタの効果的な利用がなされていると感じます。結果のところであげている課題は球状歯車自体の固定方法に関わることだと思われますが,これは工学的に解決できないものでしょうか。助かる人を増やす(そのものずばりかどうかはわからないけど,それに近づくであろう)開発に期待します。
手で微妙な力の調節をする必要であり,非常に繊細な動作が必要な内容ですが,とても意義のある取り組みだと思います。2軸以上の制御などとても難しいと感じていますが,引き続き,粘り強く取り組んでいただきたいと感じます。
義手に球場歯車を用いることでこれまでの義手より良い物ができるかもという点は期待したい。情報の内容としては、もうすこしソフト面に焦点が当たると良かったかも。
2059
多摩科技07:自転車の振動の計測
路面情報を共有するという点でサイクリングを日常的にされている人にとっては大変有用性の高い研究かと思いました。ポスターからは,荒れている状態を加速度で採取しているとあるが,それがマップ上に反映されているのかどうか分らなかった。今後,複数の人に共有でき,実用性が高くなるように発展されることを期待しています。
道路の状態をセンサデータにより可視化しようとする試みは実用的だと感じます。実際に自転車で計測すると加速度が常に様々な方向にあることにきづくはずです。それらのデータから路面の荒れを検出する手法を考えると良いと思います。その際には、同様の既存研究を確認することや、自転車ではない道路利用者(例えば、車椅子や自動車)の例も参考にすると良いでしょう。
位置情報を収集してGoogleMap上で表示することについてはポスターで理解できましたが,垂直の加速度センサーのデータについては詳細がよくわかりませんでした。今後,引き続きデータの収集と検証をされると思いますが,結果を楽しみにしています。
2061
多摩科技09:OCR技術を用いて表をデータに自動で読み込むツールの開発
正に自分が毎年学校の年間行事予定表をもとに手打ちでGoogleカレンダーに打ち込んでいる人です。すべてを打ち終わるまで2時間程度はかかるので,これが瞬時にできるのは大変有難いです(是非プログラムを提供してください!)。また誤認識や誤変換など精度が高くないということなので,これからの発展に期待をしています。
学校内の困りごとを技術で解決しようとする試みは評価できます。印刷資料に対するOCR精度が高くないことは予想されますが、今回は罫線と文字を事前に分離することで精度は上がっていたはずです。そのあたりを含めて詳しい実験をすると見えてくることがあるように思いました。予定表で使われる語は限られていますので、辞書で誤字脱字を修正するアプローチも有効かもしれません。
「学校で配布された年間行事表」をGoogleカレンダーに入力するというかなり限定的な局面での取り組みですが,面白く拝見しました。形式の違う予定表(紙媒体)でもGoogleカレンダーで読めたらいいですね。
2062
多摩科技10:空間認識力を改善するシステムの開発
空間図形の把握のために3Dモデルとアニメーションを利用して断面を視覚的に示すというのは興味深い研究テーマで、11月18日に予定されている調査結果から面白いデータが得られることを期待します。空間図形の可視化というのは、多くの研究が行われている分野でもありますから、これまでに開発されてきたアプリケーションとその教育効果、課題等、先行研究を調べることで、研究のさらなる発展につながると思います。
「問題文とともに示される図形の形」が何を指しているのかがよくわからなかったのと,解決策としての「3DモデルとCGアニメーションを使用して断面の形を視覚的に示す」方法が具体的にどのようなものか示されてないので,そこをまず示すことで,本研究がどこまで有用性を持つのかを確認出来るようになるかと思います.
自らが受けてきた身近な入試問題に着目した,当事者目線での面白い研究と思います。開発したアプリがどのようなアプリなのかわかるように画面構成などをポスターで示してもらえると,なお様子がわかってよかったと思います。
2064
多摩科技12:在庫管理システムのためのICタグ読取システム
RFIDを用いて家庭の在庫管理のチェックアウト部分を自動化するというのはおもしろい。できれば、チェックイン部分も何か考えて、全体として動作するものを扱って欲しかった。あと、RFIDの普及状況はどれくらいでしょうか。現にRFIDがついている商品に限ったシステムでもいいので、動かしたいですよね。
「ゴミ箱に捨てたICタグで在庫管理」という発想はなかなか面白いと感じました.ただせっかく実証実験を行っているのに,その結果が「一番バランスの取れた電波出力強度、距離を測ることができた。」の一文だけでは,結局その成果が他の人の役に立たず非常にもったいないので,どういう設定でどの強度・距離が最もよいと評価したのかの具体的な内容を記載してほしいです.
RFIDを読み取って,使ったものを自動で在庫を減らすシステムということで,とても有用だと思います。今後,さらにシステムを発展させ,在庫の登録等にも進めば楽しみです。紙面の限界もありますが,どのように在庫管理が使いやすくなったのか,読み取り制度がどうだったか等の詳細が記載されていると,見る人が良く理解できるかなと思いました。
2065
多摩科技13:窓に張り付けた振動スピーカーによる静音装置
オペアンプを使い手堅く実装されていると思いました。測定とは別に「使った感じ」はどうだったのでしょうか。部屋の仕切りのドアのガラスで実験できなかったでしょうか。1000Hzの音だけより、様々な音で試せなかったでしょうか。この内容だと「情報」より技術科の研究のようです。逆位相の音の生成を手動でやるのでなく、コンピュータでやって雑音の変化に自動で対応するのはどうでしょう。
勉強に集中する環境を作るという身近な問題解決に取り組んでいることは評価できます。考察に書かれているように、実際には自室という閉鎖空間の窓に貼ることで外部の騒音をキャンセルするモデルと思いますので、密閉された環境での実験も行ってみてください。
振動スピーカーによる静音装置ということで,とても面白い取り組みだと思います。スピーカーの条件を変えたり,今後の課題でも書かれているようにガラスの種類を変えたりするなどして,どのように結果が変わるかを検証していただければ色々と見えてくるのかもしれません。ぜひ頑張ってください。
2066
多摩科技14:道路の環境と不審者の発生の関係
身近な問題を,アクセス可能なデータを使って検証しようとすること,それから変数の設定の仕方についても考えられており,すばらしいと感じました.因子分析とロジスティクス回帰分析に使用したデータは何件程度あったのでしょうか?また,因子分析の結果をどのようにロジスティクス回帰分析に使用したのかが気になりました.ロジスティクス回帰分析で天気が有意な変数だったのかな?とも思われ,このあたりが明確になると警察に対する提案や我々の具体的な防犯対策に活かせそうです.
着眼点がよく、研究の方法もわかりやすく、結論の導き方もよいです。必要な要点と項目をポスターにおさめてありました。
この問題に注目したのは社会的に意味があります。しかし報告されている内容には疑問があります。例えば、「不審者は6-10m未満の道(この言い方も変ですが)に発生しやすいと考えられる」とありますが、そもそも小学生全体ではどのような道を多く通るのでしょうか?そのような道を小学生が通ることが仮に多いなら、そこで事件が多く発生するのは当然で、道路がその道幅だから発生するのではありません。そのような点について再度考察してみてください。
2067
多摩科技15:自転車における対向車の画像認識
ポスターがシンプルながらよくまとまっており、好印象です。現在、自動車には様々な事故対策が取られていますが、自転車には皆無と言ってよく、そのような状況の中で、こういう研究は非常に意義があると思われます。YOLOをラズパイで動作させているようですが、個人的にはYOLOはやや重かった印象があります。実際の検出速度をポスターに書いていれば、このシステムが実際にどれくらいの速度で反応するのかわかってもっとよかったと思われます。さらに言えば、検出率も欲しかったです。また、マイク(警告部)とポスターに書かれていますが、これはスピーカーの間違いではないでしょうか。
小型化により自転車への搭載が可能であり、有用性が高いことがわかります。カメラやRaspberryPiの画像例があると伝わりやすいと思いました。試作した段階と思いますので、今後は実験を繰り返すことでデータ収集と分析を進めてください。
問題意識はとても素晴らしいと思いますが,対向車の画像認識となると判断を怠ることが最も少ないことも考えられます。左右とか広角を見ることのできるカメラで取り組んでみても面白いかなと思いました。
自転車の事故を減らせる可能性がある有用な取り組みであり、かつ、実際の自転車に搭載できるよう小型化されている点は優れていると感じました。判定可能な危険状況が増えれば、より実用的かつ有用な研究になると思いますので、これからの発展に期待しています。
2068
多摩科技16:電磁波(143MHz)の気象ノイズの除去
地震検出については、日本は地震大国であることから様々な研究が試みられていると思います。しかし、そこで雷をデータとして使用する、という点に興味を引かれました。まずは先行研究を調べ、自分たちとの差異、あるいは共通点を調べることをまず推奨します。雷のデータを用いた例もあるかもしれませんが、先行でどのように検出を行っているか、が今後の大きなヒントになることが考えられます。
災害を未然に予防するための意味のある研究と思います。雷の計測データを集めることと地震前の計測データが必要になりますので、継続的な研究を進めてください。
地震の前兆である電磁波の放射について検討するということで,面白いテーマだと思います。まだ,ノイズを除去するという段階だと思いますが,実際の地震データと合わせて言えることがあるか,今後も粘り強く検証をしていただければと思います。
2069
多摩科技17:換気⾃動化装置の開発
身近な題材を自動化する・機械化する、というのは労働力不足になると言われている現代において、大事なテーマ、気づきだと思われます。なるほどね、と興味深く拝見しました。ポスターの図や表が潰れてしまって、見えない状態になっています。文章以上にデータを掲載した図や表は大事なので、ここは気を配ってください。また、考察に「データが不足している」と書かれていますが、できなかったこと、不足していたことを示し、その原因を考察するのは案外みんなできません。研究結果が残念なことになっても、それを提示して考察するのは基本的なことなので、ぜひこの姿勢で継続してください。
学校の換気という具体的な課題を発見し、解決策を検討していることは評価できます。まだ試作段階と思いますので開発を進めてください。
換気による気温・湿度の変化については,操作しないときとしたときで温度比較についての記述が足りないかなと思いました。また,教員の負担を軽減することが目的であれば温度比較する必要もないのかもしれませんが,自動化した換気装置の耐久性や動作確認や,手動と自動化との温度比較をするよう検討を進められても良いのかもしれません。
2070
多摩科技18:目の画像認識によるアバターの視点位置の推定と自動設定
アバターの視点を機械が認識できるかという大変興味深い研究かと思います。実験結果をみると「亜人間」がよかったということかと思いますが,そもそも亜人間とはどのようなものなのでしょうか?人間の画像認識では90%正解であったということから,アバターもより人間に近くすることが認識率を向上させる手段なのかと感じました。
ソーシャルチャットのアバターを題材にすることで、身近な問題解決に取り組んでいることは評価できます。今回使用したカスケード分類器は写真の目を認識するための学習データと思いますので、それをアバターに適用したときの妥当性を検討すると、新しい発見があるかもしれません。期待したいと思います。
人間の写真から両目を認識する精度は高く,アバターでは認識精度が低くなるということで,考察で述べられているようにアバターの画像での学習を積み重ねることで問題が解決するかもしれませんね。今後の展開に期待しています。
2071
多摩科技19:次の停車駅を文字表示させるシステム
難聴者だけでなく、すべての利用客の役に立つ研究テーマと思いました。文字として表示する対象を次に到着する駅名だけでなくその後に続く乗り換えの情報にしたり、放送でしか得られない情報を全て文字情報として表示するなどの可能性を感じます。実験結果については、学校内での実験を行うなどして、認識できない原因の分析を行ってください。
音声認識実験のためにノイズキャンセル機能は必須です。この用途では、アナウンス全文を正しく認識する必要はなく、駅名や乗換路線情報など必要なキーワードだけ伝わればよいので、単語を限定することで認識精度を上げるアプローチも有効だと思います。電車よりも車内にサイネージ表示が少ない路線バスの方がニーズがあると思いました。
実験を始められたところだと思いますので,引き続き様々なデータを収集して進めていただければと思います。人の話し声には影響を受けないという結論かもしれませんが,条件次第で変わってくるかもしれないなと感じました。
2072
多摩科技20:画像処理を用いた人認識システム
OpenCVを使った簡単な画像処理による時間の自動計測ですが、カメラのフレームレートの限度内(0.02秒)で十分正確な計測ができ、実用性も十分だと思われます。手動計測の系統誤差が-0.27秒であるという先行研究も生かし、しっかり研究できています。データがもう少し多ければ文献のような方法で系統誤差を推定できそうですね。
計測者なしで走者のタイムが計測できるのは、部活動などで利用できる有用性の高いテーマと思います。作成した装置の精度については、手動との比較だけでなく、ビデオカメラやスマホ/パソコン等での録画を分析することで、スタートの合図の音が出てからゴールするまでの0.01秒程度の分析は行えると思います。今後の研究に期待したいと思います。
先行研究は50m走での結果を参考にしておられ,実験では手動計測と作成システムとの差異を検証しているだけですので,今回の結果だけで手動計測よりも正確とまでは言えないと思いますが,とても素晴らしい取り組みだと思います。引き続き,複数人での取り組みや距離を延ばしての取り組みを期待しています。
短距離走の走行時間の自動計測を目指した研究で非常に興味深いです。どうやってスタートとゴールを判断するのかについても言及して欲しかったです。この方法によっては先行研究の 0.27秒とは違うずれの時間になる可能性もあるのではないかと思います。
2073
多摩科技21:ネットワークの可視化による学習支援システム
理解しにくいネットワークに関する学習を支援する試みは、有用であると感じました。今回はWeb教材だけの提案ですが、授業とセット(どのような授業の中で、どのように活用することを想定しているのか)にして提案されると、より良い研究になると感じました。
ポスターは見やすくまとまっていて良いと思います.抽象的な説明になりがちなネットワークの仕組みの理解を促すアプローチは,大いに期待されている課題かと思います.ただ今回の設計だと,ここから何を学べるのかがわかりにくいので,学習目標はなにか,このツールをどういう学習活動で使っていくのか,それによってどのような学習効果が得られるのか,といった面を議論すると,より良くなると思います.
研究の発想は素直なよい発想だと思いますが、現在はまだ図を表示するだけということで、作成途上ということだと読み取りました。図1のような単純な接続形態だと、わざわだこのシステムに頼らなくても分かるので、もっと複雑なシステムに関して表示するようにするとよいと思います。また、類似の先行研究に対する調査も必要です。
2074
多摩科技22:水難事故防止の為の水中画像認識による姿勢推定の実装
溺れている人を検出するというのは重要なテーマだと思いました。静止画でなく動画を用いて連続して検出することで、気包などの影響を軽減し、一瞬縦向きになった人がまた泳ぎ続けるなどの場合の誤検出を減らせそうにおもいます。
水難事故に着目したことは社会的な有用性が高いと思います。水中画像の認識や、溺れていることの姿勢判定などの多数の話が混じっていますので、どの部分を研究にするのかを整理するとよいと思いました。
水難事故を防止するという目的はすばらしいと思いました。水中画像から人体を検出することができたら、次は泳いでいる人と溺れている人の区別が重要になると思います。
2076
多摩科技24:切符をOCRするシステムの開発
紙の切符を電子チケット化するのではなく,紙そのままで情報を抜き出す方式は,予算が限られていてチケットの電子化が困難な鉄道会社にも受け入れていただきやすい良いアイディアだと感じました.(また「趣」という言葉に,切符に対する深い愛を感じました.) システムの性能が十分に実装されているように見えるので,あとは,紙の切符を買っていなければ有効なデータを登録できないような仕組みがあると,とても良いと思います.
具体的な課題設定をしてシステムを構築していることは評価できます。地方の無人駅に対する問題解決になっているかという点は、よく検討してみてください。ヨーロッパで一般的なように、すべての駅で改札がない鉄道も存在しています。
現在はリアルタイムOCR機能のみということですが,その部分だけでも多くの取り組む内容があると思います。ここまでのシステム構築も大変な作業だったと思いますが,精度改善含め,引き続き,機能拡張に取り組んでいただければと思います。
2077
多摩科技25:AR技術を用いた食品成分表示システム
面白いアイデアであると思います。値札や包装の袋にQRコードを印字しておき、それを読み取ることで成分を表示する等、他の方法と比較した場合の利点(QRコードよりも素早く、かつ、複数の商品の情報をまとめて参照できるとかでしょうか)が考察されていると、より良い発表になると感じました。
興味深い研究のように思われますが、どうやって食品の成分が分かるのかが理解できません。また、実験例ではパンそのものの映像が使われていますが、「商品に触れずに...」ということであれば、パッケージに入ったパンの画像を入力しないといけないのではないでしょうか?以上のように実験の内容に疑問が残ります。また、食事の際の食品の画像をとるだけで、食品を認識し、カロリー計算をしてくれるようなアプリがたくさん存在しますが、これらと何が違うのかも明確にした方が良いと思います。
見た目が似たような食品(たとえば中にクリームが挟まっているか否かだけの違いなど)の場合,ARだけで判断するのは難しいように思いました.値札にQRコードを貼ってそれを読んでもらったほうが正確なような気もします.ポスターのデザインはきれいで読みやすく,とてもよいと思いました
2078
多摩科技26:ゲーム開発プラットフォームの構想と実装
おそらく今回想定しているインディーゲーム開発は,その開発者の多くが「自分が作りたいものを作る」がモチベーションなので,たとえば開発が滞ったときに「じゃあ作業を細分化して別の人いっぱい集めましょう」という方向にはあまりいかない(他人は増やしたくない)のでは?という点が気になりました.
計画書が出来上がりました。これからが勝負ですね。
現在,構想段階の内容だと感じました。作成中のものがあるのであれば,もう少しその情報をポスターに表現していただけると,色々と議論ができるかなと感じました。ぜひ頑張って取り組んでください。
2079
多摩科技27:レスポンシブデザインに対応した学習webアプリの基礎実装
ポスターから、どのようなWebアプリを作成したのかが読み取れませんでした。どのようなことが(学習)できるのかについて丁寧に説明された方が、より良いポスターになると思います。
タイトルに「レスポンシブデザインに対応」とありますが,内容を見る限りレスポンシブデザインに関係する記述が見当たりません.「準備・片付けに焦点をあてた教材」という視点は面白いと思うのですが,具体的にどう構築するかが「Webアプリを作る」以上の情報がまだないので,今後に期待です.
多くの端末で利用できるようにレスポンシブデザインに着目したことは評価できます。画像が入った画面などをわかりやすく表示することを含めて、今後の実装に期待したいと思います。
2081
多摩科技29:学生の研究活動補助チャットアプリ
総合的な探究の時間の活動の質を高めるために,議論を行うことが大事だという考えが土台にあると思われました.とても良いことだと思います.ぜひ本システムを使って,異なる学校・学年・地域・立場の方々との議論を実現していただき,議論に参加していただいた方にも嬉しい問題解決方法を提案していただきたいと思います.期待しています.(余談ですが「総合的な探究の時間」(求ではなく究ですね)は2022年度から必履修化されたのではないかと思います.)
チャットを利用することで、生徒間の議論やコミュニケーションを促進する仕組みの検討は意味があると思います。まだ試作段階と思いますので、今後の開発と実験に期待したいと思います。
「総合的な探究の時間」ができても,何を探求すればいいかわからないのでそもそもその題材を探すためのアプリ開発をしようという発想が,高校生目線で良いですね。まだ製作途中とのことですが,開発したアプリの操作画面など様子がわかるものがポスターにあるとなおよかったです。
2083
玉川学園サイエンスクラブ ロボット班:ジャイロセンサを用いたレスキューロボットの開発
迷路の中を通過するロボットの位置の同定にジャイロセンサーを使うため、誤差を減らす工夫をいろいろされています。素朴な疑問ですが、迷路の壁が90度単位なら、これをキャリブレーションに使えないのでしょうか。
レスキューロボットは災害が起きたときに必要になってくる重要な研究です。ジャイロセンサを題材に、比較実験を行ったり、累積誤差の影響を検討していることは計測制御の学習にとって有用と考えられます。基本的な理解ができたと思いますので、今後に期待したいと思います。
ジャイロセンサーの静止状態における測定誤差(ドリフト)は、出力信号をそのまま読み取ると誤差がでることは避けて通れない現象です。その誤差を自分たちで解析しようとしたときに、測定間隔や、放置時間による違いなど条件を変えて測定していることは、実験時計測の基本となるものでしっかりまとめられています。また、その誤差を押さえ込むオーソドックスな手法であるカルマンフィルタを適用して確かめた手順もためしています。 これらの特性は当該センサーチップのデータシートをまず読むことが肝要です。
みなさんの研究を他の中高生が参考にする場合において、測定方法をどうおこなったのか、プログラムを使った、デジタルストレージオシロスコープなど機器を用いたなど実験方法を示すとさらに参考になる研究となります。
2084
玉川学園サイエンスクラブ画像処理班:画像認識の学習用画像生成
難しい課題をこなせていてすばらしいと思いました。データはEMNISTを使ったのですね。GANは何を使ったのでしょうか? 生成された例があればわかりやすかったと思います。全体的に正答率が低いようですが、認識にはどういうアルゴリズムを使ったのでしょうか?
画像認識用の学習用画像を生成する仕組みを提案し、実装していることは評価できます。実験についてはグラフによる報告がありますが、実際には生成された画像も掲載するとわかりやすかったと思います。今後の研究にも期待します。
データ拡張する上で一般的なGAN手法を実際に試しデータ採りをするところから始めたことは素晴らしいです。全て良い結果だけではなくうまく行かなかった結果についても考察を行うなど実際に試したからこそわかることにも触れられています。 一方で要になる「正当とする基準」などが示されていないことで読者が混乱するところになるかもしれません。
2085
玉川学園サイエンスクラブ協調作業班:仮想現実におけるコミュニケーションを用いた人との協調作業を行うロボットの機械学習モデルの検証
様々な技術を組み合わせてシステムを実現されたことが素晴らしいと思いました.教師あり学習でトレーニングしたアバタを用いた検証も行なっている点もすばらしいです.結果がとても興味深いです.横方向の操作を担当する場合は合図ありが好まれる傾向が強く,奥行き方向の操作を担当する場合は合図なしが好まれるという結果だと認識しましたが,これは人間の知覚特性に影響を受けてはいないでしょうか?被験者数を増やすと有意な傾向が観察できる可能性もあるので,今後の結果も楽しみにしています.
人工知能と人間の協調は、今後の社会での大きなテーマになりそうです。人間のタスクを学習し、その後に協調操作を行うことで、決まったタスクの有効性を検証できています。今後は合図の有無以外の要因についても検討や実験を進めてください。先行研究をふまえた、内容の充実した技術研究だと思います。より詳しいことを発表できる別の場も情報処理学会にはありますので、そこでより詳しい報告をすることを期待します。
仮定を検証するプロセスで考察を重ねている素晴らしい研究だと思います。他の仮定についての検証も順次行われるとのこと、今後に期待します。
2086
磯矢花:非言語コミュニケーションとしての ケータイのディスプレイを見せる行為がもつ印象 〜大学生と高校生と比較して〜
約15年前の研究結果と現状とを比較した、興味深い研究であると感じました。2009年はスマートフォンが登場し始めた頃で恐らく「携帯電話」を利用していた人も多く、現在はほぼスマートフォンという違いもあるのかもしれません。参考文献の記載が不十分なため、基となった論文を探すのが大変でした。論文のタイトルや掲載誌名等、必要な情報を記載するようにしてください。
調べたいことはなかなか奥深いと思いました.もうすこし解析できそうです.グラフを書く際には横軸をちゃんと記すべきで,右側の縦棒グラフはどう読み取って良いのかわかりませんでした.ポスターは見やすいデザインと思いました.
情報に関する社会調査として興味深い研究です。最初にポスターを見て「世代による違いなのか、年齢による違いなのかが不明」と思いましたが、その弱点(将来研究への発展)も自分で自覚しているのがよいと思いました。ただし参考文献欄に論文題目が書いてないため原典にあたることができないので、次回はタイトルや掲載誌など、読んだ人が原典にあたれるデータを書いてください。
限られたスペースでポスターを作るのは難しいと思いますが、データの解析のところはもう少し工夫ができると思います。問3の選択肢のうち回答数が多いものは列挙されていましたが他の選択肢はどういうものだったか知りたいと思いました。表の字が表の大きさに対して小さいのが見づらいので、字をもう少し大きくできれば見やすくなると思います。
2087
山村:人工知能を活用した効率的なメタンハイドレート採掘
意欲的な研究だと思います。がんばってください。
人工知能の活用方法として、エネルギー問題を検討していることは評価できます。実際には、装置A,Bの具体的な検討が必要になりますので、探索のアルゴリズムなどと合わせて検討に期待します。
時間が足りなかったのでしょうか?メタンハイドレートに着目し,それをAIを使って解決しようとした点に大変興味を持ちましたが,残念ながらポスターは未完の状態で提出されたようでした。ぜひ,研究を続けて別の機会に発表してほしいです。
2088
遠藤紡:AIは反乱を起こすのか
AIに対して多くの方が心配されている内容に正面から取り組んだことが素晴らしいと感じました.今回採なさったように,AIのあり方について検討するためには,論理的に現状や課題,制約などを整理することが重要で,これらはELSIとまとめて呼ばれることもあります.そのうえであえて技術的観点を持ち出してみたいと思いますが,ChatGPTなどの生成AIのように,人間が学習を制御して適切な出力へ向かうようにAIの基本的な部分を作り込むことは難しいのでしょうか?事前学習があることを踏まえて,「フィルター」を突発する状況を場合分けして書き出すことができると,よりすばらしい議論になっていくと思います.
AIが反乱を起こす前に人間はどうすべきかなどの考察があったらよかったと思います。
SF的な未来予想としては面白いし、同様な予想を発表している「大人」もいます。しかし情報分野の研究ならば、評論やSFではなく、いまのAI(例えばChatGPT)が動いているその実際の中身の技術を、入り口だけでもまず勉強して理解し、それに基づいて論じてほしいと思います。残念ながらポスターを見る限り、例えば「現在AI率いるコンピュータは、人間に不利益を生み出す行動は意図してできないようにプログラミングされている。」などは、SFの中では見かけますが、実際のAIの技術には全くまとはずれ、と言わなければなりません。また参考文献3つも、タイトルは明示してなく、最初のリンクは目次ページへのものですのでよい形ではありません。
2089
N & Co.:特定のフォーマットでの返答エージェントの作成「リンゴ変換」
音声認識とAI技術を適切に組み合わせることでアプリケーションを実現していることは評価できます。サンプル数に応じて精度に違いが出ることに気付いているのもよいと思います。既存サービスの組み合わせによる制約はありますが、応答の精度を高めることで実用性を高められると期待します。
Apple社の言い回しに着目し,それを他の商品セールスや観光案内などに活用するという発想は大変独創的で面白いです。ポスターに貼っているアプリの様子を示す画像の解像度が粗いため,詳細の様子がよく分からなかったのが残念です。
音声を聞き取り,適宜応答するシステムを作ってみるという試みはとても興味深いものです。さらに発展させてみるといいでしょう。
2090
魔軍団:ペンキの調色を手助けするプログラムの作成
この予測結果を、実際にペンキを混ぜて色を調整する場面でどのように活かすかについても提案・考察されていると、より実用的な発表になると感じました。
自分自身が経験した問題から研究を始めているのが良いと思います。プログラムを使って計算するなら人間が手で計算するより複雑な計算ができるので、無理に変数の数を減らさなくても良いのでは。ポスターは式やグラフの意味の説明がなく、わかりにくくなっているのが残念。
ポスターを見る限り、既存のKubelka-Munk理論の式を簡単化してそのまま単にプログラムに作り、それにより計算した結果の色を実際のペンキでのデータと照らし合わせただけのように見えます。例えば、その過程で理論的検討をした(単にパラメータを減らしただけでなく)や、実際との違いがなぜ起こるか仮説を立てた、など、独自の何らかの工夫がほしいと思います。なお、4に「計算した色」「実際にできる色」が出ていますが、これ自体がRGB値をもとにディスプレイ上で合成された色なので、そのRGB値は何から求めたのか、が気になります。「実際にできる色」はペンキをカメラ撮りして出力されたなんらかのRGB値でしょうか?
2092
山田健太:Blenderによるテニスボールの軌道のシミュレーション
ふだんプレーしているテニスのボールの動きを、物理シミュレーションを用いて解明しようとしているところがすごいです。実験3で「実際の動きと違う」としていますが、どう違うのでしょうか。実際の動きは目で観察できるようなものですか。Blenderをブラックボックスとして使うことの限界があるかも知れません。
テニスボールという身近な題材でシミュレーションを行っていることは評価できます。シミュレーション結果は実際の軌道と比較することが重要です。ぜひ、カメラ等の動画撮影などと合わせて実験を進めてください。
テニスのシミュレーションを行っている関連研究を調査することで,アイディアが得られることがありますので,ぜひはご自身のテニス部での活動にそのまま活かすことができる実益のある研究ですね。ぜひ疑問を解明して,テニスの技能の向上にも役立てられるといいですね。
部活動での疑問をシミュレーションしているところがユニークですね。研究動機に挙げられている内容全てを網羅できなかったでしょうか?ガットの種類による軌道変化などに関する実験などはまだこれからでしょうか。その辺りについても展望で言及をしてもらえるともっとわかりやすいポスターになるでしょう。
2093
熊ノ号:ノイズキャンセリングの再現
ノイズキャンセリングの原理を理解し、実際にイヤフォンやスピーカを用いた実験で確認しようとしたのは良かったです。研究1ではどういうプログラムを組んでどういう結果がでたのか、もう少し説明して欲しいです。研究2、3はあまり「情報」の内容ではない感じがします。
ノイズキャンセリングの仕組みに興味を持ち、実際にイヤホンに実装していることは評価できます。イヤホンの電極の交換は、単に片方を逆相にしているため、定位が中央にあるボーカルの除去の効果となるだけであり、ノイズキャンセリングにはなっていないように思いました。
欲しいと思ったものを入手できない時に、自分で作ってみたら良いのでは?という発想から、理論的に検討しプログラムで自動化して問題を解決しようとしているところが素晴らしい問いの立てかたです。逆位相音源を作り出す時にプログラムで自動的に生成する方法をシンプルなグラフを基礎理論をベースに実装しようとしたところも素晴らしいです。 一方でポスターとしては実際に説明する補助資料として作成されていると推察しますが、空白も多く読むだけだとわかりづらいところでもあります。またリンク切れやサイトトップページのURLになっているところありました。表現方法を工夫するとさらに良くなるでしょう
2094
130:M5StackCORE2を使ってVRゲームを作る
研究は「自身が知らない・知りたいものを知る」ことではなく,「今の時点で他の誰もしらない新しい発見を見つけ出す」活動なので,きっかけは「単純に興味がある」「道具が身近にある」であっても,それをもとにどんな「知られてないこと」があるか,そこからどんな「新しいもの」を生み出すかを考えるプロセスが必要です.
ポスター右上の画像は、実際に開発したVRゲームのワンシーンでしょうか。M5Stackでどのようなセンサを使い、どのような制御を行っているのかが書かれているとわかりやすいと思いました。
M5StackをVRゴーグルのコントローラーにするのでしょうか。実現できたら有用そうに思いました。ポスターからはどのようなセンサーを使ってどのような操作ができるのかがわかるとよいと思いました。
2095
Team BOYS:巡回セールスマン問題を用いた観光における最適な順番の自動作成
HTMLとAPIを利用しているため、Webサービスとして広く提供できるシステムだと思います。実際にサービスを提供するためには移動手段を含めたコースの提案が必要になると思います。更なる研究と開発を期待しています。
都市間のコストとして移動時間を採用していますが、現実には乗り物の待ち時間や交通渋滞など様々な要因が入ってきて理論通りにはいかないことが多いです。徒歩や自転車等での移動に限定して、観光地内の街中観光やアウトレット内のショップ巡りなどに適用してはいかがでしょうか。
2都市間の移動距離をLeafletとBing APIから求めているのは面白いと思いました。TSPを網羅探索でない方法を考えるとさらに良いでしょう。現状も厳密解といっても、Bing APIから得られた情報が厳密とは言えませんから一定の割り切りが必要だと思います。
2096
mancala:強化学習を活用したマンカラの最善手の探索
マンカラを題材として強化学習を行い,「一番左のポケットを選ぶ」「相手の手の応じてポケットを選ぶ」という戦略を提案している点について新しさを感じました。今後の展望として序盤・中盤・終盤に分けて手を変えるなどの手段を上げていますので,強いプレイヤーの作成のついて引き続き研究を行って欲しいと思いました。
世界中で遊ばれているゲームを強化学習で分析していることは評価できます。考察で書かれているように、序盤と終盤では変わってきますので、今後も検討を進めるとさらによい研究になると思います。
ゲーム戦略をコンピュータプログラムによって試行回数を多くとり先行研究よりQ学習手法を自分がプレイしている比較的マイナーなゲームに適用して問題解決をしようとし、実際にQ学習手法のポイントを押さえた試行、そして考察をおこなっています。 マンカラやゲームで選択しうる「手」というドメイン知識をうまく機械学習に適用しているところが素晴らしいです。さらに継続して研究をすすめていってください
Q学習がしっかりできるようで、すばらしいですし、ポスターもしっかり書けています。モデルの詳細や、ランダムプレーヤーだけでなく人間との対戦結果も知りたかったところです。
2097
平家 和志:閉じたWi-Fiネットワークを利用したファイル共有システムの構築
地域の情報伝達をデジタル回覧板で行う試みは有用であると思います。ただ、それを閉じたネットワークで行う必要性については、改めて検討した方が良いように感じました。
極端に文字が小さく,ポスターとして十分情報提供できない状態です.ポスターから2mくらい離れて見て読めることを想定した文字の大きさにしましょう.またどこが重要ポイントかもわかるように全体を整理しましょう.Wi-Fiで「建物間でのファイル転送」とありますが,そもそも屋外にWi-Fiの電波を飛ばす前提なのは法規的に大丈夫でしたっけ?
Wi-Fiでアドホックネットワークを構築しようとする試みで興味深く見ました。情報セキュリティにも注意を払っていて思慮の深さを感じました。しかし、頑張れば頑張るほど仕組みが複雑になり、想定した対象者である情報技術に疎い高齢者が扱えないものになっていくことでしょう。アドホックネットワークやP2Pに関連する研究を調べるとよりよい研究になるはずです。
2098
はす:Pygameと機械学習
Cartpoleについて数種類の実験を行い、段階的に比較・考察していることは評価できます。最後のほうの「結果・考察」で比較している各手法についての説明があるとよいと思いました。また、実装中のゲームとの関係の説明があるとよいと思いました。
全体的に「実感できた」ことが中心に述べられており,著者自身が学習を深めていった経緯が伝わります。今後機械学習について学ぶ後輩が参考にできそうです。ランダム性の加え方などに工夫が見られます。それはそうと,ポスターを読む順番で少し戸惑ってしまいました。おそらく本人がポスターを前に口頭で説明すれば問題ないですが,単独でポスターだけ見ると少し困りそうです。また,Q学習が教師なし学習と書かれていますが,どちらかというと強化学習ではないでしょうか。
文字が極端に小さいので,ポスターとして情報提供の役目を果たせていません.ポスターから2mくらい離れて見て読めることを想定した文字の大きさにしましょう.レイアウトも全体を整理して話の流れがわかるようにする必要がありそうです.機械学習でゲームの自動操作を行う研究は既にかなり既存事例があるので,まずそれらを調べてみましょう.
2100
山口大輝:顔認証システムの構築
高度なことをされていてすばらしいと思います。残念ながらChainerはもう開発終了になってしまいましたので、今後はPyTorchなどで研究をすすめられることを期待します。
顔認証システムは色々な製品などに導入されつつある技術で、その仕組みを理解することは大切だと思います。そのため、この研究はとても良い学習になるのではないでしょうか。恐らく似通った製品は複数あると思います。このシステムが完成した後にどう使い、どのような新しい事ができるかを考えるのがとても重要になってくると思います。
読む順番に少し困ってしまいました。顔の認識はこれからで,文字認識はある程度いけたということですが,これが完璧ではないということの実感ができたことが大きい収穫ではないかと考えます。
2101
武藤:チェスをAIで実装(したい)
チェスをAIで実装できたらいいですよね。がんばってください。
チェスという身近な題材を調べることは意味があると思います。実装はこれからのようですので、開発と実験に期待したいと思います。
予備実験で作るプログラムは視覚的なのとそうでないのと両方を作るという考えは正しいと思います。学習させるためには後者が必要ですが,展望で述べられている「なぜ白が勝てない?」のような話は盤面を見ないとわからないと思います。ところでAlphabateとあるのはαβ?
2102
立川高校天文気象部A:視程の自動観測を目指して~Mask R-CNNによる判別とデータベース構築~
立川高校での気象観測については以前から知っていました。プロジェクトが代々続いているのは素晴らしいですね。今後の発展を期待しています。
代々研究テーマを受け継ぎ、新たな視点でより観測の省力化を目指すというニーズから問題解決をしようとしているところは素晴らしいです。またデータのアーカイブを作成するだけにとどまらず、その時々の技術をつかってよりデータ活用しやすくするという着眼点から実装まで進めているところも素晴らしいです。
制度を上げるための研究方法の入り口だけでも試してみるとより今後の方向性が定まってくると思われます。今後の研究に期待します様々な活動を行っているのはわかるのですが,ちょっと情報を詰め込みすぎて今回何をアピールしたいのか見えなくなっているのがもったいなく感じました.ポスターは論文ではなくその場で1-2m離れて眺めるところから始まるので,そこで話を聞いてみようと近づいて来てもらえるような適切な情報の取捨選択をきっちり作り込んでおくのが大事.
かなり詰め込みすぎのポスターですが、盛りだくさんの研究なので、しかたがないですね。毎年とても高いレベルが維持されていてすばらしいと思いました。観測データ公開が進むことを期待します。
2103
立川高校天文気象部B:流星観測の自動観測システム~防犯カメラによる画像観測と電波観測を併用して~
とても興味深いシステムです.検出した流星が本物であるかどうかを検証すると,より信頼性の高い研究(システム)になると思います.
天体を自動観測するアイデアがいいと思いました。実際に肉眼で観測する場合の誤差などもわかるとよりよいと思いました。流星の観測に必要な条件を考察した上で装置と検出のための手法を検討していることに加え、実験により有用性を確認しているところも評価できます。
ビデオ観測と電波観測の2面から流星の有無を検出する装置を実装しており大変興味深いと思いました。眼視観測との違いの考察も頷けるものでした。これらを相補的に運用していくことでより高精度な観測が可能になるものと考えます。今後の進展を期待しています。
流星の観測は楽しいものですが、これを自動化するというアイディアは、天体観測ではなく宇宙物理への応用として考えるものなのかもしれません。現時点では、まだ開発中の部分があるため、結果の考察(図7)も、目視を援用して作成していることから、途中段階のものと判断しました。電波観測装置については、いったん画像化してから OpenCV に入れてますが、画像化せずに、生データを量子化して学習させることはできなかったのでしょうか?気になります。
2104
UECスクール2023A1-A:ペットのごはんを自動で補充するシステム
身近なマイコンであるmicro:bitでできることを活かして身近な問題を解決しようとなさっていることが素晴らしいと思います.誤検知も想定した二重の検知システムになっていることも良いですね.空になった後の給餌タイミングの制御が今後の課題とされていますが,普段ペットが全部食べ終わった後何時間程度で次のごはんを与えるのかを計測しておけば,給餌からの経過時間を見ればうまく制御できそうに思いました.また,一定時間経過ごとにごはんを出すシステムではうまくいかない理由がわかるとなおよいと思います.
エサの状態を光センサと距離センサを用いて検出するアイデアがとても興味深いです.
エサの補充をセンサーを使って適切なタイミングで実施しようとするアプローチやその工夫点は,将来性を期待させる内容になっていると思います.ハードウェアの設計とソフトウェア(プログラム)の設計の話は明確に分けたほうが,より実現しようとするシステムの全体像がわかりやすくなるかもしれません.
ぺっとのごはんを自動で補充するという、ペットを飼っている人にとっては重要なテーマですね。餌の減少を検出する方法を二重系にするなど、工夫がみられます。プログラミングは、Scratchで行われたように見えますが、この規模のプログラムをScratchで書くのは大変そうに思います。どれくらいの規模か(セルの数など)を示してもらえると良かったですね。
2105
梶田光:数論的関数における数値計算の高速化
計算の高速化を目的として、アルゴリズムを並列化を含めて改良していることは高く評価できます。アルゴリズム自体と、高速化のための実装の工夫を、分けて説明するとわかりやすいように思いました。
非常に深いドメイン知識を活用し、その問題解決をコンピュータを使って単に解決するだけではなく、コンピュータの物理実装とその計算方法における計算限界や制約を解決する新規アルゴリズムを発見し証明しライブラリとして開発することで自分の計算だけではなく、広く他の人々のために貢献する有益かつ高次元な研究となっています。
1/40000は速度じゃなくて時間ですね(どうでもいい)。発見されたアルゴリズムは非常に有用で,興味深いものだと思われます。これを用いた数値計算が実行できることを楽しみにしています。
すばらしいです。新しいアルゴリズムの正しさの証明が数学的に査読されて実証されれば、非常に価値が高い研究になります。
2106
kamekame:ウォーミングアップ運動とパフォーマンスの相関〜OpenCVによるトラッキングデータの活用
OpenCVを活用してご自身の運動計測に役立てられたということ,また測定データに対して外れ値の除去などの整形を行いわかりやすくまとめられている点が素晴らしいと思いました.準備運動に着目されたということだったので,準備運動として求められること(心拍数を一定程度高めるとか筋をのばすとかいったことでしょうか)の達成度を調べられたのかと思ったのですが,そうではないようでしたので,準備運動の完成度と運動能力の向上度合い(ジャンプによって評価)にどのような関係があるのかを示していただくと,より納得度が高まると思いました.ところで,ジャンプで身体能力を測定することの根拠となった文献がフィギュアスケートの本だったのですが,テニスにおいてもジャンプは身体能力を推し量るための指標として使えるのでしょうか?という点について素朴に疑問を持ちました.
身近な課題を設定して、解決策を発見するために実験を行っていることは評価できます。多数のグラフを整理して、これらのデータから得られる情報を考察できるとよかったと思います。
私自身はウォーミングアップを「慣らし」としか思っていなかったので,最適な効果を得るという視点は新鮮なものでした。測定結果と実感の対応が体感できるものであるかという点に興味があります。
最適な走行距離は実験ごとに変わっていくようで、この3回の実験だけでは一般化は難しいようですが、方法としてたいへんおもしろいと感じました。
2107
ロジックマスターズ:名探偵は論理的なのか
着眼点は面白いですが、もう少し情報学的観点があるとよかったです。また推理小説の研究は大量にあるので、それらを参考にすると、そこから情報学を活用できたかもしれません。
「非論理的」という用語は、あたかも推論が間違いであるという印象を与える用語ですが、ここではその意味でなく「三段論法などが多用されていない」の意味にしかすぎないので、用語としてあまり適切ではないと思います。また、三段論法はいわば正しい推論の最も簡単な「例」にすぎないので、三段論法が使われているなら論理的、というのはその面からも疑問を生じさせます。また、本発表にはもとの文章が全く引用されていないので、そもそもその箇所が本当に三段論法が使われているのか、なども審査者は判断できない、というのも改良が望まれます。
なるほどと思いながら読みました。作家の特徴なのか探偵の特徴なのかどちらでしょうか。途中でその辺りが混じってしまっているのが気になりました。作品の分析ですから、作家名や探偵名を伏せずに書く方が説得感のある資料になります。
2109
データテクノロジー部G:病院受付における情報デザイン
着眼点がよく、近年、病院の支払いが自動化されたり、マイナンバーの保険証が進む中、このような研究は大事だと思います。
特に高齢者にとって、一人で機械を操作して手続きすることは大変な作業です。その原因を分析するため、実際に高齢者に対するアンケートを実施した点が評価できます。フォントに加えて、情報量の多さや色合いについてもより深い考察を行い、結果を一般のセルフレジの改良に展開できると良いと思います。
情報システムが一部の人に敬遠される原因の究明には、画面のデザインやフォントといった細かなことだけではなく、より大局・多面的な、利用者を含めた人-機械システムとしての検討が望まれます。今回の調査に限っても、落ち着いて選択肢から選んでアンケート回答するときと、いきなり病院受付に行って短時間で画面を見る時では、求められるものが異なるかとも思われる、という点についても検討が望まれます。なおポスターは、こちらで拡大表示しても、図の細部はボケたまま拡大されるだけで、く見えませんでした。(参考文献欄の小さな文字は拡大したら鮮明に読めました。)
2110
データテクノロジー部F:高さとコンクリートの温度変化の違い
調査としてのまとめはできていました
概要に書かれているように、計測結果から、暑い日に歩くのが楽な場所や気をつけた方が良い場所等が考察されていると、さらに良い発表になると思います。グラフの横軸と縦軸に意味と単位を記載してください。また、メートルは小文字(m)で表記してください。
様々な条件で測定した温度変化が報告されていますが、それらのデータから何がわかるか、つまり単にこれが高かった/低かった、変化が大きかった/小さかった、という分析ではなく、それらからより大局的に把握できたことや、それをもとにした何らかの現状の改善案の提案が望まれます。また例えば「コンクリート(50cm)」といっても、垂直なコンクリート壁の高さ50cmの箇所と、高さ50cmの空中に渡されたコンクリートの棒では条件がかなり異なるはずですが、測定したのはどのような状況なのか、などについてもさらに正確な記述が望まれます。
2112
データテクノロジー部C:湿度とマイクロビットを使って加湿器の制御はできるのか
micro:bitで加湿器を制御するという試みは面白いです.湿度を測るためにmicro:bitにつけた部品の説明やプログラムの動きの説明を書くと,よりわかりやすい発表(ポスター)になるかと思います.
実際に加湿器を制御すると、予想外の課題に直面するかもしれません。実物の加湿器を制御できるよう、これからも研究を続けてください。
湿度を制御するために湿度を測って加湿器(または除湿器)を制御しようとする試みと理解しました。精度が良くないセンサを用いた場合でも、一定時間の間の測定結果の平均を用いたり、一定時間の間ずっと特定値以下になったときに限定したりすれば実用的なセンシングが可能です。センシングの結果を元に手作業で加湿器のオンオフをすること自体は初期の実装としては問題ないと考えています。実際にmicro:bitで加湿器を制御するなら、スマートホームに対応した機器が各社から出ていますからそれを使うなどすれば良いと思います。
2113
データテクノロジー部A:印象に残りやすい動画とは?
YouTubeなどの動画投稿サイトが人気であり,またオンライン学習などが普及している現在,このような印象に残りやすい動画という観点はとても重要だと感じます。また,それは動画だけではなく,授業や対面においても通ずる理屈ではないかと思いました。今後は,さらに多くの実験や題材を使っての研究を期待しています。
動画を作るときの参考になる良いデータが得られたと思います.実験の題材となった6つの動画の内容をもう少し具体的に説明すると,よりわかりやすい発表(ポスター)になるかと思います.
動画について、仮説を立てて比較実験していることは評価できます。実験に使った動画について、より詳しい説明があるとよかったと思います。アンケートの母数を示したり、本当に「15秒」が最適なのかや適度な刺激について深掘りするとよい研究になりそうです。
2114
日藤数学同好会E:AI学習による色パターンの生成
配色の提案をしてくれると便利ですね.どのようなデータを学習させるのか,実際に使った時にどのような出力がされるのか,イメージで良いので書くと,よりわかりやすい発表(ポスター)になるかと思います.
配色を生成する際に、ユーザーにこだわりをいくつか聞いて取り入れることで、よりオリジナルのものになるのではないかと思いました。まだ試作のための準備段階と思いますので、今後の開発に期待します。
自分の趣味に関する問題であっても、それを世の中のテクノロジーを活用して解決しようとする態度は貴重です。とはいえ、問題解決のアイディアを形にするには、さまざまな知識やスキルが必要となります。これからもチャレンジを続けていってください。
2115
日藤数学同好会D:お皿の電子機器により下げ膳や食品の重量データなどを採取するシステム
お皿の重さで食事が終わることを検出するアイデアは面白いです.機能,特に機能2をどのように実装したかを書くと,よりわかりやすい発表(ポスター)になるかと思います.
皿の上に残っているものを連続して検知するというアイデアは面白いです。ファミレスの下げ膳は「客に終わった時のせてもらう」のが一番実用的でしょうが、病院など?このアイデアを活かせる場面もあるかと。
重量を検知してロボットに通知するシステムは実用性が高いと思います。具材をリアルタイムに計測する必要性について説明があるとよかったと思います。
2116
データテクノロジー部 B:歩行者用信号機識別システム
信号認識ができたら色々便利なものが作れそうですね.どのような画像だとまだうまく認識できないのかを調べ,プログラムや学習させるデータをどのように改善すると良いかを追求するとより良い研究になるかと思います.
信号無視を減らそうというテーマは役に立ちそうです。車のシステムなど実現している例はけっこうあるので、それらを調べるといいかと。コードがどのようなものかよく分からないですね。前の研究と同じコードで学習を増やしたのでしょうか。また、どのような学習をおこなったのですか。正解率はどれほどですか。
利用者に目視だけでなく、音で知らせる事で信号無視による事故を減らせるのは大いに社会貢献出来そうなシステムです。今回は前回の続きとのことですが、初めてポスターを見る人が多いため、前回の内容を含めた全体を説明するとわかりやすいと思いました。
3001
魚津工業高校電気工学部:スマートフォンと連携した水耕栽培システムの設計 ~スマート水耕栽培~
ハードウェア(水耕栽培の環境)とソフトウェア(適切な収穫時期の提案)を組み合わせて問題解決方法を提案されていることがすばらしいと思いました.ポスターを拝見した限りでは,すべて同じ葉物野菜のように見えますが,これは他の野菜でも教師データとなる写真があればすぐにソフトウェアの用意が可能だと考えてよいでしょうか?また,将来的に農家の方がご自分でソフトウェアの用意を整えられるようになると(教師データがあるという前提ですが),さらに有用な仕組みになると思いました.
水耕栽培を対象にスマートフォンを用いて農業支援を行うことで、農業従事者の労働環境を改善し、従事者の減少という問題解決を図っています。スマートフォンを用いた収穫時期判定では、経験知に基づく業務をAIを用いて解決することで、経験の浅い従事者にも可能な農業を実現する助けになります。
テストデータでは96%以上という非常に良い成績を収めたので、次はスマートフォンを現場で用いた場合の実験を期待します。現場で用いるための問題点なども議論するとよいかと考えます。容易に設置可能であり、有効性が高く、また多くの発展の見込みがある。今後の実地検証と研究の継続が望まれます。
農業特に水耕栽培に着目した、実用的なよい研究だと思います。ひとつ気になったのは、これは従来からある水耕栽培をできるだけ自動化する工夫の一つだと理解しましたが、それがうまくいけば人手が少なくて済むことはわかりますが、そのことと、狙いとして挙げられている「農業に従事しようとする若者を増やす」「3Kのイメージを払しょくする」ことの関連がわかりにくかったことです。
3002
大門高校口パク研究チーム:新たなユーザインターフェースへの挑戦
口の形から言葉を入力するという試みが完成すれば,それは非常に有用性が高い成果になると思います。スマホの文字入力もさることながら,障がいをもつ人の対応や,遠隔で入力ができるようになるなど,可能性は無限大にあると考えます。今回は母音のみの表示ということでしたが,是非,五十音を読み取るまで研究を続けて欲しいと思います。
実現できればいろいろと応用できるおもしろい研究だと思う。50音なので日本語の認識に取り組んでいることから用途はテキスト作成を想定していると思われるので、1音単位での認識に拘らずに単語単位での識別等の別のアプローチを検討するのも面白いのではないかと思った。なお、ポスターは提案システムの構成、採用した手法、得られた結果データなど多くの点で具体的に示されていないため、実際にどのような工夫をしてどういった成果が得られたのかがわからない。
スマートフォンの新しいユーザインターフェースに「口の動き(口パク)」を用いる提案でした.身近な問題を自分たちの力で解決しようと挑戦している点が素晴らしいと思います.
OpenCV の face_recognitionライブラリで顔認識を行い,口の開け方から音声認識をすることで問題解決を計りました。予備実験で50音全てを認識することは難しいことが確認され,母音だけを読み取る方式で開発を進めている点も評価できます.OpenCV でも限られた口の動きは十分に認識できると思いますので,頑張って完成させてほしいです.
海外では Lip reading や Visual speech recognition というテーマで論文や GitHub でプログラムが公開されています.機械学習だと日本語での読唇術向けデータセットも公開されているようです,これからの参考にしてください.
3003
DX減災研究班:仮想現実を用いた災害の可視化
水害の様子を実感を持って分かるという点では必要度の高い研究だと思います。ただ、ポスターに書かれたものは多くが「目指す」「計画している」「製作したい」などの文末になっていて、具体的に何を実現されたのかよく分かりませんでした。掲載されている画像の説明もありませんでしたし。
浸水時の避難経路を探すという着眼点は非常に良いと思います。単に3Dモデルを作成することに留まらず、ハザードマップでは実現できない、3Dならでは工夫により、避難経路の検索ができるとなお良いかと思います。
非常に意義のある研究だと思います。ただ富山県の3Dモデルをどうやって用意するかや、災害をどうやってシミュレーションするかを具体的に書いてほしかった。
3004
チームM:コリドールの強化学習に挑む
自分でプレイしているゲームを題材に、自分でモデル化し場面切り出しをしながらプログラム作成しニューラルネットワークなど検証をしながら次々に仮説を立ててさらに検証を行なわれており着実に研究が進められており素晴らしい研究になっています。またポスターとしてのまとめ方も視認性および表現手法も素晴らしく内容とともに表現方法もバランスよく仕上がっています。参考文献などの記述も含めるとさらに良い発表になります。
ニューラルネットを自前で実装し、具体的なゲームを対象として、段階を踏みながら研究を進め効果を検証していることに好感を持ちました。欲を言えば、コリドールを知らない人にも基本戦略が伝わり、そこにAIがどれだけ迫れたかが示せるとよかったと思います。
一つずつ研究を重ねることで、AIレベルを進化させられたことは評価ができます。アドバイスとしては、結果に対する考察を入れるとより分かりやすかったと思います。引き続き、AIについて勉強を重ねて、将来活躍することを期待しています。
自前でJavaScriptでニューラルネットを実装されたのならすばらしいです。学習方法がまだいきあたりばったりの感がありますが、今後の研究が期待されます。
3005
ヒカロー:困ったらバイタルサインチャット
ポスターのデザインは綺麗ですが、実際にどのようなものを開発したのかが分かりませんでした。同様の製品と比較してどのような点が優れているのかや、実際にどのようなものを開発したのか等を明記してください。
コンセプトアートとしては素晴らしいと思いますが、研究発表ポスターとしては、機器が解決する社会的課題、提案する機器が備えるべき機能、それらをどのようにすれば実現できるのかについて考察・発表していただくとよかったと思います。
救急医療や家庭医療におけるバイタルチェックのためのリストバンドを提案しています。バイタルサインの把握だけでなく、AIによる自動チャット機能により遠隔医療やAEDとの連動を目的としています。
この研究により、現在スマートウォッチで実現している健康管理の機能がより高度なものになることが期待できます。また、ポスターではイメージだけでなく、より具体的な説明があるとよかったです。
4001
高槻高校:指文字の認識および音声出力
ご研究のテーマである指文字の認識および音声出力に関する取り組みは、社会的にも大変意義深く、非常に興味深いものです。プロジェクトがまだ初期段階であって、完全な実装にはまだ至っていないかもしれませんが、今後は他の研究や事例を参考にしつつ、この研究をさらに発展させるための、より具体的なアプローチが見えてくるでしょう。現段階では、提案されている手法の各段階を実施するために使用されているツールや方法については、まだ明確ではないと思います。将来的には、この技術がどのように社会に貢献できるかを楽しみにしています。
指文字認識の評価(再現率、適合率等)を実施されると研究が充実化すると思います。またひとつのかな指文字を画像認識することに加え、画像認識で得られたかなの列を単語のかなの並びの列をマッチングすることと組み合わせるとで認識精度が向上するのではと思いました。
実現しようとされていることは、非常に有用なもののように思われます。今回の研究で何を明らかにしようとしているのかが明白ではありません。例えば、文字を入力して音声を出力することについてはもはや確立された技術と思われます。 指文字の認識について、何が難しいのか、それをどのようにして解決しようとしているかの記述が望まれます。
4002
にぼし:レゴブロックを使用した宇宙エレベーターロボット製作
このプロジェクトへの取り組みは、創造性と努力において非常に印象的です。実際に製作されたロボットも見事であり、目指す課題を達成するための良い解決策を見つけるための努力が感じられます。ただし、ポスターの解像度が低くて、内容が読み取りにくい点があり、開発のアプローチや研究の価値を理解するのがちょっと難しい。今回のプロジェットの研究的な価値をもっと明確に強調することで、プロジェクトの魅力をさらに高めることができるでしょう。
ロボットの開発はソフトウエアだけでなく、センサやアクチュエータといったメカ系の設計も重要となります。予選大会でセンサや使用環境への対処不足が原因であることに気づかれたのは有益な経験だったかと思います。
工作、電気・電子回路、プログラミングと、さまざまな知識やスキルを動員し問題解決に臨んでおり、モノづくりの王道と言える。ただ、少なくともポスター内容からは研究要素を読み取ることができなかった。実際、予選に向けて作成したロボットのどこが既存でありどこが独自であるのか示してもらいたかった。
4003
山上結也:出席管理アプリの開発
この研究は、教育分野でよく見られる問題に対して実用的で効果的な解決策を提案しており、非常に価値があると思います。システムの設計はよく考えられており、問題解決に適した技術が使用されています。検証実験の方法についてもう少し情報を提供していただければ、理解が深まるでしょう。しかし、提案された手法は少々従来的であり、新規性に欠ける部分があると思います。他の既存システムを参考にしつつ、さらに創造的なアイディアや革新的な機能を取り入れることで、この研究をさらに改善することが可能だと感じます。
講座の講師側で生徒の出席状況を色々なビュー(ある一人の生徒の出欠のトレンド、出席率の推移等)で見ることができるといった研究へと拡張性があると感じました。
アプリの概要について、図だけが示されていますが、これでは内容を理解することはできません。提案手法で、簡単にかつ確実に出席を取ることができること、および、不正な利用を阻止できることを示す必要がありますが、この原稿からは読み取れません。
学校での「こんなものがあれば…」と感じる小道具を作って提供する,というとても素直な発想に基づいたアプリです。でも,細かなことを言うと,等加速運動で,速度は時間に比例して伸びることはグラフからよく分かりますが,自動車がグングン速度をあげているようには見えないのが残念です。(移動距離は時間の2乗に比例するはずなのですが・・・)そこまで体感してもらう工夫を重ねてください。
4004
桜和高校 物理班:公式・グラフ・動きを同時に表示して力学の理解を手助けするアプリの制作と検証
この研究は学生の物理基礎の力学の学習をサポートすると考えられています。 解説動画がとても素敵です。実験も32人の使用調査を行ったため、良い研究だと思います。 ただし、このアプリが複雑な力学の問題をデモできるかどうかは疑問です。
数十人規模のユーザを用いて主観的な指標(イメージと理解度)と客観的な指標(正当数、正答率)の観点から評価されておりとてもよかったと思います。また使用されたソフトウエア開発環境も多く開発難易度も高かったことと推察しました。
等加速度運動に的を絞り、自分たちのレベルに合った学習ソフトを作ることで、当該問題に対する大きな学習効果を得ている。きちんと評価して有効性を示したことがすばらしい。今後は「何が」成功の原因かを精緻に分析し、他の学習テーマにも同様のソフトを開発されることを期待したい。
学校での「こんなものがあれば…」と感じる小道具を作って提供する,というとても素直な発想に基づいたアプリです。でも,細かなことを言うと,等加速運動で,速度は時間に比例して伸びることはグラフからよく分かりますが,自動車がグングン速度をあげているようには見えないのが残念です。(移動距離は時間の2乗に比例するはずなのですが・・・)そこまで体感してもらう工夫を重ねてください。
4005
つじもち:スマートフォンと物理的に離れて目標達成を手助けするアプリの制作と検証
今回のご発表では、アプリ使用前後で被験者が目標に取り組む集中度が向上したか否かという使用者の主観的な指標で評価されていますが、開発されたアプリを使うことで目標達成時間が短くなるかどうかといった客観的な指標で評価されるとよりよい研究になるかと思います。
面白い視点ですね。良くも悪くも現代人はスマホ漬けなので、このようにして「スマホから物理的に離す」仕組みは良いのではないでしょうか。ただ、ポスターが文章ばかりで、やや理解しづらいところがありました。適切な図や表を使っていただれけば、もう少し理解しやすかったのではないかと思います。
集中させるために、ゲーム感覚で自主的にスマートフォンを物理的に離してもらうアイデアは、良いと思いました。アンケート評価をされていますが、アプリ使用前後のアンケートの設問が不明なため、評価がよく分かりませんでした。アンケートの設問が具体的に記載されていると、さらに良いポスターになると思います。
4006
やまみず:幼い子どもが簡単に乗り物の利用の仕方を勉強できるアプリの提案と検証
開発した「幼い子どもが簡単に乗り物の利用の仕方を勉強できる」のアプリは教育的な観点から大変価値があると感じました。特に、ターゲットとするユーザーグループを考慮したゲームデザインは、非常によく考えられています。ただし、デザインが比較的伝統的なものに沿っており、研究としての新規性にやや欠けているように思います。例えば、異なるゲーム要素をもっと創造的に検討することで、アプリをより革新的で魅力的なものに変えることが可能であり、子ども向けの教育ゲームデザインに関する研究への貢献も一層高められるでしょう。
乗り物(電車・自動車・自転車)の選択と問題の答え(○×式)を選んで学習しやすいと思います。想定する利用者である子どもの利用とフィードバックがあればよかったです。
ターゲットとする子供の年齢にもよりますが、ひらがな表示だけでなく音声が欲しいところです。また、子供は必ず100点を取りたがるし、100点にならないとモチベーションが下がります。そこで、間違えたら次の問題にいくのではなくその問題を正解するまで何度でも解かせてから次に行く方が良いと思います。楽しそうなアプリなので、実際に子供たちに使ってもらってください。
子供たちが楽しくルールやマナーを学べるよう工夫されており、有用な取り組みであると感じました。画像を多く利用し、わかりやすく表現されている点も良いと思います。高校生を対象に評価を行っていますが、利用を想定している子供たちか、その親による評価があるとさらに良い研究になると思います。
4007
友好関係は有向グラフ:量子アニーリングマシンによる席替え最適化
本研究内容はかなり難しいものだと思います。 このような深い知識の研究テーマに挑戦する学生たちを高く評価いたします。 しかし、ポスターの表現は、よりシンプルで直感的に一般方でも理解できるものに工夫に考えた方がよいかと思います。 実験結果は結果を示すだけよりもコメントや結論を追加することが必要です。
他の最適化アルゴリズム(遺伝的アルゴリズム、実験計画法等)を用いた時に得られる解、実行時間、人が関与する手間の度合い等とを比較されると本手法の有用性を示せるのではと思います。
席替えの最適化問題を題材に,量子アニーリングシミュレーションを実行しており,とても興味深い研究だと思いました。今回は学力や視力,交友関係を条件に取り入れて実施されたということであるが,その席替えの結果を生徒にフィードバックして,実際にどのように感じたかを評価することも面白い分析かと思いました。今後の発展に期待をしています。
席替え最適化に量子アニーリングを使ってみよう,と言う意気込みは買います。ただ,数式を書いたからといってそれで誰にでも理解してもらえる説明になっているわけではありません。例えば,q_{i,j} は「席iに生徒jが配置されている可動科を 0と1で表しものです。i は席の番号,j は生徒の番号です。明らかにこの問題設定では,生徒の(番号の)集合Sと机の(番号の)集合Dとがまずあることになります。
q_{d,s} は d ∈D, s ∈ S に対して
机dに生徒sが配置されいるなら1, そうでないなら 0
F_{s1, s2} は s1, s2 ∈S に対して
生徒 s1 が生徒 s2 に対して感じる仲の良さ;0 ≦ F_{s1,s2} ≦ 1;
F_{s1,s2} = F_{s2,s1} とが限らない
などと定義を書くと理解してもらいやすくなります。
数式で書いたからといって,理解してもらいやすくなるわけではありません。「理解してもらいやすさ」を高めるように,変数の使い方を工夫し,一つの文書(ポスター)の中では一貫した変数名・集合名の使い方をするように努めましょう。
4008
西川教教祖と信者:起きざるを得ない目覚ましアプリの開発
朝ちゃんと起きられるかは今でもドキドキしますが、これに対するおもしろいアプローチだと思って読みました。このアプリは開発されたようですが、実際に実験はされたのでしょうか。システム開発は、その効果を測定しないと価値が分かりづらいので、今後はぜひ実験してアプリの有用性を示していただきたいと思います。
目覚ましの音だけでは覚醒が難しいので本人の主体的な活動を組み合わせようというアイディアがすばらしいと思いました (私も目覚めを良くするために,起きた直後に簡単な家事を行うことがあります).英単語の課題を選んだ理由は,学校の勉強と関連するからだろうと思いますが,個人が興味の持てる科目だともっと成果が上がるかもしれないと思いました.ひとつわからなかったのが,計算テストに要する時間が英単語問題実施群で短縮傾向にあったことが,なぜアラームの手軽さが二度寝を誘因することを説明する材料になるのかという点です.単純ですが,二度寝をしてしまったかどうかをアンケート等でたずねる方法もありなのではないかなと思いました(アンケートが適していない理由があればまた教えていただきたいと思います ).
アプリ作成にFlutterを採用し移植性を考慮しています。結果がタイムのみで、二度寝防止に有効かどうかを知ることができませんでした。
4009
Otemon Challenger:教育現場の課題解決に向けてロボットを活用した教育体制の構築〜ペッパーを教師として活用したAIを学ぶ授業実践とその教育効果〜
本研究は革新的かつユニークなアイデアであり、非常に魅力的だと思います。特に、ロボットを教師のサポートとして利用する考え方は印象的です。ポスタープレゼンテーションも非常に理解しやすかった。実際の授業での3回にわたる検証実験は、研究の信頼性を高めています。ただし、一部の生徒がロボットの使用に不満を感じているとのことですが、その理由に関する詳細な情報を提供していただければ、研究の評価がよりバランスよく、深みを増すでしょう。
実践授業を通じて、楽しく学べたことを確認できていました。1台のPepperで同時に何人まで対応できるか、ロボット先生に事前にどのような情報を登録していたかなどが書かれてあるとよかったです。
実際に3回の実践授業を行ったことは大いに評価できます。ロボット先生がどこまで授業を主導していたかがポスターから読み切れませんでした。一方向の授業なのか、質問を受けられたかなど。ロボット先生の成績表でダメ出しがあったところについては、改善の余地として前向きにとらえてよいと思います。
小中学生に対する情報教育において、ロボットを活用するという斬新な方法を実践されたことは素晴らしいです。教材の準備にどれくらいの手間がかかるのか、授業中はロボットと先生以外に、どれくらいの人がサポートする必要があるのかなど、気になるところが多々あります。また、課題に書かれていた満足できていない児童、生徒についてもう少し詳しい情報が欲しかったです。
4010
Otemon PathDog:目が見えない不安を取り除く~盲導犬ロボット「あいドッグ」の研究と開発~
この研究プロジェクトは社会的影響が大きく、非常に興味深いテーマです。ポスターは非常にわかりやすく、内容の理解に役立っています。提案されたアプローチと技術は実現可能だと思われますが、具体的にどのような方法を用いて今回設定した研究目標を達成するのかが現時点ではちょっと明確ではありません。そして、各システムを統合し、それらがうまく機能するかを確認するために、実際のテストを行うことをお勧めします。この研究が視覚障害者の日常生活を支援するための重要な一歩となることを期待しています
盲導犬ロボットの持つ機能として、歩行支援・信号認識・ナビゲーションの各システムの開発または向上に取り組んでいました。目的地到達までの時間が盲導犬のときの何倍くらいになるかなど、定量的な指標を定めて実験することを検討してください。
将来、盲導犬ロボットの需要増加を見据えて、多くの課題を確実にクリアしていく必要があります。例えば、交差点でたくさんある信号の中で自分が見なければならない信号機を見つけることは、自動車の自動運転の技術での重要課題です。今後の研究者に良いバトンタッチをすることを視野に、現在の研究を推進することを期待しています。
4011
SkyLarks:陸運も海運も救う!? 新型RORO船
ベルトコンベアや床のプレート化によってトラックの位置調整をうまくやるというアイデアは面白いかと思いますが,そのアイデアがうまくいくかどうかをどのように検証していく予定なのかをポスターに盛り込めるとより良い内容になるかと思います.
どこまでが既知のもので、どこが新たな提案なのかを明確にしてください。
画像認識技術・船倉の床のプレート化のいずれも、円滑な上下船および運航に重要な要素と言えます。ポスターの内容は構想にとどまっており、シミュレーション実験により有効性を示してあるとよかったです。
4012
雲雀丘プログラミング班:情報Ⅰの学びで文系女子が作った2次関数チャットボット
「区間/軸 に定数を 含む/含まない」の意味が理解できません。このチャットボットを利用した生徒は、問題の解に近づくことができるかも知れませんが、この種の問題の解法を理解したと言えるのでしょうか?
はい/いいえの質問に数個、答えることで、2次関数の最大値・最小値を求めるためのアドバイスを得ることができシステムです。2次関数のグラフも合わせて表示してあるとよかったです。
ポスターは非常にわかりやすかったです。二次関数の理解を深めるという着想は面白いと思いました。グラフの形など視覚的な表現を併用するとさらにわかりやすくなるかもしれないと思いました。
4013
雲雀丘メタバース班:メタバースを用いた交差点での交通事故発生場面の環境構築
仮想空間での運転体験を通じて,歩行時の危険を察知する能力を養成するというのは面白いと思います.その観点からすると,考察で述べている道路環境の改善も重要なこととは思いますが,運転手の視点で危険とわかった道路環境が歩行者視点からになるとどう見えるかを検証するのも面白いのではないかと思います.
仮想空間上で擬似体験をできるのは良いと思います。車を運転する際には、全方向に対して注意を払う必要があるので、写真2 のように左側だけの画像では不十分だと思われます。
考察で示された解決策(カーブミラーをつける)は、実際の交差点を見れば思いつく解決策であって、その発見に仮想空間が寄与しているとは思えません。仮想空間での体験と実際との違いがどの程度あるのかも検証した方が良いと思います自動車運転をしたことのない人に自動車運転を体験させることを危険察知に活かすという着想は非常に面白いと思いました。今回作成したシステムを実際に多数の人に体験してもらって、効果があったかどうかを定量的に評価するとさらに面白いと思います。
4014
雲雀丘SNS分析班:ChatGPTで人権を守ることができるか
分析1において,ポジティブコメント・ネガティブコメントの分類がきちんできているのかが気になります.全てでなく部分的にでも良いので人の目で分類が成功しているか精度を確かめると良いと思います.分析2も同様に,攻撃的と分類したコメントだけを見ればよいと判断する前に,攻撃的と分類されなかったコメントに誹謗中傷コメントがほとんどないことを,人の目で確認したほうがと良いと思います.
ChatGPTとユーザーローカルのテキスト分析を使いこなしてしっかり研究できていてすばらしいと思いました。今後の研究に期待します。
非常に面白いと思いました。ChatGPTがポジティブコメントとして分類したコメントについても分析すると良いと思いました。
4015
雲雀丘ボカロ曲班:ボカロ曲の数値化による好む曲と好まない曲の特徴量の抽出
本研究テームが面白いだと思います。しかし、まだ研究の途中段階のように見えます。結果が出れば素晴らしい研究になると思います。
ボカロ曲の好き嫌いについて,主旋律を特徴として抽出し,重回帰分析を行っているという着眼点が面白いと思いました。ボカロ曲だけではなく,ジャンルによる違いや,J-POPやK-POPなど国による違いなども調査されると面白い結果が出るのではないかと思いました。
ポスターは非常にわかりやすかったです。今回の結果をもとに、自分の好みかどうかを判定できるアルゴリズムやプログラムを作れると、面白そうに思いました。
自分が好むボカロ曲と好まないボカロ曲を決めているファクタが何か,を調べてみようと言う意気込みは認めます。しかしながら,これらだろうと想定したもの(Bメロの長さ,ラスサビの長さ,Bメロ→サビの転調の主音変化量,サビ→ラスサビの転調の主音変化量)だけのデータを集めて,特定方法で比べてみた結果から,それらが好みの有無を決定する(関係する)という結論を出しても他人を説得できません。全体の枠組みを検討しなおしてみてください。
4016
熱中症防ぎ隊:隠れ熱中症防止装置
この研究は社会的に大きな影響を及ぼす可能性を持つ、実用的で意義深い研究です。ポスターの作成が非常にうまく、システムの実装方法が簡潔に理解できます。特に、複数のセンサーを組み合わせて熱中症を検知するアイデアは面白いと思います。ただし、先行研究や既存の解決策に関する調査がまだ不十分であると感じます。心拍数を用いた熱中症検出にあたっては、安静時心拍数との差を計算する方法を検討すると、さらに精度が向上するかもしれません。また、実際の環境で統合されたシステムを用いてユーザーテストを行うことで、システムの効果をさらに評価し、改善の機会が得られるでしょう。
熱中症の危険度を算出するために、様々な要因を利用している点は良いと感じました。一方で、それらの統合(プログラムの統合)が単に点数の合計であり、かつ、0点・4点で区切るのが妥当であるのかが分かりませんでした。熱中症の危険度の算出方法が妥当であるのかが検証されていると、さらに良い研究になると思います。
マイクロビットを使用して体温・心拍数・運動強度・気温のセンシングおよび熱中症の危険度を算出しこの装置上で表示しています。一人の人が常時携帯・測定するというよりは、ケースに入れて戸外に置いておき、手軽に危険度を知るのに使えるのではないかと思いました。
ポスターは要点がわかりやすくまとまっており,概要は遠くからでもわかるように,かつより詳細に見たい場合はポスターに近づくとMakecodeのソースが読めるというように,ポスター発表の特性にマッチした良い形になっていると思います.今後の展望にある「デバイスをウェアラブルに」をどう有効性を持った形に実装していくか,という点に今後期待が持てます.
4017
大洞凛:拡散主体の属性に着目したデマ拡散の特徴
これから実際に実験のするのだと思いますが,よい研究計画になっていると思います.今回は年齢だけに着目するようですが,せっかくなら性別も加えても良いのではないかと思います.
COVID-19-rumor-datasetをage_gender_predictorで年齢層に分け、それぞれについて池田らのモデルをあてはめようとされた意欲的なご研究だと思います。ぜひ完成させてまたご発表ください。
面白いと思いました。是非評価を行い、予想通りの結果となるかどうかを確認、考察ください。
5001
titans:mePhone~あなただけの見本を~
自分の遭遇している問題をテーマとし、それを解決しようとするアプリを開発している点はとても良いです。埋められるフィールドは「氏名」「住所」などきまっているので、それを前提に認識方法を工夫したらよいかも。
書類作成時の誤入力を防ぐための個人化された見本を生成するという独創的なアイディアに感銘を受けました.個々のユーザーのニーズに合わせたカスタマイズ機能は,多様なユーザーエクスペリエンスに対応する上で非常に重要です.また,デザインと機能性のバランスが取れたポスターについても高く評価できます.
普段,失敗することを解決するアプリに着目したことは面白いと感じました今後,対応する項目が多くなると,とても便利だと思います
5002
とめいと:Raspberry Piを用いた授業中の居眠り改善について
寝ている人をハリセンで起こす等、遊び心のある楽しい作品であると感じました。居眠り改善という目的から考えると、教師に換気を促す仕組みと、寝ている人を起こす仕組みは、別々の方が良いかもしれません。未完成とのことですので、完成を楽しみにしています。
Raspberry Piを用いて教室環境を監視し,換気を通じて居眠りを防ぐというアイディアは,実際の学校の課題を解決する上で非常に有効だと考えます.開発プロセスの中で直面した課題や学びを活かし,是非今後も実用性の高いアプリケーションの開発を目指してください.
まだ未完成で,ハリセンなどどうやって作成するのか分かりませんが,実際に動いているのを想像するととても面白いです
5003
天野瑞紀:オープンデータを利用した徳島県の『旧地籍図』における縮尺の検証
情報が豊富でよく調査されていると思いました。ただもう少しシンプルにまとめると、視覚的に魅力あるポスターになると思います。
「旧地籍図の縮尺は1/600ではない」ことを最新のオープンデータを用いて検証されようとした発想は大変面白いと思います.ただ,今回の研究で検証されたことは,「旧地籍図の縮尺の『平均』が1/600ではない」ことのように思えます.このため,有意差の有無についての議論の中で,徳島市国府町芝原字東分の結果を「有意差無」と判定され,縮尺1/600の記載が問題ないと判定されていますが,データのばらつきが非常に大きく,この判定の妥当性は極めて疑わしいと思います.どのような基準を用いることが目的にかなうものであるのかについて是非考えてみてください.
地道な研究です。成果も出ています。ただ,ポスターの作り方をもっと工夫しましょう。
5004
Neumann:ユニバーサルデザインを採用した視覚障害者向けゲームの開発と評価
目的にあげた「視聴覚障害者と健康な人が共に楽しむ」ことのできるアプリを考え、作成したことは評価できました。共に楽しめるか、どうかの検証も行えばよりよかったと思います。
音を使うことで視覚障害者と健常者が一緒に楽しむことを目的としたPCゲームはこれまで聞いたことがなく、興味深かったです。実際に視覚障害者に体験してもらい、ゲームの感想を聞くとともに、目隠しした健常者とタイム比較するなどの実証実験をしてはいかがでしょうか。
視覚障害者と健康な人が共に楽しめるこのゲームは、ゲームデザインの新しい地平を開き,世の中の多様性の正しいあり方を提起する素晴らしいアイデアだと考えます.これからも,社会的な意義のあるプロジェクトに取り組んでいただきたいと思います.
確かに、視覚障害者と晴眼者のどちらも楽しめるゲームであるとは思いますが、晴眼者が目隠しをするのではなく、単純に画面がない音だけのゲームだとみなしてもよいように思います。また、位置を当てるだけの1人ゲームよりも、たとえば、複数の人がヘッドホン(イヤホン)を使って同時に楽しめるゲームにしてみる、というのはいかがでしょうか?例えば、「親」は目標を自分で置いて、それをどんどん動かす。「子」は音を頼りに、その場所を当てる、という2人ゲームにすると、偶然性もあって、より楽しめると思いました。
5005
ポストTwitter:校則に関するポストを対象とした感情分析:ソーシャルメディアにおける「ブラック校則」の影響
SNSの発言が、ポジティブかネガティブかで分類する研究は多いです。課題として、分類された結果が本当に正しいかどうか検証する必要があるということがあります。校則に関するポストの解析は、その検証が重要ですので、今後はそこに踏み込まれるといいと思います。
中高生ならではのテーマと思いました。仮説をより確かなものにするために、他の視点や比較を取り入れてみるとよいかもしれません。
勉強済みの方法を「ブラック校則」という語の出現の前後での変化に当てはめてみて一定の結果が得られた,という報告はよくまとまっています。他の事例への当てはめなど,さらなる展開を期待します。
5006
学生証救急隊:二次元コード×鍵の開閉×学生証 ~学生証に価値を~
学校で発生している身近な課題を情報技術を利用して解決しようとする試みであり,大変興味深いテーマだと思います.今回得られた成果は,最初一歩と考え,「展望」の箇所で列挙されている実用化に向けての課題の解決方法を考えて,より良いシステムへの改良に是非挑戦していただきたいと思います.
生徒の学籍番号と開閉する教室情報のどちらを二次元バーコード化したかの記載がありませんでしたが、前者であると解釈しました。同じ二次元バーコードで開閉してしまうのは、照合するデータベース側の作り方の問題です。脆弱性については複数認証方法を導入することも考えられますが、セキュリティレベル的には鍵開閉履歴をとるくらいで十分だと思いました。
学内であまり出番のない学生証を、部屋の施錠・解錠に利用しようというアイデアは素晴らしいと思います。もう一歩進めて、個人認証するところまで考えてみるともっとよくなるでしょう(出席を取る際には必須です)。
5008
熊本北高校自然科学部データサイエンス班:GTFSを活用したバスナビゲーションアプリ
乗り過ごし防止機能に着眼されたのが評価できると思います。今後は、このアプリを実際に使用した評価、特に、有効な乗り過ごし防止機能について追及されるのも興味深いと思います。
観光客や外国人等を支援できる、とても良い研究であると思います。乗車停留所や乗車バスの選択では、GPSや現在時刻を利用して選択肢を絞って表示できると、より容易に操作できるように感じました。今後の改良を期待しています。
バスナビゲーションアプリ開発プロジェクトの実践的な取り組みを高く評価します.GTFSのデータを活用し,利便性とアクセシビリティの向上を目指す本プロジェクトは,多様化する地域社会のインフラを改善する上で重要な一歩で,今後のバックグラウンドでの動作などの改善にも期待しています.
機能はシンプルですが、乗車中のための機能、特に乗り過ごし防止の機能は興味深いです。今後はこれを実際に多くの人に利用してもらい評価すること、その意見から開発当初は気づかなかったことを改良することを期待します。また、地図とその上での現在位置が表示されるように拡張するのもおもしろいかもしれません。
5009
あうるはん:皮肉表現を含めた悪口の判定について
BERT (deberta-v2-base-japanese) をファインチューンして、悪口/皮肉的な悪口を判定させようとしたご研究、すばらしいです。数千件の訓練データの作成だけでもたいへんだったと思います。
問題提起は素晴らしいですが、先行研究等をもう少し調査するといいですね。データ数やエポック数などもう少し踏み込んで実験計画を立てるとよいでしょう。特にデータ数が少ない時は交差検証をするとよいです。最後の「複数人による発言」に注目した点は素晴らしいと思います。
課題設定の着眼点が非常に面白く,機械学習を利用した識別器構築の説明および実験の手法について十分な記載がされており,結果の考察も妥当だと考えられ,よくまとまったポスターになっていると思います.ただし,実験の(4)については,アイデアは記述されていますが具体的な実験に関する記述がありません.
今後も改良を続けられるとのことであり,この中に(4)が含まれるのかもしれませんが,今回の研究発表は,結果の出ている(1)-(3)だけでまとめられても良かったと思います.注目点はおもしろいですが、ツイートを使えなくなったXの仕様変更は残念ですよね。ところで、「皮肉表現」のラベル付けの例として表1がありますが、一般的には、どんな言葉でも皮肉だと思われることもあるものです。特に「京都人の皮肉的表現」などは、簡単にはわからないものです。なので、本研究をさらに進めるに当たっては、皮肉表現についての先行研究を調べることも重要と思います。
5010
大分舞鶴高校 72回生 理数科 情報班:高校生が抱える精神的疲労の尺度の開発及びコーピング法の検討
心理学的なアプローチを取られており,得られた結果を統計的手法で解釈されようとしている点がすばらしいと思いました.またWebアプリも開発されたとのことで,今後アプリの使用を通じて高校生のみなさんがよりよい生活習慣へとむかっていくことが期待されると思います.私の理解が追いつかなかったのですが,なぜ,因子分析と重回帰分析,分散分析,機会学習をすべて行う必要があったのでしょうか?例えば重回帰分析を行う場合は,複数の質問項目からなる因子を変数として用いるのではなく,個々の質問に対する回答を変数とする場合が多いと思います(そうでなければ,因子に対する各変数の効き具合を適切に評価することが困難になりませんか?).また,結果2で機械学習を採用されていますが,ここで重回帰分析を用いなかったのはなぜでしょうか.手法を選択した意図や組み合わせた理由を説明していただけると,より納得感が高まると思いました.
研究方法として「スマートウォッチを用いたバイタルデータの収集」とありますが、結果ではそのデータが利用されたのかどうかよくわかりませんでした。色々な情報を用いてヒトの精神状況を把握する研究は多いのですが、ご参考にされるといいと思います。
精神的疲労を数値化し,高校生のストレスとコーピングを支援するこのプロジェクトは,非常に独創的な取り組みです.研究によって得られた知見によってWebアプリケーションを開発した点も,実社会への影響も意識した素晴らしい試みで高く評価できます.
「研究方法①と結果①」「研究方法②と結果②」はわかりましたが、それが、結論にどのように関連しているのかが、ポスターだけでは、よくわからなかったです。もうすこし説明が欲しいです。特に、研究方法②の具体的な分析方法を知りたいです。
5011
大分舞鶴高校 72・73回生 普通科 通信班:学習モチベーションを持続させるためのWebアプリケーション開発
身近な課題についての解決策を提案されており,ポスターは非常によくまとめられていると思います.このシステムの利用方法をユーザーインタフェースと関連付けて説明されると,読者の理解がより深まると思います.また,端末側およびサーバ側で動作するソフトウエアの機能ブロック構成図等,内部の構成や動作に関する情報が記載されていると,具体的な動作について読者がよく理解できるのではないかと思います.
生徒の使用状況を見ながらさまざまに改善を重ねていって日本中の高校で使ってもらえるものにまで仕上げていくことを期待しています。
なかなか面白いアプリだと思いましたが、もう少しUIや機能が改善できるといいですね。ユーザ登録や認証の説明がないところを見ると、個人利用で完結しているのでしょうか?考察にもあるように、使用してもらっていろんな意見を出してもらうのもいいと思います。
5012
⼤分舞鶴⾼校 72回⽣ 普通科 理工6班:情報モラル意識向上のための掲⽰板アプリケーションの開発
この研究のポイントは「禁止ワードの設定」だと思いますが、例えば、「ooのような書き込みは行けません」(oo=禁止ワード)が、警告の対象になるように思います。SNS などで、不適切な発言を、前後の文脈から AI で判定する研究などがすでにありますので、そのような研究を参考にされるといいと思います。
校内での学習を目的にするのなら有用かと思いました。ただそれには投稿を互いに評価する機能の方が重要と思うので、今後の機能追加に期待します。
目的は買います。短い間で一定の作品ができましたが,これからが勝負です。次の学年に引き継いでもらうとか,進学した先で継続するとか,もうひと踏ん張りしてみることを考えてください。
5013
⼤分舞鶴⾼校 72回⽣ 普通科 理工7班:学習におけるAI活⽤とその効果の検証〜教師とAIの違いに焦点を当てて〜
たいへん有用な結果だと思います。Perplexity AIを生徒はどれくらい使ったのか、どんな質問をしたのか、アンケートの「回答を信頼できるか」の結果がどうだったか(重回帰係数やR値・F値でなく)もぜひ書いていただければもっと具体的なイメージが伝わるのではないかと思いました。調査2は0〜4の5段階の評価の平均でしょうか。不信感が3以上あるのはどんな理由かも聞けたらよかったと思います。
今後、ますます広がっていくであろう教育現場でのAI利用について調査・検討したテーマは非常に興味深いものです。しかしポスターからは詳細が読み取れなかったのが残念。どんなふうにAIを用いたか具体例があるともっと良かったと思いました。
教育現場でのAIの利用に着目したことは興味深い
PerplexityAIやアンケート項目の詳細を記載してほしいと思いました
5014
⼤分舞鶴⾼校 72回⽣ 普通科 理工8班:スマホ依存とSNS依存の原因究明とその対策〜スマホとSNS依存の原因分析〜
SNS依存度が高まることで様々な弊害があるのではないかという社会的な懸念について正面から取り扱っていることがすばらしいと思いました.心理学的な方法で検討されている点も信頼度が高いと思います.スマホ依存尺度は先行研究の論文を確認することができたのですが,SNSに関してはどのような質問をされたのかが気になりました.特に,テキスト分析をする際にはどのような問いかけ文だったかによって結果が左右されますので,どのような問いで記載してもらったのか,また何名からデータを集めたのかについて興味を持ちました.
本研究では、テキストマイニングで依存症の判定が可能であることが、最初から前提になっているように考えられます。しかし、発言された言葉だけで、判定するのは困難であると考えられます。判定条件について、まずは、他の研究を参考にされ熟考されるとよいと思います。
結果の表からどのように特徴点が抽出されたのかや、結果から考察を導いた経緯などがポスターからは読み取りにくかったので、補足してもらうとよいと思います。
5015
⼤分舞鶴⾼校 72回⽣ 普通科 理工9班:メタ認知能力を向上させるためのゲームアプリケーションの開発
大人数でのアンケート評価を行ったことはすばらしかったです。調査内容にあるメタ認知尺度やゲーム依存尺度について、定義と調査結果への考察があると良かったです。テキストマイニングで特徴点を抽出した点について、データを用いた説明が欲しかったです。研究結果を今後のゲーム開発に活かしてください。
ゲームの有用性,効果についての調査を行ったことは興味深い. メタ認知能力との関連性がよく分かりませんでした. 今後のゲーム開発に期待したい
大変面白いテーマだと思いましたが、先行研究との比較や考察があるともっとよいと思いました。詳細が読み取れない部分があったので、ポスターをもう少し工夫するとよいように思われます。開発したゲームアプリがどのようにメタ認知能力を改善するのかわかりませんでした。