第3回

中高生情報学研究コンテストポスター

発表者のポスターがご覧いただけます。画像をクリックすると拡大表示されます。# 66は発表取消。
メニューから審査員のコメントも閲覧できます。

#01
Kinect v2 を用いた避難訓練体験システム


チーム名:北見北斗 2班

宮崎 愛大(北海道北見北斗高等学校 2年),安藤 周吾(北海道北見北斗高等学校 2年),川口 舜生(北海道北見北斗高等学校 2年),三浦 魁星(北海道北見北斗高等学校 2年)

怪我や身体的障害などにより、避難訓練に参加できない生徒がいることに問題意識を感じた。そこで、自らの力で避難を体験しながら、周囲状況や避難経路の判断能力を養うための避難訓練体験システムの開発を行うことにした。昨年度は人型モデルの動作についてのシステムまで開発した。今年度はそれを引継ぎ、自校を参考に学校を制作して、校内に配置されたモデルを操作するシステムを作った。操作は骨格情報を読み取れるKinect v2を用いて、腕のみで行えるようにした。具体的には左腕を体の左側に動かすと「視点左回転」、体の右側に動かすと「視点右回転」、右腕を上げると「前進」となっている。任意にスタート地点とゴール地点を設定できるようにし、計測中、画面にはマップとタイムが表示される。今後は避難訓練に緊張感をもって取り組めるよう、実際の避難のような臨場感を出すために、地震の揺れや障害物、ダメージシステムの実装を行っていく。

#02
リアルタイム指文字認識システムの開発


チーム名:北斗野球部情報班

柳本 陽亮(北海道北見北斗高等学校 2年),辻 優樹(北海道北見北斗高等学校 2年),池田 真(北海道北見北斗高等学校 2年)

【説明文】手話や指文字は、健常者の認知度が低いため聴覚障害者の方との会話が難しい。外国語翻訳サービスは数多くあるが、手話や指文字を翻訳するサービスはほとんど開発されていない。そこで、スマートフォンのカメラを使用し指文字を翻訳できるサービスを開発しようと考えた。Googleのmediapipeという機械学習システムを用いて、指関節にポイントを設定しそれぞれのx座標,y座標を読み取り、指文字に置き換え画面上に出力できるようにする。結果は、複雑な形状の指文字を認識することはできたが、「の」「も」「り」「を」「ん」などの動きを伴った指文字は認識できなかった。さらに、画面上にテキストを描画する際に使用するOpenCVがマルチバイト文字の描画に対応していないため、日本語フォントを扱うことができなかった。今後の研究では、動きを伴う手話を認識する仕組みを実装させ、読み上げ機能等をつけて手話使用者とスムーズなコミュニケーションをとれるツールにしたい。

#03
学校の感染症流行の可視化

チーム名:理数科数学情報班

猪狩 友太郎(秋田県立秋田高等学校 2年),石井 沙季(秋田県立秋田高等学校 2年),刈屋 瑛嗣(秋田県立秋田高等学校 2年),佐藤 航貴(秋田県立秋田高等学校 2年)

【説明文】新型コロナウイルス感染症が流行する中、学校は感染拡大の温床となりうるが実状に即した感染症対策は確立されていないと考えた。そこで、学校における具体的な数値目標を伴う対策を提案することとした。
 研究の方法としては、SEIRモデルを基本に用いた。学校の実状の反映のため、接触人数については校内の生徒・教員から回答を得た。秋田高校では急速に感染が拡大し、生徒・職員の97%が感染する。終息のためには人との接触71.5%減、89%以上の人口への有効な感染症対策の実施が必要である。また、可視化のためにセル・オートマトン法によるモデル、格子型モデルを利用した。一回の接触による感染可能性の変化は流行のようすに大きく作用した。
 本研究を通し、感染拡大の防止のために必要な数値目標を定めることができたが、それは生徒・職員に大幅な行動の見直しを必要とするものであった。今後は学校特有の事象や人-人の空隙等を反映させよりリアルなモデル構築を目指したい。

#04
GoogleSpreadSheetを用いたオンライン時間割システムの構築


チーム名:山形東高校情報班H

佐藤 秀人(山形県立山形東高等学校 2年)

【説明文】休校期間中に実施されたオンライン授業や、G-suiteを用いた連絡事項の共有が行われるなかで、登校再開後もこれらを活用して迅速で確実な情報共有ができないかと考えた。そのなかで、黒板を使った授業連絡の共有に疑問を感じた。それぞれの生徒が授業連絡をメモしなければならず、教科係が黒板への記入を忘れた場合、翌朝まで授業連絡が生徒全員に伝わらないという現状があった。そこで、GoogleSpreadSheet上に時間割を掲示し、その脇に教科連絡を書き込める表を作成した。また、教科係が教科連絡を忘れていたとき、グループLINEに通知が届くようにスクリプトを制作した。さらに、先生に時間割のエクセルファイルを提供してもらい、これを参照することで時間割の更新を自動で行えるようにシステムを改善した。現在、2年生の2クラスで利用してもらっており、2年生全クラスへ向けて利用拡大を図っている。

#05
球技大会結果速報システムの開発


チーム名:山形東高校情報班A

芦野 心大(山形県立山形東高等学校 2年)

【説明文】グーグルスプレッドシートを用いて、各競技の特性にあった速報シートを実際のweb上のサイトのデザインを参考にしながら作成した。そして、現在の試合中のクラスが分かるようにデザインし、入力者の負担が減り、見やすいように心がけ作成した。その各競技毎のシートをサイトとエクセルにて作成し、勝利チームに赤線が出力できるようにしたトーナメント表を集約したサイトを作成した。そのサイトと作成したマニュアル動画を全校生に配布し、今年度の本校の球技大会にて使用した。入力は審判担当の生徒に依頼する形で行い全校生の3分の1ほどの人が閲覧した。その後アンケートを実施した。すぐに情報が知られて便利であったという意見があった一方、伝達不足などによる入力の滞りや一般生徒への周知不足やスマホで結果確認をする習慣づけをするなどの課題がある。現在、これらの課題を解決するため、システムの簡略化と生徒への周知方法の検討を行っている。

#06
pythonによる時間割の自動作成・調節


チーム名:山形東高校 情報班Y

米本 薫(山形県立山形東高等学校 2年)

【説明文】本研究では現在先生方の大きな負担となっている時間割作業の自動化に着目した。現在まで,適切なアルゴリズムのもとでpythonを用いてExcelを操作し,ある程度の条件を満たしつつ,四クラスの一か月分の時間割の作成機能と授業変更情報に対応して時間割を調整する機能を製作した。今後は必要な条件をすべて満たすように各機能を改善して,先生方に実際に使用していただき,フィードバックを基にさらなる利便性の向上を目指す。

#07
情報科における教材と授業法についての研究~教員不在でも実施可能な授業づくり~


チーム名:福島高校SS部情報班

高橋 恵輔(福島県立福島高等学校 2年),高野 隼汰(福島県立福島高等学校 2年),二瓶 翔太(福島県立福島高等学校 2年),大竹 祐太(福島県立福島高等学校 2年)

【説明文】私たちはプログラミング必修化などにより情報科の重要性が増しているにも関わらず、免許外教科担任による授業の質の低下が懸念されるという問題点を見つけた。そこで、情報科教員不在でも実施可能な授業を作成すれば解決できるのではないかという仮説を立てた。前年度は個人学習の形態をとった授業を作成した。授業を本校1学年生徒に実施した結果、教員不在でも実施可能な授業は作成できたと考えた。しかし、個人学習による理解度の差や、情報活用能力を身に付けられる内容でなかったという課題が発生した。そこで今年度は、授業内容を中心とした研究を行った。前年度は完全な個人学習であったのに対し、グループ学習を用いることや、プログラミング言語Pythonを用いた応用問題を作成し実生活と関連させ将来に役立てるような内容にした。また、これらは全てサイト内で完結させるようにした。今後は授業内で集めたデータを考察する予定である。

#08
インフォデミック〜新型コロナウイルスから見えたTwitterの動向〜


チーム名:Team TAKEZONO

末永 和也(茨城県立竹園高等学校 2年)

【説明文】現在もなお,世界中に大規模な影響を与え続けている新型コロナウイルスは,大量の情報が社会に大きな影響を与える「インフォデミック」と呼ばれる現象が見られるなど,情報社会の新たな問題点を明らかにした。

そこで,コロナ禍でのTwitterの状況について調査してみると,その対象への関心の度合いを表すといえるツイート数は感染者数よりも,大きなインパクトを持つものに反応すること,トイレットペーパーの品薄がデマとして急速に拡散されていたこと,人々がコロナ禍における自粛期間中にコロナウイルスに対する恐怖心などよりも,「寂しさ」を強く感じていたことが分かった。

この研究を通して,TwitterをはじめとするSNSは今や世界に大きな影響を与えることを改めて認識することができた。それに対する社会との関係性を明確化し学校などの場所を通じ、適切な指導が不可欠であるということも強く感じた。

#09
脳波測定プログラムの作成及びそれを用いたゲーム時の脳内変化の研究


チーム名:脳波研究

何 櫟(茨城県立竹園高等学校 2年)

【説明文】ゲーム中の脳内では何が起きているのかを測るために本研究では非侵襲的に得られる脳波を用いた。脳波とはシナプスの神経伝達の際の電位差による信号のことである。測定では、MindflexヘッドセットとBluetoothモジュールを使って構築した無線脳波測定器と、Labviewを用いて作成した測定システムを使用し、11名に測定器を取り付け, ゲーム中とリラックス中の脳波を測定した。実験より、ゲーム時はリラックス時に比べて高周波のγ波と低周波のθ波及びδ波の両方の脳波が顕著になり、またゲーム中のγ波は右脳側で高く、左脳側で低い水準であった。よってゲームは, ゲームのプレイに関係のある部位の活動を促進させ、逆に、ゲームとはあまり関係のない、特に左脳側の部位の活動を抑制させる。このことはゲームによって生活に影響が及んだり,ゲーム障害が深刻化したり等の問題の原因となる一方,思考力を鍛えることに貢献しているとも説明できる。

#10
自他の文字の平均化における適切な割合


チーム名:竜ヶ崎一高情報班B

渡邉 太一(茨城県立竜ヶ崎第一高等学校 2年),片桐 聖翔(茨城県立竜ヶ崎第一高等学校 2年),岩田 凌太郎(茨城県立竜ヶ崎第一高等学校 2年)

【説明文】私たちは文字の平均化について研究を行った。文字の平均化をすることで文字の美化に成功した先行研究をもとに、一人として同じものは無いそれぞれの文字の個性を生かした美文字を作成する。40名から「し、ら、は、た、白、幡」の手書き文字データを収集し、それぞれの文字を平均化する。その際に、ある一人の文字を重視する割合を50%~75%まで5%刻みで変化させる。得られた平均化文字を「個性が残っているか」「きれいかどうか」の観点でそれぞれ4段階でアンケートを取り、それをもとに1~4点で点数化し、最も評価が高い割合を求めた。その結果、個性やきれいさの評価について50%が最も高いことが分かった。しかし“個性”の意味が曖昧だったせいか「個性が残っているか」の項目に関しては大きな差は見られなかった。今後は個性という抽象的な基準でなく、止め、はね、はらいなど具体的な項目についてアンケートを再度行いたい。

#11
「時間」を超えてつながる授業体験


チーム名:Kineto

青山 柊太朗(ぐんま国際アカデミー高等部 2年)

【説明文】同時双方向型の映像授業では個別に再生位置の操作が出来ないが、オンデマンド型映像授業では生徒間のコミュニケーションを保つのが難しい。本研究では、複数人授業において生徒間コミュニケーションを保ちながら、非同期的な再生位置操作も可能にする授業視聴用iPadアプリを開発した。過去のコミュニケーションを映像の時間と座標に重ねることにより、同期感のあるコミュニケーション体験を生む。さらに,各生徒が非同期的に映像を視聴する中、弾力的に再生速度を変化させることにより生徒間同期を生む。

#12
インタラクティブな映像の制作とその考察


チーム名:スピカ

幡 優成(開智高等学校 2年)

【説明文】この計画の動機は、僕が今まで多くのメディアアートの作品を見て、自分でも映像を作ってプロジェクションマッピングをしてみたいと思ったことです。また、投影するからには面白いものにしたいと思い、音楽と姿勢推定とマウスを用いた映像を作ることにしました。方法は、プログラミングで映像を制作するTouchDesignerと姿勢推定をするPoseNetを使用し、学校のホールとプロジェクターを借りて行いました。結果はある程度うまくいきました。けれども、音楽の展開によって音を認識する部分が高い音と低い音で大きく差が出てしまい、映像を見たときに反応しているのか分からないことがありました。加えて、TouchDesignerの出力する映像の解像度が制限のため低く、ぼやけてしまいました。今後はこれらの反省を元に新たな映像を制作してみたいです。さらに、Arduinoや3DCG、GLSLやVRなども活用したいと感じました。

#13
画像認識分野で浮き彫りになったジェンダー問題とその対策-層化k分割交差検証によるモデルの評価-


チーム名:コーヒークッキーサンデー

滝田 愛澄(早稲田大学本庄高等学院 3年)

【説明文】画像認識技術の発展に伴い、画像認識アルゴリズムがジェンダーバイアスを増幅させることが指摘されている。本ポスターでは、画像のラベルに関するジェンダー問題を提起し、その対策について述べる。初めに、GCVを用いて画像分析を行った結果にどのようなジェンダーバイアスが含まれているかを調査し、その解決手法についての提案を行う。具体的には、層化k交差検証による男女のクラスの比率を等しくする層化抽出の手法とカイ二乗検定による出力結果に男女差が出た場合に偶然かどうかを調査する手法の二つを提案する。また、ジェンダーバイアスが変動性を持つことを理解し、技術者が柔軟な対応をすることの必要性を主張する。本研究によって、画像認識に潜むジェンダーバイアスの特定が可能になり、また、データに含まれるバイアスの重要性への理解が広まることが期待される。

#14
敵対的生成ネットワーク(GAN)による配色生成


チーム名:松本和樹

松本 和樹(早稲田大学本庄高等学院 3年)

【説明文】敵対的生成ネットワーク(GAN)を利用した配色生成技術を提案する。本研究では、学習データの収集方法と、配色生成に適する色空間の考案・選定に着目する。学習データは、デザイン性の優れた画像を収集し、それらから配色を抽出することで得ることとした。そして、典型的な手法の問題点を解決するために、独自の配色抽出手法を提示し、その優位性を示した。色空間については、一般に用いられる色空間の問題点を指摘し、それらを解決するために選択的HSV色空間(SHSV)を提案した。その後、既存の色空間とSHSV色空間の比較実験を行った。色彩感情予測式による評価では 、最も一般的な色空間であるRGB色空間が優れた。一方で、色相の分布に関しては提案手法の優位性が示された。また、提案手法により、色彩調和論で調和するとされるパターンを持つ配色を生成できることが示された。

#15
サイバーフィジカルシステムによる陸上競技の解析


チーム名:陸上競技CPS

渡部 晃久(早稲田大学本庄高等学院 3年)

【説明文】センサ・マイコンによって陸上競技における運動動作を数値化し、客観的なフィードバックを提供するシステムを開発する。本研究では、(1)センサ(6軸IMU)を搭載したバトンの開発、(2)バトンパス時の計測・解析、(3) 取得したデータを解析するためのWebシステム基盤の作成を行い、バトンとWebシステムを合わせて陸上競技CPS(Cyber Physical System)として提案・検証する。従来の研究開発では行われていなかった、複数の走者が関わる競技に対しても解析を行うことを可能にする。高価な機器・専用のセットアップを必要とする従来の陸上競技解析の問題に着眼して研究を進め、本システムは一般ユーザも安価に解析・シェアできる機能を実現する。

#16
太宰作品における文体の経年変化 〜機械学習を用いた計量的分析〜


チーム名:伊藤寛子

伊藤 寛子(渋谷教育学園幕張高等学校 3年)

【説明文】太宰治の文学的生涯は大きく3期に分けられ、この3期の中で、作風は一人の筆者とはいえども、そうとは思えないような違いがある。また、文体の経年変化は筆者推定のための重要なデータである。しかし、その変化についての研究は筆者を断定できない古典が中心で、現状では十分に展開されているとは言い難い。そこで本研究では、太宰作品を対象に、特定の書き手の文体特徴を捉える計量可能な指標、すなわち「文体指標」を設定することを目標に、頻出助詞の出現数・出現率について分析した。その結果、“て”(接続助詞)、“は”(係助詞)が文体指標として有意性が高いとわかった。

#17
小学生に向けたスマホアプリにおけるUIの研究


チーム名:NullジニアB

山口 莉玖(千葉県立柏の葉高等学校 2年),中城 遼貴(千葉県立柏の葉高等学校 2年)

【説明文】小学5年生を対象としたUIの研究を行った。
私達の班で製作している「小学5年生に向けた運動促進アプリ」の製作過程において、どのようなUIが小学5年生にとって見やすいのかを調べるため、自分達のアプリの説明を文字量の多いものとイラストが多いものを作り、それぞれスクロールによる説明操作とボタンによる説明操作の計4つのサンプルを作って近所の小学5年生11人に調査を行った。イラストはAdobe Illustrator Drawといらすとやの画像を使って作成した。
結果は、6人がスクロールの文字が多いもの、3人がスクロールのイラストが多いもの、2人がボタンの文字が多いものを選ぶ結果となった。
よって、ボタンよりもスクロールが見やすく、イラストよりも文字が多い方が見やすいということがわかった。

#18
予定を勝手に自動追加する音声入出付カレンダーアプリ


チーム名:Revival_A

松本 恋春(千葉県立柏の葉高等学校 2年),吉葉 優也(千葉県立柏の葉高等学校 2年)

【説明文】私たち含め、私たちの周りでは「『やらなければいけないこと』や『自主的にやってみたいこと』について、実行できない。やる気が出ない。」という声をよく聞く。ならば、作業興奮を元にきっかけを作ろうと思いついた。普通のカレンダーアプリ+「やることリスト」にやることや、やることに費やす「持ち時間」、月に7回等の「繰り返し期間」、自分で時間前に設定する「通知機能の有無」、自動追加可能な時間帯を設定する「ブラックリスト」の登録をすると持ち時間を考慮して自動で予定を追加する。 「予定を書き込むことさえ面倒だ」という意見もあった為、これから音声入出機能を追加する予定だ。 これらにより自分の能力に合ったことや自分にとってメリットがあるものから少しずつ行動を起こし、作業興奮の活性化を図り、継続力も備わった自立した実行力のきっかけになると考えた。

#19
複数⼈での会話や雑⾳内での⾳声認識の精度の⽐較


チーム名:Revival_B

栗原 千陽(千葉県立柏の葉高等学校 2年),松田 一哲(千葉県立柏の葉高等学校 2年),形部 智(千葉県立柏の葉高等学校 2年)

【説明文】カレンダーを音声操作するにあたり、音声の認識精度はどのようなものなのか調べるために実験を行った。今回の実験は既に似たようなものがあったが、話者が一人、男性の声だけであった為、複数人での同時会話、性別の違い、雑音や生活音の有無の3つを比較することとした。なお、今回の実験で使用した音声認識APIサービスは、IBM Watson、Google Speech-to-Textの2種類である。実験の結果、複数人での同時会話は声が重なったところはどちらも正確な文字起こしができなかったが、どちらかと言えばIBM Watsonの方が正確な文字起こしができていた。続いて、性別の違いはどちらも女性の声のほうが正確に文字起こしができていた。また、雑音や生活音の有無は、性別での音声認識の違いと並行して100~150Hzの雑音を流した。その結果、無いときと比べて大きな変化は見受けられなかった。以上の結果から複数人での会話はどちらも精度が悪く、話者が一人の場合はGoogle Speech-to-Textが良いということが分かった。

#20
クイズ共有アプリ「Quiz Habits」


チーム名:アプリキュアA

伊藤 大稀(千葉県立柏の葉高等学校 2年),川上 凛太郎(千葉県立柏の葉高等学校 2年)

【説明文】私たちはクイズ共有アプリ「Quiz Habits」を制作した。このアプリのテーマは”手軽に協力できる実践学習”であり、クイズ形式によって実践的な学習を可能にし、問題を共有することで協力し合うような環境を構築することを目標にしている。「問題作成」でユーザーが問題を作成・投稿することができ、投稿された問題は「みんなの問題」にてランダムに出題される。解答した問題は各ユーザーの「単語帳」に保存され、後から閲覧できるといったシステムとなっている。これらの他には、問題に対して「知ってるか否か」の二極化になってしまうことを防ぐためのヒント・捕捉の設定や、ユーザーのモチベーション向上のためのランキング機能を実装している。本アプリの効果は実際に学校の小テストで検証し、通常の学習よりもやや高い学力向上が確認されている。今後の課題は、全体ではなく各種機能の効果を確認する検証や、細部のさらなるブラッシュアップなどである。

#21
学習意欲を向上させるアプリのUI研究


チーム名:アプリキュアB

佐々木 駿(千葉県立柏の葉高等学校 2年),三浦 和輝(千葉県立柏の葉高等学校 2年),森嶋 祥子(千葉県立柏の葉高等学校 2年)

【説明文】私たちは、手軽な実践学習を提供する学習アプリである「Quiz Habits」のテーマに従いつつ、それがより使いやすくなるようにUI研究を行った。現時点で行ってきた具体的な内容として、テーマ色の工夫やタップ回数を減らすことで手軽な学習を促すこと、ランキング機能での順位を画面に常時表示させることでユーザーの学習意欲へのアプローチを図っていることなどが挙げられる。これらのような仕様は先行研究の調査をベースとしている。例えばテーマ色については、手軽な学習をサポートするために、色が人間に与える心理的な印象を調査した研究データから「軽い、嬉しい」という印象を最も多く持つとされる桃色を採用している。しかし、実際にユーザビリティテストを行う段階には至っていないことが現在の大きな問題点である。今後はアプリケーションのUIが本当に実用的であるか、またその明確な根拠が得られているのかに重点を置いて活動を続けていく予定である。

#22
睡眠を改善するためのストレッチアプリの開発


チーム名:いいんちょーがいる班A

伊藤 咲良(千葉県立柏の葉高等学校 2年),川野 源太(千葉県立柏の葉高等学校 2年)

【説明文】私たちは睡眠の質を上げるためのストレッチアプリの作成を行っている。 このアプリを作成するに至った理由は、現在の若い人(10代~20代)の睡眠の時間と質が低いという研究結果があったからである。
このアプリはユーザーがストレッチの方法を知るだけでなく、睡眠を記録する機能がある。 1つ目はストレッチをした時間を記録しそれを棒グラフとして、2つ目は、睡眠をとった時間を記録し折れ線グラフとして1週間分表示するというものだ。これらを使用することでユーザーの睡眠の時間の確保と質の向上をサポートする。 そして、これを用いて高校2年生男女計8名に検証を行った。 アプリを使用してもらい、使用すた時間帯と睡眠時間と質の向上ができたかをアンケートで回答してもらった。
結果、時間帯は夜が多く、二人が睡眠時間と質が向上したと回答してくれた。また、ヨガのメニューが不足しているという声が多かったので今後改善していく。

#23
睡眠の質を向上させるストレッチアプリを操作しやすいデザインにするための研究


チーム名:いいんちょーがいる班B

篠原 武(千葉県立柏の葉高等学校 2年),佐藤 遊芽(千葉県立柏の葉高等学校 2年)

【説明文】私たちは、アプリ使用者の満足感を高めるため、どのようにデザインを変更すればよいかを研究した。高校2年生男女計8名にアプリを使用してもらい、使用後行ってもらったアンケートの結果をもとに変更点を決めた。
 一つ目は、ストレッチ、ヨガを行った時間を測るために用意されたストップウォッチが分かりづらいという点で、ストップウォッチが小さいと推測し、二回りほどストップウォッチを拡大した。二つ目は睡眠時間を測るボタンの位置が分かりにくいという点で、見つけやすい位置に移したほうが良いだろうと考え、トップページに移動した。三つ目はストレッチ、ヨガの説明が分かりにくいという点で、文のほかに図を表示しようと考えている。その図については現在制作にあたっている。そして最後にカレンダーに何かしらの機能が欲しいという点である。これについては、どう変更するか現在検討している。

#24
スマートフォン依存を解消するアプリケーションの作成


チーム名:ちょこれーと.A

入田 遥花(千葉県立柏の葉高等学校 2年),新沼 希彗(千葉県立柏の葉高等学校 2年)

【説明文】近年増加しているスマートフォン依存症を解消するためにクラシック音楽を流している間に報酬が貯まり、ガチャを引くことが出来るアプリケーションを制作した。
ガチャ機能ではアプリケーション内で流した音楽の時間をタイマーで計測し、15分で1個報酬が貯まり、6個で1回ガチャを引くことができる。また追加楽曲と作者や曲に合わせた絵を獲得、図鑑機能でコレクションすることができる。クラシック音楽を選んだ理由はスマートフォンの未時間を有効に活用するために作業に集中して取り組めると先行研究で証明されているからである。 また、ランキング機能は競争意識や、数値として未使用時間を確認することでモチベーションアップに繋がるという効果が期待できる。
実証実験では、無音とクラシック音楽で作業継続時間を比較したところ、ほとんどが同じまたはクラシックを流していた方が継続時間が長くなったため、解消の手助けが出来ると考えらえる。

#25
スマートフォンアプリにおける軽負担なランキングの実装


チーム名:ちょこれーと.B

佐藤 洸太朗(千葉県立柏の葉高等学校 2年),木村 晴弥(千葉県立柏の葉高等学校 2年),後藤 迅秀(千葉県立柏の葉高等学校 2年)

【説明文】リリースされている多くのスマホゲームでランキング機能見られる。私たちの班では、このランキング機能を実装するにあたり、できる限りプログラムを短くして高速するにはどうすれば良いか考え、アプリケーションの操作に支障が出ない軽負荷のランキングを作ることにした。
今回はユーザー名を変えないでスコアのみ記録する方法と、毎回名前を決めて記録する方法を比較した。その結果、前者はエラーが発生しやすいことが判明した。一方後者は前者より若干低速だが安定して動作していた。
よって、ランキングにおいて最適な更新方法はスコアのみ更新するものと結論付けた。

#26
新たな料理アプリの制作


チーム名:ふーどルズA

狩野 真謙(千葉県立柏の葉高等学校 2年),細井 翔太(千葉県立柏の葉高等学校 2年)

【説明文】近年はコロナウイルスの影響により家での生活を強制されるようになった。私は自粛期間中に冷凍食品やレトルト食品を多く食べ、それらに飽きたので自分で料理を作るようになった。そのとき、同じ境遇にいる人は多く存在すると考えたので、私は、日本には料理を上達させたいと思う人はどれくらいいるのかのアンケートを調べた。多くのデータを調査した結果、6割以上の人が料理を上達させたいと思っていることが判明した。だが同時に、上達させたいと思っている人の約10%ほどの人のしか具体的なとり取り組みを行えていないことも判明した。そこで我々は、なぜこのような現象が起きるのかを調べた。その結果、料理中の動きを上手くイメージできないから難しく感じてしまい、思うように行かずイライラするようになり面倒くさくなって最終的に挫折する人が多いからなのではないかという仮説を立てた。

#27
ボタン配置の違いによるユーザの認識について


チーム名:ふーどルズB

竹島 大斗(千葉県立柏の葉高等学校 2年),早尾 修一(千葉県立柏の葉高等学校 2年)

【説明文】近年アプリケーションが増加している中で、数多くの種類のユーザインタフェイス(UI)も増加している。そこで、私たちボタンの配置に焦点をあて、ボタン配置が異なる場合、ユーザはどのボタンが「次の画面に進むボタン」または「前の画面に戻るボタン」だと認識するのかを調査した。調査の仕方は先行研究である「タッチパネル画面でのOKボタンはどこが適切? 調査報告書」をもとにアンケートの作成・データの分析・調査結果の表示を行った。調査結果として「ボタン2つ 左右配置」では先行研究と同じような結果となったが、「ボタン2つ 上下配置」では先行研究の結果と少し異なり上下のボタンで半々に分かれる結果となった。次にボタン4つの場合にはやはり「次の画面に進むボタン」は画面の右側または、ボタンの右側が選ばれやすかった。この調査結果から得たことを踏まえて自分たちの制作したアプリのUIに反映し、UIの改良を行った。

#28
ランキング機能の有無がユーザーの運動のモチベーションに与える影響


チーム名:運動補助アプリの制作班A

齋藤 熙(千葉県立柏の葉高等学校 2年),渡邉 芹奈(千葉県立柏の葉高等学校 2年)

【説明文】今回私たちが制作した「運動習慣改善アプリ」にランキング機能を実装する際、その機能がユーザー側のモチベーションにどのような影響を与えるのか検証した。検証の内容としては被験者を、ランキング機能ありのグループA、なしのグループB、ランキングに私たち運営も参加したグループCの三つのグループに分け、スクワットと腹筋の平均回数を比較した。グループAとBの比較ではAの方が回数が多くなると予想したが、差はあまり見られなかった。次にグループAとCを比較した。この時グループCに参加した運営は、ランキング一位の記録をわずかに上回る記録を出すように調節した。私たちは、記録にあまり差は見られないと予想したが、結果はグループCの記録がAの記録を大きく上回った。これらの結果から私たちは、同じランキングでも、明確な目標を設定することによってユーザーの闘争心が刺激され、結果的にモチベーションの向上に繋がるのではと考えた。

#29
運動習慣化アプリ「Health supple」におけるスマホの加速度センサーを⽤いた⾃動カウント機能


チーム名:運動補助アプリ制作班B

二藤部 敏成(千葉県立柏の葉高等学校 2年),河上 隼人(千葉県立柏の葉高等学校 2年)

【説明文】今回私たちの班では、コロナ禍により外出の機会が減少した人たちに向けた「家で使う運動習慣化アプリ」を制作した。私たちはその核となる機能として、スクワットと腹筋の動作をスマホの加速度センサーを用いて検知し、自動でカウントする機能を実装した。この機能により、従来の腹筋などの回数を入力するアプリとの差別化を図った。また、「回数を入力しただけで、実際には行っていない」という問題が起こらなくなった。これによって、ユーザーが運動をさぼりづらくなり、運動の習慣化が期待できると考えた。実際に行った回数と、アプリ内のカウントの差を無くすために、私たちは動作検知の精度を高める研究を行った。初期は、スマホのX、Y座標を用いた検知で実装する予定であったが、X座標に絞ることによって、より正確なスクワットと腹筋の検知が可能になった。今後の課題は、スマホを振ってもカウントされなくなるように検知の判定を改良することである。

#30
筋トレアプリのUI研究について


チーム名:塩ピスタチオ中林A

大隅 悠翔(千葉県立柏の葉高等学校 2年),田倉 暉久(千葉県立柏の葉高等学校 2年)

【説明文】私たちは、筋トレアプリを製作するにあたり、使用者が運動時に使いやすいUIを実証実験を通じて考えた。実験内容はiPhoneに搭載されているメモのペイント機能を使用し、運動時と止まっているときの押しやすいボタンの位置を調べた。具体的な方法とは運動時は赤、止まっている時は黒のペンで、各場面の押しやすい場所を押してもらった。結果は赤は真ん中から左上、黒は真ん中から右下にかけてが、押しやすい場所ということがわかった。次に行ったのが、別の運動をしている時に、結果に差が生まれるのか、という研究だ。そこで1回目の運動とは違う体勢で、別の人に同じ実験をしてもらった。結果はそこまで変わらなかった。これらの結果から運動時はどのような姿勢でも、真ん中から左上にかけて、停止している時は真ん中から右下にかけての場所が人は押しやすいという事がわかった。

#31
数学補助アプリ制作


チーム名:高橋帝国A

小澤 優(千葉県立柏の葉高等学校 2年),吉満 ひかり(千葉県立柏の葉高等学校 2年)

【説明文】授業の分からない箇所を効率良く学習するにはどうしたらよいのか考え、私達は『アニメーションを用いた図鑑形式の学習補助アプリ』を開発した。高校生が数学の単元で難しいと感じる三角関数を題材としてアプリの制作し、研究を行い、アプリが有用であるかを検証した。検証では、利用者に2種類の違う問題の三角関数のテストを配布し、アプリの使用前後で2つのテストの点差を比較した。結果は、アプリの有効性が確認されなかった。原因は利用者数が非常に少なく、解説前後の点数から有意性を確認することができなかった点、殆どの利用者が解説前後で点差に大きな変化が無かった点などが挙げられる。検証の考察として、基礎知識を必要とする応用問題を出題する事でアプリを使用した際に解説内容の理解をより深められたのではないかと思う。そのため、より分かりやすい解説を設けられるようにしたい。

#32
数学学習における視覚的な提示の違いによる理解度の比較検討


チーム名:高橋帝国B

碇 陽向(千葉県立柏の葉高等学校 2年),高橋 錬(千葉県立柏の葉高等学校 2年)

【説明文】私たちは、三角関数のサインカーブに焦点を当てて、数学学習における視覚的な提示の違いによる理解度の比較検証をした。私たちはまず、柏の葉高校情報理数科2年7組の31人を対象に調査を行った。概要は、回答者を”単位円Oの中心からx軸の正の部分を角度θだけ反時計周りに回転させた半径の座標yとy=sinθのグラフの関連性を示す挙動を行う動画(以下、動的グラフ)が表示された解説文を読む班”と、”その動画の一コマを切り取った画像が表示された解説文を読む班”と、”図が一切ない解説文のみを読む班”の三組に分けて、その違いによって学力の差が出るのかどうかを検証するものだった。私たちは動的グラフを用いた班の方が学力の向上が見られると予想したが、結果は三組とも大した変化が見られなかった。原因は、解説前後の問題の難易度が低かったこと、問題数が少なかったこと、解説の内容が不十分であったことの三点が挙げられた。

#33
VR空間における人体の各種擬似感覚(VR感覚)の関係性分析


チーム名:SUKANEKI Lab

國武 悠人(千葉県立柏の葉高等学校 3年)

【説明文】本研究では、主に「VRの継続的体験により生まれる知覚能力の変化」「VR空間で行う実験手法に見直しの必要性」「各種擬似感覚の統計検定手法の確立」という3つの新たな知見を得ることができたといえる。本研究の研究対象であるVR空間内での各種擬似感覚は、VRChat等のメタバースの普及により近年注目を浴びつつある。そこで本研究では、VR空間内にて視覚情報を中心とした刺激を与えることにより、嗅覚・触覚・平衡覚相互の関係とVR経験の有無による回答の差を示すことを目的とし、VR未経験者32名と、VR経験者31名を対象として実験を行った。その結果、各感覚の分布が明らかになったほか、VR経験の有無によって感覚の回答(特に標準刺激と追加刺激の比較において)に変化が生じることが本研究によって示されたため、VR経験者を被験者とする実験手法に再検討の必要性が示された。

#34
難題双子素数問題への挑戦 〜コンピューターを用いたビジュアル的アプローチ〜


チーム名:Y2MOT

大場 さくら(お茶の水女子大学附属高等学校 2年),米川 真由(お茶の水女子大学附属高等学校 2年)

【説明文】双子素数の単純なのに謎が多く、規則性があるようにもないようにも思える魅力に引き付けられ、「双子素数は無限に存在するのか」という難問に挑戦した。双子素数の数を求めるプログラムを開発し、それをもとに双子素数の密度関数、間隔のヒストグラム、双子素数の数の近似曲線を作成しビジュアル的な予想を試みた。
結果、双子素数の存在確率は急激に減少すること、双子素数の出現間隔には最頻値、分布の特徴が存在すること、素数より双子素数の方が存在確率の減少が急であることが読み取れた。また、近似曲線を作成する過程では、積分できないLi関数を、グラフ描画ソフトを使い感覚によりかなり正確に近似した。
 以上より、整数が小さいときと、整数が大きいときでは双子素数の間隔の分布が異なると予想した。
整数の範囲による双子素数の間隔の分布の違い、素数と双子素数の分布の違いといった疑問点について、これからも研究を続けていきたい。

#35
SAT問題の準最適解探索の効率化


チーム名:玉川学園高等部SAT班

西岡 英光(玉川学園高等部 2年)

【説明文】私は、情報の達人という活動を通じ、バイオコンピュータの研究に興味を持った。SAT問題の解法である粘菌コンピュータの一種のAmoebaSATを利用し、彩色問題、5Gルーティング問題においての準最適解を求めるまでの試行回数を減らすということを目標に実験を行った。AmoebaSATは粘菌の餌を求めて成長する際、①手を伸ばし成長しようとする、②たまに成長しない、③光刺激を避けるという3つの特徴を模倣している。まず、粘菌が間違った行動をする確率εを変化させて、準最適解を求めるために必要な試行回数の減少を試みた。結果、彩色問題と5Gルーティング問題で、驚異的な改善をすることができた。また、独自のパラメータを導入し、光刺激を変化させたところ、有意な差とは言えないが更に試行回数を減少させることができ、光刺激の解を求めるまでに必要な試行回数への影響の大きさを知ることができた。今後はこれらの研究を拡張し、ロボット制御の研究に応用していきたい。

#36
レスキューロボットの開発〜アームで正確に救助する〜


チーム名:玉川学園ゲンボウズ

浦田 大智(玉川学園中学部 3年),齋藤 ゆい(玉川学園中学部 3年)

【説明文】私たちは人が入れないような建物の中をロボットが自動的に走ってレスキュー活動ができるようなレスキューロボットを作りたいと思っている。自動運転はとても高度な技術が必要なので、建物にあらかじめ線が引いてあり、その線をたどって走るロボットの開発を目指した。今回、それに加えて人を救助するという一番重要となる部分の実験を開始し、被災者(に見立てたボール)をより早く、正確に運ぶには、どうすればよいかを研究した。現在の主な研究内容は、PSDセンサーで被災者に見立てたボールを見つけ、被災者を正確にアームで車体に乗せて安全地帯まで運びおろし、最終的にゴールまで行く自律型ロボットを研究した。

#37
ドローンによる自動追尾の研究


チーム名:玉川学園ドローン班

國吉 仁志(玉川学園中学部 2年)

【説明文】ロボットによる追尾技術は多くの場面での応用が考えられる。ドローンにおいて、離れた高い位置から人を追尾することは実用化されているが、人に接近して追尾する研究はあまりない。本研究では障害物のない空間において、YOLOv3を利用して人を画像認識し、接近して横から人を追尾する制御プログラムを比例制御により開発する。ドローンは、Pythonでプログラミング可能なTelloを使用する。画像認識にかかる時間を短縮することで追尾の精度が改善されることを予想し、認識精度に問題なく、認識時間が短くなる適切な画像解像度はどの程度なのか検証する。また、比例制御で追尾させるときの回転速度を決定する比例定数を、人の複数の移動パターンにおいて比較実験を行い、人の追尾に最適なパラメータを検討する。

#38
自発目標設定と行動抽象化により性能の向上ができる2つの深層強化学習モデルの開発検証


チーム名:HaTsuYUKI

佳元 貴紀(広尾学園高等学校 2年)

【説明文】深層強化学習モデルの汎用化や、シンギュラリティの達成を促進するために2つのモデルを、自身で0から開発しプログラムを組み検証した。
 1つ目は、自発的目標(報酬)設定を可能にし汎用化を図るモデルSODA。2つ目は、それを応用することにより行動を抽象化して処理し、従来モデルに追加してより困難な環境下での学習を可能にし、性能向上を図ったモデルBALだ。それらを検証した結果予想に近い動作を示し、特にBALを搭載したモデルは従来モデルと比較し、高い性能の向上が見られた。
 また、それらを応用し動物、人間的な学習行動を可能にするために、人間が先天的に身に着けている、感情(好み)を擬似再現するネットワークを作成し、生成された感情報酬を最大化するという、感情に基づく行動、目標の意味付けを行うことができるモデルの提唱も行った。

#39
GPUを活用したWPA2解析時間計測と考察


チーム名:板原豪士

板原 豪士(広尾学園高等学校 2年)

【説明文】2004年に発表され現在無線LAN通信における認証方式で最も普及しているものの1つであるWPA2は発表当初解析がほぼ不可能とされていた.
一方近年のコンピュータ性能の成長は著しい.コンシューマ向けGPUのNVIDIA GeforceシリーズやCPUのintel coreシリーズをはじめ,多くのPCパーツは毎年のようにモデルが刷新され,飛躍的な性能アップを重ねている.
このことから,以前は解析がほぼ不可能と言われたWPA2も現行のPCならば解析できるのではないかと考える.
そこでCPUよりコア数が多く並列処理が得意なGPUを活用するパスワード解析ソフトpyritを使用してWPA2の解析を行い,実行時間を測定して考察を行った.

#40
画像認識を用いた無人商店システムの作成


チーム名:無人商店班

丸山 慶多(三田国際学園高等学校 2年),岡本 晴貴(三田国際学園高等学校 2年),宮沢 純正(三田国際学園高等学校 2年)

【説明文】近年注目を集めている無人コンビニというものがある。無人コンビニとはその名の通り、コンビニ店内に従業員やレジを担当するレジ係などがいない店舗を指す概念であり、コンビニ店にスマートフォン関連の技術やAIなどを活用することにより、伝統的な店舗が持つ特徴を取り除いたものである。そんな無人コンビニ店は様々な技術を使用し運営することができている。例えば、RFIDタグを用いた手法や複数のセンサーを複合的に組み合わせた手法等が存在している。しかし、これらの既存のシステムは他方でセンサーや特殊なタグ大量に使用し、その結果、無人コンビニの運営コストが高コストになる傾向にあり、小規模資本が単独で運営を行うことは既存のシステムにおいては難しいと考えられる。そこで本研究では高コスト要素であるセンサーなどを取り除きシステムを簡素化することで、小規模資本でも運営可能な無人コンビニシステムの作成を目指した。

#41
自作JVM言語コンパイラ基盤の最適化と評価


チーム名:π&cone

二ノ方 理仁(芝中学校 2年)

【説明文】JVM言語は移植性が高く、Java仮想マシン(JVM)のガベージコレクションを利用でき、既存のJavaAPIも豊富にあるため、利用は有益である。また、JVM言語を自作すると構文を自由に設定でき、開発作業を簡略化できる。しかし、JVM言語の自作には時間がかかり、その分全体の開発時間は減る。本研究の目的は、効率的にJVM言語を作成するためのコンパイラ基盤作成と、適切な最適化による実行速度の改善である。本手法は、構文記述ファイルを一元化したコンパイラ基盤の構造と最適化から成る。最適化は2種のデータフロー最適化(定数畳み込みと定数伝播)、1種のループ最適化(ループ不変量コード移動)を採用した。
結果、データフロー最適化では平均29%、ループ最適化では平均17%テスト言語の実行時間が減少した。JVM言語が最適化により高速化ができると分かったことで、JVMの効果的な利用が可能になると考える。

#42
学園祭のWEBサイト制作


チーム名:MS

加藤 雅基(千代田区立九段中等教育学校 2年),竹内 俊祐(千代田区立九段中等教育学校 2年)

【説明文】今年はコロナ禍の影響から例年通りの学園祭が実施できなかったため、開催場所をオンライン上として密を避けての実施となった。その際作るWEBページの構成やプログラムの担当は生徒のみでやることとなり、急遽作成班を文化祭実行委員会から数名選出しての作成となった。例を見ない学園祭となるためこうしたらよいといった記録がないため一からの制作でもがきながら制作を進めていった。準備期間中はおおよそ六か月あったが、試行錯誤の連続だった。大きな問題はサーバーの設置場所とログイン機能の実装だった。解決方法はポスターに記載している。
反省と課題としては初の試みにしてはそれなりの完成度のものに仕上げられたと感じているが、作成人数を増やし作業の効率化、負担の軽減ができていれば更に良いものが作れたのかと感じる。しかし、このような情勢下で最大限良いものをつくるという目標は達成できたように思う。

#43
センサーを活用した野菜の栽培研究


チーム名:大妻中野S-TEAM

芦田 来未(大妻中野中学校・高等学校 3年),中原 亜美(大妻中野中学校・高等学校 3年),萩岡 佳音(大妻中野中学校・高等学校 3年),村上 蘭(大妻中野中学校・高等学校 3年)

【説明文】本研究では、野菜を効率よく育てることについて考察する。
この研究の背景には、家庭科の授業に育てたラディッシュがうまく育たなかったので効率よく育てる方法を見つけようと話しあったことから始まった。
そこで、私たちはスマート農業について調べつつ実験計画を立てた。
スマート農業にはドローンなどのロボットや経営コンサルタントなどの仕事もあると知った。また、海外の事例なども調べ、日本との比較をした。
このような技術を手本とし、栽培に役立てる例をいくつか考えた。その一つが、micro-bitを用いた完全自動栽培キッドである。前回育成失敗した理由の一つである根腐れを防ぐために水分センサーを活用して土中の水分量を計測し、水の入れすぎなどを防ぐ。
また、ドローンを使って生育状況を調べるシステムでは、ドローンを使って校舎内で育てている野菜の生育状況を確認する。校舎内を隅々までみまわる必要がなくなるため、効率のよい観察が期待できる。

#44
心の悩みを解決するためのプログラミング


チーム名:UEC’s future creating

阿部 龍之介(拓殖大学第一高等学校 2年)

【説明文】私は、micro:bitを用いて心の状態を表示する装置の作成を試みた。
装置を作成する前に、心理的環境(生活・家庭環境)と心理的状態との関連を調べるアンケートを実施したが、その結果からは、心理的環境と心理的状態には関連性が低いことが分かった。
そこで、何が心理的状態と関連があるのかを調べたところ、自然環境と心理的状態との関連を示唆する論文を発見した。
この関係を利用して、二酸化炭素濃度と不快指数の算出用と、心理的状態調査用の2台のmicro:bitを使って、心の悩みを「見える化」する装置を開発した。この装置ではPCとのシリアル通信で状態の変化を記録することができるので、取得したデータは、専門家に送るなどして活用することができる。
今回作成した装置は、英語表示のみで日本語が表示できないという問題点はあるが、心の状態をデータとして表示するというアイデアを形にすることができた。将来は、他の外部装置を使って機能を充実させていきたい。

#45
AIロボットJetBotはWROを攻略できるか?~AIロボットを「錯覚」させてみた~


チーム名:辻知香葉

辻 知香葉(筑波大学附属高等学校 2年)

【説明文】AIロボットの可能性と限界の探究に向け、ロボット競技会WROの課題を基準に、従来型教育ロボットEV3と教育AIロボットJetBotを比較した。通常の物体検出AIモデルは1つのブロックを1つの物体として検出する。4つのブロックを仮想の1つの物体として「錯覚」して検出する独自モデルを作成し、色の順番が違う配列を異なる物体として検出した。JetBotはEV3より400倍速く色判定した。最新の自動運転AIモデルを搭載するJetBotは、実験コースの黒ラインの分岐が複雑なため、ライントレースを上手くできなかった。実験コースの白い領域を仮想の道路の境界線(レーン)と「錯覚」させて学習させたところ自動運転に成功したが、JetBotはEV3より4倍時間を要した。教育AIロボットは物体検出の速度は早いが自動運転の速度は遅い。これは、自動運転の走行速度を上げると移動中のセンシングが難しくなるためと考えられる。

#46
画像類似度を用いたヒヨケザルの擬態の定量的評価


チーム名:中央大学附属高等学校

寺山 里奈(中央大学附属高等学校 3年)

【説明文】ヒヨケザルは東南アジアに生息する哺乳類である。夜行性で、日中は木の幹でじっと休息している。ランカウイ島で行った観察調査と先行研究から、ヒヨケザルは自分の体毛と模様や色がよく似た木で擬態していることが考えられた。そこで、本研究では、体毛と樹皮の模様と色を比較することで、ヒヨケザルの擬態の特徴を明らかにする。擬態に関する従来研究が、観察に基づく定性的なものであったのに対し、画像処理を用いて擬態の程度を定量的に扱うことを検討した。
 提案手法では、体毛と樹皮の画像からSIFT特徴量を抽出し、k-means法によるクラスターの生起確率を求めることで、模様の類似度を定義した。また、色相ヒストグラムを抽出し、相関係数を求めることで色の類似度とした。この手法を用いて写真を分析した結果、ヒヨケザルは色よりも模様を把握して擬態していることが示唆された。夜行性動物の色覚は一色型であることが多いので、この考察は妥当であると思われる。

#47
「オフ会」等における問題点の考察及び待ち合わせ支援システムの開発


チーム名:PriMeeT

村松 亮(東京工業大学附属科学技術高等学校 2年),山口 海音(東京工業大学附属科学技術高等学校 2年),宮下 結仁(東京工業大学附属科学技術高等学校 2年)

【説明文】昨今の情報社会において、SNS上で知り合った人とのオフラインでの交流(オフ会)におけるトラブルは一つの大きな課題として扱われている。
 それらトラブルの解決・軽減並びにスムーズな待ち合わせを目的として、アプリケーション(以下アプリ)の開発によるアプローチを行う。
 そこで、私たちは地図アプリとチャットアプリを内包するような統合アプリを開発する。
 具体的には以下のような機能を実装する。
・チャットや起床通知、現在地の表示などによるスムーズな待ち合わせの支援
・ユーザの本人確認を行うことによるトラブルの抑制
・居住地が特定困難かつ安全な待ち合わせ場所の提案
・緊急時における通報機能
 本ポスターでは、このような情報社会の課題についての調査・考察、並びにアプリの開発について実際のデータと共にまとめた。

#48
WiFi 2.4Ghz帯域の混雑を乗り切る~ Wifi電波に安価な方法で指向性を持たせる ~


チーム名:東工大附属2B

小西 修瑚(東京工業大学附属科学技術高等学校 2年)

【説明文】新型コロナウイルスの影響で、オンライン授業に切り替わったが、家庭用Wifi機器から発せられる電波が、無指向性電波であるため、動画視聴者が意図せずとも、周囲にいる人に影響を与えた。近隣に高画質動画をWifiで視聴する人がいた場合、電波混雑を引き起こすため、動画配信会社も画質を落とすなどの対応も行った。
 しかし、混雑は続き、都内の住宅地を実査し、混雑の現状を明らかにし、電波混雑を乗り切る方法として、5Ghzへの回避や有線接続でもない選択として、電波に指向性を持たせ、2.4Ghzの遮蔽物に強いメリットを享受しつつ、安価な方法で快適に使える方法がないか、100円ショップで売られている材料で実験をした。
 その結果、Wifiのルーターの周囲に、揚物の際に使用するアルミ製油ガードを置くことで1.5倍以上、電波強度が上がることが確認でき、2.4Ghzのメリットを享受しつつ電波混雑を乗り切れることが分かった。

#49
画像認識を使った不正乗車防止システム


チーム名:たまかぎA

江口 健太郎(東京都立多摩科学技術高等学校 2年),釜澤 麟太郎(東京都立多摩科学技術高等学校 2年)

【説明文】本研究では、降車時に料金を支払わない不正乗車が多発したことで導入拡大が進まない信用乗車方式の導入が容易になるシステムを開発する。不正乗車を防止するために、料金支払い時の行動を検知し、検知されない場合乗務員へ警告を出すプログラムを考えた。
支払い時の行動はICカードが入れてあると想定される財布やパスケースを取り出すというものが考えられるため、財布とパスケースを対象物とし、それらを検知するカスケード分類器を作成した。
結果として、正面からの画像については7割ほどの検知率を出せているが、側面や斜めの画像の場合、検知率が落ちる。またスマートフォンやキーホルダーなど、検知すべきでない物を誤検知することもある。
今後はカスケード分類器の精度向上のため、正面以外からの対象物の検知と、対象物でない物の誤検知を減らす。また、未着手である警告を出すプログラムの作成と、実際の使用を想定した実験を行っていく。

#50
戦略ゲームにおけるアルゴリズム切り替えの閾値とマップの関係


チーム名:たまかぎB

横田 淳行(東京都立多摩科学技術高等学校 2年)

【説明文】ターン制戦略ゲームAI開発において、既存の2種類のアルゴリズムを複雑さに応じて切り替え、運用する先行研究があったが、アルゴリズム切替の際の適切な閾値を決定するために各閾値の勝率を比較する必要があった。
本研究では複雑度をユニット数に置き換え、マップの大きさの変化と適切な閾値の変化との関連性の有無を調査し、適切な閾値の決定の際の手順の簡略化を図った。どの閾値にも共通して、マップが広くなるにつれ勝率が上昇する傾向があり、狭いマップにおいては閾値が高くなるにつれ勝率が上がる傾向があった。このことからマップの大きさと適切な閾値との間に関連性があることが確認された。

#51
イメージで色を選択する自動着色システム


チーム名:たまかぎC

小田島 亜由(東京都立多摩科学技術高等学校 2年),片野 諒子(東京都立多摩科学技術高等学校 2年)

【説明文】イラストを描く工程で、イメージに合った配色が思いつかないという理由から「着色」の工程で躓くイラスト初心者が多い。そこで、イラスト初心者がイメージに合った配色で着色作業を行えるようにした。
色のイメージについてのアンケートをWeb上で行い、その結果から12色のイメージを数値として算出し、入力パターンを決定した。その後、トーンマップと12色の入力パターンを参考に、アンケートで用いた12色を含めた全38色の入力パターンを決定し、PaintsChainerを用いて自動着色できるようにした。
結果として、描き手の回答に応じてイメージに合った配色を表示し、自動着色することができた。また、配色が決定できない場合は「該当なし」と表示することができた。今後の課題として、実際にイラスト初心者に使用してもらい、イメージに合った配色が表示されるか検証することが挙げられる。

#52
画像認識で登録できる学生向け課題管理アプリ


チーム名:たまかぎD

坂本 瑶平(東京都立多摩科学技術高等学校 2年),丸山 和輝(東京都立多摩科学技術高等学校 2年),清沢 涼介(東京都立多摩科学技術高等学校 2年)

【説明文】多くの教育現場では、課題や宿題の内容はプリントとして配布、掲示されていることが多い。これらの内容を管理し、把握するのは非常に困難であると考えられる。 本研究では、この問題を画像認識とスマートフォンを用いて解決する方法を考えた。具体的には、①画像ファイル中の文字を抽出する。②抽出した文字列から提出期限、教科、課題名等の必要な情報を取得する。③取得した情報をカレンダーに登録する、といった3つのプロセスを持ったアプリケーションの開発を行う。

開発方法として①はtesseractを用いた文字抽出プログラムの開発。②は正規表現を用いて文字列から必要な情報を抽出するプログラムの開発。③は取得した情報を端末のカレンダーに登録するプログラムの開発。最後にUIを完成させるといった手順で行っている。現在は日付以外の必要な情報の抽出方法やUIの作成、入力方法の改善などが課題に残っている。

#53
顔認識を利用した自動追従WEBカメラの制作


チーム名:たまかぎE

佐々木 柊哉(東京都立多摩科学技術高等学校 2年)

【説明文】本研究は、顔認識を利用し、配信授業の利便性の向上を目指すものである。近年、新型コロナウイルスの流行により、リモートワークやWEB 授業か推進されている。そのため、映像配信用のWEBカメラの需要が高まっている。それにより、多くの種類のカメラが発売された。しかし、その多くはモニターなどに固定して使用するものが多く、映すことのできる範囲に難があると言える。そのため、配信の際に普段よりも狭い範囲で作業を行わなければならない。市販品の中には、リモコン操作によりカメラの向きを変えることができるなど、配信用に機能が追加されたものもあったが、高価なことが問題点として挙げられる。
本研究では、配信授業に焦点を当て、シングルボードコンピュータに接続したカメラで顔認識を行い、サーボモータで授業者の方向を向かせることで前述した問題点を解決し、利便性を向上させることを目標とする。

#54
自作ウェブサイトのセキュリティ対策における有効性の調査


チーム名:たまかぎF

鶴見 健人(東京都立多摩科学技術高等学校 2年)

【説明文】インターネット関連の技術やサービスが発展する一方サーバー攻撃も増えている現状で、セキュリティ対策は重要だ。ウェブサイトのセキュリティ対策の一つに海外からのアクセスを拒否するものがあげられるが、アクセスの数や多様性が損なわれてしまうことや必要なサービスを利用できなくなる可能性の問題があるのではないかと考えた。
本研究では、海外アクセスを国・時刻別に制限することで、「セキュリティの向上とアクセスの数や多様性の維持を両立する」ことができるかを調査している。ウェブサーバーを公開しアクセスログを取得することに成功し、短時間で大量であったり、複数の日にわたる、脆弱性を見つけようとしていると思われるアクセスを確認することができた。これらのアクセスをピンポイントに制限できれば「セキュリティの向上とアクセスの数や多様性の維持を両立する」ことが可能であることが示唆された。

#55
道路評価システム


チーム名:たまかぎG

小川 祥(東京都立多摩科学技術高等学校 2年)

【説明文】近年、自転車利用者の増加によりサイクリングを楽しむ人が増えている。その際、多くの人が重要視するのがサイクリングコースである。
本研究では、自転車で走行する道の評価の個人差を無くし一般化するための手法を確立した。スマートフォン内のGPS、加速度センサー、マイク等から道路状況のデータを取得するためのWEBサイトをHTMLとJavaScriptで制作する。取得したデータを元に、matplotlibを使用し,作図をする,道路の高度、走行速度、道路の荒れ具合,獲得標高をpythonを用いて計算する。算出した数値と作成した図それぞれから道路を評価し、サイクリングによる体力増強、安定した速度維持による快適さなど様々な目的別のコース決定を支援する。

#56
車いすに取り付け可能な電車昇降用無限軌道


チーム名:たまかぎH

五味 優輝(東京都立多摩科学技術高等学校 2年),中山 智生(東京都立多摩科学技術高等学校 2年),矢ヶ崎 旺輔(東京都立多摩科学技術高等学校 2年)

【説明文】車いすを使用した人が電車に乗る際、ホームと電車の隙間がある段差を越える必要があるため、駅員にスロープを設置してもらう必要がある。そのため、事前に駅員に連絡する必要などがあり、駅員にも負担がかかる。
また、平成28年現在、全国の肢体不自由者(手足や体幹が動かなくなっている障がい者のこと)の数は約193万人であり、年々増加している。そして、今後肢体不自由者が増加することにより、車いす利用者の増加、ひいては車いすで電車を利用する人の増加に繋がると考えられる 。
そこで、電車の乗り降りにおいての問題点を 解決するために、スロープを使わなくてもホームと電車の段差を越えることの出来る無限軌道を開発する。その結果、試作機の制作が完了した。また 、既に車いすを所持している人などにも手に取りやすいものにするため、市販の車いすの後方に取り付けられ、電車に乗らないときは折り畳んでおけるように設計した。

#57
サッカーにおけるキック練習支援システム


チーム名:たまかぎI

宮 拓巳(東京都立多摩科学技術高等学校 2年)

【説明文】本研究では、個人でサッカーのキックフォームの解析を行うために、姿勢推定技術を用いて利き足とその逆足のキック映像からフォームの問題点を見つけ、問題点に合わせた改善方法を提示するプログラムを作成した。
研究環境として、使用言語はPython、動作環境はGoogle Colaboratory、姿勢推定を行うライブラリはtf-pose-estimationを用いた。現時点で、姿勢推定を用いたキックにかかわるデータの抽出、左右のデータ比較、改善方法の出力の動作が行われている。システムを実行するにあたって、プロット処理の削減、モデルの変更、処理フレームの削減などの方法を試み、ほとんどの場合で処理時間を短縮できたが、実行毎に処理時間にばらつきがあった。
 以上の実行結果から、姿勢推定の有効性を確認できた。今後は、キックに相関があるデータの抽出、イメージしやすい表現による改善方法の提示、開発者以外でも使用可能なユーザーインターフェースの作成を行う。

#58
カメラとRaspberry Piを用いた視程観測装置の自作


チーム名:立高天(文)気(象)部

浜島 悠哉(東京都立立川高等学校 3年),田中 陽登(東京都立立川高等学校 3年),馬場 光希(東京都立立川高等学校 3年),安原 拓未(東京都立立川高等学校 1年)

【説明文】立川高校天文気象部では74年前から気象観測を継続しており、20年前までは視程観測を行っていた。視程とは、何km先まで見通すことができるかを表す気象用語である。2年前に先輩が膨大な過去データの整理と分析を開始し、過去の悪視程と大気汚染との関連を明らかにした。同時に20年以上途絶えていた視程の観測を再開させたが、目視で毎日定時(8時・15時)に観測する大変さがあり、過去のような継続観測ができなかった。そこで、目視に代わる新たな視程の観測方法として、Raspberry Piで一眼レフカメラを制御して定時に撮影を行い、遠隔操作が可能な装置を開発した。その後、得られたデータを分析し、視程の傾向と気象現象や大気汚染との関連について考察を試みた。また、視程を判定する人による差をなくし、作業の手間を減らすために、人の目で行っていた目標物の判定を深層学習により自動化することを試みた。

#59
私はここにいるニャンドア


チーム名:リュミエール

一瀬 鞠華(東京都立立川国際中等教育学校 4年)

【説明文】コロナ禍で家にいる時間が長くなり、日々の暮らしに癒しを求めるようになった私の家では5か月ほど前から猫を飼い始めた。猫との生活の中で、それまでになかった問題があることに気付いた。1つ目は、ドアを開ける際ドアの反対側にいる猫に気づかず、うっかり猫の手をドアの下に挟んでしまうことがあること、2つ目は、猫の出入りのために常にドアを開けておくと部屋の冷暖房を浪費してしまうことである。これら2つの課題を解決するため、私は「わたしはここにいるニャンドア」を製作した。この装置は、猫がドアの前にいるかどうかを光と音で教えてくれる装置である。超音波距離センサーにより猫の有無を感知し、microbitで制御する。猫がドアの前に居続けても感知可能か、猫以外のものを感知しないようにするためにはどうしたらよいか、など試行錯誤しながら作製した。今後は、ドアから離れたところにいても、装置の通知に気づける仕組みを作りたい。

#60
旧約聖書列王記上のテキストから地名を抽出して地図を作る


チーム名:神沼琉衣

神沼 琉衣(平塚学園高等学校 1年)

【説明文】本や漫画を読んで、地名を調べて聖地巡礼を行った人がいた。文章からコンピュータは地名を抽出できるのか疑問に思った。そこで形態素解析のソフトウェアのMecabを使い、旧約聖書の列王記上のテキストから地名を抽出して調べてみた。うまくいったところ、いかなかったところを考察した。

#61
製品組み合わせ粗利最適化エンジン~DXで開く新たな経営戦略~


チーム名:TEAM. M

森本 新太郎(福井県立高志中学校 3年)

【説明文】日本の中小企業は、大企業に比べて、情報化が遅れています。その理由の一つとして、情報活用のやり方が分からないという課題があります。そこで、どのように情報活用をすればよいのかを研究しました。情報活用ができれば、各商品の原価が分かり、どの商品を売れば利益が出るのかが分かります。そして、利益が最大になる製品の製造個数の組み合わせを、セールスミックス最適化といいます。私はセールスミックス最適化を、工場のデータから、線形計画法でシステムを使って自動で行えると考えました。制約条件を、独自に工夫し、システムを作りました。次に、情報活用を行った場合と、行っていない場合の利益を、企業からいただいたデータと、pythonを使った計算プログラムを使って比べ、情報活用の有効性を検証しました。また、製造以外の商品開発などの場面でも、情報活用を行うといいと考えました。今後の研究では、数理システムについてさらに理解を深めたいです。

#62
オンライン授業をより良くするために


チーム名:鈴鹿高校パソコン部

高瀬 克(鈴鹿高等学校 2年),上野 太緒(鈴鹿高等学校 1年),仲野 莉奈(鈴鹿高等学校 1年),芦崎 廉太郎(鈴鹿高等学校 1年)

【説明文】本研究では、教卓にパソコンを置いた状態でどの文字の大きさからなら読めるかについて研究した。春の緊急事態宣言をうけての休校期間中、オンライン授業を受けた際に、黒板の文字が読みにくいと感じたからだ。画面共有が読みやすいのは前提の話であり、黒板でオンライン授業を行う先生のためにこの研究を行った。まずは、どの文字の大きさなら読むことができるのかを検証した。結果、5㎝四方が読むことができる境界線だと判断した。その後、実際に先生方に協力してもらい、5㎝四方以上、以下で文字を書く先生に分かれてもらいオンライン授業を行った。授業を受けた生徒に対してアンケートを行った。アンケートの結果、5㎝四方以上でも以下でも結果が変わらず、5㎝が境界線ではないことが分かった。この研究から新たなる課題が生まれた。部屋の明るさと見え方の違いや、もっと正確な境界線を見つけることなどだ。

#63
CurtainRail 構造 – 空間インデックス 新手法の提案


チーム名:府立清明高校-裏情報部(非公式)

多田 瑛貴(京都府立清明高等学校 3年)

【説明文】空間インデックスとは、任意の空間上にあるオブジェクトのデータを管理し、問合せ操作(クエリ)を高速に行うためのデータ構造である。
この技術は、機械学習(なかでもクラスタリング)やコンピュータグラフィックスといった、様々な分野の最適化処理ですでに広く応用されている。
本研究では、その空間インデックスにあたるものとして、従来の手法よりもより高速な索引を実現することのできる新しい索引構造を提案し、「CurtainRail構造(CR構造)」として取りまとめた。このCR構造は、データの位置や抽出範囲の変化する、動的なデータベースに対するクエリに特化している。今回の発表では、そのCR構造の内容や、従来手法との違いを中心に解説する。

#64
Twitterの感情分析によるストレス状況の可視化およびセルフケアアプリの開発~Pythonを利用して~


チーム名:Nexus

米澤 李音(プール学院高等学校 2年)

【説明文】コロナ禍の今、私達は様々なストレスを感じている。休業による授業の遅れを取り戻すための詰め込み学習や学校行事の中止、生活困窮者の急増、自殺者の前年比増が5か月連続する等。コロナ収束の見通しも立たず、気持ちがネガティブになることが増えているのではないか。テレワーク等で話す機会が減り、周囲に不調を訴えづらい環境にあるのではないか。そこで、Twitterの投稿内容を感情分析し、自分がネガティブな状況か否かを可視化し、心の不調者が悩みを抱え込まないようセルフケアできるデスクトップアプリをPythonで作成した。改善の余地はあるが、ストレス状況を簡単に把握し、セルフケアできる成果は大きいと思う。今回のアプリはセルフケアの基本を定型的に提供するものであるが、将来は一人一人にパーソナライズしたアドバイスが行えるよう、AIがユーザーの投稿内容を自動分析し、アドバイス文を自動作成するような、AIによるセルフケアアプリを開発したい。

#65
海外からおばあちゃんに会う方法


チーム名:H and M

有野 真優(関西学院千里国際中等部 2年),矢部晴恵(名古屋市立高針台中学校 2年)

【説明文】コロナ禍で渡航が困難な現在、国内在住で機械に不慣れな高齢者と、海外在住のその家族との間で、相互に顔を見ながらのコミュニケーションが取れず大きな不安が続いているという友人の事例から、これが珍しくない問題でもあるということがわかり、解決策を考えた。
まず様々な機器の組合せを検討し、ここでは低価格、画面操作なしで通話可能、再設定の必要もないものとして、Amazon EchoShowを用いる機器構成を選んだ。
実際の状況で検証した結果、機械に不慣れな高齢者でも設置・通話ができることが分かった。また、下記の点を工夫することで、より使いやすくなることも分かった。
1. 機器に呼びかける名前として、固有名詞より一般名詞
2. 時差に注意した定型アクションの設定
3. イラストやマークを使った接続方法説明
4. 機器反応が良くなる話し方について説明
5. 機器からの挨拶に返事をすると、家族のスマホに通知が届く機能の追加

#67
QRコードを用いたコロナ禍における混雑緩和システムの構築


チーム名:高槻SSH

溝脇 大智(大阪医科薬科大学高槻高等学校 2年),小紫 仁嗣(大阪医科薬科大学高槻高等学校 2年)

【説明文】コロナ禍において、イベントでの感染リスクの軽減は急務といわれている。私たちは、イベント会場の混雑状況を可視化し、来場者に提供することの有用性を検証し、今後の感染対策に役立てようと考えた。そこで、本校の文化祭で実証実験を行い、混雑情報を見た人と見ていない人でどのような行動の差が生じるのかを調べた。具体的には、来場者に識別情報(学年、クラス、番号、券種)を含んだQRコードを事前に配布し、各教室の入退場時に任意でそれをQRコード読み取り機にかざしてもらい、集計したデータをもとに混雑状況をwebページで提供するシステムを運用した。また、このQRコードを混雑が予想された大規模教室の入場制限にも活用した。

#68
プログラムの基本


チーム名:プロキソ

西原 聖人(大阪市立天王寺中学校 2年),庄村 亘世(帝塚山中学 2年)

【説明文】情報の活用と表現は条件や繰り返しを使って自動化します。プログラムの基本を身につければほとんどのプログラムが作れます。
1)プログラムの基礎
変数:目に見えないもの
=A1+A2の計算式はA1、A2の値を変えると答えが計算されます。
エクセルは変数の集まりです。
条件:3以上の値
If 変数 >= 3 Then
MsgBox "3以上"
End If
繰り返し:人間のいやなことです
For i = 1 To 5
変数 = 変数 + Cells(i, 1)
Next
2)プログラムの基本
関数:SUM関数は範囲A1:A4を渡すと答えが返ってきます。
部品:PythonはAIの部品が豊富なプログラム言語です。
データベース:データを取り出す、並び替える、計算するソフトです。
スクラッチPythonはリストを使います。
j = 2
For i = 2 To 12
If Abs(Cells(i, 1)) < 3 Then
Cells(j, 2) = Cells(i, 1)
j = j + 1
End If
Next

#69
視覚で楽しめるピアノ


チーム名:星光

喜多 駿介(大阪星光学院高等学校 2年)

【説明文】UnityとMIDIキーボードを用いて、鍵盤を押すと視覚的にグラフィックが変化し、聴覚ではなく視覚で演奏を楽しめるピアノのような楽器を作成した。音ごとにグラフィックが割り当てられており、MIDIキーボードをUSB接続し、押した鍵盤を取得できるようにした。押している間そのグラフィックが再生される。ピアノなどの楽器を用いてリアルタイムで音楽を演奏することは楽しい活動だが、理論の理解や練習を要する。鍵盤を弾くと音ではなく視覚的にグラフィックが変化するようにすれば音楽に詳しくない人や、耳の聞こえづらい人も楽器の演奏を楽しめるのではないかと考えた。また、MIDI機器によって好きなリズムで画面を変化させることができる。音を聞かず、見た目だけで楽しんだり、パフォーマンスしたりすることを主な目的とした。動画内ではどの鍵盤を押しているかわかりやすくするためもあり、音を同時に鳴らしている部分がある。

#70
Atomic Swap Network ~暗号資産の二者間取引をより円滑にするシステム~


チーム名:Crypto Currency

芦田 裕飛(大阪電気通信大学高等学校 2年)

【説明文】最近、Bitcoinが最高時価総額を更新したことで話題となった暗号資産。現在存在し、流通する暗号資産は大量にあり、その暗号資産同士を交換することができます。この交換は主に取引所と呼ばれる場所で行われますが、取引所にはハッキング等の様々な脅威があります.過去には云百億という資産が盗み出されたこともありました。
その脅威を回避できるのが、暗号資産の二者間取引のため(異なる暗号資産を二者間で交換するため)の既存技術である「Atomic Swap」です。この技術は暗号学的に守られたブロックチェーンさえ信頼すれば二者間取引が成立するという素晴らしい技術ですが、あまり普及はしていません。複雑な情報のやり取りが必要であり、UXや利便性が良くないから、というのが原因です。ならば、「Atomic Swap」を応用、拡張してその欠点を克服し、普及させようというのが本研究の目的です。

#71
グローバルに論理的思考力を育むプログラミング教材の研究と開発


チーム名:Next Educator

山本 舞香(追手門学院大手前高等学校 2年)

【説明文】初等中等教育におけるプログラミング教育の導入が注目されプログラミング的思考の定着が求められている。しかし指導者不足やコロナ禍による指導場所の減少など問題は数多くある。そこで、SWIFTを用いて、家でも世界中の人と繋がり、指導者がいなくてもプログラミング的思考を共に育めるプログラミング教材(iOSアプリ)の開発を行った。子どもたちはこのアプリでオリジナルのビジュアルプログラミングを体験でき、またFIREBASEを用いたオンラインでの対戦形式の実装により、コミュニケーション力の定着が期待できる。
実際に教材検証として中学1年生12人にアプリを体験してもらい、その様子を観察した。結果としてコミュニケーションへの積極性やプログラミング的思考のはたらき、また語学への学習意欲が見えた。この教材がプログラミング教育の発展につながり、未来社会の構築につながると期待している。

#72
IoT化電源タップの開発と研究-無駄がない最適化の生活-


チーム名:OtemonChallenger

伊賀 妃里(追手門学院大手前高等学校 1年),南方 博(追手門学院大手前高等学校 1年)

【説明文】いま、地球温暖化が問題になっている。そして、家電を省エネ化することで、CO2排出を抑えられると考えた。注目したのが、消し忘れの照明や必要以上の暖房などである。
そこで、それを解決するために、IoT化電源タップとそれを操作するアプリの開発に挑んだ。IoT化電源タップにはRaspberry PiとMOSFETを使用した自作回路を搭載し、Unityで開発したアプリからSSHで制御するようにした。また、MOSFETを搭載する事により、電源のオンオフだけでなく、電力の調節もできるように。さらにiOSを使用しSiriに登録した単語ごとにSSHで音声操作によって遠隔制御も可能にした。遠隔制御だけでなく、音声操作を搭載することにより、アプリを起動する手間も省くことができた。
私たちの開発したIoT化電源タップは、省エネだけでなく、すべての電化製品をIoT化することができ、その可能性を期待している。

#73
盲導犬と人間の共生 〜盲導犬ロボット「あいドッグ」の開発と研究〜


チーム名:Otemon Quest

根岸 龍一(追手門学院大手前中学校 2年),安井 昌望(追手門学院大手前中学校 2年),吉村 碧斗(追手門学院大手前中学校 2年),中嶋 悠雅(追手門学院大手前中学校 2年),古本 美月(追手門学院大手前中学校 2年)

【説明文】視覚障害者にとって盲導犬は大切な存在、パートナーである。しかし、盲導犬の数は不足しているという。
 そこで、この問題を解決するために盲導犬ロボット『あいドッグ』を開発した。
 あいドックの主な機能は、点字ブロックの誘導システム、信号認識システム、音声認識システムである。2019年に開発した1号機の精度を上げるために、機械学習による信号認識や音声認識によるロボット制御などの技術を加え、複数のルート設定が可能になった。さらに、段差の課題も解消でき、実用化に向けたプロトタイプをつくることができた。
 あいドッグの開発によって盲導犬不足および盲導犬ユーザーの入店拒否問題の解消だけでなく、視覚障害者の安全を確保するとともに社会進出の支援に貢献すると考える。そして、SDGsのNo.3[すべての人に健康と福祉を]及びNo.11[持続可能な街づくり]につながることを期待する。

#74
自然言語処理と機械学習を用いたタンパク質高発現塩基配列の創製


チーム名:甲南高等学校

南 慧(甲南高等学校 2年)

【説明文】本研究では、核酸の塩基配列を自然言語として大規模コーパスを作成し、自然言語処理用の機械学習ソフトfastTextを用いてタンパク質の発現量を向上が期待される遺伝子配列を特定した。
 大規模コーパスは、塩基配列の2次構造に着目し、その構成要素であるステムとループを形態素として扱い、遺伝子発現効率の情報と共に教師データとして、機械学習を行った。分散表現された単語辞書から発現効率を最大化させる単語のクラスタ分析を行った。更にこのクラスタ重心から、発現効率を向上させる遺伝子断片の同定を行った。このクラスタ分析とfastTextの持つ共起語機能から、高発現が期待できる塩基配列(文章)を合成する2方法を提案する。
 第1の案は、クラスタ重心に近い複数の塩基配列を合成する方法(名付けて”たこ焼きとお好み焼き”法)、第2の案は、クラスタ重心近傍の単語(塩基配列)とその共起語を用いて塩基配列を合成する方法(”千房のお好み焼き”法)である。

#75
合成音声素材の自動取得と接続の定量評価


チーム名:西宮高校地球科学部

青野 優智(西宮市立西宮高等学校 2年),上橋 秀太(西宮市立西宮高等学校 2年),亀浦 一眞(西宮市立西宮高等学校 2年),宮本 育弥(西宮市立西宮高等学校 2年)

【説明文】我々の研究の目的は、誰にでも対応できる合成音声プログラムの開発である。まず、SoundEngineというソフトを利用し、母音と子音の繋がりを考えて1音ずつの音声(素材)を切り出し、滑らかな音声を合成した。次に、素材の切り出しと合成の自動化を試みた。研究メンバーが文章を読んで発した音声を自動で1音ごとに切り出し、母音-子音-母音の単位で出力し合成した。文章を速く読むと、切り出した音声の母音が消失したため、遅く読み、切り出しと合成を自動化した。更に、素材間の繋がりを自動で評価するプログラムを開発した。周波数スペクトルの差を取る方法では、滑らかな音声が出力できなかった。自己相関関数を用いて基本周波数を推定する方法では、読んだ文章中にある単語は比較的自然に出力できた。多くの合成音声を聞いた結果、滑らかさには音程の一定さに加えて、アクセントも重要であると分かった。更なる滑らかさの改善と合成の時間短縮が今後の目標である。

#76
統計,機械学習AIを用いた楽曲のヒット予測


チーム名:Presto con tutta la forza

木村 優介(兵庫県立姫路西高等学校 2年),吉田 隼輔(兵庫県立姫路西高等学校 2年)

【説明文】世の中の大人気になる曲には規則性があると私達は信じている。本研究では音楽の重要な要素である「コード進行」だけでヒット曲を予測することを目的に研究を行った。各年代のヒット20曲の10年分計200曲のサビのコード進行のデータを、統計的分析手法やPythonを用いた自然言語処理などによりデータ化した。そのデータと最新の曲を用いて、音楽順位を目的変数とした重回帰分析によりヒット曲の予測モデルを構築した。今後、予測の精度を上げるために様々な曲と順位による再学習を行い,「コード進行だけ」でヒット曲予測をするAIを作成する。この成果は、未来のヒット曲の法則を発見しヒット曲を自動で作成するAI開発につながるであろう。

#77
スクリーンタイムと勉強時間に着目したスマホ使用制限アプリの評価実験


チーム名:ナガノイチ

永野 壱(兵庫県立姫路西高等学校 2年)

【説明文】僕が研究を始めたきっかけはスマホを使ってしまうせいで勉強が進まず、睡眠時間が削られ、誘惑に負けて後悔を繰り返す自分に嫌気がさしていたからです。実際、多くの若者がこのようなスマホ依存に悩んでいます。僕の通う高校の生徒191人を対象に行ったアンケートでは約7割が「他にやらなければいけないことがあっても、ついスマホを使ってしまう」と回答しました。もはや高校生がスマホに依存するのは普通のことだと言えるでしょう。
 解決方法として注目したのはスマホ使用制限アプリです。現在、GooglePlayで1000万ダウンロードを超える「Forest」などスマホ依存対策アプリが非常に人気です。これらのアプリの使用がスマホ依存の改善に効果があるのかを調べるために改造したアプリを使ってモニター調査を行いました。
 この研究成果を広め、スマホ使用制限アプリの利用を推進することで、僕のようにスマホ依存に悩む高校性を少なからず救うことができるでしょう。

#78
Future's Gacha System


チーム名:ばしっく・りがく

大西 陽輝(兵庫県立姫路西高等学校 2年),荻原 瞭(兵庫県立姫路西高等学校 2年),松本 堅翔(兵庫県立姫路西高等学校 2年),本山 大翔(兵庫県立姫路西高等学校 2年)

【説明文】私たちは、ソーシャルゲームに不満を感じており、調査すると約7割もの人が不満を感じていることがわかり、原因の大半がガチャシステムに起因していることが判明した。
このことから、ガチャを改善すれば満足度が上がるのではと考えた。
私たちは、排出率を変えられるガチャならば満足できるのではないかと仮説を立て、新たなガチャシステムを作ることを目標とした。
条件としてユーザーが満足でき、ゲームから離れないこと、また企業が採用するだけの利益が見込めることを設定し、実際にシステムを構築してテストを行った。テスト内で被験者の課金額に応じて調査を行った結果、約8割の被験者が私たちのシステムの方が優れていると回答し、特に微課金者層で顕著であった。
さらに、無課金者の約三割がこのシステムがあれば課金したいと回答、このことより企業側の利益の伸びが予想できる。この成果は、利用側と運営側双方に利点があるという点で重要である。

#79
ゲーム×化学


チーム名:マウマウマシマ

真浦 慧士(兵庫県立姫路西高等学校 2年)

【説明文】我々高校生は覚えるべきことが多くある.英語や古典の単語,理科や社会の語句などだ.覚えておくべきことが多すぎて苦労している生徒が私の高校にも多くいる.そこで,私は物事を長期間記憶させるためにはどうしたらいいのかという問いを立て,解決策を考えてみた.そこで,私や兄の体験から自分に興味関心のあるものと結びつけることで長期間記憶することができるのでないかという仮説を立て,データを調べてみると実際に興味関心が深いと学習の能率があがるという資料を見つけることができた。そこで、私は自分が得意とする化学と多くの人を虜にするゲームとを結びつけ,化学の知識を得ることができる新感覚ゲームをUnityやBlender等のソフトを用いて製作することにした.また、これに加えてゲーム開発の過程で得たプログラミング等の知識をまとめたホームページを開設した.このホームページはこれからゲーム製作する人に役に立てるだろう。

#80
モンテカルロ法を利用した乱数の研究


チーム名:紀北工業高校昆布

森田 汐音(和歌山県立紀北工業高等学校 2年),楠本 翼(和歌山県立紀北工業高等学校 2年)

【説明文】部活動の一環でプログラムを組む機会が多くあり、そんな中でプログラムの作りによって処理の効率に差があることに気づきました。また、乱数を使って円周率を出すアルゴリズムを学んだことをきっかけとして、今回、『モンテカルロ法を利用した乱数の研究』について調べることにしました。
モンテカル法を使って円周率を出す方法は、乱数で座標を発生させて三平方の定理を使い座標が円の中にあれば数えます。そしてそれに4をかけて発生させた数で割ると円周率が出てきます。
今回この研究では内部関数を利用したもの2種類と、数学の関数などを利用した自作の乱数のアルゴリズム4種類で調べました。
数学の関数の勉強をしていて「この数字はきっとデタラメな数字に違いない。」と思ったものも、今回の研究でその数について調べた結果、本当の乱数に較べてそんなにデタラメでないことがわかりました。

#81
人の顔の判別


チーム名:理数科画像処理班

福山 未来菜(山口県立岩国高等学校 2年),松井 美貴子(山口県立岩国高等学校 2年),荒井 嘉真(山口県立岩国高等学校 2年)

【説明文】近年、様々な顔認証システムが役立っている。そこから考えを広げ、私たちが人の顔か否かをどうやって判断しているかコンピュータで再現し、確認しようと思い、この研究を始めた。実験には200枚の顔画像とそこから抽出した目の画像、自作のプログラムを使用。顔画像はモノクロにし、モザイク状に加工。モザイクにしたときの一区画をピースと呼ぶ。使用したプログラムでは、顔の画像と抽出した目の画像が合致すれば、青点が出る仕組み。口の画像を追加、細かな部分を修正しながら、実験を行った。本人の目や口でも判断されないことから、ピースの色を数値化しなおすプログラムも作成した。結果として、完璧に再現することができなかった。考えられることとして、人間が顔を判断するとき、脳の働きで見えない部分が推測され、補完しているからだと考えられる。今後は、人間の補完しているであろう影響力を数値化し、それを取り込んだシステムで再度判定を試みたい。

#82
アンケートにおける匿名が及ぼす影響


チーム名:理数科統計処理班

武林 望心(山口県立岩国高等学校 2年),小山 拓翔(山口県立岩国高等学校 2年),村山 七海(山口県立岩国高等学校 2年),森本 泰貴(山口県立岩国高等学校 2年)

【説明文】記名・無記名がアンケートに及ぼす影響について検証した。今回は記名・無記名のアンケートで結果に差異が出るのかについて大標本的検定を用いて検証を行った。
 手順として、岩国高校生全員を対象に記名無記名の人数が半分になるようにアンケートを配布・回収。数字で回答してもらい、回収データをクラスごとにエクセルに入力。大標本的検定の公式に当てはめたところ、記名にてアンケートを実施した人の方が自己評価の高い傾向が見られる、という結果が得られた。
 しかし、今回は各ホームルームの担任の先生に配布・回収をお願いし他人の手を介したため、一概に結論は言えないと考える。また、学校での実施ということもあり、極端な質問を入れることができなかった、という点も関係していると考える。
 今後、継続研究を行うならば、自分たちで配布・回収を行うなどの点を改善して行っていきたい。

#83
土壌水分センサーを用いた伝統農法の効果の検証


チーム名:にし阿波調査隊

池北 昂広(徳島県立脇町高等学校 2年),川人 尚子(徳島県立脇町高等学校 2年),小原 すずか(徳島県立脇町高等学校 2年)

【説明文】私たちの住む徳島県西部の山間地には世界農業遺産に登録された「にし阿波地域」がある。そこでは古くから環境に負荷をかけない「傾斜地農耕システム」が営まれてきた。そのシンボルといえるものに「コエグロ」がある。「コエグロ」は秋に刈り取った「カヤ」を束ねて円錐形に積んだものである。「コエグロ」は土を育てる肥料に利用するほか、持続的な施肥効果、雑草防止、保水力、保温力、ミミズ・小虫・微生物などの養成、生物多様性の保全などその効果は多岐に渡る。私たちはこの「コエグロ」の効果を科学的に証明することを目的に研究を行っている。今回はこの「コエグロ」=カヤの保水性に着目し、SenSprout社の協力をいただきリモートセンシング技術を活用し、土壌水分量を測定した。その結果、カヤを土壌に混ぜることで保水効果があり、水分が流れやすい傾斜地での効果が高いことが分かった。今後さらにデータを集めるとともに、他の効果についても検証したい。

#84
屋外で動作する三次元ポジショントラッキングシステムの開発及び改良


チーム名:Mu

迫田 大翔(愛光高等学校 3年)

【説明文】本研究では屋外において広範囲なポジショントラッキングを行う手法を提案する。現行の多くのスタンドアロンVRヘッドセットにはインサイドアウト方式のトラッキングシステムが搭載されており、カメラを用いたVisualSLAMや深度センサを用いたSLAMによって位置推定を行っている。しかし、ゴーグルに搭載されたカメラ・センサで周囲の環境をマッピングするため、絶対座標を取得することが出来ず、お互いの位置共有が難しいなどの問題が存在する。そこで本研究では階段変調した赤外線を用いたアウトサイドイン方式のポジショントラッキングシステムを作製し実際のVRヘッドセットに装着して使用できるシステムを開発した。

#85
Knowledge Tracingの英単語学習への導入は可能か? 〜機械学習を用いた個人最適化による学習効率化を目指して〜


チーム名:UTO-A

吉野 泰生(熊本県立宇土高等学校 2年)

【説明文】Knowledge Tracing とは過去の学習ログを元に未知の問題に正当できるかを予測する機械学習モデルである。Knowledge Tracingについては、既に様々な研究が行われてきたが、その多くが数学の学習ログを用いてきた。そこで、本研究はそれを英単語学習に導入できるかを調べた。英単語学習についてはオープンデータがないため、独自でアンケートを実施し、実験を行った。結果として、精度はやや劣ったが学習回数による精度の向上が見られ、英単語学習にもKnowledge Tracing が導入できることが示唆された。さらに、本研究では、データの数以外で精度を向上させる方法としてWord Embedding の学習済みベクトルを特徴量として利用しようと試みた。結果としては、単純にそれを利用することは難しく、高い閾値の指定やモデルの改善などが必要だと分かった。しかし、自動で特徴量の抽出が可能になると、他分野への応用がより容易になる。この技術は最終的に、個人に最適化された英単語帳の作成などを可能にすると考えている。

#86
Google Apps Script及びMathematicaを用いた学習記録管理アプリケーションの開発


チーム名:UTO-B

窪田 瑛仁(熊本県立宇土高等学校 2年)

【説明文】新型コロナウイルス感染拡大防止のための自粛期間に、私を含め全国の学生に学習の意欲が低下するという傾向がみられた。
その原因として対面授業の停止による「他者の学習成果が見えにくくなったこと」や「学習計画をうまく立てられないこと」があると考えた。
そこで私は学習成果を可視化し、「学習意欲の向上」と「学習計画の立案」を補助するアプリケーションの開発に取り組んだ。
今回は本校に導入されているGoogle Workspace for Education(旧G Suite for Education)を活用し、Google Apps Script(GAS)とGoogleスプレッドシートを用いて基本システムを構築し、学習記録のより詳細な分析のためにWolfram言語を用いた。
現在はGmailとの連携について調整中であり、今後チャットbotなどを利用した、より丁寧な学習補助アプリケーションに発展させたい。

#87
ブラウザベースのボランティア・コンピューティング


チーム名:WebVC

髙木 皓介(N高等学校 3年)

【説明文】ボランティア・コンピューティングで有名なBOINCはクライアントをインストールする必要がある。そこでウェブサイトを開くだけで簡単に参加することができるものを開発した。

#88
Live Colour-Based Object Tracking and Shape Detection


チーム名:堀内野乃

堀内 野乃(Stanford University Online High School 11th grade)

【説明文】私は高校のロボティックスチームの活動で、コンピュータビジョンの発展と様々な応用について知り、更にその技術を学ぶためにAIロボティックスのサマーコースに参加しました。そこでつくったプロジェクトを紹介しようと思います。赤い物体をライブトラッキングし、その物体の動きが四角形をなぞったかどうか検出できるプログラムです。コンピュータ言語のC++とOpenCV というコンピュータビジョン用ライブラリを使って、動画処理と画像処理で色検出と図形検出を行った過程と結果を報告し、同技術の更なる発展の可能性について検討します。

This project detects red objects in live video camera feed and highlights shapes (quadrilaterals specifically) in the trace. A computer vision library called OpenCV is utilized to demonstrate the use of colour based object tracking, thresholding, canny edge detection, contours, and adding image layers. Solutions to challenges with reducing noise and error, and real life applications of the concepts the project covers are also discussed.