このたび、第50回日本運動療法学会学術集会を令和7年7月13日(日曜日)に開催させていただくことになりました。記念すべき第50回となる節目の学術集会を開催することは大変光栄であり身の引きしまる思いです。千葉市幕張メッセにて、皆様のご参加を心よりお待ちいたしております。
日本運動療法学会は、古くから身体機能の回復・維持に不可欠と認識されてきた運動の効果を科学的に検証することを目的とした学会です。運動の効果は、健康の保持増進はもとより、QOL(Quality of Life、生活の質)を高めるといった、ライフパフォーマンスの向上から、アスリートが世界最高峰の舞台で求められる競技力を高めるといった、ハイパフォーマンスの向上まで幅広く活用されています。そこで第50回学術集会のテーマを「スポーツと運動療法〜ハイパフォーマンスとライフパフォーマンスの向上にむけて〜」としました。スポーツにおける運動療法とは、患部の治療だけでなく、スポーツを遂行するために必要な身体機能やスポーツ動作を改善することを目的として行われます。競技特性に応じたトレーニングプログラムを作成し、関節可動域や筋力、持久力、スピード、巧緻性などのパフォーマンス(運動能力)を回復させます。運動療法の成果は、パフォーマンスの向上を目的としたトップアスリートの運動機能の改善をねらいとするものから、健康寿命の延伸やQOLの向上を目的とした一般の方々の運動機能の改善をねらいとしたものまで幅広い領域において活用されています。F1レーシングカーの性能改善技術は、大衆車に応用可能であるように、ハイパフォーマンススポーツのサポート(トップアスリートへのサポート等)で得られたスポーツ医・科学等に係る知見を、アスリートだけでなく一般の人々が日常生活で抱える 課題の解決等に生かされ、ライフパフォーマンスの向上につなげることが期待されます。
今回は特別講演にエディスコーワン大学教授の野坂和則先生をお招きし、「エキセントリック運動とライフパフォーマンス」について最新の知見をご講演いただく予定です。また、スポーツ選手の傷害後の競技復帰に向けた疾患別運動療法をテーマとしたシンポジウムや一般演題も企画いたしております。本学術集会での諸先生方のご講演や研究発表ならびにディスカッションが、今後の我が国の運動療法の発展の一助となれば幸いです。重ねまして、皆様のご参加、お力添えをいただきたく、何卒よろしくお願い申し上げます。皆様のご発表およびご参加を心よりお待ちしております。
第50回日本運動療法学会学術集会
大会長 山本 利春
国際武道大学体育学部/大学院