第4回 : 21cm線ミニワークショップ
第4回 : 21cm線ミニワークショップ
2025年10月7日 - 8日
開催場所: 熊本大学理学部1-2号館
開催趣旨(銀河・大規模構造・再電離 : 最新観測と21cm線で読む宇宙)
中性水素21cm線は、宇宙再電離以前の銀河間物質を探る強力な手段であると同時に、再電離後の宇宙においても銀河のHI分布を通じて大規模構造をトレースする有力なツールとして注目されています。近年、JWST や DESI などのプロジェクトによる、飛躍的な進展を遂げた銀河観測から、標準宇宙論の変更を示唆する結果が出ており、これまで私たちが描いてきた宇宙の姿は大きく書き換えられつつあります。また、MWAやLOFAR,HERA,EDGES,SARAS3による高赤方偏移銀河間物質の21cm線観測は遠方宇宙観測のフロンティアを拡大しています。21cm線の観測は、宇宙論から銀河進化に至るまで、極めて広範な情報をもたらす可能性を秘めており、宇宙論の転換期に差し掛かっている現在、その役割はさらに大きくなると考えられます。
このような背景のもと、21cm線が将来的に果たしうる役割を再考し、銀河進化や宇宙論における革新の可能性を議論する場として、第4回目となる本研究会を開催いたします。今回は、宇宙論および銀河観測の分野で活躍されている専門家をお招きし、最新の成果や見通しについての理解を深めるとともに、今後の21cm研究の方向性を広く議論することを目的としています。
本ワークショップでは、従来通り研究成果の発表に加え、アイデア段階の提案や論文レビュー等の発表も歓迎しております。主テーマに厳密に縛られる必要はなく、21cm線の理論・観測に少しでも関連する内容であれば、幅広い発表を歓迎 いたします。
本研究会が、参加者の皆様にとって今後の研究の新たなヒントや連携のきっかけとなることを願っております。多くの方のご参加を心よりお待ちしております。
(現地参加および講演申し込みは締め切りました)
スケジュール (都合により前後することがあります)
講演及び参加登録締め切り 9月15日
オンライン参加登録締め切り 10月5日
ワークショップ 10月7日(火)-10月8日(水)
プログラム
10月7日 9:30-17:30
10月8日 9:30-16:00
招待講演者(敬称略): 高橋智(佐賀大学), 宮武広直(名古屋大学), 播金優一 (東京大学), 成瀬元希 (名古屋大学)
発表時間
招待講演者 35+10
一般講演者 15+ 5
10月7日 (9:30-17:30)
9:30 受付
10:00 播金優一 (inv), JWSTとすばるで探る銀河形成と宇宙再電離
10:45 影浦優太, First Results from the Subaru/PFS SSP Lya Emitter Survey
11:05 鵜飼祥, 中性水素21cm線グローバルシグナル観測による初代星性質の制限可能性
11:25 昼休憩
13:00 高橋智 (inv), 21cm線で探る宇宙論
13:45 西澤淳, 21cm線で探る再イオン化期におけるダークマター
14:05 箕田鉄兵, 原始磁場に由来する密度ゆらぎの非ガウス性
14:25 休憩
14:50 小林秀行, SKAによる低周波VLBIの展開
15:10 吉浦伸太郎, SHINONOME (仮): MWAによる宇宙夜明け期探査
15:30 伊東 拓実, The Impact of Sky Model Accuracy and Gain Smoothing
on 21cm Power Spectrum
15:50 大黒詩織, 21cm線観測における電離層による位置変化の解析と観測への影響評価
16:10 議論
18:00 懇親会
10月8日 (9:30-16:00)
9:30 Morning coffee
10:00 成瀬元希 (inv), 21cm forest 推定の精密化と輻射の影響
10:45 森脇可奈, 生成モデルを用いた 21cm 線 イメージングデータの解析
11:05 森本鉄平, VAEを用いたvisibilityデータの非線形特徴抽出と潜在空間の構造解析
11:25 昼休憩
13:00 宮武広直 (inv), 光赤外観測における観測的宇宙論の現状
13:45 島袋隼士, Exploring the early universe with the 21cm forest
14:05 休憩
14:30 高橋慶太郎, TBD
14:50 長倉大知, 月反射RFIが21cm線観測 へ及ぼす影響
15:10 議論
15:50 closing remarks
SOC: 吉浦伸太郎(国立天文台, 水沢VLBI観測所), 箕田鉄兵(清華大学), 島袋隼士 (雲南大学)
LOC: 高橋慶太郎(熊本大学), 伊東拓実(熊本大学)