学術委員会は、膵・胆管合流異常に関する用語を検討し、以下のように推奨しています。
推奨用語
膵・胆管合流異常
Pancreaticobiliary maljunction
先天性胆道拡張症
歴史的には黄疸と腫瘤を呈する病名として命名された。2015 年に本研究会が合流異常と限局性胆管拡張を特徴とする先天性形成異常(Ia, Ic, IV-A 型のみ)と定義した。
Congenital biliary dilatation
先天性胆道拡張症に相同の英語
〈先天性胆道拡張症に対する術式として〉
(肝外)胆管切除 「肝外」は定義が不明瞭なため、入れない方がより正確となる。
(Extrahepatic) bile duct resection
推奨しない用語
Pancreaticobiliary malunion or Pancreatobiliary malunion
理由:malunion が英語としては自然でmaljunctionは和製英語になるが、合流異常研究会で 制定したmaljunctionは 既に世界的に認知されている。
Choledochal cyst
理由:英語圏では広く用いられているが、合流異常を伴わない他疾患や先天的に胆管が拡張するが成因の異なる他 疾患(Ib, II, III, V)を含んだ用語である。Choledochus は総胆管だから肝内胆管拡張のみのV型に含むのは本来 おかしい。
使わないでほしい用語
膵胆管合流異常
理由:膵管胆管の略という意味で「・」が必要
膵・胆管合流異常症
理由:病名ではなく、解剖学的異常に対する命名なので「症」は付けない。先天性胆道拡張症は黄疸と腫瘤を生じる 病名として命名されたので「症」が付くのが正しい。
先天性総胆管拡張症 総胆管嚢腫
理由:Choledochal cyst の訳なら総胆管嚢胞となる。嚢腫はcystoma であり、二重におかしい。
〈先天性胆道拡張症に対する術式として〉
分流手術
理由:オリジナルの「分流手術」は胆管を切除せずに切断して十二指腸と端側吻合する術式を指すので、先天性胆道拡張症に対する術式としては不適切である。
(Flow) diversion surgery
理由:「分流手術」の英訳用語として見かけるが、膵液と胆汁を分流するという意味ではdiversionではなくseprationで あり、二重に不適切となる。
日本膵・胆管合流異常研究会 学術委員会