Wet Lab

(8月19日の実技講習会の内容)

実技講習会(Wet Lab)(第3日目)

 実技講習会(Wet Lab、対面式)は18日(金)の移動日の後、19日(土)に自治医科大学のキャンパスで行います。

 詳細については申し込み後、事務局よりご連絡します。

 内容と定員については、各説明をご参照ください。

 座学の講習会(第1日目、第2日目)の詳細は講習会プログラムをご覧ください。


Aコース 

脳下垂体を使った初学者のための免疫組織化学染色実習

(藤原研、神奈川大学理学部生物科学科)

定員:12

 免疫組織化学は、可視化する方法の改良と検出器(顕微鏡)の進歩により、様々な手法が使えるようになりました。本実習では、免疫組織化学の中でもとりわけ汎用性の高い、ABC(avidin-biotin complex)法による酵素抗体法を習得することを目的としています。予め準備したラット下垂体凍結切片を用いて、抗体反応から発色反応までの一連の操作を実際に体験していただきます。手技自体はピペットマン操作ができる方であれば難しいことはありません。手技上のコツやトラブルシューティング、結果を左右するキーポイント、結果を解釈する上での注意点などについても詳しく説明する予定です。


  Bコース 

「蛍光抗体法による二重染色

(松﨑利行、群馬大学大学院医学系研究科生体構造学)

定員:15

 蛍光抗体法は、今日のライフサイエンス分野ではルーチーンに用いられる手法の一つです。簡単な手法ですが、ちょっとした工夫でクオリティーの高い結果が得られたり、逆に思いもかけないことが原因で、良好な結果が得られなかったりするのも事実です。本コースでは動物組織の凍結切片やパラフィン切片、さらに培養細胞からの蛍光抗体法について、基礎的な知識、および実際の手順と工夫点・注意点について解説します。初心者の皆様はもちろん、実際に蛍光抗体法を始めてみたものの、うまくいかない、もう少し良い結果が得られないか、といった悩みをお持ちの皆様にも参考になるよう、講師の経験をふまえて解説します。


Cコース 

培養細胞の免疫染色実習」

(望月信弥、自治医科大学医学部解剖学講座解剖学部門)

定員:12

 HeLa細胞を用いて、蛍光抗体法による免疫染色を行います。検出方法には直接法と、間接法があります。直接法では、標的に対する蛍光標識した特異抗体を用います。抗原抗体反応が1回で済むため操作の手間と時間が少ないのですが、反面で各種抗体ごとに蛍光色素を標識する必要があり間接法と比較して汎用性が低いです。一方、間接法では、例えばウサギで作製した一次抗体とそれに対する蛍光標識二次抗体を用います。抗原抗体反応が2回のため手間と時間がかかりますが、1つの一次抗体に対し複数の二次抗体が結合する結果、反応が増強するため直接法と比較して検出感度が高くなります。本実習では、HeLa細胞を固定後、間接法を用いて細胞内小器官を可視化します。


Dコース 

RNA scopeを用いた超高感度RNA in situ hybridization」

Advanced Cell Diagnostics Japan)

定員:10~15

 RNAscopeはFFPE組織、凍結組織、培養細胞等のサンプル中のRNAを、独自のRNA in situハイブリダイゼーション(ISH)法により検出する新しい技術です。特許を取得した特徴的なプローブを用いることで、非常に高い特異性と感度を実現しました。プローブと各試薬をキットとしてお届けするので、従来法の様な面倒で有害な試薬調整は不要です。プローブのターゲットとして、ヒト、マウスや各種モデル生物は勿論、微生物やウイルスの検出にも広く利用されています。赤、茶、2色(赤・緑)の発色キットと最高12色までの蛍光キットをご用意しており、免疫染色との組合せも可能です。当日は茶の発色キットを用いて、コントロールスライドをコントロールプローブで染色します。


Eコース 

In situ hybridizationの実際」

(菱川善隆、宮崎大学医学部解剖講座組織細胞化学分野)

定員:16

 In situハイブリダイゼーション(ISH)法は、組織切片上で特定の遺伝子発現状態とその局在について可視化する方法論です。本コースでは、講習会で解説するISH法に基づいて実習を行います。具体的にはマウスのパラフィン包埋切片を用いて、細胞内に豊富に存在する28S rRNAに相補的な合成オリゴDNAプローブを利用してISH 法の基本的な技術を習得していただきます。長年にわたる私どもの経験を踏まえ、ISH法の実験の「コツ」や様々な問題点の解決法について具体的に解説し、初めてISH法を試みようとする研究者の皆様のみならず、経験者の方々にも役に立つ技術講習会を実施したいと考えています。


Fコース 

リアルタイムPCRによる遺伝子発現解析実習」

(サーモフィッシャーサイエンティフィック ライフテクノロジーズジャパン株式会社)

定員:12

 リアルタイムPCR による遺伝子解析はがん関連遺伝子解析や病原微生物検出など幅広い分野で活用されていますが、サンプル調製や核酸抽出、逆転写によるcDNA 合成、内在性コントロール遺伝子選択など様々な注意点があり、基礎原理の理解と合わせて適切な操作や手技の実施が重要となります。今回の実習ではコンタミネーションを回避できるようなピペット操作をはじめとして、逆転写反応やリアルタイムPCR に関して基礎からの説明と合わせて実施し、良好なデータを得る方法を習得します。また、新型コロナウイルス検出やFFPE サンプル等からの取扱いなどの話題も講義で説明し、幅広い遺伝子解析手法の理解を目指します。


Gコース 

「レーザマイクロダイセクション法による遺伝子解析用試料回収と「川本法」の講演」

(ライカマイクロシステムズ株式会社)

定員:18

 解析技術の進化により遺伝子発現プロファイル作成、空間トランスクリプトーム、空間オミックスなど、より複雑な解析結果を速やかに取得できる昨今、その対象となる生体組織からのサンプリングにも質、量、速度が求められています。また、組織切片から細胞群の高速回収を主目的とするレーザーマイクロダイセクション(LMD)でも、96穴PCRプレートへの回収、AIでの画像処理を活用した領域選択など、多量サンプリングに特化した新たな機能が備えられています。今回の講習では、これらの実験系を視野に入れ、より適した凍結標本作成、固定、染色方法のコツ、LMDによるサンプル回収まで一連の流れをご覧いただけます。さらに、「川本法」開発者の川本忠文先生の講演と研究相談会を予定しています。



Hコース 

顕微鏡の基本的な使い方とが画像処理

(株式会社 ニコンソリューションズ)

定員:計16

 光学顕微鏡の性能は日々進化していますが、基礎と原理は不変のものであり、基礎と原理を正しく習得していただくことにより、日々の顕微鏡を用いた検査、診断をより正確なものにして頂けると確信しております。又、今回のWet Labコースでは、明視野観察方法、蛍光観察方法をメインに、顕微鏡用デジタルカメラを用いた画像取得方法等もご紹介させて頂きますので、皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。


Iコース 

【イチから学べる】画像解析の基本的な流れ~入門編・実践編~

(三谷商事株式会社)

定員:20

 画像解析――それは、“画像”から必要な情報を“数値”として取り出す技術を指し、細胞のカウントや組織の面積率算出などに利用されています。ただし、いざ画像解析に取り組もうとしても専門的な情報ばかりが満ち溢れており、初学者にはハードルが高いと言わざるを得ません。そこで本コースでは【初学者向け】に、様々な画像解析に応用可能な「画像解析の基本的な流れ」について、座学および実習を通じて学んでいただきます。座学では「画像処理と画像解析の違い」「2値化とは」など基礎的な用語も含めて講義し、実習ではフリーソフトでもお試しいただけるように一つ一つの手順を伝授します(当日は画像解析ソフトWinROOFシリーズを活用)。また、現在解析にお困りの画像データ(JPEGファイル等)をお持ち込みいただければ、解析手法をその場でご一緒に考えさせていただきます。この機会に奮ってご応募いただけますと幸いです。


Jコース 

三次元画像解析の基礎

(日本エフィー・アイ株式会社)

定員:20

 コースでは、解析ソフトAmira を使用した画像データの2D/3D の可視化方法ならびに画像処理と定量評価のワークフローの構築について、実際の連続切片画ならびに画像処理と定量評価のワークフローの構築について、実際の連続切片画ならびに画像処理と定量評価のワークフローの構築について、実際の連続切片画像をもとに解説します。セグメンテーション手法の基礎では、インタラクティブなセグメンテーション(領域抽出)ツールの使い方について、解析の基礎では、セグメンテーションされた領域に対してどのような解析指標が計算可能かについて説明する予定です。お手持ちのデータの解析に関するご相談の時間も設けていて説明する予定です。お手持ちのデータの解析に関するご相談の時間も設けています。


Kコース 

ウェスタンブロッティングの最先端技術

(プロテインシンプルジャパン株式会社)

定員:10

 ウェスタンブロットがシンプルウェスタン(キャピラリー全自動ウェスタンブロット)に進化いたしました。30分でウェスタンを行える時代です。プレーティングさえできれば誰でも、3時間後、ハンズフリーで結果を得ることができます。ウェスタンの全自動化により、優れた定量性、優れた再現性で正確な結果を取得いたします。本コースでは、弊社シンプルウェスタンを用いて、標的タンパク質の発現を確認するだけでなく、定量測定などタンパク質発現解析を理解することを目指します。


Lコース 

先端共焦点顕微鏡観察実習

(オックスフォード・インストゥルメンツ株式会社 アンドール・テクノロジー事業部)

定員:10名

 バックグラウントの高い組織サンプルを詳細に蛍光観察する場合、焦点面以外からのボケ像を除く事ができる共焦点顕微鏡は必須のツールです。しかしながらデータ取得に時間がかかるため、撮影時は暗室内で長時間作業する必要があります。ここ数年、簡単に使用可能でスループットに優れたスピニングディスク型共焦点顕微鏡を導入し、この問題を解消する研究者が増えています。本コースでは蛍光顕微鏡観察の基本的な仕組みをご紹介後、弊社のシステムを使用しスピニングディスク共焦点の仕組みや使用方法をご体験いただきます。またお持ちいただいたサンプル撮影の時間も設けさせていただきます。