第 35 回青森県作業療法学会 閉会の挨拶
第35回青森県作業療法学会の閉会に際し、ご挨拶申し上げます。
今回の学会では、久しぶりの完全対面での開催となりましたが、たくさんの皆様にご参加いただき、誠にありがとうございました。また、多くの貴重な発表や討論が行われ、非常に充実した時間を過ごすことができました。
基調講演では、社会医療法人孝仁会の山田勝雄先生をお迎えし、「作業療法士の起業と人材(財)育成」についてご講演いただきました。山田先生は、作業療法士としてのキャリアを通じて得られた知見と経験を基に、作業療法士による起業の可能性やキャリア形成、組織における人材(財)育成の方法について具体的にお話しくださいました。特に、対象者の権利や尊厳を守ることが我々、作業療法士の使命であると強調され、そのための臨床推論の深さや人材(財)育成の方法について学ぶことができました。
シンポジウムでは、地域づくりに尽力されている岩藤裕樹先生、近藤龍太郎先生、神保直人先生をお招きし、それぞれの立場から地域共生社会の実現に向けた取り組みについてご発表いただきました。岩藤先生は、地域とのつながりを重視し、多様な支援活動を展開している様子をお話しされました。近藤先生は、作業療法士の起用に基づいた就労支援の取り組みを紹介し、対象者の人間性と基本的な作業能力の向上が地域社会における役割の重要性を示されました。神保先生は、地域とつながりを持ち、「ごちゃまぜ」のコミュニティづくりの重要性について力説されました。
また、22演題の応募をいただいた演題発表では、日常の臨床に基づいた貴重な実践報告が発表され、活発なディスカッションが行われました。これらの議論を通じて、作業療法士が今後どのように地域社会に貢献していくべきか、深く考える機会となりました。
さらに、業者機器展示にご協力いただいた5社の皆様にも厚く御礼申し上げます。最新の機器や技術に触れることができ、非常に有意義な時間を過ごすことができました。また、広告掲載企業6社の皆様におきましても今回の学会開催を支えていただき、深く感謝申し上げます。
最後になりますが、昨年まではCOVID-19パンデミックの影響で、完全対面での学会開催が難しい状況が続いておりました。今学会では、皆様と直接お会いし、意見を交換し合う場が持てたことを非常に嬉しく思います。WEBにはWEBの良さがあります。しかしながら、今学会を通し、改めて、対面でしか味わうことができない臨場感や参加者同士の繋がりを実感できたことは、対面開催の良さであると認識いたしました。
本学会を通じて得た知見や経験を、今後の実践に活かし、作業療法士として地域共生社会の実現に向けてさらに邁進してまいります。
改めまして、参加者の皆様方、関係各位、および協賛いただいた企業の皆様の格別のご支援とご協力の賜物と心より御礼申し上げます。これからも青森県作業療法士会が発展し続けることを願い、閉会の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
第35回青森県作業療法学会
学会長 佐々木 良範