大会趣旨

新型コロナウィルス感染症対策の基本的対処方針が令和5年5月8日に廃止され、新型コロナウィルス感染症の世界的拡大から3年余りの期間を経て、ようやく行動制限のない社会生活や仕事生活が戻ってきました。この間、在宅勤務を中心としたテレワークは急速に普及し、社会において一定の定着をみています。こうした実態は、もはやテレワークが特別な働き方あるいは新しい働き方ではなくなったことを示しており、本学会におけるこれまでのさまざまな研究発表やディスカッションにおける議論が実現してきているといえます。

その一方で、新たな課題が顕在化してきました。すなわち、仕事と組織との関係、仕事と個人や家族の生活との関係等について、さらにいえば、仕事と個人の人生との関係をどうとらえるべきかを再考しなければならないということです。その関係性に対して、働く場所と時間を自律的に選択できるテレワークという働き方が、どのように貢献しうるのか、テレワークで何ができるのかではなく、与件としてのテレワークに基づいて、仕事と個人の生活の変革がどのように進むのかを考えなければならなくなってきました。

そこで、今回の研究発表大会では、兵庫県淡路島における株式会社パソナの取り組みを知ることで、未来の生活像の創造を見据えた議論の端緒となることを期待しています。

皆さんのご参加をお待ちしております。


第25回日本テレワーク学会研究発表大会実行委員会

実行委員長 加納郁也(兵庫県立大学)