シンポジウム

伊豆衝突帯とその隣接地域における大規模自然災害

日時

2022年8月28日(土)9:00~12:45

会場

静岡県地震防災センター ないふるホール

共催

ふじのくに地球環境史ミュージアム

主旨

伊豆弧は,フィリピン海プレートの北進に伴ない,約200~100万年前に本州へ衝突し,伊豆衝突帯が形成された.衝突は現在も続いているので,伊豆半島やその周辺には北伊豆断層帯や富士川河口断層帯などの多くの活断層があり,地殻の変形で急峻な山岳地域が形成されている.そのため,伊豆衝突帯では内陸型地震,土砂災害が頻繁に起きている.また,伊豆弧は火山弧であるため,伊豆東部火山群,富士山,箱根火山による火山災害も起きており,1989年には伊東沖で噴火が起き,手石海丘を形成した.一方,南海トラフ・駿河トラフでは約100~150 年間隔で,相模トラフでは約200~400年間隔で海溝型巨大地震が発生し,その度に大津波が南海トラフ・伊豆弧・相模トラフの沿岸域に被害をもたらした.そのため,1978年には東海地震の予知情報を基にした大規模地震対策特別措置法が制定されている.一方,2011年に起きた東北地方太平洋沖地震とそれに伴う巨大津波による激甚災害が発生し,それを教訓に,国は2012年に南海トラフで起こる海溝型地震の想定を見直し,あらゆる可能性を考慮した最大クラスのマグニチュード9程度の南海トラフ巨大地震・津波(レベル2地震・津波)の被害予測を公表した.この予測は,南海トラフ沿いの沿岸地域の社会に多大な影響を与えている.さらに,2021年に熱海市で盛土の崩落に関係した土砂災害が発生し,新たな社会問題となっている.このように伊豆衝突帯とその隣接地域は,地殻変動・火山活動が活発であり,それらの研究が2011年の東北地方太平洋沖地震以降に盛んに行われている.そこで,静岡大会では,伊豆衝突帯とその隣接地域における地震,火山活動,地殻変動,土砂災害に関する最新研究成果を学会内外の専門家から提供いただき,活動縁辺域の大規模自然災害についての理解を深めたい.

プログラム

9:00-9:10 北村晃寿(静岡大):趣旨説明

9:10-9:50 三井雄太(静岡大):宇宙測地学と伊豆・富士山周辺の地殻変動(仮)

9:50-10:30 石橋秀巳(静岡大):火山噴火におけるマグマのダイナミクスと富士山・伊豆東部火山群(仮)

10:30-10:45 休憩

10:45-11:30 藤原 治(産総研):南海トラフ東部の古津波・古地震について(仮)

11:30-12:15 今泉文寿(静岡大):土石流の発生メカニズムについて(仮)

12:15-12:30 質疑応答