写真提供:大川市
第19回九州遺伝子診断研究会に際してのご挨拶
代表世話人 佐 藤 謙 一
国際医療福祉大学 福岡保健医療学部 医学検査学科
謹啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り感謝申し上げます。
この度、第19回九州遺伝子診断研究会を2024年11月2日(土)にリファレンス駅東ビル貸会議室にて開催させていただくことになり、大変光栄なことと存じます。
これまで当研究会では、各年次の代表世話人の先生のご指導のもと、次世代シーケンサーが比較的身近な分析機器となったこと、2019年6月のがん遺伝子パネル検査の保険適用、COVID-19パンデミックなどその社会背景に応じた新しい情報を得られる機会となっておりました。前回第18回研究会では、「単一分子診断からオミックス解析へ 〜臨床検査を支える最先端技術〜」をテーマに、佐賀大学医学部 末岡榮三朗 教授のご担当により、ゲノム医療の進展に併せ今後の臨床展開が期待されている、ゲノム情報と表現型の関係を解釈するためのマルチオミクス解析技術について勉強する機会を提供いただきました。今回、研究会のテーマを「Precision medicineを支える臨床検査」としました。マルチオミクスデータがPrecision medicineの根拠となりますが、先ずはゲノム情報の利用が急速に展開されており、2023年6月には「良質かつ適切なゲノム医療を国民が安心して受けられるようにするための施策の総合的かつ計画的な推進に関する法律」が施行されたことはご存知のとおりです。今回の研究会では、特別講演(シスメックス株式会社共催)に日本大学医学部の中山智祥 教授に、臨床検査専門医そして臨床遺伝専門医のお立場から、ゲノム検査を主としたPrecision medicineへの関わりについてご講演いただきます。また、教育講演(アボットジャパン合同会社共催)では、かずさDNA研究所の糸賀栄 先生より、関連学会では継続的な課題として取り上げられているゲノム検査の精度管理について、特に遺伝学的検査に焦点を当てたお話をいただきます。病原体遺伝子検査にも触れるセッションとして企業講演(栄研化学株式会社共催)では、埼玉医科大学医学部の今井一男 先生より、近年社会的問題にもなっている梅毒検査をターゲットととして臨床検査への応用についてお話しいただく予定です。更に、一般演題4演題、企業セミナー3演題(関東化学株式会社、極東製薬工業株式会社、ロシュ・ダイアグノスティクス株式会社 共催(50音順))をプログラムしています。
文末になりますが、何分不慣れな担当者であり、至らぬ点が多々あると存じますが、本研究会を立ち上げ、継続にご尽力されてきた先生方の意志を引き継ぎ有意義な研究会となりますよう精一杯務める所存です。引き続き九州地区の臨床検査に関わる先生方の情報交換の場となりますれば幸甚と存じます。