質量分析(MS)の発展は近年特に凄まじく、巨大分子を壊すことなく測定できるソフトイオン化法の発展に伴い、低分子から高分子まで幅広く用いられる技術になってきました。ソフトイオン化法の一種であるマトリックス支援レーザー脱離イオン化法(MALDI)は、操作が簡便・データ解釈がシンプル・スループット性に優れるなどの理由から、幅広い分野で用いられています。特に身近なものはMALDI-MSによる微生物同定で、多くの医療機関の微生物検査室で導入が進んでいる技術です。
糖鎖が第三の生命鎖と呼ばれ始めて久しいですが、近年特に盛り上がりを見せています。今年から東海国立大学機構を中心とした大規模学術フロンティア事業「Human Glycome Atlas Project」がスタートしました。糖鎖はヒトのみならず、ウイルスや微生物にとっても非常に重要で、感染などの生命現象に深く関わります。本ランチョンセミナーでは、このような糖鎖のMS解析技術の発展や生体サンプルへの応用に関して話題をご提供いたします。お弁当を召し上がりながら、お気軽にお聞き下さい。