研究指導を希望する方へ

山口大学大学院創成科学研究科機械工学系専攻機械エネルギー制御工学研究室上道グループでは高専専攻科や他大学からの進学者、日本学術振興会特別研究員等を受け入れます。

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最終更新日:2024年2月19日

研究テーマのキーワード

工業熱力学,流体工学,伝熱工学,流体関連振動,

エネルギーシステム,次世代エネルギー,高性能化と高信頼性化,

モデリング&シミュレーション,実験,人工知能,最適化,インタビュー調査,

レジリエンス,サイバーフィジカルシステム,デジタルツイン,Evidenced-based policymaking

研究についての考え方

私は,生涯を通して安心・安全な暮らしと持続可能な地球環境を両立できる社会を実現するための技術システムの発展に機械工学の分野から貢献したいと思い,この仕事をしています。なかでも,エネルギーに関わる社会基盤技術の高機能化と高信頼性に寄与する研究に取り組むことにしています。この研究にあたって「多様な考え方を持つ,多様な人々に受け入れられるエネルギーシステムの実現への技術的貢献」を掲げた研究を計画しています。ここでは,エネルギーとは現代社会を生きる人々の自由度を高める効用があるものと捉えて,人間中心社会に不可欠であるという考えに立脚しています。

● 劇的に変革する社会と環境に調和するエネルギー機械システムに関する研究

日本では,超高齢化・少子化といった人口構成の変化,度重なる自然災害へのハードおよびソフト両面からの対策,高度成長期に建造したインフラの一斉老朽化,再生可能エネルギー大量導入といった短期間での大幅な社会の変革が起きつつあることは周知の事実です。一方で,環境保全のための規制や投資可能な財は,問題解決にあたっての制約条件となりうるものです。こういった状況に対して,単に技術的な視点のみから対応するのではなく,人々の生活する社会との調和を第一に,データやエビデンスに基づく議論の基盤醸成に資する研究を展開します。

特に,研究テーマとしてはエネルギー機械を含めたシステムの設計・計画をとりあげます。現在は,災害拠点病院を対象とした災害時事業継続性向上のための自家発電機器導入計画手法の提案に関する研究を行っています。一連の研究では,発動機や空調機器といった機械設備を中心としながら,蓄電池や太陽光発電パネルといった電気設備,配管などの建築設備についても包括的にモデルに取り込み,シミュレーションを通して,定量的な議論を促進することを目指しています。

デジタル社会のためのメカニクスベースモデルを用いた方法論の構築

エネルギーシステムに深い関連のある機械システムの計画・設計の分野でも,人工知能やビッグデータ解析の技術進歩がめざましい状況にあります。

しかし,こういったデータドリブン解析の導出過程は大半がブラックボックスになってしまい,実際の技術活用の意思決定をする上では扱いにくいという側面もあります。そこで,意思決定に関わる要素を「意味解釈可能な」モデル化したものとコンピュータが得意とする最適化計算を組み合わせ,人間に理解可能なシステム検討手法を提案します。

教育についての考え方

機械工学は,社会基盤の根幹を担うとても大切な技術的営みのひとつです。したがって,技術者としてのキャリアを選ぶ学生さんが多いことは私にとっては嬉しいことです。

今後,機械工学を修めた者は,機械工学基盤技術への深い理解を持つことに加えて,社会への説明責任を果たすことが期待されると思っています。

そこで,機械工学者・技術者の卵である学生さんの教育に携わる際には,以下の3つのことを身につけられる教育を念頭に置きたいと思っています。

(1)  「ものづくり」のための機械工学に関する知識とスキルを持つこと

(2)  技術に関するコミュニケーションとしての文章作成能力を高めること

(3)  質的データを読み解き,機械工学技術の深化を目指すことができること

特に理工系の学生のみなさんは「文章を書くこと」に苦手意識を持っているようですが,研究室内で「作文道場」を開き,テクニカルライティングのスキルを磨きます。