命と食が輝くスマートキャンパス」として、教育研究に関する施設設備を充実させ、生命(いのち)と食に関する総合的な教育研究拠点として朝霞キャンパスは生まれ変わりました。その一翼として、朝霞キャンパスに設置する教育研究設備及び機器の共同利用を促進することを目的とし、学内外の研究者及び研究機関との研究連携力の向上および教育研究活動の一層の発展に寄与するため、東洋大学朝霞研究機器共同利用センターとして2024年10月1日に発足しました。
朝霞キャンパスの共通実験室には14の部屋があります。
最先端の生体情報計測を可能とする装置が充実した実験室です。
新朝霞校舎共通機器室7-2(共生室)では、最先端の生体情報計測を可能とする装置が充実しています。健康状態のモニタリングや運動によるストレス負荷状態での生体計測、ヒトをセンサとして置き換えた実験等を行うことができます。例えば脳機能計測では最先端の脳波計、光トポグラフィを有しています。また、心電図、筋電図、超音波動画像装置など、実際の病院で使用される機器を有しています。加えて、連続血圧計やテレメータシステムなど、最先端の生体情報計測を可能とする装置を有しており、世界的に見ても高いレベルの研究を可能となっています。
新朝霞校舎共通機器室7-3(加工・材料分析)では、最先端の材料の加工や分析が可能です。卒業研究では、生命科学や医工学に関する高度なものづくりを体験できます。生命科学・医工学に関するさまざまな材料を扱い、最先端の研究を実施することがでます。
新朝霞校舎共通機器室7-4(有機合成)では、充実した装置類を使って安全に有機合成や高分子合成ができます。卒業研究を通して、医薬品、化粧品、農薬、ポリマー素材、電子材料など多くの産業分野に応用される材料開発に関わることができます。有機合成や高分子合成は、化学の基礎理論と実験の技術を組み合わせたものであり、こうした研究を通して問題解決能力、創造性、発想力を養うことができます。
食感・味・匂いを総合的に解析できます。二軸テクスチャーアナライザーで食品の破断や摩擦などの物理的計測をし、味分析装置・匂いセンサーで化学的分析を行います。歯で、舌で、喉で、美味しいと感じるメカニズムを探るための実験室です。
原理の異なる様々な高性能顕微鏡で生物を「観ること」に特化した実験室です。透過型,走査型顕微鏡は,ナノレベルでの生物の構造解析を可能にします。共焦点蛍光顕微鏡,全反射顕微鏡,蛍光顕微鏡は,蛍光ラベルを使ったタンパク質や生理活性物質の生体内での局在・動態の解析や基本的な観察に使われます。他にも光ピンセット顕微鏡や高性能実体顕微鏡などの各種顕微鏡やクライオトームやミクロトームなどの試料作成装置があり,多様な研究で要求される観察を支える実験室です。
主に、生化学分析をおこなう実験室です。Real Time-PCR、ウエスタンブロット、ELISAなどの蛍光・化学発光アッセイ、免疫細胞染色などを通して、分子細胞生物学的なアプローチで研究を実施することが可能です。また、フローサイトメーターによる個別細胞解析もおこなえ、生物学から医工学まで幅広い研究をカバーできる実験室となっています。
元素分析,物性分析を行う実験室です。生物を構成する様々な金属元素をppmからpptレベルで測定する装置群としてICP質量分析装置,原子吸光分光光度計,炎光光度計があり,培養細胞や生物個体から調整したサンプルの分析に対応しています。また,環境水中の汚濁の追跡調査などに使われる全有機炭素計も設置されています。物性分析機器は,熱容量を測定する示差走査熱量計,分子間相互作用を測定するBiacoreシステム,タンパク質や化合物の光学活性や構造情報を得られる円二色性分散計などが設置されています。これらの分析機器は,生命現象を支える機能性化合物の情報や栄養元素の動態などの研究で利用されています。
質量分析計による生体成分の分析を行う実験室です。生体を構成する成分は、分子量が数十のものから数十万のものまで存在します。更には高極性成分や揮発性成分が存在します。これらの成分を分析し生命を体系的に理解するためには、種々のイオン化法およびイオン分離法を用いた質量分析が必須です。
ここでは、GC/MS、ESI‐TripleQMS、ESI‐TOFMS、ESI‐Q-TOFMS、MALDI-TOFMSを設置し、低分子化合物の微量定量分析から、タンパク質や糖鎖の配列や翻訳後修飾の解析を行います。
核磁気共鳴スペクトル測定装置にて有機化合物の構造を高磁場環境下で測定する実験室です。
生命科学の各分野の研究で共通して利用される装置がまとめられた実験室です。細胞の破砕装置,乾燥・凍結試料の粉砕装置,細胞内小器官の分離に必要な超遠心機などは,各種分析に用いる試料の調整に必要な装置です。また,吸光・蛍光プレートリーダーやゲル撮影装置は,日常的に行う生育測定や電気泳動結果の確認のために多くの研究室の学生に利用されています。その他にもHPLC,UPLC,イオンクロマトグラフ,分光光度計など汎用性の高い装置がまとめて設置されています。
最先端の動物細胞の培養および解析を行うための機器や装置が設置されています。脳神経、心臓、骨格筋、皮膚などの細胞培養、細胞構造や機能解析、細胞から三次元組織を作る生体組織工学など様々な最先端研究を行うことができます。
微生物の培養,植物の組織培養のための実験室です。嫌気チャンバーや複数のインキュベーターがあり,通性好気性微生物だけでなく,特殊な環境で生育する好熱菌や嫌気微生物の植え継ぎ・培養が可能です。また,大型のジャーファーンターは機能性化合物の生産や精製に必要な微生物の大量培養に利用されています。実験室奥にある3つの気象室は,異なる温度,照度条件を設定することができ,主に植物の組織培養に対応しています。様々な培養環境を実現することで,新規機能性分子や有用分子の機能解析に必要な生物材料の準備に必要な実験室です。