PC・ネット環境・ソフトウェアについて
(人間環境デザイン学科)
はじめに
課題を自宅でも行うために,PCとインターネット(以下,ネット)環境を授業開始までに準備して下さい.
準備するPCについて
赤羽台キャンパスには,1学年が使用できる授業用PC室に加え,自習用PC室も準備しています.基幹科目である演習を中心に,基本的に対面指導を行っていますが,一部ソフトウェアの学生ライセンスを取得することで,授業期間外に課題などに取り組むことができます.また,感染症拡大などにより授業を遠隔で行う可能性があります.
先ずは,講義科目が遠隔化された場合,特にインターネット契約の時間制限が受講の妨げとならない様,通信契約状況を確認し,対策を準備して下さい.この点については,「4. インターネット環境について」を参照ください.次に,自宅での作業や演習等の遠隔化に備えて,より高性能なPCを購入する場合は,以下の各項目を参照しつつ機器を選択する様にして下さい.
自宅でも専門科目の学習をする場合,人間環境デザイン学科では,PCを文書作成や表計算だけでなく,グラフィック,製図,モデリングにも使用しますので,ある程度の性能を持つものが求められます.また,非対面授業の受講やソフトウェア(以下,ソフト)の認証,インストールやアップデートのために,高速なネット環境の準備が必要です.ここでは,以下の1~5の項目で人間環境デザイン学科での学習に推奨されるPCの仕様やネット環境の整備,ソフトウェアに関する情報を提供します.
1.PCについて
2.Windows PC選定時のガイド
3.Mac PC 選定時のガイド
4.インターネット環境について
5.ソフトウェアについて
1.PCについて
1-1 PCの性能と寿命について
PCは購入4年目頃におおむね買い替えを検討する時期になりますが,4年生の卒業研究では使用頻度もPCへの負荷も高くなると思われます.一概にはいえませんが,廉価版の場合は動作が遅くなったり,ソフトウェアのアップデートに対応できなくなったりすることも考えられます.しかしながら,ハイエンドと呼ばれる性能が良いものは,かなり高価です.無理のない範囲で,性能の良いものを購入することをお勧めします.
1-2デスクトップかノートか
デスクトップ(据え置き)とノートがあります.同じ性能であればノートの方が割高ですが,多くの学生はノートを購入しているようです.
デスクトップは持ち運びはできませんが,画面もキーボードも大きいことから,作業はノートに比べて楽です.また,ノートと違い小型化省電力化を突き詰める必要がないため余裕があり,外部接続機器の増設やメモリ増設など,後付けが容易です.
ノートは持ち運びができ,場所を選ばずに作業ができる利点があります.機種によっては,モニタとキーボードを別途購入し,接続することができますので,自宅では大きい画面で使用することも可能です.
1-3 WindowsかMacか
基本ソフト(OS)がWindowsであるPC,あるいはOSそのものを”Windows“といい, MacOSで動作するPCを”Mac“といっています.Windowsは様々な会社が製造したPC上で動作しますが,MacのPCはApple社のみが製造販売しています.以前は動作するソフトが異なりましたが,今はほとんどのソフトがどちらでも動きます.好みで選んでも問題ないと思いますが,PC室のPCがWindowsであるため,授業でのソフトウェアの操作説明はWindows版で行いますので,基本的にはWindowsを推奨します.Mac版での操作については各自でソフトウェア会社のホームページなどから情報収集するなどして確認してもらいますので,PCがあまり得意ではない人がMacを選択する場合は注意が必要です.
下1年秋で履修する必修科目「CAD演習I」で使用する製図用ソフト(CAD),AutoCADは,Mac版とWindows版で操作が一部異なります.また,一部の4年生の卒業研究で使用するCAD:SolidWorksはMacでは動作しません.
1-4 推奨するPCの仕様について
プロセッサ(CPU) :64ビットのIntelまたはAMDプロセッサ
Intel Mac または Apple Silicon Mac
*Intel Core i7,Ryzen 7以上が必要(4コア,3GHz以上)
ストレージ(HDD, SSD):512GB以上
メモリ(RAM) :8GB以上
グラフィック(GPU):4GBのRAM以上
グラフィック処理がCPUと独立しているもの(Quadro,RTX,GeForce,Radeonなど)
OS :Windows 10(64 ビット)20H2以降
macOS 11(Big Sur)以降
1-5 必要な周辺機器
マウス,Webカメラ・マイク,ヘッドフォン(ヘッドセット),USBメモリ等が必要です.特にマウス,カメラ,マイク・スピーカは必須になります.
ノートPCの場合,CADやモデリングソフトの操作はタッチパッドだけでは十分に行うことができません.必ずマウスを用意して下さい. 有線でも無線でも構いません.
非対面授業などで,カメラでリアルタイムのやりとりが必要になる場合がありますので,必ず用意して下さい.ノートPCには,マイク,カメラ,スピーカが内蔵されているものがほとんどですが,デスクトップでは別売りの場合があります.周囲への音漏れや,聞き取りやすさを考慮して,ヘッドフォンやヘッドセット(マイク付きヘッドフォン)の使用を勧めます.MacはiPhone対応のマイク付きヘッドフォンが使用可能です.
Google DriveやDropboxなどの,オンラインストレージにファイルを保存することをお勧めしますが,直接ファイルを渡す時などのために,USBメモリは一つ用意しておくと良いでしょう.コンビニでファイルを印刷する時などにも使えます.USBメモリは壊れることがあるので,重要なデータは保存しないようにしましょう.
PC本体の記憶装置の容量が足りない場合は,外付けハードディスクやSSDなどの外部記憶装置を購入し,容量の大きい動画や,あまり使わない古いファイルをそこに保存すると良いでしょう.
2.Windows PC選定時のガイド
2.Windows PC選定時のガイド
グラフィックソフトやCADが動作する仕様から,Windows PCを選定時のポイントを示します.性能がよいもの,大容量のものは,故障しない限り比較的長い年数使用できます.
2-1Windows PC選定のポイント
Windows PCには様々なメーカーの製品があります.機能や性能は機種によって異なるので,どのメーカが良いとは一概にいえませんが,一般的な印象は以下の通りです.
富士通,東芝,パナソニック,NEC,VAIOなどの大手日本メーカは家電も扱っていることから,幅広い世代やユーザを想定したサービスが特徴といえますが,グラフィックやCADソフトに適した性能のモデルはほぼありません.
デル,hp,レノボなどの海外メーカは,世界的なコンピュータメーカなので生産台数も多いことから,価格は性能に比べて比較的安いです.日本法人もあり,アフターサービスは問題ありません.デザインの方向性は,日本メーカとは少し異なります.この他に,ドスパラ,マウスコンピュータなどの日本のオリジナルメーカがあります.ラインナップは少ないですが,価格は性能に比べて安く,アフターサービスも概ね問題ありません.
2-2 プロセッサ(CPU),ストレージ(HDD, SSD),メモリ(RAM)について
これらはPCの基本的な構成品で,それぞれ会社によって呼び方が異なる場合があります.
プロセッサ(CPU)は,cerei7以上の64ビットのIntelまたはAMDプロセッサを推奨します.
ストレージは512GB以上を推奨します.OSや仮想メモリのための容量が予め必要で,ソフトウェアやグラフィック系のファイルサイズが大きくなっていることもあり,余裕を持たせた512GBを推奨します.
メモリは 8GB以上推奨となっていますが,これは下限値です.16GBなど多い方がよりスムーズに作業することができます. デスクトップは後から構成品を交換することが可能ですが,ノートは小さいサイズに作り込まれているため,ほとんどのモデルでは後から増設や交換ができませんので,購入時に注意が必要です.
2-3 OSについて
Windows のOSにはバージョンがあります.Windows 10(64 ビット)20H2以降でも動作可能なソフトもありますが,最新のWindows 11(64 ビット)を推奨します.
2-4 グラフィックについて
PCの画面表示の原理は,点描です.グラフィックソフトやCADでは,画面表示のサイズ,細かさ(解像度),1秒間に数十回画面表示を更新するための計算能力が求められます.ソフトの仕様要件には,それに特化したグラフィック処理専用の処理装置(GPU)やメモリ(VRAM)を持つPCの使用が推奨されています.ノートPCでは,グラフィック処理専用の処理装置が,通常計算を行う処理装置(CPU)やメモリ(RAM)と共用になっていることがあります.その場合は,グラフィック性能が劣ります NVIDIA社のQuadro,RTX,GeForce,AMD社のRadeonのGPUを搭載しているものを推奨します.
2-5 現在使用しているPCや中古でもそのまま使用できるか
すでに家で使用されているPC,中古のPCなどで,CADやグラフィックのソフトウェアが動作するかどうかは,実際にインストールして動作確認をしてみないと分かりません.
インストールできないこともありますが,インストールできても正しく動作せず,それによりPC自体の動作が不安定になることもあります.家族で共有しているPCなどにインストールする場合は,よく検討してから作業して下さい.必ず事前にバックアップを取り,インストール前の状態に復帰できるようにしてから新しいソフトウェアをインストールするようにして下さい.
2-6 バックアップについて
システムのバックアップ用に,外付けハードディスクやSSDの購入をお勧めします.容量は,ストレージよりも大きい必要があります.SSDより,ハードディスク(HDD)の方が長期の保管には適しています.こまめにバックアップを取っておくことをお勧めします.
2-7 その他の注意
マイクロソフト社のソフトウェアOffice(Microsoft 365)は,大学のライセンスを使用することができるのでPCといっしょに購入する必要はありません. Autodesk社のCADソフトは,学生ライセンスを取得することで,無料で利用できます.
3.Mac PC選定時のガイド
3-1 Mac選定時のポイント
Macには,グラフィックソフトやCADの要求仕様から,ノートのMacBook Air,MacBook Pro ,据え置き型のiMac,iMac Proなどが選定可能です.それぞれ,購入時に仕様を選ぶことができます. 性能がよいもの,大容量のものは,故障しない限り比較的長い年数使用できます.
3-2プロセッサ,ストレージ,メモリについて
プロセッサ(CPU)は,Intel Core i7以上あるいはApple Silicon(M1,M2)を推奨します.ストレージは512GB以上を推奨します.OSや仮想メモリのための容量が予め必要で,ソフトウェアやグラフィック系のファイルサイズが大きくなっていることもあり,余裕を持たせた512GBを推奨します
メモリは 8GB以上推奨となっていますが,これは下限値です.16GBなど多い方がよりスムーズに作業することができます. デスクトップは後から構成品を交換することが可能ですが,ノートは小さいサイズに作り込まれているため,後から増設や交換はできません.
3-3 OSについて
MacのOS,MacOSにはバージョンがあります.Big Sur(MacOS 11)以降でも概ね動作するようですが,最新のSonoma(MacOS 14)以降を推奨します.
3-4 グラフィックについて
最新の全機種で,学科で使用するソフト(Solidworksを除く)は動作するようですが,古いモデルでプロセッサとグラフィックが統合されているものは,3次元モデリングソフトや3次元CAD実行時に問題が生じる可能性があります.
3-5 現在使用しているPCでもそのまま使用できるか
すでに家で使用されているPC,中古のPCなどで,CADやグラフィックのソフトウェアが動作するかどうかは,実際にインストールして動作確認をしてみないと分かりません.
インストールできないこともありますが,インストールできても正しく動作せず,それによりPC自体の動作が不安定になることもあります.家族で共有しているPCなどにインストールする場合は,よく検討してから作業して下さい.必ず事前にバックアップを取り,インストール前の状態に復帰できるようにしてから新しいソフトウェアをインストールするようにして下さい.
3-6 バックアップについて
システムのバックアップ用に,外付けハードディスクやSSDの購入をお勧めします.容量は,PC本体のストレージよりも大きい必要があります.SSDより,ハードディスク(HDD)の方が長期の保管には適しています.Time Machineを利用してこまめにバックアップを取っておくことをお勧めします.
3-7 その他の注意
マイクロソフト社のソフトウェアOffice(Microsoft 365)は,大学のライセンスを使用することができるので購入する必要はありません. Autodesk社のCADソフトは,学生ライセンスを取得することで,無料で利用できます.
4.インターネット環境について
4.インターネット環境について
ネットに接続するには,光フレッツなどの固定回線(有線),LTE,WiMAXなどの無線回線(無線)の2種類があります.
4-1 固定回線(有線)について
電話線や光回線を引いた場所(例えば自宅)でのみで使用できます.PCとは,終端装置(ONU,モデム)と有線あるいは無線(Wi-Fi)で接続します.通信速度,通信品質ともに安定しています.月定額制で通信量には制限がありません.メディア授業では多くの通信量が必要になるため,可能であれば,光回線をお勧めします.回線が引かれていない場合は工事が必要となり,別途料金が発生します.
4-2 プロバイダについて
ネットには,サーバを介して接続する必要があります.ネットとの接続サービスを提供する事業者をプロバイダといいます.NTT東日本もプロバイダのサービス(フレッツ光)を行っていますが,so-net,@nifty,ドコモなど様々な会社があり,割引などの特典に違いがあります.
4-3 無線回線(無線)について
通信会社の電波が届く場所であればどこでも使用可能で,特別な工事は必要ありません.PCとは,Wi-Fiルータなどと無線(Wi-Fi)で接続します.据え置き型のホームルーター,持ち運びができるモバイルルーターがあります.携帯回線を使用したデータ通信(LTE)の場合は,通信速度,通信品質は,スマホとほぼ同じです.月に定められた通信量を超えると通信速度が著しく低下するため,最大の通信容量あるいは無制限の契約をする必要があります.通信大手3社の他に格安事業者のサービスもあります.
WiMAXは携帯電話とは異なる周波数で高速ですが,電波が届きにくい場合があります.こちらも最大の通信容量あるいは無制限の契約をする必要があります.
この他に,スマホをWi-Fiルータとして使用するテザリングがありますが,通信料が割高,使用中は通話ができないなど,メディア授業の受講は向かないと考えます.
4-4 ネット環境の仕様
高速で無制限で使用可能な固定回線(フレッツ光など),あるいは月30GB以上の無線回線(Wi-MAXなど).オンライン授業のためには,安定した通信を行うことができる固定回線(光回線)を推奨します.
5.ソフトウェアについて
学科の授業で使用するソフトのライセンスに関する現状をお知らせします.以下の[ ]内は使用法に関する授業を行う主な科目です. 授業はWindowsPCで行います.Macでの操作については各自でソフトウェア会社のチュートリアルを参照するなどして確認して下さい.
5-1 Microsoftのソフト [情報リテラシーI(1年春)]
Word,Excel,PowerPointが含まれるMicrosoft365(旧Office365)は,東洋大学の学生ライセンスが無償で提供されていますので入学後に各自でインストールを行って下さい.
5-2 Adobeのソフト [情報リテラシーII(1年秋)]
Photoshop,Illustratorなどが含まれるAdobe Creative Cloudは,東洋大学のライセンスがありますが,これは大学のPCでのみ有効です.自宅での作業には別途個人版の購入が必要となりますので,学生・教職員個人版(学割)で購入しておくことを推奨します.
5-3 AUTODESKのソフト [CAD演習I(1年秋)]
製図ソフト(CAD)のAutoCADは,学生ライセンスを取得すると無償で使用することができます.学生ライセンスの取得には,学生証などをAUTODESK社に送信して認証してもらう必要があります.各自でインストールを行って下さい.
AUTODESK教育機関ライセンスへのリンク
https://www.autodesk.co.jp/education/edu-software/overview?sorting=featured&page=1
5-4 Processing [デザイン工学応用(2年秋)]
ヴィジュアルデザインのためのプログラミング言語開発環境,Processingは,フリーソフトです.登録等一切不要で使用可能です.
5-5 Dassault Systemsのソフト [一部の学生が卒業研究で使用(4年)]
3次元製図ソフト(3D CAD)のSolidworksは,人間環境デザイン学科の自習ライセンス(学生ライセンス)が無償で提供されています.ライセンスを取得すれば,インストールしてサインインで使用することができます. Macでは動作しません.
Solidworks教育機関ライセンスへのリンク(英語)
https://www.solidworks.com/product/students
5-6 Rhinoceros(3Dモデリング, Robert McNeel & Associates) [CAD演習Ⅱ 2年春]
3DモデリングソフトのRhinocerosは,東洋大学のライセンスがありますが,これは大学のPCでのみ有効です.
5-7 Fusion360(3D CAD,AUTODESK)[CAD演習Ⅱ 2年春,プロダクトデザイン演習1A 3年春)
Autodesk社のライセンスを登録すれば無償で使用可能です.
5-9 その他
以下のソフトは登録等一切不要で使用できます.
・Python(汎用プログラミング言語)
・zoom(オンラインミーティング)