(実施)春期 A1 唯識思想入門

【講座目標】

唯識思想の概要を理解し、自己と世界の存在についての了解を深め、自己の生き方に何か参考になるものを会得していただきます。また、他の人に唯識思想の意義について説明できることを目指します。 

【講座趣旨】

唯識思想は、インドで5世紀頃、無著・世親らによって大成されました。それは大乗仏教全体に共通の世界観を提供しており、大乗仏教の基本的な教義を担うものとなっています。7世紀に、玄奘三蔵がこれを中国に移入し、法相宗が成立しますが、それは時を置かずに日本にも伝えられ、奈良の興福寺や薬師寺で研究されました。唯識思想には、特に意識下の末那識・阿頼耶識等の説明もあり、またその三性説(遍計所執性・依他起性・円成実性)のように、言語・認識・存在の関係に関する、現代哲学にも通じるような高度な哲学もあります。今回の講義では、この唯識思想について、「1.五位百法の分析(大乗のアビダルマ)」「2.阿頼耶識の理論」「3.三性説の哲学」という3つのテーマの下に、出来るだけわかりやすく解説したいと思っています。 

【講座期間】

15 月14日( 世界の構成要素の分析

第2回 6 11日() 阿頼耶識の理論

第3回 7 月 9 日() 三性説の哲学


【受講者からの感想】

・簡単に理解できるものでは無いですが、1000年以上前の時代にじっくりと人の認識について考えをめぐらしていたことに驚きました。

・唯識思想を理解するために、最も基本となる考え方を教えて頂きました。資料を手掛かりにこれからも理解を深めたいと思います。

・成唯識論を中心の講義であり、成唯識論を再確認することが出来ました。入門と銘打っておりますが難しかったです。 

【講座の様子】