(実施)秋期 記1 井上円了 ―哲学の展開・妖怪文化の変遷―

【講座目標】

東洋大学井上円了哲学センターは、創立者井上円了の理念承継のための教育、研究、社会連携等、井上円了に係る事業全般を一元的に管理し、より一層推進していくことを目的として2021年4 月に設置されました。

開設を記念しまして、井上円了が生涯にわたり研究し続けた「哲学」及び「妖怪」に係る講演を2 部制で行うとともに、大学関係者によるご挨拶、及び『【東洋大学創立者】旅する哲学者 井上円了』の動画上映も行います。 

【講座趣旨】

  第1部 演題「 井上円了における哲学の展開」

井上円了は東京大学文学部哲学科において、西洋哲学と仏教を含む東洋哲学を学びました。ヘーゲルの哲学に真理を見出すとともに、仏教に同じ立場の思想を発見し、哲学に仏教的視点を導入するとともに、仏教を哲学的に評価しその教理の発展の姿を明らかにしました。
円了はさらに活動主義に到達し、現実社会における奮闘を重視するのでした。そうした円了の哲学の軌跡をたどり、今日の我々に求められている生き方について考えてみたいと思います。

第2部 演題「 妖怪文化の変遷 ─ 江戸から明治へと移り行くなかで ─」

妖怪文化が大きく花開いた江戸時代は絵巻、錦絵、版本など多様なツールで妖怪が紹介されていきましたが、とりわけ木版印刷の発達によって誰もが妖怪絵などを目にする環境が生まれ、妖怪は親しみやすい存在にもなっていきました。その後、近代国家がスタートする明治時代に入ると激変する社会のなかで妖怪にも新しい潮流が生じることとなります。なかでも情報社会を牽引した新聞との出会いは妖怪に新たな生命力を与えました。このような、井上円了が生まれ、育ち、活躍した時代の妖怪文化の流れを紹介します。

【受講者からの感想】

・哲学者として、また妖怪学者としての円了先生に更に興味をもちました。またこの様な機会がありましたら参加させて頂きたいと思います。

・以前から井上円了先生に興味があり、今回の講演で更に理解を深める事が出来た。

・井上円了先生の考察の基盤及び時代背景が分かって、面白かった。 

【講座の様子】