(実施)秋期 A2 葬制儀礼と死者祈祷 -日本の諸宗教とキリスト教-

【講座目標】

葬制儀礼や死者に対する供養や祈祷は、人類の長い歴史の中で絶えることがなかった、文化の基層である。

現代社会においてもその重要性に変わりのないことを、本講座において明らかにする。 

【講座趣旨】

中里巧と山舘順は、『生命倫理事典』(大陽出版刊行)の編纂と出版に、10年以上の歳月と労力を注いできました。10年以上におよぶ編纂作業を通して延べ1000人以上の人々がこの編纂事業に

かかわり、改訂を繰り返して3冊の事典を出版しました。本事典は、日本の生命倫理学領域文献における金字塔であり、アメリカやドイツで刊行されている事典とともに、国際的に代表的な事典です。山舘は、教育者として、また、歴史家として、青年層の心理に熟知するとともに、様々なフィールドワークを行い、その歴史的視野の広さは、他の追随を許しません。本講座において山舘は、日本における葬制儀礼の歴史と現代の問題について概括します。中里は、葬制儀礼や死者供養や祈祷の精神史的意義を示すとともに、とりわけキリスト教に絞って、その歴史や意義および現代における諸問題を語ります。葬制儀礼や死者供養は、現代社会においてないがしろにされつつありますが、これは、精神史的に見れば、文化的-社会的基層の崩壊や、共同体としての社会の分裂を暗示しています。 

【講座期間】

第1回 10月 9 日(  葬制儀礼や死者に対する供養や祈祷の精神史的意義や文化的基層性を示すとともに、
            キリスト教における歴史を概観する。 

第2回 10月16日() 主に、日本における葬制儀礼や死者供養の歴史と現代の諸問題について、概括する。 

第3回 1023日() 近現代におけるキリスト教神秘主義(死者との交流・スティグマ・悪魔祓い)について、語る。 


【受講者からの感想】

・現代では、つい軽視されがちではあるけれど、歴史の中でずっと受け継がれてきた我々の心の深奥にある神秘的な気分、を例示を含めて教えていただきありがとうございます 

【講座の様子】