2025年度 第2回桶川市地域福祉ワークショップ活動報告
2025年度 第2回桶川市地域福祉ワークショップ活動報告
2025年11月15日、埼玉県桶川市の地域福祉活動センター世代間交流スペースにて第2回桶川市地域福祉ワークショップを実施しました。前回に引き続き藪長千乃先生がファシリテーターを務め、国際学部国際地域学科の藪長ゼミに所属する12名の学生がサポーターとして参加し、市民の皆さんとともに地域が抱える「困りごと」について話し合いました。本ワークショップは、桶川市の地域福祉計画の一環として、市民・学生・行政が協働しながら桶川市の「困りごと」について話し合うことで「地域で解決する」道筋を考え、共有することを目的に開催されました。
ワークショップの内容
当日は、世代や立場の異なる参加者が5つのグループに分かれ、地域で暮らす中で感じている「困りごと」について話し合いました。学生と地域住民が同じグループで意見を交わすことで、日常の中にある課題を共有し、互いの視点を知る時間となりました。
今回のワークショップでは、話し合いで挙がった困りごとを、地域の人々の力で解決する過程をロールプレイとして表現する「寸劇づくり」に取り組みました。各グループがテーマを一つ選び、解決への工夫を考えながら寸劇を作成し、発表を行いました。
【各グループのテーマ】
・グループA:市内に産婦人科がないことや高齢者サークルの減少など、医療・福祉に関する課題を取り上げ、情報発信や交通支援の必要性について考えました。
・グループB:孤立しがちな高齢者、特に男性の居場所づくりをテーマに、趣味をきっかけとした地域交流の可能性を寸劇で表現しました。
・グループC:子どもの遊び場や移動手段の不足に着目し、子育て世代が感じている不便さや行政との関わりを題材としました。
・グループD:子どもの通学時の安全をテーマに、地域との日常的なつながりが安心につながることを「子ども110番の家」を通して描きました。
・グループE:バスの運行本数が少ないことによる生活の不便さを取り上げ、地域の困りごとを共有し、声を届けることの大切さを表現しました。
学生にとっては、地域住民の「生の声」に直接触れながら地域課題を多角的に捉える学習の機会となり、地域住民にとっても若い世代と対話を重ねることで、課題を共有し新たな視点を得る時間となりました。桶川市という具体的な地域を舞台に、世代や立場を越えた交流を通して地域課題を考察する本ワークショップは、相互理解を深めるとともに、今後の地域づくりを考える上で意義のある時間になりました。
参加学生の声
「大学生という立場で参加していたため、私たちが普段考える視点とは異なる悩みや価値観が多く、とても新鮮に感じました。特に、地域での子育て環境や日常生活の利便性など、世代によって重視するポイントが大きく変わることを知り、年齢の違いが視点の違いにつながることを実感しました。」
「今回は様々な地域の問題について触れる機会がありましたが、どれも解決するためには自分で抱え込んではダメだと感じました。困った時は迷わずに身近な人に頼る、それが皆が幸せに生活するために必要な助け合いであると思います。」
居住地や世代、立場の違いによって地域課題の捉え方が大きく異なる一方で、日常生活の不便さや不安には共通点も多いことを実感する機会になりました。また、地域の当事者の声を直接聞き、対話やロールプレイを通して共有することで、大学生の立場では気づきにくい世代ごとの価値観や生活課題を理解し、地域の問題を「自分ごと」として捉え直すとともに、個人ではなくコミュニティ全体で支え合うことの重要性への理解が深まりました。
今後の展望
本ワークショップを通して、桶川市で暮らす住民と学生が世代や立場の違いを越えて交流し、地域の困りごとを共有できたことは、今後につながる大きな成果であったと考えます。医療や交通、子育て、高齢者の孤立など、日常生活に根ざした課題を寸劇というロールプレイ形式で表現したことで、課題の背景や当事者の思いを具体的に理解しやすくなり、参加者同士の共感や対話が自然に生まれました。
前回の「桶川市の魅力発見」とあわせて取り組むことで、地域の良さと課題の両面から桶川市を捉えることができ、地域理解がより立体的なものになったといえます。今後は、こうした寸劇を対話の手法として継続的に活用し、より多くの人が地域課題を自分事として考えられる場を広げていくことが期待されます。また、桶川市以外の地域でのワークショップにも展開することで、地域ごとの特性や共通課題を比較しながら学ぶ機会につながると考えます。今回の学びを一過性のものにせず、継続的な対話と関係づくりへと発展させていきたいと思います。
最後に、本ワークショップの実施にあたりご協力いただいた桶川市の皆様、参加してくださった市民の皆様や地域関係者の方々に深く感謝申し上げます。今回ワークショップに参加して得た学びが、私たち学生、そして地域の方々の両者にとって、地域の課題に目を向け、「地域で解決する」ことを具体的にイメージし、行動を起こすための背中を押すものとなることを願います。
東洋大学国際学部国際地域学科2年 佐々木藍里