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『ポリビニルピロリドン添加による天然由来成分ハイドロゲルのゾル-ゲル転移挙動の制御と力学特性の改善』
発表者 谷澤岳
共同発表者 山﨑周平、大澤重仁
生命科学研究科生体医工学専攻修士1年の谷澤岳さんが、8月24日に環太平洋大学で開催された、材料技術協会主催のInternational Student Symposium (ISS)において上記のタイトルで口頭発表を行い、見事、ゴールド賞を受賞しました。
ハイドロゲルは、医工学をはじめ幅広い分野で注目度が高い材料です。重要な物性である材料強度は、おもに化学反応による架橋によって制御することが主流ですが、本研究では分子クラウディング効果を利用する新規制御法を提案しています。
生命科学研究科博士後期課程2年(受賞時1年) の門脇伊吹さん が、2025年7月25日から27日の日程で開催された第65回日本先天異常学会学術集会にて優秀ポスター賞を受賞しました。研究課題名は、「先天的性差疾患発症におけるエピゲノム制御因子の研究」です。
今回の研究は、男女で発症率や重篤度が異なる先天性心疾患の性差形成に関与する分子メカニズムの一端を明らかにしたもので、性差医療の進展に寄与することが期待されます。
小嶋大喜さんが2025年8月29日(金)に筑波大学筑波キャンパスにおいて実施された日本農芸化学会関東支部2025年度大会にて、優秀発表賞(口頭発表部門)を受賞しました(テーマ名「グアニジニウムエクスポーター Gdx による⼤腸菌の新規 Cs+ 排出機構の発⾒ 」)。
研究では、大腸菌において未解明であったセシウム排出機構を担うグアニジニウムエクスポーターGdxの新機能を解明し、環境中の新規耐性菌探索やバイオレメディエーションへの応用可能性を示しました。今後の発展が期待されます。
学会の掲載記事はこちら:https://kanto.jsbba.or.jp/awards/yushu-2024-2-2-2.html
東洋大学生命科学部生物資源学科の3研究室(梅原研、長坂研、廣津研)は、埼玉大学理工学研究科、理化学研究所 環境資源科学研究センター、東京科学大学生命理工学院の5研究室と合同で、研究セミナーを開催しました。教員10名、学生26名が東洋大学富士見高原セミナーハウスに集い、7月25日から26日、2日間にわたって植物科学に関する研究発表と活発な意見交換を行いました。
普段は接点の少ない異分野の研究者同士が集まり、分野横断的な議論が交わされる大変有意義な機会となりました。本セミナーを通じて、今後の共同研究や学生間の学術的交流のさらなる発展が期待されます。
理工学研究科生体医工学専攻・博士後期課程3年の伊藤悠晟さんを筆頭著者とする論文がElsevierのSensors and Actuators B: Chemical誌(インパクトファクター8.4)に掲載されました。この研究は、生命科学研究科生体医工学専攻の合田達郎教授および東京科学大学の藤枝俊宜教授ほかとの共同研究によるものです。
論文のタイトルは"Battery-free wearable sensors with ion-selective electrodes embedded in passive resonant antenna circuits for wireless sweat monitoring(ワイヤレス発汗モニタリングのための受動共振アンテナ回路にイオン選択電極を組み込んだバッテリーフリーウェアラブルセンサ)"です。
本研究は、ワイヤレス・バッテリーフリーかつ高選択性・高安定性を備えた共振周波数ベースの新規イオンセンサシステムを開発し、従来の電位計測法の課題を克服することで、汗を用いたリアルタイム生体イオンモニタリング技術の進展に貢献しました。今後、日常生活の中で非侵襲かつ継続的に健康状態を把握できるウェアラブルデバイスの実現により、個別化医療や予防医療の普及を促進する可能性があります。
※論文の詳細は下記をご確認ください。
Ito, Y. et al. Battery-free wearable sensors with ion-selective electrodes embedded in passive resonant antenna circuits for wireless sweat monitoring. Sensors and Actuators B: Chemical, In press. DOI: 10.1016/j.snb.2025.138098
東洋大学大学院生命科学研究科は、2025年1月21日から23日までの3日間、大学の国際化推進の一環として、オークランド大学(ニュージーランド)のJames Patrick Fisher准教授を招聘し、国際交流イベント(第一回)を開催しました。本イベントには、本学の大学院生および学部生 延べ70名が参加し、国際的な視点での学びと交流を深めました。
Fisher准教授は、ご自身の専門分野である心血管生理学の最先端研究についてご講演くださいました。講演では、「慢性疾患における交感神経の過剰活性メカニズムと治療のターゲット」、「心血管疾患と運動が脳血管機能に及ぼす影響」、そして「運動に対する自律神経の調整」といった多岐にわたるテーマに触れ、参加した学生たちは日頃の研究活動をさらに深める上で示唆に富む貴重な機会となりました。
また、Fisher准教授は、専門外の聴衆、すなわち異なる研究分野の専門家や市井の方々に対して、ご自身の研究内容を分かりやすく効果的に伝えるための「研究発表のチップス」についてもご講演くださいました。研究者にとって、自身の成果を広く社会に発信し、理解を得ることは極めて重要です。本講演は、学術的な専門性を維持しつつも、聞き手を意識した伝達のスキルを学ぶ絶好の機会となりました。
さらに、希望者に対しては、学生個々の研究発表に関する個別指導も実施いただきました。参加学生は、日頃の研究成果についてFisher准教授から直接アドバイスを受けることで、発表内容の構成や伝え方について実践的な指導を受け、自身の研究発表能力向上に繋げることができました。
本イベントは、学生が国際的な視点に触れ、最先端の研究動向を学ぶとともに、研究成果を効果的に発信するコミュニケーション能力を磨く大変有益な機会となりました。生命科学研究科は、今後もこのような国際交流イベントを積極的に実施し、学生のグローバルな活躍を支援してまいります。
2025年3月23日に、葛西柚月さん(生命科学研究科生命科学専攻・博士前期課程2年)が公益社団法人計測自動制御学会SICE優秀学生賞を受賞しました。
公益社団法人計測自動制御学会は会員数5,000名ほどの大きな学会で、同賞は、毎年大学院博士前期課程(修士課程)修了者、4年生大学学科卒業者、2年生短期大学学科学生卒業者、ならびに工業高等専門学校学科および専攻科卒業者で人格・学業ともに優秀な学生を表彰するものです。
昨年度受賞された小池芽生さん(生命科学研究科生命科学専攻・博士後期課程1年)に続き、生命科学研究科から2年連続の受賞となりました。
葛西さんは2025年度4月より、生命科学研究科・生命科学専攻の博士後期課程に進学します。今後の研究のさらなる発展が期待されます。
優秀学生賞を受賞した葛西さん
生命科学研究科生命科学専攻・博士後期課程3年(日本学術振興会特別研究員DC2)の岡崎夏鈴さんの論文がWileyのPhysiologia Plantarum誌に掲載されました。この研究は、同専攻の梅原三貴久教授、小柴和子教授、下村講一郎名誉教授、およびアメリカ・シンシナティ・チルドレンズ・ホスピタル・メディカル・センターの片野亘博士、帝京大学の朝比奈雅志教授、柴田恭美氏との共同研究によるものです。
論文のタイトルは"Ectopic expression of LONELY GUY7 in epidermis of internodal segments for de novo shoot regeneration without phytohormone treatment in ipecac(トコンでは、植物ホルモン無処理時の茎葉再生においてLONELY GUY7遺伝子が節間切片の表皮組織で異所的に発現する)"です。トコンの節間切片では、植物ホルモンを培地に添加しなくても、茎葉再生を促進する植物ホルモン、サイトカイニンを表皮組織で自発的に合成することで茎葉を再生していることを明らかにしました。
通常、植物の組織培養では、培地に添加する植物ホルモンの最適な組み合わせや濃度が植物種や植物組織ごとに異なるため、他の植物でも植物ホルモン無処理でも茎葉再生ができるようになると農業や園芸などの場面で有用な技術になると考えられます。
【論文の詳細】Okazaki, K. et al. Ectopic expression of LONELY GUY7 in epidermis of internodal segments for de novo shoot regeneration without phytohormone treatment in ipecac. Physiol. Plant. 177(1), e70023 (2025).
掲載ホームページ:https://doi.org/10.1111/ppl.70023
生命科学研究科生命科学専攻・博士後期課程3年の小澤光莉さんが、環太平洋地域の海洋・水産学分野の権威ある国際会議であるPICES(The North Pacific Marine Science Organization) のAnnual Meeting 2024においてBest Poster Awardを受賞しました。講演タイトルは、「The intra- and inter-specific overlaps of foraging sites and diet in sympatric seabirds breed on the colonies in the Tsugaru strait, Japan」です。
このBest Poster Awardは、若手研究者によるポスター発表の研究内容、ポスターの質、質疑応答等について各国の専門家が審査し、特に優れていると判断された発表者1名に贈られます。なお、今大会では、発表要旨の事前審査に基づき、小澤光莉さんは、本会議の競争的資金であるTravel Awardも獲得しました。この度の受賞、誠におめでとうございます。
PICES HP: https://meetings.pices.int/meetings/annual/2024/pices/scope
2024年10月27日(日)に生命科学研究科の講義「科学コミュニケーション演習」の一環として、29名の大学院生がテレコムセンターで開催されたサイエンスアゴラ2024に参加しました。学生たちはいろいろなブースを見学しながら、どのようして展示者が一般の方にサイエンスの魅力をアピールしているのかを学びます。また、「機能性表示食品と上手につきあうために」というオープンスペースのセッションに参加しました。学生の中から総合司会やファシリテーターを選出し、一般参加者や他大学の学生とグループワークを行いながら食品表示制度に関する議論を積極的に交わしました。
生命科学研究科生命科学専攻・博士後期課程1年の小嶋大喜さんが、第14回国際極限環境微生物会議(Extremophiles 2024)において、ISE Young Scientist Poster Awardを受賞しました。
授賞式は、2024年9月26日にギリシャのルートラキで開催された会議の最終日に行われました。
小嶋さんの受賞研究課題は、"Stabilization of ribosomes for Cs+ resistance in high-concentration Cs+ resistant Escherichia coli strain ZX-1"(高濃度Cs+耐性大腸菌ZX-1株におけるリボソームの安定化とCs+耐性の関連性の解明)です。
今後の研究では、この知見をさらに深めることで、極限環境微生物の理解や応用分野の進展に寄与することが期待されます。
生命科学研究科生命科学専攻・博士後期課程3年の岡崎夏鈴さんが、2024年度日本植物バイオテクノロジー学会・学生奨励賞に続き、一般講演部門においても学生優秀発表を受賞しました。講演タイトルは、「トコン植物体再生初期におけるサイトカイニン生合成に関する解析」です。
この学生優秀発表賞は、学生による口頭発表の研究内容、プレゼンテーション、質疑応答の3項目について、5名の理事・代議員が審査し、特に優れていると判断された発表者に送られます。この度のダブル受賞、誠におめでとうございます。
※参考(日本植物バイオテクノロジー学会HP)
生命科学研究科生命科学専攻・博士後期課程3年の岡崎夏鈴さんが、2024年度日本植物バイオテクノロジー学会・学生奨励賞を受賞しました。2024年8月31日、東北大学川内北キャンパスで開催された第41回日本植物バイオテクロジー学会仙台大会において授賞式が行われました。同日、「切るだけで増殖可能な薬用植物トコンの不定芽形成機構に関する研究」という演題で受賞講演が行われました。
この学生奨励賞は、優れた研究を遂行し、将来の活躍が期待される当該学会の学生会員に対して贈られるものです。
この度の受賞、おめでとうございます!
※参考(日本植物バイオテクノロジー学会HP)
生命科学研究科生命科学専攻・博士後期課程1年の岡村幸輝さんと、同3年の赤羽根健生さんが、2024年3月28〜29日に三重大学において開催された日本作物学会第257回講演会において優秀発表賞(口頭部門)を受賞しました。
この優秀発表賞(口頭部門)は、講演会において優秀な口頭発表を行った若手・学生のうち5名に贈られるものです。生命科学専攻から同時に2名が受賞するという快挙を達成しました。演題は以下の通りです。
岡村幸輝さん(地球環境科学研究室 長坂征治 教授)
発表演題「根圏の鉄栄養がムギネ酸類の合成・分泌に及ぼす影響」
赤羽根健生さん(植物生理学研究室 廣津直樹 教授)
「イネの玄米収量を向上させるTGW6阻害剤の探索」
受賞おめでとうございます!
※参考(日本作物学会HP)
生命科学研究科生命科学専攻・博士後期課程2年(日本学術振興会特別研究員DC2)の赤羽根健生さんの論文がScientific Reports誌に掲載されました。この研究は、同専攻の廣津直樹教授、食環境科学専攻の加藤悦子教授、および農研機構、理化学研究所、慶應大学、東京大学、立命館大学および株式会社CRYO SHIPとの共同研究によるものです。
論文のタイトルは「THOUSAND-GRAIN WEIGHT 6, which is an IAA-glucose Hydrolase, Preferentially Recognizes the Structure of the Indole Ring(IAA-グルコースを加水分解するTHOUSAND-GRAIN WEIGHT 6はインドール環を認識する)」で、イネの収量を制御するタンパク質として知られるTGW6が植物ホルモンであるオーキシン(IAA)の配糖体を加水分解する際に、インドール環構造と相互作用して基質認識していることを明らかにしたものです。
TGW6の基質認識機構が明らかになったことにより、TGW6の特異的阻害剤の開発が加速し、迅速なイネの収量制御が可能になることが期待されます。
【論文の詳細】Akabane, T. et al. THOUSAND-GRAIN WEIGHT 6, which is an IAA-glucose hydrolase, preferentially recognizes the structure of the indole ring. Sci Rep 14, 6778 (2024). https://www.nature.com/articles/s41598-024-57506-z
図:TGW6タンパク質(クリーム色)と基質(ピンク色)の結合予測モデル
2023年11月9日(日)に生命科学研究科の講義「科学コミュニケーション演習」の一環として、12名の大学院生がテレコムセンターで開催されたサイエンスアゴラ2023に参加しました。学生たちはいろいろなブースを見学しながら、どのようして展示者が一般の方にサイエンスの魅力をアピールしているのかを学びます。また、「ゲノム医療ってなんだろう!悲しむ人をつくらないために」というセッションに参加し、一般参加者や他大学の学生と交流を深めながらゲノム医療に関する議論を積極的に交わしました。
東洋大学バイオレジリエンス研究プロジェクトのメンバー5名が、2023年11月3日から11月4日までの日程で、山東大学青島キャンパスにて開催された「山東大学・東洋大学の極限環境微生物に関する合同ワークショップ」に参加しました。本ワークショップは、双方の大学が極限環境微生物に関する知見と研究成果を共有するための重要な場でした。
参加メンバーは、シンポジウムに加え、山東大学青島キャンパス内の施設見学にも参加しました。見学では、中国屈指の研究施設であるState Key Laboratory of Microbial Technologyを訪れ、最先端の研究設備を見学させていただきました。
また、本訪問では、今後の共同研究や学生の交換プログラムに関する有意義な話し合いが行われました。このような国際的な交流は、両大学間の学術的連携を深め、将来の共同研究に繋がることが期待されます。
今回の合同ワークショップは、極限環境微生物研究の分野における両大学の協力関係を強化すると共に、学術交流の架け橋となる有意義な機会であったと言えます。
今回の合同シンポジウムの記事は、山東大学のHPにも紹介されています。山東大学HPのNEWSサイトはこちら。
生命科学研究科生命科学専攻・博士後期課程2年の赤羽根健生さんが、2023年9月14〜15日に佐賀大学において開催された日本作物学会第256回講演会において優秀発表賞(口頭部門)を受賞しました。この優秀発表賞(口頭部門)は、講演会において優秀な口頭発表を行った若手・学生に贈られるものです。
受賞対象となった発表は「TGW6の遺伝的機能喪失とオーキシンを介したデンプン代謝の関係」で、イネの収量を制御する遺伝子として知られるTGW6の機能喪失がデンプン代謝に及ぼす影響を詳細に明らかにしたものです。赤羽根さんは、日本学術振興会特別研究員としてTGW6の機能喪失を再現する阻害剤の開発研究も行っており、研究のさらなる発展が期待されます。
優秀発表賞(口頭部門)を受賞した赤羽根さん(生命科学研究科生命科学専攻・博士後期課程2年、日本学術振興会特別研究員)
2023年9月28日より生命科学研究科特設サイトを立ち上げました。